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March 15, 2006

心に梅の花一輪

DSC06930昨年の夏からずっと気になっていた問題がやっと今日片付いた。実は店の大家さんが倒産してしまったのだ。この土地は宗吾霊堂の持ち物で、借地権付の建物の所有は地元の工務店だった。私はその工務店と賃貸契約を結び住宅と店舗を借りて店を営業していた。しかしこの物件には抵当権が設定されていたので、大家さんが負債を整理するために近々競売にかけられるだろうという通知が届いたのだ。寝耳に水とはまさにこのことで、一体、私はどうしたらいいんだろう?と不安な日々が続いた。弁護士さんにも相談に行った。抵当権が付いている物件の場合、借り主の立場はとても弱く、いくら居住権を主張しても債権者には勝てないということだった。だからもし見ず知らずの人がこの物件を競売で落として立ち退きを要求された場合、私は一定の期間内に家も店も引っ越さなければならない。そして悔しいのは私に競売を落とすだけの資産もないということだ。女一人でやっている店。決して経営が安泰というわけではない。だけど私は真面目に仕事をしてきたし、年間300万もの家賃もなけなしの収入の中から毎月欠かさず払ってきた。それなのに相手方の不祥事によって好きな仕事の場から、意に反して追い立てられるなんて、どう考えたって理不尽なこと。なす術もなく休みの日にどこか安い移転先はないか探し歩いたこともある。
そんなある日、知人にこの話をしたら、兼ねてから投資物件を探していたので、利回りのいいこの物件をぜひ購入したいということになった。そしてどんどん話が進み、めでたく今日、所有権が移転し、その知人が私の新しい大家さんとなって、現状のままで新たな賃貸契約を結び、私は今までどおりこの場所で店を続けられることになった。
ここまで来るのに半年。その間、一番思ったのは私は本当に店を続けたいということだった。自分の人生にとってこの店は一つの通過地点かもしれない。だけどまだまだここで学ばなければならないことがある。それをクリアしてからでないと次へのステージに進むことは決してできないのだ。人生ってそういうものだと思う。
晴れて契約が終わってから、夕方宗吾霊堂にお参りに行ってきた。「もうしばらくやらせていただけることになりました。どうもありがとうございます」。本当に嬉しくて涙が出た。境内には梅の花が満開。今まで見たどの季節よりもキレイな梅だった。私の心の中にも今、梅の花が一輪咲いている。そして今夜は満月。何て充たされた夜だろう。当たり前に仕事ができること、当たり前にそこに住めること。それがどんなに有難いことか・・・・。一連の出来事を通して考えさせられた。

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Comments

こでまりさんありがとう。
そう言えば、最近、しみじみお話する時間がなかったですものね。今度、お家に遊びに行きますね。こでまりダーリンのいない間に?ご飯を食べながらゆっくりお話したいよ~ん。

Posted by: 風楽 | March 19, 2006 at 11:24 PM

今日久しぶりにブログを開いてみて、このことを知り、とりあえず、この半年大変な心労が続いたこととは思いますが、とりあえず安心して営業が続けられ、良かった、ほっとしました。

Posted by: こでまり | March 19, 2006 at 02:22 PM

ビオラさんありがとう。
今回の出来事は自分にとって仕事とは何か、店とは自分にとってどういうものなのかを見つめるいいきっかけになりました。ちょうどこの問題が発覚した時、親しかったオーガニックカフェをやっていた友人が店を人に譲ることになったのです。それでその友人がとても気持ちが楽になったと聞いて、私も店を辞めたら、もう少し楽になれるのかな・・・とほんのちょっと思ったことも事実です。だけど実際に予期せぬこういう出来事に遭遇すると、やはりまだやりたい!という思いの方がはるかに強かったんですね。再びご縁をいただけたので、次のステージがやってくる日まで地道にやらせていただこうと決心しました。

いちさんありがとう。
抵当権とか競売とか素人は本当に知らないことがたくさんあります。抵当権が設定されていたことも土地の謄本を取りに行って初めて知ったのでした。いい勉強になりました。
だけどやはり私にとってまだまだ仕事をしていくことは必要なんだということを、再確認できたことが何よりの収穫でした。これからもがんばりますのでどうぞよろしく!

Posted by: 風楽 | March 16, 2006 at 09:21 PM

普段忘れがちな当たり前のことにも
日々感謝して生きていかなければならないと
このブログを読んで考えさせられました。

この国の法律は弱者には本当に冷たく出来ていますが、
地道に努力なさっている店長さんを
ちゃんと見守ってくださる力がある・・・。
これは当たり前のことなのかもしれません。

だってこのお店が無くなったら悲しむ人が
沢山いますもの!


Posted by: いち | March 16, 2006 at 03:32 PM

えいこさんの穏やかな笑顔からは、そんな日々をお送りだったとは想像もできませんでした。どんなにお辛かったことでしょう。解決されて本当に良かった!でも、試練のなかで学ぶことのなんと多いことでしょうね。どんな時も誠実にひたむきに生きてらっしゃるえいこさんに、大いなるものが微笑かけない訳がありません。私も本当に嬉しいです。

Posted by: ビオラ | March 16, 2006 at 12:37 PM

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