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September 30, 2006

人参とアーモンドの全粒粉クッキー

Dsc08599昨日仕込んでおいたアイスボックスクッキーを今日、カットして焼いた。人参とアーモンドのクッキーだ。素製糖をほんの少々使っているけれど、甘さ控え目で全粒粉の風味たっぷりのクッキーだ。人参はみじん切りにして生のまま、アーモンドは軽くローストしてからみじん切りにして、それぞれ生地に中に加えて焼いた。
最近、通常の厨房仕事の合間にちょこちょこっと焼き菓子を作るのが日課のようになってきた。デザートにもお出ししながら、たくさんできた時にはレジ脇にも並べるようにしている。いつもちょっとしたお土産として買っていただけるようなものをご用意できたらと思っているのだが・・・ない時の方が多いかな。
初めて作るお菓子は本などのレシピを参考にするけれど、一度作ったら、味を見ていろいろ材料を加減していく。特に最近ではナチュラルスイーツ・・・砂糖を使わないお菓子が面白くていろいろ試作している。明日のデザートにお出しできるように、今日もクッキーを焼いた後はノンシュガーのココアパウンドも焼いておいた。厨房のコンベック(オーブン)はこのところいつもフル稼働だ。
近くに住む方が庭先のお花を手折って持ってきてくださった。花を見ているとそれだけで優しい気持ちになれるので、いつも生花をテーブルの上に飾っておきたいと思う。いただいた花を後ろに添えて、アケビの蔓で編んだカゴにクッキーを並べる。
以前住んでいた家の孔雀草は、秋桜と一緒に、毎年庭に勝手に咲いてくれる花だった。その家を出て、庭のない家に引っ越すことになった時、私が好きで植えてきたたくさんの庭の花たちを、やむなくそのまま置いていくことにした。あの庭にあった孔雀草、今年もまた咲いているのだろうか。私の植えた花たちが、あそこの家に住む誰かのために今も花を咲かせてくれているのかなと思うと、ちょっとだけほっとする。一つの花からいろいろな季節の風景を思い出す。

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September 29, 2006

砂糖・卵・乳製品を使わないカボチャタルト

Dsc08592今日の夜、料理の本をパラパラとめくっていたせいか、今日は朝からいろいろなものを作りたくて仕方なかった。金曜日は2人体制なので、あまり手のかかることはできない。だけどどうしてもカボチャのタルトが食べたくなったので、定食の支度を終わらせてから、全粒粉をこね始めた。よく「日替わりのメニューを毎日どうやって決めているのですか?」とお客様から聞かれる。もちろん月極めの献立表など私に作れるわけがない。ほとんど気分次第なのだが、一つはその時にある野菜、中でも先に使ってしまった方がいい野菜を最優先させて作れるメニューを考えること。そしてもう一つはその時に自分が食べたいものを作るようにしている。
私の場合、体が自然のリズムと仲良しなので?その季節に採れる野菜が一番食べたいと思うものだ。当然、旬の時期になると同じ野菜がずっと続く。そういう時は同じものをいかに飽きずに料理できるか・・・野菜の泥を落としながら野菜と一緒に考える。その時の助っ人になるのが雑穀や乾物類だ。組み合わせ次第で本当にいろいろなものが作れるんだなあと、お店をやっている私自身も驚いているくらいだ。
今日はデザート用にカボチャタルトを作った。バターと生クリーム、アップルリザーブをたっぷり入れたサツマイモのタルトは風楽の定番のお菓子なので、同じレシピでカボチャタルトもできる。だけど今日はバターも生クリームも卵も一切使わないでマクロ仕様のカボチャタルトを作ることにした。この前、稲刈りの後に「いっぱい手伝ってくれたから」とおかげさま農場の高柳さんの奥さんから納屋に置いてあった最後の坊ちゃんカボチャをたくさんいただいた。さすがにもう一番果ではないから、前よりも甘さは落ちるけれど、とにかく坊ちゃんカボチャは甘くて味が濃くてすごく美味しいのだ。その甘さをお伝えしたいから、砂糖も使わない。タルト地は全粒粉とメイプルシロップとなたね油で作り、フィリングはカボチャのマッシュにほんの少しだけりんごジューとシナモンを加えて作った。
華やかさにはほど遠いお菓子だけれど、素朴でカボチャの甘みが静かに伝わってくるタルトだった。小さめにカットして、今日と明日のデザートにした。ローズマリーの葉っぱに囲まれてちょっぴり恥ずかしそうだけど?可愛いタルトが焼きあがった。今度、高柳さんのお宅にもお届けしよう。

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September 28, 2006

息子がおろしてくれた魚

Dsc08587久しぶりに何の予定もなかったお休み。今日一日、何をして過ごそうかなと考えられる一日の始まりはすごく嬉しい。いつもは何をしようかと考えるより先にやらなければならないことを片付ける方に追われているからだ。
とりあえず乗り始めたばかりのプリウスに慣れるために近くを走ることにした。ずっと前のないワゴンタイプに乗っていたので、まだ車間距離や車幅の感覚がつかめないしナビの操作もおぼつかない。とってもいいお天気だったので、本当は房総辺りまで走りに行きたいところだったが、もう少し慣れてからの方がいいみたいだ。仕方なく近場でガマン?することにした。佐原まで走って小野川の近くをちょっと歩き、香取にできた「蛍」という創作和食のお店にランチに行ってきた。田んぼの中の住宅地にあって、外見は普通の住宅と同じなので、最初、目の前を通っても気が付かずに素通りしてしまったくらいだ。一日に二組限定で予約のみ。懐石風のお食事ができる店だが、すごく人気があってずっと先まで予約で埋まっているらしい。幸い私は一人だけだったので昼頃、お電話して飛び込みでカウンターに座らせていただくことができた。こういう時、一人だと気軽だ。
夕方は夏に沖縄から戻ってきた長男と一緒に買い物に行き、帰りに魚を買って帰り、夕食は息子が刺身を作り寿司を握ってくれた。秋刀魚、ヒラメ、若子(小さな鰤)、イカなど一つ一つ魚を手に取って目玉を見てエラを開き選ぶのも真剣。沖縄のホテルの居酒屋でずっと包丁を握らせてもらったので、いつのまにか魚を上手くさばけるようになった。また国内を野宿しながら旅した時にも好んで寝たのは海っぺりか川沿いだったので、毎日、飯盒でご飯を炊き魚を釣って料理していたらしい。サバイバルは得意だけれど、キレイに盛り付ける美的センスが自分には足りない・・・と嘆いていた。
私は魚を食べに行くのは好きだが、家で魚をさばいて料理することはほとんどない。たまにやってもキレイにおろせないし、みんなタタキになってしまう?のだ。だから多少センスが悪くても、家でイキのいい魚をさばいて食べられるなんてそれだけで幸せだ。美味しかったので調子にのってすごくたくさん食べて苦しい~。あっという間に休日が終わってしまった。

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September 27, 2006

料理教室基本編

Dsc08579午前中からバケツをひっくり返したような大雨が降り始め「千葉県内に大雨洪水警報が発令されました~」というアナウンスが聞こえてきた。お店も今日はガラガラ。この天気では今日の料理教室も延期した方がいいのでは・・・と思っていたのだが、2時頃から雨もやみ次第に日がさしてきた。
日中のお客様が少なかった分、料理教室の準備もスムーズに進んだ。それに今日は基本編の日。同じ内容で2回目の教室になるので、いつもよりは気持ちにゆとりがある。毎月、グルテンミート、タカキビ、豆腐、カレースパイス・・・・というようにテーマを決めて行っている料理教室。そのベースとなる玄米の炊き方や八方出汁の作り方、出汁のひき方など初心者向けの基本的な内容は、通常の教室とは別に定期的に何度も行っていくつもりだ。そこを踏まえた上で、毎月いろいろな食材を使った料理をお楽しみいただけたらと思っている。
今回、参加いただいたのは8名。これはお食事が終わってから、お客様からいただいたバジルの葉を皆さんで分けているところ。またもや実習風景の写真を撮るのを忘れてしまってガッカリ。
先日お客様からこんなメールをいただいた。
『連休には 娘が婚約者を連れて泊まりに来ました。母としては 手料理を振舞おうと がんばりました。「玄米ちらし」や「豆腐ドレッシング」「ヒジキマリネ」「穀物コーヒーゼリー」 ちゃんと出汁をひいて作った「野菜たっぷりの味噌汁」野菜のかき揚げの漬け汁も 八方だしを作って使いました。1泊だったので 自宅での食事は 2回だけだったけど 結構数少ないレパートリー総動員して 頑張ったでしょ?えいこさんの料理教室のお陰です・・・』
料理教室で作ったものをご家庭でも作っていただく。それを囲んで「美味しいねえ~」とご家族が語らう食卓。そんな風景が思い浮かぶ瞬間、ああ、やってよかったなあって本当に思う。
ちょっとした下ごしらえやアイディアで何気ないものがとても美味しくなる。決して難しいものではなく誰でも作れるもの。そんな料理教室を目指して風楽の人気メニューの作り方をどんどん公開させていただきます。次回は来週10月4日水曜日。4時から7時まで。車麩のカツや車麩の野菜ソテーなど5,6品を作りますのでよろしかったらぜひご参加ください。

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September 26, 2006

黒米粉のクッキー

Dsc08538にわとりひろばの湯浅さんから黒米粉をいただいた。無農薬で作った黒米を挽いて粉にした正真正銘の黒米粉だ。ずっと何にしようか考えて、ようやくクッキーを作ることができた。黒米と言っても結局は米粉。つまり上新粉と同じなので、その特性を生かしてクッキーにしたら美味しいだろうなあと思いレシピを考えた。お米を粉状にするのは一般のミルでは難しく粉挽き用の機械がなければできない。以前、黒米を柔らかめに炊いたものをロッククッキーの生地の中に入れて一緒に焼いたことがある。黒米独特の匂いは残ったが、ほんのりとした甘さがあってとても美味しかった。でも今回は粉状の黒米だったので、そのまま生地にできた。カシューナッツの砕いたものを入れたのだが、出来上がったものはまるでイワシのつみれみたい!あんまり可愛くないので美味しそうに見えないが?試食したらサクサクしていて上新粉ならではの香ばしいクッキーだった(ホントだよ!)。米粉はパンにしたりお菓子にしたりと、今、秘かなブームが広がっている。お米を粉にしたらもっともっとお米の需要も広がるだろう。今度はパンも作ってみよう。
昼過ぎにWWBジャパンの佐山さんが店に遊びに来てくれた。千葉市で行われていた再就職支援セミナーの講師を務めた帰りに幕張からわざわざ成田まで来てくれたのだ。店を始める時、市民バンクの融資を受けたくて、私は市民事業ビジネススクールを受講した。その時、事務局だった佐山さんと同じ年であることから、いろいろお話させていただいた。以来、先輩事業家?として講演によんでいただいたり、たまにお会いしたりしていた。でもお店に来たのは初めてのこと。今は事務局から第3世界ショップ直営のアサンテサーナカフェの店長となり、毎日、厨房に立っているそうだ。事務局と受講生という立場を超えて、同じオーガニックの仕事をする者同士として話が尽きず、昼過ぎから8時頃までずっと話し続けた。「川端さんすっかり経営者の顔になったわね~」なんて言われたけれど、私は好きなことしかしていないので経営者という実感はまるでない。
ただ店を一軒持つというのはたとえ小さな場であったとしても、自分さえその気持ちがあったら、人生で必要なこと全てをそこから学ぶことができるのだと思っている。それは店というものが等身大の自分自身の反映だからだ。自分を試されることで時にはしんどくもなるけれど、私は自分自身の変化を探っていくことが面白くて仕方ない。変化の行き着く先が経営者の顔?というのは、何となくしっくりこないような気がするけれど、これからもいい刺激をいただきながら、いつも成長し続けられる自分でいたい。佐山さんまたお会いしましょうね!

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September 25, 2006

プリウス発試乗

Dsc08551お店のお客様から車を譲っていただいた。仕事の都合で都内に引っ越すことになり(駐車場がないので)、車を手放すことにしたので、よかったらお乗りになりませんかと言っていただいた。「プリウス」という車名を聞いても車音痴の私はどんな車だかわからない。「ハイブリッドカー」と言われても「?」と首をかしげるばかり。車に詳しいレイコちゃんに聞いたら、バッテリーとガソリンの両方で動く車でどうやらすごく燃費がいいらしいということがわかった。
私はずっと軽のワンボックス車に乗っているのだが、とにかく軽にしてはたくさん荷物が積める便利な車だ。自分の家の引越しは3回とも全部、この車に荷物を積んで自分で運んだ。冷蔵庫も洗濯機もたんすも山のような本もみんな積むことができた。たださすがに走行距離も15万キロになったし燃費もかなり悪いので、車さえ見つかったら新しく乗り換えたいなあとずっと探していたところだった。でも私は車には興味がなく、ただ動いて荷物を運べればそれでいいと思っていた。車種を選ぶわけでもなく、予算もないのでただ手軽に買える車がみつかればそれでよかったのだ。
そこへこんなお話が舞い込んできたのだから驚いた。オートロックも電動窓もカーナビも・・・みんな使うのは初めてのこと。軽じゃない車に乗るのも何十年ぶりだ。こういうのを豚に真珠?と言うのだろう。何だか私が乗るのはもったいないような車だ。でもご親切にいいお話を持ってきてくださったので、ありがたくいただくことにした。
お客様の引越しに合わせて車だけ先に家の駐車場に置いておくことになった。それから諸般の手続きをして、名義変更が終わり、今日、保険も切り替えたので、晴れて車に乗ることができたのだ。
だけど慣れない車なので、一人で運転するのはちょっと心配。仕事が終わってからレイコちゃんに隣りに乗ってもらうことにして(レイコちゃんはきっともっと心配だったろう?!)、印旛沼周辺をドライブ。アクセルが軽くて音も静か。信号待ちではアイドリングストップになる?ようで、すごく乗りやすい。これなら遠出しても疲れなさそうだ。
慣れないメカの操作にオロオロしているけれど、おかげさまで今日からプリウスは私の愛車になった。これからいろんな所へ一緒に行こうね!プリウス君!

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September 24, 2006

モチキビのおはぎ

Dsc08537お彼岸にちなんで今日のデザートはおはぎを作った。風楽のおはぎはいつもモチキビを炊いて作る。モチキビは鮮やかな黄色がとてもキレイで、カルシウムはお米の2倍。ほんのりとした甘さと粘りのある美味しい雑穀だ。郡上八幡で栽培されたモチキビを湯炊きして、蒸らしが終わってからさらしに包んで小さく丸めていく。さらしをよく洗ってから今度はあんこをそこにのして、モチキビを乗せて回りを包んでいく。一つ一つ微妙に大きさが違って、とても和菓子職人にはなれそうにないけれど、ボコボコと形の揃わないおはぎが並ぶと何となく愛嬌があって可愛らしい。もちろんあんこも自家製だ。北海道産の大納言小豆を煮て素製糖で甘みをつける。でも砂糖の量はかなり控え目。ほんのりとした甘みがある優しい味のおはぎだと思う。
いつも人出が読めない店だけど、日曜日はたいてい忙しい日が多いので、それに合わせてスタッフも4人体制にしている。おはぎは作り方そのものはとても簡単なのだが、一つ一つを丸めてあんこをつけていく作業にとても時間がかかるので、スタッフの多い時でないとデザートにはできない。
近くに生えている紅葉の葉っぱを切ってきて、お皿に一枚ずつ敷いてちょこんとおはぎを乗せる。「お彼岸なので今日のデザートはモチキビのおはぎをどうぞ」と言ってお出ししたら、とても喜んでいただけた。たくさん作ってお持ち帰り用もご用意したら、全部売り切れてしまった。「デザートが美味しかったから」と言って買っていただけるなんてすごく嬉しい。
小豆を煮るときは焦げ付かないように、グツグツと煮えている鍋底を木ベラでかき回す。その度にあんこが手にはねるので「アチチッ!」と騒いでしまうのだが、手にアンを飛ばしながらも作った甲斐があった。

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September 23, 2006

ヒジキ入りのがんもどき

Dsc08532手作りがんもどきが好きだ。同じがんもどきでも一手間かけて自分で作ると売っているものとは全く違うものになる。朝、すぐに支度に取りかかれるように昨日の夕方からスノコ付きのプラスチック容器に豆腐を入れて重石を乗せ水切りしておいた。今日の具はヒジキと人参と椎茸。銀杏も入れたかったけれど、まだ落ちていなかった。
具をみじん切りして炒めてから八方出汁で軽く味付けをしておく。大和芋をすりおろし、さらにすり鉢の中でふわーっとなるまであたりを付ける。一度大和芋を鉢から出して、今度は豆腐を加えてよおくあたる。だんだん豆腐もふわふわになってくる。ここでたくさん空気を入れてあげるようなつもりであたりをつけておくと、なめらかで美味しいがんもどきになる。具と大和芋を加えてざっくり混ぜて下味をつけたら種のできあがり。
定食の注文を受けてから一つずつ平たく伸ばしてゆっくりなたね油で揚げていく。大根おろしと醤油をジュッとかけて揚げたてを食べていただいた。国産大豆で作ったお豆腐独特の甘みがふんわりと伝わってくる。今日は昼過ぎからいっきにお店が混み始め、レイコちゃんと2人黙々と仕事をし続ける。4時過ぎ。器は全部手洗いなので、流しには山のようにお皿が積み上げられていたけれど、ようやくお客様が途切れたので、2人で一息つこうと、残っていた種を全部揚げてがんもをたっぷり作って、お釜にあった最後の玄米を焼きおにぎりにしてパクパク食べた。食べたら元気になって再び片付けに入る。
今日は秋分の日。お彼岸の中日にあたる。この世とあの世が近付くお彼岸。2年前に亡くなった友人のことを思い出す。あちこちに迷惑をかけながらやりたいように生きてポッコリと逝ってしまった。でもいなくなってしまえばそんなことも笑い話。死はいろいろなものを解き放ってくれるのだということを初めて知った。残った人が幸せになること。それが故人に対して何よりの供養になるのだと聞いた時、私はその人の分まで幸せに生きようと決めた。季節の節目はいつもそんなことを再確認させられる。今夜はちょっとだけ一人で飲もうかな。

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September 22, 2006

ザータルポテトサラダ

Dsc08531植木鉢の中にお皿を入れて撮ったので、わかりにくいのだが、写真は今日作ったザータルポテトサラダ。後ろにあるビンがザータル。ザータルと呼ばれるタイムに似たハーブとレモングラス、酸味のあるシューマックなどを乾燥させてすり潰し、ゴマ、塩、オリーブオイルなどを加えてビン詰めにしたものだ。オリーブオイルやオリーブ石けんなどを日本で販売しながら、パレスチナを支援しているNGO「パレスチナオリーブ」の商品。ザータルはヨルダン川西岸のパレスチナ自治区の女性協同組合で作られているが、現在はこの地区を分断する形でイスラエルが分離壁を建設しているそうで、情勢が心配だ。
初めてザータルの香りを嗅いだ時、今まで使ってきたどのハーブとも違う、それでいて妙に懐かしい匂いだなあと思った。パレスチナではオリーブオイルと一緒にパンにつけて日常的に食べているそうだ。一度、使い始めたらこの不思議な香りはすごくクセになる。特にジャガイモとの相性は抜群で、蒸したジャガイモを玉ネギと一緒にオリーブオイルでサッと炒め、ザータルをふりかけただけで、美味しいポテトソテーができるのだ。今日はいつもとちょっと趣向を変えて、りんご酢とオリーブオイルにザータルを加えてドレッシングを作り、蒸したジャガイモとみじん切りの玉ネギを和えた。ポテトソテーと全く同じ材料なのに、作り方をちょっと変えただけで、いつもと違うザータル料理になった。この他、ピザやパスタにかけたり、ヒヨコ豆を煮る時に使うなど、トマト料理にもよく似合う。

最近、何気ない会話だけれど、人生をどう生きるかということにまで踏み込んだお話をお客様とさせていただく機会が増えてきた。私は自分の感情を偽ったり誤魔化したりすることが好きではないので、意見を求められればその時、思ったままのことをお伝えしている。私の中には、みんなと同じが一番とか、長いものには巻かれた方がいいとか、世間並み・・・とかいうモノサシはあまり存在しないので、一般的な基準に無理に自分を合わせる必要はないと思っている。だってそもそも一人一人みんな違うんだもの。みんなが同じ型で満足できるなんてこと有り得ない。むしろその型に合わせようにも合わせきれない自分というものに向き合っていった方が大変ではあるけれど自由に生きられると思うのだ。
人生の持ち時間は長いようで短い。その短い時間の中、私たちには今生で果たすべき課題が山ほど与えられている。それは大変なことだ。だけど同じ課題を果たすのであれば、楽しく自由にポジテイブに取り組めたらと思っている。起る出来事は全て自分にとって必要なことだからありがたく受け留めていきたい。
・・・今日もそんなことを二組のお客様とお話させていただく。それぞれが人生という旅の途中。人の敷いた線路の上から降りることはできるけれど、自分の人生の線路からはまだまだ降りることができない。ならば時々、「どんな具合?今、何が見えるの?」って心をわって、その時に見える風景を語り合いたい。そんな言葉を共有できる人たちとつながっていられたなら、長い旅路もはるかにラクになるだろう。私にとってもそういう時間は必要だ。

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September 21, 2006

赤ジソ寒天

Dsc08266初夏に出回っている赤ジソは梅干の中に入れるだけでなく、赤ジソジュースにして保存しておくといつでも美味しく飲むことができる。今年は夏の土用が雨ばかりで赤ジソがとても少なかった。それで今年は作りそびれてしまったなあと思っていたら、サッチーが自宅用に作った赤ジソジュースを持って来てくれた。それで作ったのがこの赤ジソ寒天。かなり濃いジュースなので倍以上に水で割って寒天だけを加えて作る。自然のものだけでできているのにこんなに鮮やかな色になるなんてとても不思議だ。
シソはジャパニーズハーブの代表的なものだが、漢字で書くと「紫蘇」。ムラサキ色で生命力を甦らせるという語源があるらしい。近年、シソの色素成分であるフラボノイドが免疫力を高め抗炎症作用があることから、花粉症やアトピーにもシソが効くと言われるようになってきた。まして疲労回復の強い味方であり血液をサラサラにしてくれるクエン酸まで入っているのだから、夏は市販のジュース代わりに美味しく飲めて夏バテ予防にもなる赤ジソジュースは優れもの。
おまけに作り方も葉を煮て砂糖とクエン酸を加えるだけでできるという簡単なもの。茎から葉を落として一度よく揉んでアクを出してから、沸騰したお湯の中で葉をゆがく。この段階では、赤かった葉っぱの色は色あせて緑色に変わり、煮汁も何だか黒っぽくてヘンな色・・・。初めて作った時、これが本当に赤ジソジュースになるのだろうか?と一瞬不安になってしまった。でもその煮汁を漉してから砂糖を加えて溶かし、最後にクエン酸を加えたらパーッと鮮やかな赤い色にみごと変身したので大感激!クエン酸重曹と並んでナチュラルクリーニングで大活躍する天然成分だが、赤ジソジュースやイチゴシロップを作る時にも発色をよくするために欠かせないものなのだ。
・・・とまあ、いくら赤ジソジュースのよさを書いても今年はもう赤ジソも終わり。ストックしてあった赤ジソジュースもこれで最後になった。来年はたっぷり作って保存しておこう。

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September 20, 2006

天川かく也 トルマリン陶器

Dsc08524今日、しもふさ学園のさをり展が終わったので、夕方、片付けて天川さんの器を並べた。天川さんからは期限を決めずに作品をお預かりしていたので、ずっと他の展示の方を優先させてしまい、中々ゆっくりと並べることができなかった。それでようやく写真を撮って展示のご案内をさせていただくことにした。
天川さんは陶歴30年以上のベテランの陶芸家。日本各地を旅して熊本県のシュバイツアー寺に出会い仏門に入った方でもある。以前は登り窯中心に仕事をされていたが、体調を崩されたのをきっかけに窯を譲り佐倉市に移転。今までの技術を元にトルマリンを含有した器を作陶するようになった。天川さんは職人のような技を持ち、器の細工一つ一つがとても丁寧で美しい。
トルマリンとはダイアモンドと同じくらいの硬さを持つ鉱石で、遠赤外線効果マイナスイオン効果があると言われており、ここ数年の健康ブームでトルマリンをお風呂に入れたり、繊維に織り込んだりする健康グッズが大人気のようだ。
天川さんはブラジル産の良質なトルマリンを使ってオリジナルの器を作ろうと試作を重ねた。トルマリンは衝撃を加え、高温処理することでより効果が高まるそうだ。そこで天川さんはトルマリンを細かく粉砕し粘土に練りこんで成形したものを高温で焼くという独自の工法を開発。以来、一つずつ丁寧に焼き上げたトルマリン鍋やポット、カップなどを作陶している。
以前、天川さんのお宅に伺ってトルマリン鍋で作ったお料理をご馳走になったことがある。お豆やご飯が圧力鍋で炊いたようにふっくらとしているのに驚いた。私もポットを二つ持っているけれど、いつもそこには水をはっておく。トルマリン効果により浄水のようなまろやかさに変化していくからだ。そして家で飲む朝、一番のコーヒーは必ずトルマリンポットに落とす。ミルを手で回して豆を挽き、丹精に作られたポットにコーヒーを落としていくのはとても贅沢な時間だ。トルマリン含有の器ほか、急須や湯のみなど、今月いっぱい展示します。よかったら見にきてください。

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September 19, 2006

おかげさま農場の稲刈り

Dsc08480前からおかげさま農場に行きたいと言っていた友達が東京からやってくるというので、高柳さんに「何か一緒に農作業をやらせていただきたいのですが・・・」とお願いしておいた。ちょうど稲刈りの真っ最中だったので、高柳さんの田んぼでお手伝いをさせていただくことになった。昨日までの雨がウソのような晴れわたった空の下、初めての稲刈りに何だか心ワクワク。足にフィットして軽くてとても動きやすい長靴をお借りして、帽子をかぶりタオルを首に巻き鎌を持って田んぼに行った。
昨日までの雨の影響で水はけの悪い田んぼは地面がぬかっていてコンバインが入れない。私と友達、そして研修生のイチカワくんの3人はそれぞれ鎌で田んぼの端の稲を刈っていった。サクサクっと気持ちよく切れる鎌だ。だけど足元がおぼつかない。ズブズブズブ・・・とあっという間に足が沈んでしまうのだ。その足を抜くために反対の足を動かすと再びズブズブに(もしかしてこれは体重に比例するのかも?)。柔らかい土の中に膝まで埋まってしまうと、それを持ち上げるだけでもかなり体力を使う。この状態で尻餅でもついたら最悪だろうな。もしかして稲を刈っている時間よりも足を抜こうとしている時間の方が長かったのかもしれないが、夕方には私たちが担当する手刈りの場所は無事に終わった。稲刈りの大変さを一度でも経験すればお米は一粒たりとも無駄にできなくなる。一緒に農作業させていただくということは、作り手の思いにほんの少しだけ近づくことができるのだと思った。_018_1

次なる作業に向かうため軽トラで移動。荷台に乗っている時、体をすり抜けていく風と、目に飛び込んでくる木々の緑が何とも心地よかった。次はレタスの定植だ。暗くなってきたけれど、長いマルチの一列分は全部植えてしまおうと3人で力を合わせてレタスの苗を植えていった。その頃には体もかなりヨロヨロになってきて、一刻も早く仕事を終えて近くの「紅小町の湯」に入ることだけをひたすら考えていた。だから全部植え終わった時には「やった~!」と飛び上がり、すぐに温泉に向かうべく車に乗り込んだ。いつも入っているお湯だけどこの時ほど紅小町の湯が気持ちいいと思ったことはない。バリバリになっていた体が温かいお湯の中でほぐされていった。そして再び高柳さんのお宅に戻り夕食をご馳走になる。太陽の下で汗水垂らして体を動かし一風呂浴びて美味しい農家さんの新米ご飯をご馳走になる。なんて健康的で贅沢な一日!今頃になって体が痛くなってきたが、きっと明日はもっと痛くなるんだろうな。だけど一日中、土に触れていられて楽しかった~!

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September 18, 2006

具だくさんのお味噌汁

Dsc08477根菜が出回り始めた。ゴボーや里芋が美味しい季節になってきた。今日はとても蒸し蒸しする一日だったけれど、コンテナに入った泥だらけの野菜たちを見ていたら、急に具沢山のお汁が飲みたくてたまらなくなった。仕事が一段落してからアリミちゃんと2人でわざわざ野菜を切って、重ね煮のお味噌汁を作った。昼食の賄いはのんびり食べられないことが多いので、時々、仕事が終わってから残りものやちょこちょこっとしたものをお皿に盛り付けて、あれこれと話ながら、のんびり食べることがある。
お汁は船越康弘さんの著作「わらのごはん」の中に出てくる野菜の重ね煮の方法で作るお味噌汁。椎茸、大根、里芋、カボチャ、玉ネギ、人参、ゴボー、・・・・を鍋の中に順番に重ねて一番上に味噌を溶いたものを乗せて弱火で煮ていくだけなのだが、この重ね煮というのは不思議は旨みを引き出す力があって、出汁を使わなくても美味しく早く野菜がほっくりと煮えるのだ。上に上がろうとする性質を持つ野菜(陰性)は下に、下に下がろうとする性質を持つ野菜(陽性)は上に重ねていくことによって、お鍋に中で「調和」が生まれ美味しさが最大限引き出されるのだという。
以前、梅崎和子さんの「陰陽調和料理で健康」という本を読んで「重ね煮」という方法を初めて知った。以来、たまに作っていたのだが、店を始めてから平たい鍋で大量に煮物をすることが多くなったので、最近は重ね煮をする機会もなくなってしまった。今日は珍しく材料をきちんと計って分量どうりの野菜を用意し、丁寧に重ねて弱火で煮込んだ。出来上がったお味噌汁はほっくりと美味しく一つ一つの野菜の味が生きていた。アリミちゃんと2人で「ああ美味しいねえ~幸せ~」なんて言いながらフーフーとお味噌汁をいただいた。店の定食はお惣菜がたくさんあるので、お汁まで具沢山のものをご用意することは時間的にも難しいが、これからの季節、時々、こういうお汁があったらきっと喜んでいただけるだろうなあ。
「わらのごはん」の本は「百姓屋敷わら」という自然食の宿をやっている船越さんのお料理の本だが、私がとても好きで大切にしている一冊でもある。特に食べ物に向き合う船越さんの姿勢がとてもすばらしい。今はご家族と共にニュージーランドで生活されて、今年の秋には帰国されるそうだが、船越さんが「わら」に戻られたら絶対に食べに行こうと思っている。


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September 17, 2006

ゴボーのコロッケ

Dsc08464ゴボーが美味しくなってきた。今日はキタカアリをふかして、ゴボーを入れた和風コロッケにした。サッチーはゴボーのささがき作り名人だから、切り方はみんな任せてしまった。一度に4本くらいのゴボーをまな板の上に並べて、片手で転がしながら次々にささがきにしていくのだ。スタッフの誰もがこの早さにはかなわない。人参と長ネギのみじん切りと一緒にゴボーを炒めて八方出汁で味をつける。蒸し上がったキタアカリをマッシュして中味を加えてさらに下味を強めにつける。ジャガイモがとても甘いので塩と醤油を多めに入れておかないと、パン粉をつけて揚げた時、甘いだけのコロッケになってしまうからだ。
そう言えば昔は肉屋さんでよくコロッケを売っていたよね・・・と作りながらみんなで話していた。ある時、近所の肉屋さんが大量に砂糖を買っているので何に使うのかとサッチーが尋ねたそうだ。その答えは意外や意外、コロッケやポテトサラダを作る時に入れるのだということだった。その話を聞いてみんなで驚いた。コロッケやポテトサラダにどうして砂糖が必要なのだろう。
私は甘いものが嫌いな方ではないが、市販されているお惣菜や料理屋さんの味付けは甘すぎると思う。甘みというのは一番早く慣れる味覚だ。そしてやっかいなことに慣れてしまうと、甘いものなしではいられなくなり、体がどんどん冷えてしまうのだ。
ケーキなどのデザートはお楽しみ(嗜好品)の部類なので、てんさい糖や粗製糖などの砂糖を控え目に使うけれど、店では基本的に料理には砂糖を使わないようにしている。酢の物などにほんの少し使う場合もなるべく羅漢果を入れるようにしている。素材本来の甘さを味わっていただきたいと思っているからだ。
店で料理をしていると、美味しい野菜には甘みがあるということに気づく。砂糖の甘さでマヒした舌には中々そういう自然の甘味を感じ取ることができないだろう。
何を隠そう、かつての私も大の甘いもの好きだったから、この仕事を始めるまではかなり甘いものを日常的に食べていた。採れたて野菜の美味しさに気が付き、徐々に甘いものを食べたくなくなってきて、ようやく体が本来のバランスを取り戻してきたようだ。だから私にとってもこの仕事は必要なことだったのだろう。

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September 16, 2006

アマランサスのはさみ揚げ

Dsc08397私の大好きなカボチャのはさみ揚げ。今日はアマランサスを炊いてはさむことにした。アマランサスは古代から南米でインディオたちが栽培してきたと言われる穀物。殻がないので脱穀せずにそのまま食べられるし(雑穀の脱穀って本当に大変!)南米では茎や葉を野菜として食べたり干してお茶にしたりしているそうだ。プチプチしている不思議な触感で、一番最初に食べた時はまるでシシャモの卵みたい?だなと思った。小麦粉に比べてたんぱく質が14倍も多く含まれ、鉄分、カルシウム、食物繊維、さらに穀類に不足しがちの必須アミノ酸リジンなども豊富に含まれている。
今回は椎茸、人参、長ネギのみじん切りを炒めて八方出汁で調味し、出汁で炊いたアマランサスを加えて具にした。カボチャのはさみ揚げは何が大変って、カボチャを同じ大きさに1組ずつ揃えて切っていくことだ。規格品ではないから、私の拙い包丁技術では同じ形のペアになるように切ることは至難の業。前に小さな坊ちゃんカボチャで作ったことがあるのだが、一個のカボチャからほんの少ししかはさみ揚げが作れなかった。
カボチャから具が飛び出ないように小麦粉をふるってから、具をはさみ、溶き小麦粉とパン粉をつけてさらにしっかりとおさえておく。作るのに手間がかかった分だけ、揚げたてはほんのり甘いカボチャと、まるで魚のすり身のようなトロリとしたアマランサスが溶け合ってすごく美味しいのだ。私はソースよりも塩で食べるのが好き。
雨でずっと延び延びになっていた多古米の稲刈りの取材に、夕方ようやく行くことができた。明日からまたお天気が崩れそうなので、何としても今日の明るいうちに写真を撮りたかった。助っ人に入ってくれた不慣れなアイちゃんを一人店に残して、3時頃私は取材に出かける。無茶は承知の上。でも私が安心して店を抜けられる体制をきちんと作っていかない限り、いつまでもハラハラしながら出かけることになる。今後の課題だろう。
多古の農家さんがコンバインで稲刈りをしている田んぼの回りを、お孫さんたちが虫を追いかけながら走り回って遊んでいた。小さい時から毎年こんな光景を見ながら、おじいちゃんが作ってくれたお米を食べて育つ子供たち。賑やかで幸せそうな食卓が目に浮かぶ。

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September 15, 2006

冬瓜ポンチ

Dsc08394毎年、夏から秋にかけて必ず作るメニューがある。それが冬瓜ポンチだ。お出しする時に「デザートの冬瓜ポンチです」と言うと「えっ?トウガンポンチ?!」と初めての方はたいてい驚かれる。今年は冬瓜が手に入らなかったのでずっと作れなかったのだが、先週、にわとりひろばの湯浅さんから冬瓜をいただいたので、さっそく作ってみた。ただ冬瓜はカットした後、あまり長く保存できないので、思い切って丸々全部を使ってしまったら、さすがにスゴイ量で今週はデザートがずっと冬瓜ウィークになってしまった。
皮をむいた冬瓜をサイの目切りにするのだが、大きな冬瓜だったのでレイコちゃんは黙々と切り続け、全部カットするのにほぼ一時間。「冬瓜を小さく切っていくのは修業ですねえ~」なんて言っていた。カットした冬瓜に水を加えず素製糖(または果物の缶詰のシロップ)でコトコトと煮ていくと冬瓜から水分が出てくる。仕上げにコアントローを数滴。あとはミカンやパイナップルなどの缶詰を加えて出来上がり。水を加えていないので1週間くらいは冷蔵庫で保存できる。
冬瓜はかつお出汁で煮るとトロリとしてとても美味しいのだが、そのバカでかさと重たさでご家庭ではけっこう敬遠されがちな野菜のようだ。でも召し上がってくださったお客様から、これを作るために久しぶりに冬瓜を買った・・・なんてお聞きすると冬瓜の消費に少しは貢献できているのかも?。
久しぶりにさわやかな秋晴れ。今日みたいな日にどこかへドライブできたらサイコーだろうな。明日が運動会という学校もたくさんありそうだけれど、前日にもち米をうるかせて、果物やお菓子を買っておかずは何にしようかと迷っていた頃が懐かしい。

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September 14, 2006

体ケアの一日

Dsc08389朝、雨で予定していた農家さんの取材が中止になった。このところのハードスケジュールでかなり疲れていたので、予想外の時間ができて正直ほっとした。今日はこのまま私の体を労わる日にしよう。そう思って公民館のヨガ教室の見学に行く。今、やっているスポーツクラブのヨガクラス以外でも参加できる場所がほしかったからだ。とても穏やかなヨガクラスでストレッチのように体を気持ちよく伸ばすことができた。時間がある時に時々行けたらいいな。
その後は郵便局、市役所、銀行などで細かな用事を済ませて、私の好きな「手仕事 膳所 いち川」へ食事に行った。成田の中では一番美味しいと思う店だ。いつ来てもいっぱいなのだが、今日はあいにくのお天気だったので席が空いていた。作り手が素材を愛し、丁寧に思いをこめて料理されたお食事をいただくと本当にほっとする。「いただきます」と思わず手を合わせてしまう。
それから足マッサージに行って疲れた足をほぐしてもらう。うーんかなり凝っているなあ・・・。私は仕事が本当に好きだから、かなりハードなことでもワクワクしていれば疲れを忘れてやり続けてしまう。踏ん張りもきく方だと思う。そうやって動いてしまう自分をとめることはできない。だからこそ、がんばった分、一区切りついて一人になった時には体をケアしてあげようと思う。大切なのは緊張と弛緩のバランスだ。
夕方、家に帰ってバスタブにお湯を入れてアロマオイルをたらしたぬるめのお風呂にゆっくり浸かる。ずっとシャワーだったのでほっとする。暗くならないうちにお風呂に入れるなんてそれだけでいい気持ち。頭もからっぽにして体ケアのためのいい時間になった。これで体をリセットして明日からまた元気に働けそうだ。

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September 13, 2006

今日の料理教室は豆腐料理特集 

Dsc08384今日は料理教室。ずっと忙しくてレシピをまとめる時間がなかったので、今朝になってもまだキチンと材料が割り出せずにうんうんと唸っていた。ようやく完成したレシピをコピーしに行きがてら、生活クラブ生協成田デポーで豆腐を12丁ほど買い占めてきた。国産大豆で凝固剤はにがりのみを使い、消泡剤やその他の凝固剤などの添加物は一切使わずに作られた美味しい豆腐だ。
毎回料理教室では何かテーマを決めているのだが、今回は豆腐料理特集。考えたメニューは豆腐チーズケーキ(卵も乳製品も砂糖も一切使わずに作るマクロ仕様のもの)、手作りがんもどき、タカキビの麻婆豆腐、ヒジキと人参の味噌白和え、お豆とトマトの豆腐ドレッシングサラダの5品。豆腐は美味しくてヘルシーな素材だけれど、全てのメニューを豆腐で作るとなると味のバリエーションが必要なので、何を作ろうかと最後まで悩んだ。それにレシピのための計量も必要なので、厨房の仕事の合間に分量を量りながら味見をしていった。
でも苦労しただけあって?今回のメニューは今までの中でも一番よかったのではないかと思うほど、バラエティに富んで美味しくできた。何より嬉しかったのは参加された方から「豆腐で作るドレッシングなんて初めて。美味しいわ~」「揚げたてのがんもどきってサイコー~!」「こんなに美味しいのにこんなに簡単にできるなんてスゴイ!」etcという驚きと喜びの声をたくさんいただけたこと。せっかく習っても難しくて作れそうにない・・・なんていう料理教室にはしたくない。身近な材料で簡単にできて意外性があって、そして何より美味しいものがいい。
参加された方にはいつも厨房に入っていただいて、目の前でレシピに従って私の作る過程を見ていただいている。スムーズに進行できるように材料をあらかじめ切ったり、調味液も計って合わせておいたりと下準備をしておくのだが、料理の実況中継?は思ったよりも緊張する。今回はキャンセルがあって参加者は8名だったが、がんもどきを揚げるのに意外と時間がかかったので、このくらいがちょうどいい人数だったかなと思う。
本当は厨房の様子の写真をアップしたいのだが、いつもゆとりがなくて撮れない。やっとワンプレートに盛り付けて皆さんに食べていただく段階になってカメラの存在に気が付く始末。今回もまた料理教室らしくない?普通のお食事風景になってしまった。
*次回は9月27日(水)に基本編を行います。テーマを決めて行う料理教室の方は10月の第一週目あたりを予定しています。いずれも時間は4時から7時まで。日程が決まり次第お知らせしますのでよろしかったらぜひご参加くださいね!

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September 12, 2006

ロハスなカフェでロハスの取材

Dsc08376夜中からほとんど寝られない状態で朝になってしまった。眠い~!濃い目のコーヒーを入れて目を覚まし出かける支度をした。待ち合わせは10時に表参道。今回は畑ではなく都会の真ん中での取材だ。ロハスプロデューサーのイデトシカズさんの著作「いきいきロハスライフ!のすごし方」についてのお話を伺う。若者たちにロハスを知ってもらうために写真やイラストを多くし、文章を簡潔にまとめたロハスの入門書だ。イデさんもお忙しく、私も先週からずっと忙しかったので、お互いの時間が全く合わず今日が取材で今日が原稿の締め切りというハードな日程になってしまった。
アメリカが物質文明にNOと唱え、自己啓発や精神世界への探求と共にシンプルライフを模索し始めた頃、イデさんはエンジニアとして渡米し14年間サンフランシスコで暮らしたそうだ。
私はアジアばかりでアメリカには一度も行ったことがないが、ヒッピーの生活にはすごく懐かしいものを感じる。昨日スーザンも自分のことを「オールドヒッピー」だと言っていたけれど、すごくそれがよくわかって「Me too!」と思わず同調してしまった。私はヒッピー文化の洗礼を受けた世代ではないがハートはヒッピーなのだ。多分。
時代は流れ、当時よりもはるかに情報が蔓延しモノの価値は下がり、消費文化は決して下火になったとは思えない。だけど確かに今、ロハス的な視点を持って、自分なりに環境のことを考えながら気持ちよく暮らしていくことを選ぶ人たちが増えてきたような気がする。
イデさん曰く「究極のロハス」とは「自分の価値観で選択すること」だと言う。今までどんな説明を受けてもロハスという言葉がしっくりと自分に響かなかったのだが、その一言ですごくスッキリした。要はその選択の基準というものを溢れ返る情報に踊らされながら鵜呑みにするのか、自分の感性や体感覚に忠実に問いかけていくのかという違いなのだろう。
PURE CAFE」というロハスなカフェでモーニングのマフィンセットをいただきながら、私は自分なりのロハスのモノサシが体の中にちゃんと存在しているのだなと確信できた。それは日々自然に近い生活をし、無農薬野菜たちに触れ食べ物を作る仕事をさせていただいているからだろう。
せっかく東京に行ったのだから好きな店にも寄りたかったが、スタッフもいないので大急ぎで店に帰り、夕方から夜までずっと原稿を書いて過ごす。昨日の余韻を味わいたくてもパソコンの前から離れなれない。BGMのスーザンのCDから流れてくる歌声にしばし心奪われ、思わずキーボードを打つ手が止まってしまうのだが・・・。

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September 11, 2006

最高に素敵だったスーザンオズボーンの集い

Dsc08372都内のホテルへスーザンをお送りして店に帰ってきたのは12時半。午前2時。このブログを書き終えたらようやく私の長かった一日が終わる。8月末にスーザンの集いを開催できることが急きょ決まって以来、申し込まれた30名の方たちと共に今日という日を心待ちにしていた。昨日から仕込みに取りかかり目処を立ててから、今日の昼過ぎには店を出てスーザンの待つホテルへと向かった。ロビーでスーザンの姿を見つけた瞬間、嬉しくなってスーザンに駆け寄るとスーザンも「エイコさーん!」と言ってハグをしてくれた。
最初はスーザンのトークから始まった。前回の集いから2年の間、ほとんど歌うことなく、花に魅せられて花の写真を撮り続けてきたと言う。スーザンが心で撮影した花の写真を店内に飾りながら、スーザンが出会った美しい桜の花の話を聞く。そしてピアノの弾き語り。お客様からのリクエストや質問に答えていくうちに、会場の雰囲気が少しずつ変化していった。一曲歌う度にスーザンはお客様の気に感応して声が高まり広がっていく。それを聴いていた観客の方もスーザンの歌声に引き込まれていく・・・といういいエネルギー循環が繰り返されていったのだ。そしてスーザンの中から本当に「歌いたい」という気持ちが溢れ出て来た時、会場の空気が変わった。
その後、テーブルにたくさんのご馳走を並べて皆さんと共に楽しいパーティ。スタッフも同じフロアでお食事をいただいた。CDや写真にサインをしてもらいながらそれぞれがスーザンと交流を深めた。最後はスーザンから平和の灯が皆に回されてミツロウキャンドルが温かく灯った。全員が輪になってのキャンドルサービスだ。今回は私の希望でスーザンが最後に「アヴェマリア」を歌った後、電気をつけず拍手もせずにそのまま静かに解散させていただくことにした。平和への思いとたくさんの愛を皆さんの胸に抱きながら、そのままそれぞれの生活に帰っていただきたかったからだ。
帰りの車の中でスーザンと話した。スーザンは歌手であるけれど、ただ歌うことだけが目的ではなく、人生を心からエンジョイすること、そして愛を持って生きることの素晴らしさを伝えていくために歌を歌っているのではないか。そしてささやかながらそういう場をお創りさせていただくことが私のお役目なのかもしれないとふっと思った。スーザンと私の間に言葉の壁はあるけれど、お互いのハートでそういうことを確認し合うことができたような気がして嬉しかった。
ドライバーをやってくれたケムちゃん、ワゴン車を貸してくれたアリミちゃん、通訳をやってくれたヒデミちゃん、私が送迎で留守の間、準備を進めてくれたレイコちゃん、差し入れを作って参加してくれたサッチー、そして心に響く愛の歌声を届けてくれた親愛なるスーザンオズボーン・・・誰一人欠けても今日という日は成り立たなかっただろう。素敵な一日に感謝。

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September 10, 2006

朝からお弁当を作り夜はお食事会

Dsc08362親しくさせていただいているあいりん堂さんから朝8時半にお弁当を作ってと頼まれた。通常であればお受けしない時間だが、私一人でできる数だったから朝7時から厨房に下りて一人でお弁当を作り始めた。写真は今日のお弁当。使った野菜は14種類。こういう仕事をしているととにかく野菜がたっぷり食べられるので嬉しい。その後、明日に迫ったスーザンオズボーンの集いのパーティメニューの準備に取りかかる。ほうれん草とチーズのキッシュを3台焼き、青大豆と黒豆と大正金時豆をバラバラに煮て香味野菜をみじん切りにしてビーンズマリネを仕込む。キッシュを焼いた後のオーブンにチョコレートブラウニーを8本入れたら9時半。それから通常の定食の支度にかかった。イベントの前でテンションが高くなっているせいか?けっこうサクサクっと仕事が片付いていく。
そうこうしているうちにあいりん堂さんから、夜に自然農法成田生産組合の農家さんたちと食事をしたいので用意してほしいという電話をいただく。今日は組合で主催する自然農の勉強会の日だったので、店でその打ち上げを兼ねたお食事会をしたいということだった。明日の準備もあるのでできるかなあと一瞬、心配になったけれど、前からお近づきになりたいと思っていた農家さんたちだったので、お受けさせていただくことにした。
この自然農法の会は岡田茂吉さんが提唱するMOA農法から枝分かれした完全無農薬、無化学肥料で野菜を作っている組合だ。店で使っている無農薬野菜のおかげさま農場の栽培方法と大きく違うのは家畜糞などから作った堆肥を畑に入れず収穫された野菜の残渣のみを加えているという点だ。その野菜は虫がつきにくく、ビタミンやミネラルが豊富に含まれているそうだ。もう何年も前になるが一度勉強会に私も参加させていただいた。不耕起栽培で「自然農」を実践している川口由一さんともまた異なる栽培方法だ。
一口に無農薬野菜と言ってもその考え方や栽培方法は様々だ。それぞれの方法に得手不得手もあるから一概にコレが一番とは判断しがたい。でもここ北総地域に有機農業を実践している農家さんが実にたくさんいるというのは事実だ。その方たちのお話をまとめて一冊の本を出版することが私の次の目標でもある。
今日も早朝から夜まで長丁場の仕事になってしまったが、いよいよ明日はスーザンオズボーンの集い。2年ぶりに会うスーザンからどんなメッセージが届けられるのだろうか。来て下さった方たちとたくさんの愛を分かち合うことができますように!

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September 09, 2006

サラダの上にイモ天ふたつ

Dsc08359このちょっと不思議な組み合わせのサラダはお店の定食ではなく、私の今夜の夕飯。今日の店のサラダは大根、人参、ピーマン、キュウリ、玉ネギを細いせん切りにして、キンキンに冷やして、炊いた粒そばを加えた醤油ドレッシングを上からかけたもの。そしてメインのお皿の付け合せ用に新サツマイモの天ぷらを作った。それぞれがほんのちょっとずつ残ったので、サラダとイモ天を一皿に盛りつけ私用のお惣菜にしたというわけ。
イモ天の色が渋い?のは衣の中に四万十川の青のりを刻んで入れたから。最後の清流と呼ばれる四万十川産の青のりだ。ミネラル豊富な室戸海洋深層水と太陽による光合成だけで成長していった四万十の青のりを初めて見た時、正直なところ「コレが青のりなの?」と驚いた。ノリの繊維が棒状で細く薄くまるで布のようにつながっていたからだ。だけど磯の香りたっぷりで何とも味わい深い青のりなのだ。慣れないうちはその形状に戸惑い使いにくさを感じたが、軽くあぶってご飯にのせてもいいし、もちろんお好み焼きや焼きソバにも刻んで使うことができる。意外なことに青のりはカルシウムとビタミンAがたっぷり。積極的に採りたい食材の一つだ。今日はその四万十の青のりを細かく刻んで塩と一緒に衣の中に加えて天ぷらにした。磯の香りと塩味でいつものイモ天がなんだか懐かしい感じのするお惣菜に変身してしまった。
昨年、野宿をしながら日本を一周した長男は四万十川をえらく気に入って、誰もいない川原にテントを張って毎日魚を捕りながら1週間ほど停留していた。夜に二つ並んだ光る玉を見つけ(それは間違いなくエビだから)そおっと近づいて捕まえたこと、日中は水着を着て岩を枕に清流の中で本を読んでいたが、じっとしているとたくさんの魚たちが体を突きに寄ってきてくすぐったかったこと。近くに住む見ず知らずの方がお盆の時にお宅に招いて下さり、ご馳走をいただいたこと・・・・四万十は息子に豊かな経験をさせてくれた土地だ。
以来、行ったこともないのに四万十がすごく身近な場所に感じるようになった。だからこの青のりも売っているの見つけると(決して安い青のりではないけれど)ついつい欲しくなってしまうのだ。いつか四万十を訪れ、そのお宅の方にお礼が言えたらと思っている。

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September 08, 2006

グルテンミートのトマトソース

Dsc08355グルテンミートのカツは手軽に作れるしとても美味しいので、メインのお惣菜メニューの中でも定番中の定番になっている。でも毎回、飽きがこないようにソースを様々な味にアレンジするようにしている。例えば粒ソバの実を炊いて味噌カツ風にしたり、丸麦を入れた生姜あんにしたり・・・。
今日はその中でも私の一番好きなトマトソースを作った。いつもはトマトの水煮缶を使うのだが、今日はトマトがたくさんあったので生のトマトの皮をむいて加えることにした。にんにくや玉ネギのみじん切りの他、あればパセリやセロリも入れる。オリーブオイルで具を炒めてからトマトと一緒にグツグツと煮込む。仕上げにドライハーブを少々。個人的に私はあまり香辛料の強すぎるものが好きではないので、使うハーブもほんのりと香る程度。もうそろそろトマトも終わりなので、農家さんから熟しすぎたハネダシを分けていただけるとトマトソースを作るのに重宝する。やっぱり生のトマトで作ると香りもいい。トマトの酸味がサクサクしたカツの衣とピッタリで、お店で出すと知らない方は「チキンカツみたいで美味しい~」と驚かれる。
いよいよ来週(9月11日)に迫ったスーザンオズボーンの集いの時のメニューを目下思案中。当日、店は2時まで通常の営業をしているので、明日中に買い物に行って日曜日から仕込みを始めないと間に合わない。集いのパーティメニューは30人分。10種類くらいは作りたい。すぐにお出しできて、まとめてたくさん作れて、なおかつ作りおきできるもの・・・何がいいかな。久しぶりにキッシュを焼こう、ビーンズマリネを作ろう、冷めても美味しいから玄米ちらし寿しもいいな。煮物も欲しいなあ・・・なんてあれこれ考えているのはとても楽しい。スーザンもオーガニックの和食がとてもお好きで、前回もすごく喜んでいただいて、ホテルで食べたいからとお持ち帰り用もパックにお詰めした。「美味しい!」と参加された方たちの喜ぶお顔を思い浮かべながら、すでに頭の中は集いのことでいっぱい!

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September 07, 2006

バオバブの木

047_47_0001昨日、今日と2日間のお休みをもらった。とにかくこのところ仕事がずっと忙しかったし、スタッフの手配がつかなかったりで、私自身へのしわ寄せがかなり来ていた。自分の店だから自分が一番大変な部分を請け負うのは当然なのだが、いい仕事をするためにも息抜きは必要だ。その一つが私にとっては旅だ。今回はほとんど時間がなかったので遠出もできず、上京してきた友達と近くの温泉に行ったり道の駅で買い物をしたり手打ち蕎麦を食べに行ったり・・・と、遠くに行かず近場でのんびりと過ごした。ただそれだけのことでも久しぶりだったので、ちょっとした旅気分になったのだが。
旅と言えば忘れられない思い出がある。ちょうど2年前に行ったマダガスカル。いろいろな場所に行ったけれど私にとっては旅の原点とも言えるような時間となった。小さい頃「星の王子さま」を読んで以来、王子さまの星を占領してしまうくらい大きなバオバブの木って一体どんな木なんだろう?見てみたいな・・・・とずっと思っていた。ちょうどその頃、マダガスカル航空がバンコク乗り入れを開始し、チケットも案外安いというニュースを聞いたので、どうせ買い付けでバンコクまで行くのだから、その足でマダガスカルにも足を伸ばすことにしたのだ。ようやく店の体制も何とか整ってきた所だった。酒々井にお店があった頃は買い付けをしながら東南アジア各国を旅して歩いた。一人だけでやっている店だったから買い付けの間は店を閉めて気ままに貧乏旅行ができたのだ。だけど今の店に移転してからは忙しくて買い付けのためだけにタイに行ってトンボ帰りを繰り返していたので、私は無性に旅に出たくなったのだ。
往復航空券以外何も用意せず、その場で出会った人たちに身振り手振りでいろいろなことを頼みながら予定をたてた。死者を墓から出して新しい衣に替えていく「ファマデイファナ」という現地の祭りに参列させてもらったり、夜明け前、イカ釣り用のカヌーに乗せてもらって日の出を見たり、石炭を積む帆船に乗せてもらって海をクルージング?したり、マングローブで泳いだり・・・と何もかもがいわゆる観光とはほど遠い、ローカルな体験をすることができた。この写真は「バオバブ街道」という素敵な名前の並木道?。想像していたよりもずっと大きくて存在感のある木で、初めて見た時は思わず歓声をあげてしまった。夕陽が落ちるまでずっとそこにいたのを昨日のことのように思い出す。
旅をしながら撮りためた写真がたくさんあるので、これからも時々ブログでご紹介していきますね。

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September 05, 2006

菜っ葉の和え物

Dsc08353久しぶりに菜っ葉を食べた。基本的に定食にはいつも青ものをお付けするようにしているのだが、夏の間はホウレン草や小松菜などの菜っ葉類がないから、モロヘイヤやオクラ、ゴーヤなどを菜っ葉の代わりに使うようにしている。今日使ったのは大根の間引き菜。大根を種まきした後、芽が出てきたら一本だけ残してあとは間引していく。今、間引きされている大根は10月頃に出荷される分だ。間引いた菜っ葉は柔らかいのでとても美味しい。菜っ葉の種類はたくさんあるけれど、今の時期に採れる露地の青菜は本当に少ないので、久しぶりに菜っ葉をお惣菜に使うことができた。
菜っ葉と一緒に和えたものは椎茸。店では八方出汁を定期的に作って、煮物や和え物など料理のベースに使っている。醤油、みりん、かつお節の厚削り、干し椎茸、昆布を一晩つけておいて、次の日、人煮たちさせてから、瓶に保存したものだ。その時に使い終わった椎茸や昆布(つまりダシガラ)を取り出し、お酒で煮て水分を飛ばしてそれもまた保存しておく。煮物に加えたり、和え物にしたり、混ぜご飯の中に入れたりとまだまだ充分美味しくいただけるからだ。今日はその椎茸を使った。久しぶりに歯ごたえのある菜っ葉を食べたら美味しかった。今日は暑かったけれどもう季節はすっかり秋になっているから、体はだんだんと根菜や菜っ葉やサツマイモなどが食べたくなってきているようだ。
昨日は一人で大忙しだったのだが、今日は暑かったせいかお店はすごくヒマだった。人の波って本当に読めないものだ。私は明日、明後日と久しぶりに2日間のお休みを取ることにした。やっぱり連休だと嬉しい。今夜から友達の所でのんびり過ごして来る予定。*明日のブログはお休みさせていただきます。

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September 04, 2006

さをり織りの展示会

Dsc08351只今、風楽で展示しているのはしもふさ学園「おしゃれ工房青山」の皆さんが作った手織りの商品だ。しもふさ学園は成田市内にある知的障がいを持った人たちの施設で、農業や養鶏、機織などの作業をしながら生活している。織りは城みさをさんが提唱している「さをり」と呼ばれる手法を取り入れている。さをりでは誰にでも織れる独自の織り機を考案していて、とにかく感じるままに自由な発想で楽しく織ることを大切にしている。
ある時、創始者の城みさをさんが織った布の縦糸が抜けていたそうだ。でもその布はとても面白い表情をしていた。一般的に言ったら傷ものの布なのかもしれないが、それを傷と見るか面白さと見るかでとらえ方も変わってくるのだろう。そういう考え方が根底にあるので、出来上がった織り布はどこか無骨だったり、素朴であたたかい感じがしたり・・・と楽しい作品ばかり。入所者の織った布をボランテイアさんがその持ち味を残したまま、縫製してベストに仕立てたり、ポーチを作ったりしている。今年で3回目になるが毎回可愛い作品でいっぱいだ。展示は20日まで。よかったらぜひどうぞ。
今日はスタッフの都合がどうしてもつかずに午後から店は私一人になってしまった。「やりたいことは一人でもやる。やりたくないことは一人でもやめる」という覚悟はとおの昔にできているつもりだったけど、いざ一人になってみると、本当に大変で、お食事作りと運ぶこと、レジ打ちと下げること・・・をいっぺんにやらなければならずけっこうアタフタしてしまった。体が二つ欲しい・・・と何度思ったことだろう。祭りの後の静けさ・・・なんて味わうヒマもない一日になってしまった。

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September 03, 2006

店頭が大賑わい!

Dsc08348お待夜祭2日目の今日。夕方までガラガラだった店頭が日の沈んだ頃から、急に賑わい始めた。おまけに表に用意したキャンプ用のテーブル3組だけでは席が足りなくなってしまって、急きょ店内の椅子とテーブルまで外に持ち出した。表に出てみると、一体ここはどこなのだろう?と驚くくらいビッシリとお客さまが座っていらした。こんなに賑やかな店頭はお祭り始まって以来初めて。ブログには祭りらしく山車の写真をアップしようと撮っておいたのだが、こんなにたくさんの人で埋め尽くされた店の前を見ることはめったにないので、記念に?こちらの写真をアップすることにした。
なんだか写真を見ていたらバンコクを思い出してしまった。バックパッカーのたまり場であるカオサン通りは夜になるとカフェに旅行者が集まって夜遅くまで飲み明かしている。店内にも席はあるのだが、タイは暑いのでテラス席の方が圧倒的に人気があって、所狭しと並んでいるテーブルはいつもいっぱいだ。テラスの前は歩行者天国で人が行き交い屋台が並ぶ賑やかな(非常にうるさい!)通りに面しているので、目の前に川や山の美しい景色があるわけでもないのに、人々はそこに集まってくる。
一瞬、風楽の店頭がそんなカオサン通りのカフェと重なったので、嬉しくなってしまった。カオサン通りが特に好きだというわけではないが、何となく日本にいて異国の雰囲気を思い出す瞬間って、ちょっとせつなくてちょっと懐かしくなるのだ。
息子たちがギターを弾いていたので、対抗して?私はジャンベを持ち出し叩き始めた。叩いていたら息子の友達も私のジャンベで一緒にお囃子のリズムを叩き始めた。アフリカの太鼓ジャンベを叩くと音がすごくよく響くので人が集まってくる。着ている服は民族衣装だし、ますますどこの国だかわからない店になってしまった。
まあ、お祭りだからこんな夜がたまにあってもいいかな。2日連続ほぼ14時間労働だったのですごく疲れてしまったが、楽しいお祭りだった~!

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September 02, 2006

祭りの衣装は?

Dsc08338一体どこの国の人たちが経営している店なんだろう?!・・・怪しげなファッションに身を包み、店頭を賑わせているのは風楽のスタッフ一同。私は毎年、お待夜祭ではインドやネパールで買ってきたパンジャビを着て店に立つことにしている。パンジャビというのはインドやネパールの民族衣装でパジャマの語源にもなっているとか。ゆったりとした長めの上着に幅の広いダブダブのパンツ、そして大きなストールの3点セット。私はパンジャビが好きなのでいつのまにか何着も買い集めてしまった。朝、パンジャビを着て店に出た。スタッフたちにも私の数枚のパンジャビを見せて「着てみない?」と声をかけたらみんな楽しそうに試着を始め、なぜか全員、パンジャビ姿に変身してしまったのだ。一人一人はとても似合っているのだが、全員揃って並んでみると、一体ここはどこ?という感じで何だか可笑しい。でもお手伝いのモトコちゃんのサリー姿は圧巻で「どこから来たの?日本語上手いねえ~」とお客様もその美しさに目を奪われている様子(キレイだけどもちろん日本人ですよ)。
さて今日の祭りだが、日があるうちは人出もさっぱりで出足が悪かった。日中はスタッフみんなでスイーツをお皿に盛って、お茶にする時間まであったりして「こんなにのんびりしていたら全然お祭り気分にならないね~」なんて話していたくらいだ。でも7時過ぎから夜のお食事用にと定食を注文される方が次々に来て下さり、厨房も大忙し。ご飯もすっかりなくなってしまった。画家の谷川さんは店の前にゴザを敷いてハガキに似顔絵やその人のイメージ画を書いてくれるコーナーを作って一番人気。出来上がった絵は本当に可愛くて素敵な作品ばかり。息子たちも生ビール売りを手伝ってくれたり(飲んでる量の方が多かったりして?)、小澤クンも無農薬野菜を並べながら、店頭販売を手伝ってくれたりと、すごく賑やかになった。
でもあんなにたくさん作った五穀ロッケも全部なくなってしまったので、また明日も朝から仕込みに追われそうだ。疲れるけれど祭りってやっぱり楽しいな。

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September 01, 2006

祭りの前夜

Dsc08334遠くからお囃子を練習している音が聞こえてくる。テキヤさんは屋台を組み立てブルーシートをかぶせ明日の準備に抜かりがない。山車の倉庫では炊き出しが行われ早くも前夜祭が始まっているようだ。道路に吊るされた提灯には灯りがともされた。宗吾霊堂を中心にしたこの地域全体が明日の祭りに向けて活気付いてきた。今日はあいにくの小雨だったが、野菜やお米にとっては恵みの雨となり、明日はきっといいお天気になりそうだ。
今から約350年前、凶作と過酷な年貢の取立てに苦しむ農民を救うため、幕府へ直訴した佐倉惣五郎さんは磔の刑となった。義民である佐倉惣五郎を偲び、彼の命日である9月3日にちなんで行われる祭りを「お待夜祭」(おたいやさい)と呼んでいる。3日11時からは本堂にて大般若経六百巻転読会と言って大勢のお坊さんが一同に介し一気に経典を読み上げる大法要が行われる。また2時からは本尊の厨子が開帳され本尊を拝むことができるそうだ。自らの命を農民たちを救うために捧げた惣五郎さんを祀ってあるお寺の前に飲食店を構えたというのもきっと何かのご縁なのだろう。惣五郎さんは今で言えば市民運動のリーダー的存在のような方だ。分野は違うけれど「食」に携る者として、私も自分に恥じることのない仕事をしていかなくてはと思う。
明日は一台だけだが、山車の引き回しやミニ打ち上げ花火、弓道・剣道の大会や芸能大会なども開催され、境内には所狭しと露店が立ち並ぶ。年に一回のお祭りなので風楽も営業時間を大幅に延長し10時まで店の前でエビスの生ビールやカレーを並べてミニビアガーデンを開く。店の壁画を書いてくれた画家の谷川さんは店頭で小さな絵を描きながら販売するライブペインテイング?を実演(土曜日のみ)。また無農薬野菜も店頭で友達が販売してくれる予定。
今年はちょうどスタッフの入れ替えの時期と重なったので、あまり大掛かりなことはできないのだが、やっぱり祭りは楽しまなくっちゃね!今日は9時頃まで明日の準備に向けていろいろなものを作った。写真はスコーン。明日はスイーツもいろいろご用意していますので、ぜひ遊びにいらしてくださいね!

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