November 30, 2006
おかげさま農場の高柳さんのお宅に行って畑のお手伝いをしてきた。収穫祭の時はご家族3人+お孫さんで風楽に来てくださった。秋は一年で一番野菜が大量に採れる時期なのでただでさえも畑は忙しい。にもかかわらず
11月はお祭りへの出店などが多いため、その分、農作業が遅れ気味だとお聞きしていたからだ。店に来ていただいた分、少しでもお手伝いをしてお返しできたらと思っていた。あいにく高柳さんは風邪気味らしく、奥さんの妙子さんと長女のアユミちゃんと私の3人でキャベツ畑の片付けへ。午前中は畑全面を覆っていた防虫ネットをはずす仕事。蚊帳のような網目のネットを虫除けのために畑に張っているのだが、これがとても長いので畑から取り除いて丸めるだけでも大仕事。おまけにとても高価なものだと言うからキレイにたたんでまた使えるようにしなくてはならない。作業の途中で雨が降り、雨よけの支度をしていなかったので全員ビショビショになりながら一度家に戻る。着替えてお昼をいただいていたら、寝ていたはずの高柳さんが手を粉で真っ白にしながら「今、蕎麦打っているから食べてけ」と言われた。お昼が終わってお腹いっぱいだったが、高柳さんが育てた蕎麦粉で作った打ちたて蕎麦を美味しくいただいた。
そのうち雨もやんだのでまたキャベツ畑へ。今度は畑に残っていたキャベツを抜き取る仕事。キャベツを取ってからでないと下に敷いてあるマルチ(草よけのために地面に敷くビニール)をはがすことができない。屈みながら抜いていくので、この作業は思っていた以上に大変で時間がかかってしまったけれど、女たち3人力を合わせて集中し作業に取り組む。途中の休憩時間にはキャベツをもいで丸かじり。「畑で食べる野菜って一番美味しいね~」と言いながらバクバクとかじりつく。そして畑でヨガをやりたいというので、いくつかアサナ(ヨガのポーズ)をお教えした。長靴を履いてカッパを着た女3人が畑でヘンなポーズをとっているのはかなり可笑しいかも。
夕方、なんとかキャベツ畑を片付け終わって、お宅でお茶を飲みながら高柳さんにその話をしたら「ずいぶん泥だらけの大きな案山子がいるなあと思われたかもよ」と大笑い。妙子さんは「今日は思いがけず作業がはかどってよかった~」と言ってくださったので、お手伝いできて私も嬉しい。
それにしても収穫は一番楽しい作業だけれど、それが終わった後の畑の片づけがこんなにあるなんて思ってもみなかった。有機農業は収穫してお終いではない。マルチやネットなど防草、防虫のための農機具の片付けや畑をうなうこと、堆肥を入れることなど、収穫が終わるというのはイコール次の作業が始まるということ。その繰り返しの中であんなに美味しい野菜ができていくのだろう。ますます頭が下がる。
なのに全国的に野菜が大暴落しているという。苦労して育てた野菜を出荷すればするほど赤字になるなんていう構造、どう考えたっておかしい。おかげさま農業では野菜の価格を通年価格に設定しているので、こういう時はちょっと私も安心するが、それでも高柳さんの畑では虫食いなどで出荷できないキャベツがゴロゴロしていた。こういう現状をみたら有機野菜を高いなんて決して言えなくなるし、モノの価値って一体どうなっているのだろう?と言う疑問に突き当たる。
市場経済がどうであれ、私は農家さんとの信頼関係を作りながら、その野菜を、農家さんが提示する価格で買わせていただき、それを無駄にしないでありがたく食べさせていただく。そしてほんの少しだけだが、自分のできることをやらせていただく・・・そんな自分なりのスタンスは変わらないだろう。(ああ、それにしても畑にデジカメを持っていけなかったので、キャベツ畑の現状を見ていただけないのが残念!)
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November 29, 2006
今日はパン教室。クリスマス前ということで白神こだま酵母を使ってシュトーレンを焼いた。ドイツの伝統的なクリスマスのパン(お菓子)で、クリスマスの4週間前に購入し、毎晩、薄く切ってクリスマスの日まで少しずつ食べていくそうだ。クリスマスを心待ちにしているキリスト教の文化がベースにあるのだろう。一説によるとこのパンの形もキリストが眠るゆりかごの形から来ていると言われたり、回りにまぶされている真っ白な粉糖はキリスト生誕の時に包まれていた白い衣の象徴だという説もあるそうだ。
だが、ドライフルーツを数ヶ月も前から漬け込んだり、発酵しずらい生地だったりすることから、作るのにとても手間がかかり、昔から本格的に作っていた職人さんは本場ドイツでも随分少なくなって、今では手軽なレシピで作られているそうだ。今回は講師の高田さんがいろいろなレシピを試して、しっとりとした生地で食べやすいシュトーレンの配合を考えてくれた。私がかつてデパートで買ったシュトーレンはキレイなリボンに包まれていたけれど、食べるとパン自体は固くてパサパサしているし、スパイスの香りもきつすぎて、正直なところ、あまり美味しいパンだとは思えなかった。高田さんは日本人がパンとしても食べやすいように、甘さを控え目にして生地もパサつかないように工夫してくれた。
店でチャイを作る時に使うスパイスミックスにはクローブやシナモン、カルダモン、ジンジャーなどが含まれているのだが、それと同じスパイスを調合した「シュトーレンミックス」というスパイスを使って、砂糖と砂糖とバターたっぷりの(日常の食卓では高カロリーで決して常食できないくらい!)美味しいシュトーレンが出来上がった。
これに復活(よろこび)の象徴であるリボンをクロスさせて贈り物にするという。なんだかパンそのものが物語になっているのだ。作りながらクリスマスが近づいてきたんだなあと改めて思った。誰かに贈りたくなるようなこの季節ならではの特別なパン・・・。
甘すぎてお夕食には合わないからと、高田さんはわざわざライ麦入りのプチパンも用意してくださった。それがまた夕方作ったカリフラワーのスープとピッタリ合ってとても美味しかった。人数が少なかったので、私も夕食には同席して皆さんとお話しながら、一緒に楽しませていただいた。こじんまりとしたパン教室だったけれど、ゆっくりお話しながら、クリスマス前のとてもいい時間を過ごすことができた。
なおパン教室は1月はお休みで次回は2月末の予定。また近くなったらお知らせしますね。
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November 28, 2006
毎年、師走の足音を聞く頃になると届く福島からの青大豆。今年もそろそろかなあと思っていたら、今日、大きな荷物が届いた。福島県喜多方に住む友達タッコちゃんがお母さんと一緒に作ってくれている無農薬の青大豆だ。青大豆と聞いても馴染みのない方が多いが、簡単に言えば枝豆を乾燥させたもの。
店の定食には必ずお豆をお付けしている。大豆、紫花豆、白花豆、虎豆、大正金時豆、福白金時豆、黒豆、小豆、ひよこ豆。そして青大豆。どこかに旅に出た時は、必ず地元の道の駅など直売所を覗いてお豆を探す。長野や福島に行くとその土地でしか採れない珍しいお豆に出会えるので嬉しい。そういう時は荷物が重たくなるのも気にせずに嬉々としてみんな買い占めてしまう。
この青大豆はタッコちゃん自慢のお豆。夏に育った枝豆をそのまま畑に残しておいて、太陽の光で乾燥させて、秋の終わり頃に畑から家に持ち帰り手よりで選別していく。一晩水に浸水させるとふっくらと3倍くらいの大きさになるので、それをゆっくりと塩茹でするだけ。大豆の場合は茹で汁に旨みが出るので、決して茹で煮こぼしてはいけない。アクを取りながら30分もすればふっくらと甘くて美味しいひたし豆が出来上がる。この豆の味を一言で表すとしたら「ひなたの味がする・・・」という感じだろうか。食べ始めたら止まらなくなる美味しさだ。
サラダに入れたり、かき揚げにしたり、お豆ご飯にしたり、お正月だったら数の子と漬け込んでも美味しい。酒々井の店の頃から毎年この青大豆を売っていたので、タッコちゃんの青大豆ファンは多く、「今年はまだ?」とお客さまからもよく聞かれる。タッコちゃんブランド?はこの他、店のおむすびに巻いている青じその塩漬け。一年中、美味しい青じそが保存できるように山からたくさんしそを摘んできて仕込んでくれる。
タッコちゃんとはもう20年来の付き合いになるので、その間、子供を育てながら離婚や引越し、転職などお互いの生活では実に多くのことがあった。だけど二人共、すごく元気で会えば「ガハハハハ~」と大笑いしながら話が止まらなくなる。いろいろあったけれど、いつだって今が一番幸せ・・・そんなことを確認し合える大切な友達だ。
荷物を解いてすぐに袋詰めをし、さっそく今日から店頭に並べた。タッコちゃんの青大豆は1キロ1500円。40キロしかないのであっという間になくなってしまいそうだが、ぜひお試しください。本当に美味しいです!
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November 27, 2006
大豆タンパクはグルテンミートをはじめ、店でも貴重な主菜となる素材だ。中でもタプロ80という乾燥状の大豆タンパクはぬるま湯にもどして使うが、触感はまるで鶏肉みたい。知らなければ鳥のから揚げと間違えてしまうほどだ。昨日と今日はこのタプロ80を使ってうま煮風のから揚げを作った。タプロを戻してから水気を切って生姜醤油に漬け込み、注文を受けてから片栗粉をまぶしから揚げにする。人参、長ネギ、椎茸を大きめに刻んでにんにくと生姜で炒めた野菜あんをつくり、上からかけていただく。ボリュームを増やすためにジャガイモも一緒に素揚げしてタプロと合わせて盛り付けた。
午前中のお客様が5名さまだけで、また今日もヒマなのかなと少々心配していたら?雨の上がった2時過ぎから急に混み始め、タプロも全部なくなってしまった。人の動きというのは毎度のことながら予測できないものだ。
木曜日に仕込んだ手作り酵素がいい感じで発酵してきている。フタをあけて中をかき混ぜるたびにさわやかな香りがしてくる。いい酵素になあれと唱えながら手を入れる。今回の酵素作りに参加できなかったスタッフのマキコちゃんがどうしても飲みたいというので、具と液体の両方をタッパーに取り入れ1キロ分だけ分けてあげることにした。今ならまだ完成途中なので、自分の手を加えていけば自分の体にあった微生物が中で増えていくことだろう。数年前に体調を壊し、玄米に出会い、食事を通して体を変えて行きたいとこの店を訪ねてきてくれた。一緒に仕事をしながら賄いで風楽の食事を食べ、この酵素を飲み続けていけば、きっとすぐに元気になっていくことだろう。
目に見えない様々なエネルギーによって人は生かされている。微生物の力もしかり。人の気もしかり。場の気もしかり・・・。いつも気持ちのいいエネルギーが静かに流れている・・・たくさんの力をお借りしながら、風楽をそんな店に育てていけたらと思っている。
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November 26, 2006
今日はとても寒い一日だった。灯油を買いに行ってストーブをつけた。いよいよ本格的な冬支度が始まる。寒さのせいか日曜日だというのに人出は今ひとつ。朝、定食の準備をしておからのケーキを焼いた後は、ちょっと店を抜け出して2階でたまっていた原稿書きの仕事をする。
夕方、にわとりひろばの湯浅さんが新米の黒米とヤーコンと冬瓜を持って来てくれた。北海道の友人から牡蠣を送ってもらってみんなで分けているので、それを取りにくるついでに野菜をお願いしておいたのだ。ヤーコンはオリゴ糖たっぷりでシャキシャキとした歯ごたえがたまらない。サラダに入れると「この中に入っている梨のようなものは何ですか?」と聞かれることが多い。意外な食べ方として天ぷらも美味しいけれど、個人的にはヨーグルトの中に入れて食べるのが好きだ。そんなヤーコンの栽培に今年初めて湯浅さんがトライしたというので、「ぜひ食べたい!」と迷わずに注文してしまった。寒くなるとヤーコンがしなびれてしまうので、ダンボールの中に籾殻を敷いて、その上にヤーコンを並べて持って来てくれた。ヤーコンが気持ちよさそうに籾殻のベットの上で寝ているみたい。湯浅さんに野菜の代金をお支払いしたら、今度は湯浅さんが私に牡蠣のお金を払い、カレンダーと人参ケーキとおからケーキを買ってくださった。お互いに払った額はほぼ同額。何だか物々交換をしているみたいだった。
商売をしている以上、お金と商品を交換していくことは致し方ないが、私はできることならお金を介在させない人間関係を作っていきたいと思っている。たとえば自分がちょっと多めに持っているものをほしいと思っている人に差し上げる。そのお返しに相手からちょっと余計に持っているものをいただく。何もモノだけではない。ちょっと手伝ってもらったとか、頼んだことに対しても、お金ではなくて今あるものと交換しながら関係を作っていけたら楽しそうだ。もちろんお互い合意の上でのことだけれど、そういう交換を繰り返していたら、お金というものは案外必要なくなってしまうのだと思う。
私はお金には縁のない人間だが、ここまでどうにかやってくることができたのは、そういう交換を今までもたくさんさせていただいてきたからだと思う(残念ながら私の方がお返しするものが少なくて申し訳ないのだが)。生きていく上で、もちろんお金は必要だけれども、お金という価値観にとらわれない生き方を必ずどこかに残しておくこと。それができたら、資本主義社会の中でもマイペースで楽しく生きていくことができるのかもしれない。
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November 25, 2006

朝早くから厨房に入り、一人でお惣菜の仕込みを始め、11時過ぎには車に作ったものを積み込んで、くりもとミレニアムシテイの3周年記念パーティの出展に向かった。ミレニアムシテイはガラスハウス(温室)の中に一人2畳の2階建ての小屋が何棟も並んでいて、そこ小屋の一つ一つが出展の場所になっている。行ってみたら食べ物関係の出展者がとても多く、思っていたよりも売れなかったけれど、顔見知りの人たちに挨拶しながら半日を過ごした。
5時過ぎに店に戻って荷物を降ろしたら、今度はすぐ店で行われるライブの準備に入る。今日のライブは初めてお迎えするデュオ・パ・マルカさんのアルゼンチンフォルクローレ&タンゴだったが、店主催のものではなく貸しスペースとして利用していただくので、気持ち的にはとてもラクだった。実行委員の若者たちが自分達なりに会場を設営して準備を進めていてくれたからだ。自分で主催するとなると、朝から看板作りや食事の準備などをすすめ、気持ちや場を整えて、出演者をお迎えできる状態にしていかなければならない。とても他のイベントとの掛け持ちではやれないだろう。でも主催しないとは言え、店としてドリンクやお食事ができるよう準備はしなければならないので、6時半の開場までの1時間ちょっとの間に、流れのポイントを頭に入れられるよう気分を切り替えた。
店でいつもお願いしているフォルクローレのコンサートは在日ペルー人のケーナなので、それに比べるとアルゼンチンフォルクローレは激しくて強くシャープな感じがした。同じフォルクローレでも随分印象が違って面白かった。
今日は短時間の間に全く異なる二つのイベントに関わった。それなりにこなせたとは思う。でもいつもなら何も考えなくても、さっと体の方が先に動く私が、今日に限っては頭の方が空回りして、体に正しい指令を送れずにいたので、体の動きを鈍く感じてしまった。面白い反応だった。でもこれから年をとっていくにつれ、どんどんそういうことが増えていくのかもしれない。仕事の仕方も考えていかなければ。
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November 24, 2006
今日は忙しくて写真が撮れなかったので、先日、作ったカボチャプリンのことをご紹介します。
風楽で作るカボチャプリンは焼きプリンだ。カボチャは私も大好きだが、このプリンに使うのは打木赤皮甘栗カボチャという珍しいカボチャだ。加賀野菜の一つとして金沢の方では料理の彩りとしても使われているそうだ。真っ赤なキレイな色なのでハローウィンの時の装飾に使われることもある。煮物として使うとペチャとしているのであまりうまく炊けないのだが、甘くて水分が多いのでカボチャプリンにはピッタリ。
ザクザクと刻んで蒸し器で蒸してからマッシュし、生クリームや卵、豆乳などを加えてミキサーでよく混ぜる。それをココットカップに流し入れ、天板にお湯を張ってオーブンで焼く。カボチャの味がしっかりとしていて私も大好きなデザートの一つだ。ただ作るのに手間と時間がかかりすぎるのが難点。出来上がるまでにだいたい小一時間かかってしまうので、なるべく前日の夕方に焼き上げて冷やすようにしている。
明日はくりもとミレニアムシティ完成3周年記念パーティが行われるので、いろいろなお惣菜を持って出展に行く。その準備のため、人参ケーキを焼いたり、野菜を刻んだりと一日中忙しかった。持っていくものはひじきと炒り大豆の玄米ご飯、むらさき芋の卯の花サラダ、ひじきとカボチャのマリネ、ヒヨコ豆のトマト煮、青菜と厚揚げの和え物、里芋と麩の揚げ煮・・・・。こんなにあるのにまだ人参ケーキだけしかできていない。その他のものはみんな明日の朝に作る予定。全部できるのかな。まあできたものだけ持っていけばいいか。
今日はこれから買い物をした後、野口整体の活元会へ行く。体をゆるませ頭もポカンと・・・私にとっては貴重な時間だ。
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November 23, 2006
よく元気ですね~と言われる。確かに年のわりには疲れ知らずかも?。そんな私の健康の秘訣と言えば野菜たっぷりの玄米食とヨガと手作り酵素。そしてよく笑いよく遊び楽しく仕事をすること。中でも手作り酵素の果たす役割は大きい。毎年春は野草、初夏は梅、秋には玄米や果物や野菜でそれぞれの酵素を仕込んでいく。毎回、誰かしら教えてほしいと言うので何となく店に集まって一緒に仕込む。今日はアリミちゃんとにわとりひろばの湯浅さんが参加した。
秋の酵素は材料が豊富だ。玄米、黒米、赤米、緑米、ヒエ、アワ、キビ、タカキビ、はと麦、押し麦、大正金時豆、大豆、小豆、どんぐり、からすうり、みかん、柚子、リンゴ、柿、ぶどう、ヤーコン、さつま芋、里芋、大根、人参、くるみ、レモン、南天や銀杏まで今日、用意した材料を書き出したら全部で50種類もあった。これらを細かく刻んで砂糖(てんさい糖)と材料を11対10の割合で漬け込んでいく。10日ほど毎日かき混ぜて、自分の手の常在菌をそこに増やしていくと、自分の体に合った酵素ができる。徐々に発酵し水分があがってくるのでそれを漉す。この酵素液を毎日、浄水で薄めて飲んでいくと、いい腸内細菌が増え、それによって体の調子がどんどんよくなっていく。
私は健康とは腸内環境を整えることだと確信しているので、発酵食品を積極的に取り入れ腸内の微生物を増やしていくことが大切だと思っている。酵素とは物質を合成したり、分解したり、調整したりという体内で起る様々な化学反応をスムーズにすすめる特殊なたんぱく質のことだ。生物の全ての生命活動を支え、酵素が欠乏することで人は病気になり、酵素が無くなると人の命も終わる。
地元で採れた季節のものを材料に使い、エキス化し発酵させた酵素飲料が手作りできると聞いて、4年前、私は群馬県の手作り酵素指導員である中山さんのお宅を訪ねて酵素の作り方を教えていただいた。以来、お店に中山さんをお呼びして酵素を作ったり、知り合いを紹介したりしつつ、自分でも年に3回は手作り酵素を作って愛飲している。腸内細菌が増えることで、抵抗力が強くなり、新陳代謝が活発になり、血液もサラサラになる。確かに酵素を飲み始めてから体がどんどん変わっていった。
いろいろ材料を調達しなければならないので、忙しくて中々時間が取れなかったが、冬になる前には仕込まなくてはならない。それでようやく今日、3人の日程が合ったので夕方からワイワイと話ながら酵素を仕込んだ。50種類もの材料で仕込んだ酵素。材料をかき混ぜる時も「美味しい酵素になあれ~」と言いながら優しく手を入れる。材料と一緒に微生物を育ていくのだから、穏やかな気持ちで見守らなくては。出来上がりが楽しみ。
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November 22, 2006
友達が夕食を作ってくれるというので、店を閉めてから仕事を早々に片付け車に乗った。通勤の帰宅渋滞にひっかかり時間がかかってしまったけれど、7時頃には千葉市内にあるマンションに着いた。
今日のメニューはクラムチャウダーとサラダと高菜ご飯。人に作ってもらうお食事は何でも美味しい。いつもはあまり夕食を食べない私だけれど、今日はしっかりと一人前以上の食事をいただいたような気がする。2ヶ月ぶりに会ったので積もる話もたくさんあってお互いの近況を途切れることなく話し始めた。言葉がきちんと通じる友達だから、話すことで自分の気持ちが整理されていく。ずっと忙しかったからこういうほっとする時間が何より嬉しい。楽しい会話は食事をより美味しくしてくれる。なので早く帰ろうと思いつつ、話が止まらなくなってしまい、結局家に帰ってきたのは4時半。ああもう夜が明けていく~!早く寝なくっちゃ。
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November 21, 2006
グラタンの基本的な材料はホワイトソースになるバターと小麦粉、牛乳、そしてチーズ。子供たちが小さかった頃はマカロニグラタンが大好物だったのでよく作った。実はグラタンは私の得意料理の一つだった。小麦粉をよく炒めてなめらかなホワイトソースを作り、アサリやエビなどを入れて作るうちのグラタンは、食事をしに来てくれた友達にも大好評でとても美味しかった(自我自賛?)。
それから数十年後?まさか自分がホワイトソースの材料を全く使わないで、野菜だけのグラタンを作るようになるなんて思ってもいなかった。
今日、作ったカブとブロッコリーのグラタンは乳製品を一切使っていない。カブと玉ネギと茹でたブロッコリーをなたね油で炒めて、小麦粉をふり入れてさらによく炒める。そこに豆乳を加えてさっと煮込み味噌で味を整え天板に並べていく。もちろん豆乳と味噌だけで煮ても美味しいのだが、小麦粉を加えることで豆乳にホワイトソースのようなとろみをつけることができる。仕上げに上からもちあわを柔らかめに炊いたものをチーズのようにかけてオーブンで焼いで出来上がり。とても色よく焼けたのでアツアツの天板を外に持っていってお日様の下で写真を撮った。もちあわは雑穀の中でもとても甘みが強いので、野菜と雑穀の甘さが引き立つ優しい味のグラタンになる。
以前はあんなに作った乳製品のグラタンを最近は全く作らなくなってしまった。野菜が本来持っている甘さを引き出す料理をしていきたいと思っているうちに、自分の嗜好も変わっていったようだ。自分が何を大切にしたいのかという基準によって、何を料理したいか、何を美味しいと感じるのかが変わってくるのだと思う。
今の私はカブのトロリとした柔らかさや、その間に点在するブロッコリーの鮮やかな緑をキレイだなあと思うし、小さな種である雑穀の一粒一粒に力を感じる。そしてそれが私にとっては充分に美味しいご馳走なのだ。
でも一年に一回くらいは、チーズがたっぷりのコッテリとしたホワイトソースのグラタンが食べたくなる時もある。
もちろんそういう時は、迷わずに食べちゃうけどね・・・。
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November 20, 2006
風楽の料理のベースとなるのはこの八方出汁。煮物や和え物などのベースとなるので、決して途切れさせてはならないものだ。収穫祭の料理を作っている時、八方出汁が残り少ないのに気が付いていたのだが、忙しくて材料を仕込むのをうっかり忘れてしまった。いろいろな作り方があるようだが、店では昆布、干し椎茸、鯖の厚削り、宗田かつおの厚削り、醤油とみりんなどを一晩、漬け込んでから、次の日に一煮たちさせ漉して保存するという方法をとっている。これさえあれば、どんな料理でも美味しくできる強い味方だ。漉した後は水を加えて、もう一度二番出汁を取る。二番出汁はそのままで煮物ができる。さらにそこから椎茸と昆布は取り出して佃煮風に煮ておく。厚削りの方はミキサーで粉状にしてふりかけにして保存する。こうしておけば全ての材料を無駄なく使い切ることができる。
忙しい時は作った八方出汁がすぐになくなってしまうので、途切れる前にいつも仕込むようにしている。だから八方出汁の減る量の目安はそのまま来て下さったお客様の数にもつながっていく。「風が吹けば桶屋が儲かる」式に、「八方出汁がなくなれば風楽が儲かる?!」・・・になってくれたらいいのだけれど、中々道のりは険しそう?だ。
今日もむらさき芋のタルトを焼いて、これでミレーへの納品分が全部焼き終わった。ちょっと時間が取れたので、夕方、お店にお出しできるように、さつま芋タルトとむらさき芋タルトを1台ずつ焼いた。納品分を作るのに精一杯で、お店用のお芋のタルトにまで手が回らなかった。これからはお店用にも焼いていきたいと思う。
あいにくの雨。さすがに冷え込みが厳しくなってきた。私の大好きな季節である秋は収穫祭と共に終わってしまったようだ。
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November 19, 2006
祭りの後の静けさとよく言うけれど、今日は雨も降ってきたし、収穫祭の後だから、きっとヒマだろうと思っていた。アリミちゃんとレイコちゃん2人がかりで掃除してもらって、店内を整える。昨日はすごく忙しかったし、終わったらほっとするので、今日は疲れが出てくるかなと思っていた。でもたくさんのいいエネルギーをいただいたおかげで、気持ちよく目覚めることができ、心には昨日の余韻を楽しむゆとりもあった。
だけど朝から「今日やってますか?」という問い合わせの電話が多く、あいにくのお天気にも拘わらず、少しずつだがたくさんの方たちが途切れることなく来てくださって、予想外に?忙しい一日になった。イベントをやってチラシやタウン情報などで告知をすると、その時に来られなくても、どこかで「風楽」という名前をインプットしていただけるようだ。だからコンサートでもイベントでも何かコトを起こすということは、来ていただくきっかけ作りにつながっていくのだと思う。
そむらさき芋タルトをそんな中で12台焼いた。今週、お芋のタルトは最後の納品が残っている。それが終わったらちょっとほっとできるかな。写真はゴボーのフライ。昨日、ゴボーを丸ごと煮てから板麩で巻く八幡巻きを作った時に、使いきれなかったゴボーだ。溶いた小麦粉にパン粉を付けてそのままフライにした。煮物のゴボーとは全く違う味わいがある。塩をふって食べた。厨房の中は相変わらず野菜が満載!せっせとありがたくいただいていこう。
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November 18, 2006
November 17, 2006
明日はいよいよ秋の一大イベントである風楽の収穫祭。明日販売できるようにクッキーやゴボーのケーキを焼いたり、北海道から届いた燻製に値段をつけて並べたり、お惣菜の下準備をしたり、お花を飾ったり・・・。夕方は足りないものをチェックしてもう一度買い物にも行った。そして暗くなってから看板を書いた。イベント前日の準備というのはキリがないのだが、とりあえず9時で一応、終わりにすることにした。
お祭り用の看板はとにかく大きくて派手なものがいいので、いつも薄い大きなベニヤ板に筆で書いた内容をベタベタと貼り付けていく。今日も倉庫からベニヤ板を取り出したら、昨年、貼った紙がそのまま残っていたので、懐かしく思い出した。毎回、お祭りのたびに玄米餅の餅つきをにわとりひろばの湯浅さんにお願いしているのだが、無農薬玄米をカマドで蒸して、臼と杵でついてくれる玄米餅は本当に美味しい。軽トラに薪やカマドや臼や杵を積んで店まで来ていただいて、準備もいろいろ大変だろうなあと思うと頭が下がる。
収穫祭をやろうと言いだしっぺになるのは私だけれど、実際には協力してくださる方たちなくしては成り立たないお祭りだ。看板を書きながら、本当にたくさんの方たちに助けていただきながら、ここまでくることができたのだなあと思った。収穫祭はそんな気持ちを皆さんにお返ししていく場にできたらと思っている。
いよいよ明日。ささやかな集いだけれど、いい一日になりますように。4時からのトーク&ライブは当日参加も可能ですのでよかったらぜひお出かけください。
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November 16, 2006
朝、一番にミレーへ行って豆乳チーズケーキを納品する。その足で小見川まで行って水郷鶏を使って焼き鳥やローストチキンを作っているお店の取材。その後、収穫祭の打ち合わせをしに高柳さんのお宅に伺う。収穫祭ではおかげさま農場の野菜を店頭で販売していただく他、4時からは高柳さんにお話をお願いしている。多分、まだ店頭で賑やかに模擬店をやっている最中なので、4時からのトークにすみやかに移行できるかどうか、状況がつかめない。高柳さんは「オレは畑の上ではいくらでも話すことがあんだけど、ああいう場所で話すのは苦手なんだよな~」と苦笑い?。でも高柳さんのお話はとても面白いので、皆さんにもぜひ聞いていただきたいと思う。
その後もお昼をご馳走になりながら、あれこれとお話させていただく。土の上に立ち、いつも自然と共に歩いてきた人は人間の諸さや愚かさを知っている。そして大地からのメッセージをいつも感知できる感性を持っている。私のような都会育ちの人間にはない強さがあると思う。野菜というものを通して出会わせていただき、自分がどう生きていきたいのかということにまで踏み込んだお話をさせていただける・・・有難いなあと思う。
ちょうど功さんは三浦大根を収穫して直売所に置いてきたという。あの甘くてトロトロで美味しい三浦大根がもう食べられる!直売所に収穫祭用の青首大根を12本お願いしておいたのだが、三浦大根と聞いてどうしても食べくなって、さらに5本も追加して買ってしまった。やっぱりけんちん汁は三浦大根で作ろう!車の中は山ほどの野菜にあふれ、夕方、店に帰ってから何往復もして厨房に野菜を運び込んだ。まるで厨房が直売所状態。
それにしても大きいでしょ?大根の上に乗っているのは普通のボールペン。長さを測ったら110センチもあった。しかも重たい。だけどたまらなく美味しいんだなあ、これが。今夜はこれから三浦大根を煮ようっと。初物だ嬉しいな~。
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November 15, 2006
私個人としては、遠出もできたし昨日は楽しい休日を過ごせたのだが、店はこのところ、ちょっと人出が少ない。秋の紅葉シーズンなので、平日でもどこかにお出かけになる方が多いのかもしれない。あんまりにも気持ちのいいお天気が続くと、近場で過ごすよりも遠出したいという気持ちに自然となっていくのだろう。
それでお惣菜を作ったものの、ちょこちょこっと中途半端に残ってしまうものが冷蔵庫の中に増えてきた。もちろんお昼の賄いの時も食べたりするのだが、食べきれない場合もあるので、それらはタッパーに入れられ、どんどん冷蔵庫の中を占領していくことになる。
今日も6時頃まで厨房でケーキを作っていたので、そのまま残りものの整理を兼ねて、タッパーの中のものをお皿に並べていく。それで少しずつたくさんのものをお皿に並べたら、こんなに多くなってしまった。そのまま厨房で片付けながら、それらを一人で食べていた。仕事が終わらない時は、冷蔵庫の中にある残りモノをタッパーのまま食べてお終い・・・なんて食事の仕方をしてしまうこともあるのだが、やっぱり食事はきちんと器に盛り付けた方が美味しくいただける。
作ったものが残るのは悲しい。たくさん用意したものが途中でなくなり、追加でつくるとなった場合、とても大変だ。だからたいては多めに作ってストックしておくのだが、作る量と出る量のバランスがよくないと困ってしまうのだ。飲食業というのは本当に不安定な仕事だなあと思う。
ファミレスなどは廃棄するものや残飯がすごく多いというが、風楽の場合、それがとても少ない。ほとんどモノを捨てないし、材料は使い切るし、お客様も残される方は少ない。だからゴミ袋も週に2袋だけ。捨てるものが少ないと、余計なストレスと抱えないですむし、何より「もったいない」という言葉をきちんと使える仕事場であることが誇りでもある。
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November 14, 2006
先週の木曜日は配達や納品でお休みできなかったし、今週もまた収穫祭の準備などでお休みできそうもないので、今日、私のお休みを取ることにした。友達と房総までドライブに行く約束をしていた。プリウスが来てから初めて取材抜きの遠出になるので、嬉しくてお気に入りのCDをチョイスして車に積み込んだ。まな板に包丁、ナベ釜や浄水、カセットコンロなど必要な道具を思いつくままに乗せて出発。ちょっと風が強かったけれど最高のドライブ日和。秋風のせいか海の色が明るい緑色になっていてとてもキレイだった。
鵜原の小さな港の横に車を止めた。国道からちょっと脇道に入るので、いつも近くを通りながら素通りしている場所だった。ここから歩いて高台に上るとすごい絶景が見られると雑誌に書いてあったので行ってみることにしたのだ。トンネルをくぐってから上り坂をちょっと歩くと本当に真下に海が広がっていた。侵食された岩に波が砕けて散るのを目の前で見ることができる。海と山と太陽からのエネルギーを一身に受け止められるとても気持ちのいい場所だ。靴を抜いて海風を受けながらヨガをする。磁場のいい台地に素足で立つと足元からもいいエネルギーがたっぷりと体の中に入ってくる。ちょっと横道にずれただけでいつも見る房総とは全く違う風景が広がっていて感動してしまった。
思いのほか、山の上でのんびり過ごしたので、お昼の時間が遅くなってしまった。房総でのランチはいつも私の好きな魚料理の店に行くのだが、今日は一緒に行った友達も料理好きなので、お昼は海辺でご飯を作って食べようと決めていた。調味料や野菜やお米は持ってきたので、地元のスーパーで魚を買ってあら汁作ろうと思っていたのだ。ぶりのカマと牡蠣とタラの切り身を買ったが(なんと鴨川で捕れたものは何もない!)、「え~これから場所を探してナベでご飯炊くの?」「それから野菜切ってお汁作るの~?」とハラペコの友達はご飯にありつけるまでの長い道のりを知って?失望を隠せない。
結局、仁右衛門島近くの浜辺に下りて、風が強かったので岩場の影にコンロを置いて煮炊きを始める。3時過ぎ。さすがにお腹が空いてきたので、すぐにおナベを火にかけ、ザクザク野菜を切って鍋に入れグツグツと煮込んでお汁を作り、厚揚げと舞茸で炒め物を作る。出来上がるや否や「ああ、美味しい~」とお汁を飲みほし炊き立てのアツアツご飯をほおばる。本当はこの岩場の向こうに海が広がってけっこうロケーションのいい場所だったのが、そんな景色も、あっという間にできた美味しいご飯も、撮影することなく、ひたすら「美味しい~!」とがっついてしまった。やっぱり海辺で食べる炊き立てのご飯とお汁は何よりのご馳走なのだろう。本当に美味しかった~!
それにしても秋の日はつるべ落とし・・・あっという間に日が傾いて内房に夕陽を見に行く時間はなくなってしまったけれど、いつもと違う房総の楽しみ方ができた。そして何よりたくさんの風に吹かれ、たくさんの風が体の中を通り抜けていったので、心がいっぱい洗われた贅沢な休日となった。
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November 13, 2006
ヒヨコ豆はよくカレーの中に入れる。コロコロしている触感が何とも美味しいと思う。今日はヒヨコ豆のサラダを作った。人参とカボチャのサイの目切りを蒸して、マヨネーズの中に甘酒とレモンを加えて一緒に和えた。お日様の下で写真を撮ったら、キレイな色のサラダがもっとキレイに見えた。
夕方からは千葉市にある「千葉産直の会」までミレーの取材で行ってきた。牛、豚、鶏肉や青魚などを無添加で加工し販売している会社だ。社長に独占インタビュー。産直の共同購入を目指し設立されて早30年。「設立当初はいろいろご苦労もあったことかと思いますが、いつ頃から今のようなシステムができあがり、軌道にのっていったのでしょうか?」とお聞きしたら、「こういう仕事は軌道に乗るということはないんじゃないかなあ・・・利益を追求するというのは中々難しいことだよ」という社長のお返事。思わず「そうですよねえ」と言ってしまった。本当にきちんとした材料で食べ物を作ってお届けしようとすれば、ほとんど儲からないのが今の時代だ。
その後、久しぶりにミレーの早川社長と一緒に食事をする。以前はよくいろいろなことを話したが、最近は向こうが忙しくてほとんど会えなかった。新社屋に移転し、新しいスタッフを増員し、新しいアイテムも次々に増やしている。経営者としていつも先行投資のできる人だ。そして仕事をうまくスタッフに分散させて、自分が細かなことで動かなくても仕事が回るようにと、いつも先へ先への展開を考えている。全く私にはない視点を持っている人なので、経営者としてのありようはとても参考になる。
私はミレーのメルマガを書いて丸3年になるが、サイトに残されたいる農家さんの取材履歴はまさに私の仕事の足跡でもあり、本当にいい仕事をやらせていただいているなあと思う。農家さんに取材に行ってお話すると、作り手の思いがわかるから野菜を粗末にできなくなる。最初は副業のつもりで始めた仕事だが、今では自然食レストランをやることと同じくらい、私の中では大切な仕事になっている。
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November 12, 2006
生活クラブ生協の成田周辺のメンバーが中心となって「街づくり協議会なりた」というグループを作り、地元の人たちと交流できるイベントを企画した。成田市には生活クラブ生協のお店である成田デポーがある。主婦たちが出資し協同で運営する働き方「ワーカーズコレクテイブ」のお店もいくつかある。生活クラブのデイサービスセンターも介護ステーションもある。また隣り町である酒々井には廃食油を回収しリサイクルの粉石けんを作るNPO「せっけんの街」もある。日頃、地域に点在しているそれらの団体が一同に集まって、地元に根ざしたお祭りをしていこうという第一歩が今日の「成田の街・人新発見まつり」だった。
私は生活クラブの契約職員だったこともあるし、ワーカーズコレクテイブに参加したこともあるので、主要メンバーとはもう15年以上前からのお付き合い。かつての仕事場では子連れで仕事をしていたので、彼女たちからは「あの時、裸で遊んでいた子供たちも大きくなったでしょ?」と未だに言われたりする。
会場は成田市にできた最後の大型分譲地「はなの木台」のインフォメーションセンター前の広い芝生。いずれは住宅が立ち並ぶかもしれないが、今はまだ居住者も少ないので地域のイベントなどに開放しているそうだ。私は基本的にはお祭りが好きだし、酒々井のお店の時は毎週のようにイベントに出展していた。でも前ほど時間が自由に取れなくなったので、今回は久しぶりの出店となった。
カレーとおからケーキを持って行ったが、とにかく今日は風が強くて寒かった。大なべから小なべにカレーを移してカセットコンロで温めるのだが、風で火が飛んで全然温まらない。ダンボールで囲ったけれど時間ばかりかかりガスは減る一方。これではほしい方をお待たせしてしまうので、最後はカセットコンロと小ナベを車に持ち込んだ。ドアを閉めて、温まったらすぐに動けるように、カセットコンロを膝に抱え後ろのシートに座る。それで温まったら売り場に走り、カレーを盛り付けて、また注文があったらカセットコンロを持って車に走る・・・をずっと繰り返した。車の中でカセットコンロを抱えながら一体私は何をしているんだろう?って、ちょっと可笑しくなった。でもそうこうしているうちにご飯がなくなってしまったので、祭りの途中だったけれど引き上げることにした。近い場所だったので移動がラクで助かった。
今週末はいよいよ風楽の収穫祭。そこにいるだけで誰かに会って話せたり、何かを見つけたり、そして美味しいものを食べられたり・・・とにかく楽しくて来てくれたみんなが元気になれるような一日にしたい。
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November 11, 2006
久しぶりに雨が降った。低気圧のせいなのか、何だか頭がシャキッとしないなあと思いつつ定食の準備をし、午前中は明日のイベントに持って行くカレーを作ったり、おからのケーキを焼いたりしていた。昼過ぎからは雨が本降りになったので、これで今日はお客さんも終わりかなと思ったにもかかわらず、その後、どんどん混み始めた。おかげで冴えなかった頭が急に動き出す(やっぱり私は忙しくしていないとボケてしまうのかも?)。今日は若いカップルが多かったので、きっと雨で行楽地に行くのを取りやめたのかもしれない。
今日はミレーで今月から取り組む風楽の豆乳チーズケーキの写真を撮ろうと思っていたのだが、忙しくてそれどころではなかった。それで仕事が終わってからレイコちゃんに延長して残ってもらうことにした。豆乳チーズケーキを作っている私の様子をとにかく写してもらわなくては・・・。それをモトにメルマガを書くことになっている。
私は写真を撮るのが大好きだが撮られるのは好きではない。でもアジアに行くたびに重たい望遠レンズを持って歩く。なるべく荷物は少なくし、その分、買い付けたものを少しでも多く持って帰りたいので、自分の着替えなど帰りの荷物の中には全くないほどだ。ボロばかりを持参し着たら捨ててくるのだ。だから荷物のことを考えると一眼レフのカメラとレンズにはいつも迷うのだが、初めての国に行く時はやはり持って行ってしまう。それで働いている人たちの写真を撮りためているのだけれど、そこに自分の写真は一枚もない。
だから本当は一方的に写真を撮られることがとっても苦手なのだ。でもネットの中では「顔が見える」ということがとても大事だと言われているので、この際、全面的に顔を出す?ことにした。そして思い切り楽しんで作っているという様子が伝わるように、要所要所でレイコちゃんにシャッターを押してもらった。途中で作業をストップさせては2人で冗談ばかり言いながら写真を撮っているので、ケーキ作りと写真撮影は思うように同時進行できず2時間ほどかかってしまった。何とか無事に終わった時は「ああ、疲れたねえ~」なんて言いながら、2人共、思い切りチーズケーキにかぶりついた。
この様子は来週の金曜日以降にミレーのサイトにアップされるのでよかったら覗いてみてくださいね。あ~モデルって大変~!?
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November 10, 2006
朝、どうしても人参ジュースが飲みたくなったので、ミキサーを使って人参ジュースを作った。ジューサーと違うので、キレイに水分が分離せず人参のすりおろしのようなジュースになってしまった。農家さんとお話していると、朝一番で人参ジュースを飲んでいるという方がとても多い。ほとんどの方が「風邪をひかないね~」と言われる。私も具合が悪くなることはほとんどないのだが、たまに疲れたなあと思う時がある。そういう時は体がビタミンを欲しているのかもしれない。それで今朝は人参とリンゴのすりおろし?ジュースにしてゴクゴク飲んでから仕事をした。写真はタイの路上でジュースを売っている屋台。タイの屋台は何でもアリだから行くたびにこんなものまで売っているの?!と驚くものが多い。この前行った時は握り寿司を丸めて屋台で売っている人がいた。いくらお寿司が食べたくても炎天下で売っている生ものにはちょっと手が出せなかったのだが。
今日、アルバイトをしたいという人が面接に来てくれた。ちょっと人手が足りないので誰かいないかなあと思っていたところだった。体調を壊したことがきっかけで有機農業や自然療法に出会いマクロビオテイックを知ったという。「病気をしたことでいろいろなものがつながっているということがわかりました」と話していた。こういう人が風楽に来てくれたのも自然な流れなのだろう。「風楽の店にずっといて風楽のご飯を食べるようになったら、もっと元気になるからね!」と言ってさっそく来週から来ていただくことにした。
本当に必要な人には必ず出会えるし、必要なことはみんな用意されている。だけど自分が何も感じようとしなければ、目の前に意味のある現象が起きていたとしても、心に何の痕跡を残さず素通りしてしまうのだろう。流れをキャッチすること。風に吹かれること。風に向かって突き進んで行くよりも、風と一緒に歩んでいく方がずっと肩の力を抜いて楽しく生きていけるのだと思う。
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November 09, 2006
さつま芋タルトとむらさき芋のタルトはミレーで販売のお知らせをアップした日に予約で完売したそうだ。ほとんどお会いしたことのない方たちが多いのに、本当にありがたいことだなあと思う。今日の午前中は佐倉市までお弁当の配達があったので、私は休日返上で朝からお弁当を作り配達へ。その後、買い物を済ませて店に戻り、冷凍庫にストックしておいたタルトをミレーへ納品に行ってきた。約50台ともなるとタルトでもすごい重量だ。タルトを出したら一挙に冷凍庫が広くなった。
帰りにおかげさま農場でさつま芋を分けていただき、店に戻って、チーズケーキ作りの続きをする。お芋のタルトの後は新作のチーズケーキを販売していただくことになっているので、このところ試作とタルト作りにかかりっきりだった。それでようやく豆乳の優しい甘さを生かした「豆乳チーズケーキ」のレシピが完成した。郵送することを考えると型崩れしないようアルミのトレイに入れて焼く方が安心なので、さつま芋タルトと同様のトレイを使うことにした。出来上がったものはチャック付きのビニール袋に入れて冷凍してから納品する。地味な包材で全く装飾の部分がない。私などたまにケーキ屋さんでケーキを買うとその箱の仰々しさやトレイの大きさにゴミばかりだなあといつも閉口してしまうので、簡易包装は大歓迎なのだが・・・。タルト台も全粒粉にした。新しい商品を納品できる形にまで仕上げるのは毎回のことながら大変だなあと思う。でも何とか形になってほっとした。今週はこれからチーズケーキ作りと、その後は追加分のお芋のタルト作りが待っている。
結局、また一日中、仕事に追われてしまった。大量に注文した食材が夕方、遅くなってからドッカーンと届いたので、帰るところだったレイコちゃんが残って仕分けを手伝ってくれた。その後、暗くなった店内で飲んだチャイがとても美味しくてほっとした。最近、珍しく甘いもの過多の体になっている。今日は早く寝なくっちゃ。
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November 08, 2006
ポカポカとしたとてもいいお天気で、混むかなあと思っていたのだが、皆さんどこかにお出かけだったのだろか。日中はお客様の少ない静かな一日となった。いつも料理教室のある日は準備に追われて、午後からずっとバッタバタになってしまう。でもこの調子ならユトリを持って準備ができそうだ・・・なんて思っていたのだが、午前中に店用のチーズケーキを焼いたり、新しくミレーで販売していただくことになったチーズケーキの試作を焼いたりしているうちに、あっという間に教室の時間になってしまった。
今回は根菜ともちあわと粒ソバを使った料理、甘酒まんじゅうなど全部で5品作った。風楽の雑穀は岐阜県の郡上八幡の庄村米穀店から送っていただいている。教室を開くに当って先日庄村さんにお電話していろいろお話させていただいたのだが、雑穀は雑草との区別がわからない状態で生えていくので、手狩りでしか収穫できないそうだ。雑穀畑の見学はいつでも受け付けているということだったので、いつか郡上八幡の雑穀畑に行ってこようと思っている。
教室では毎回、レシピを中心に私が実際に作りながらやり方を説明させていただいている。でも参加された方々にも作っていただく部分があったらいいなと思っていたので、今回は炊いたもちあわを開いた油揚げの上に伸ばして、人参とほうれん草を芯にしてしのだ巻きにする部分と、甘酒まんじゅうの皮を伸してさつま芋あんを入れて丸める部分をやっていただくことにした。写真はしのだ巻きを作っているところ。巻いたものを一度、オーブントースターで焼いてから横にカットするのだが、巻き方も皆、それぞれ。切り口には様々な形の赤と緑の模様が広がって楽しかった。
毎回作る量が多すぎて、お食事としてはかなりのボリュームになってしまうのが私の難点?。教室の限られた時間内で、皆さんに少しでも多くいろいろな種類のお料理を食べていただきたいと思っているので、内容がついつい盛り沢山になってしまうのだ。ちょっと反省した。
真ん中で帽子をかぶっているのは最近、お友達になった現役の板前さん。オーガニックのお料理にとても興味を持っているので今回は教室に参加してくださった(板前さんが参加するなんて私の方が緊張してしまうのだが・・・ああ恥ずかしい~!)。でも私は何かできそうだなと思ったら、すぐに身近な人にお願いしてしまうので、今回参加したのも運のツキ・・・?。なんとその場で次回の料理教室の講師をお願いしてしまった。というわけで次回は12月5日(火)4時から7時。「板前さんの作るお正月料理」を開催します。参加費は3900円。その前に11月18日(土)の収穫祭にも風楽に来て玄米寿司を握ってくれる予定。お楽しみに!
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November 07, 2006
今日で予定していたタルト作りが全部終わった。朝からコンベックのオーブンはずっとつけっぱなし。ここ数日、ずっとタルトにかかりっきりで、店でお出しするケーキがなくなってしまった。だからオーブンが空いた後は、すぐにリンゴの皮をむきはじめ、リンゴのカントリーケーキを焼くことにした。リンゴを刻んでくるみと一緒に生地の中に入れたケーキだが、毎年、リンゴが出回る秋から冬にかけて焼いている。リンゴがちょっと少なめだったので、リンゴの皮の煮たものも刻んで入れたら、予想以上に甘くなってしまったのだが・・・。その後は、チーズケーキも焼くなど、今日は一日ケーキ作りに追われた。
カレーを作った時は知らず知らずのうちにカレー粉の匂いが服に染み込んでしまうようで、その後、誰かに会うと「今日はカレー作ったでしょ?」と必ず言われる。だから今日、もし誰かに会ったとしたら「ケーキ作ってたでしょ?バターの匂いがするよ」と言われるだろうな。でも残念ながらずっと忙しくて夜まで店で仕事をしていたので、今夜は人に会うことがなかったのだが。
予定通り仕事がはかどるとほっとする。もともと私は計画性のない人間なので、仕事でもない限り、予定を立てて何かをするということはほとんどない。いつも思うのだが、仕事というのは自分にとってできないことをやらせていただけるよいきっかけとなる。自分一人だけの生活だったら、できなければできない・・・・で終わってしまうことが、仕事となると、責任が発生するし、大勢の人たちとの信頼関係もあるので、やるべきことは必然的にやっていくことになる(もちろんできない場合もたくさんあるけれど)。
親しい友人が「飲食店一件を一人で回していくことができたとしたら、そこで人生に必要なことはみんな学ぶことができるんだよ」と言っていたことがある。その言葉の意味が最初の頃、よくわからなかったのだが、最近、本当にそうだなあと思うようになってきた。要は自分の向き合い方次第なのだろう。手と足と体、そして頭とハートはいつもフル回転。そしてその中からいっつもたくさんの出会いと気づきをいただけて、幸せな気持ちになる。
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November 06, 2006
いつも作る利休まんじゅうをアレンジして甘酒まんじゅうを作った。本来、酒まんじゅうというのは甘酒を数日かけて発酵させ天然酵母を作り、それを生地の中にいれて作るという手間のかかるお菓子だ。簡単なものでは小麦粉を酒粕や日本酒で溶いて蒸すという方法もあるようだ。デザートとしてお出しするものを数日かけて作るわけにもいかないので、利休まんじゅうの作り方をアレンジして、甘酒を加えたまんじゅうを作ってみることにした。蒸しあがったものをさらにオーブントースターで焼いて焦げ目を付けたものが、今日のデザートにお出しした甘酒まんじゅうだ。
実は明後日、風楽の料理教室をやるので、デザートは何がいいかなあとあれこれ考えていた。それで試作がてらに朝、甘酒まんじゅうを作ってみた。何しろ料理教室ではレシピが必要になってくるので、目分量で混ぜてざっくりと気ままに作ったもの・・・・というわけにはいかない(これが私にとってはツライところ!)。それで教室の数日前から毎回のことながらレシピ起こしに頭を悩ませる。私はいつも材料を見ながら思いつきで料理しているので、計って作るということが本当に苦手。だから分料を割り出すことも実はとても苦しい。おまけに今週はさつま芋タルトの製作に毎日追われているので、頭がそこに中々スイッチしていかない。それで気がついたらもう明後日だ~と今頃になって焦っている始末。
今日は夕方、店を閉めてからまた一人試作に励み?ようやく料理教室のメニューが全品決まった。雑穀のモチアワを使ったカブのグラタンと、しのだ巻き、粒ソバのリゾット、ゴボーの梅煮、甘酒まんじゅうを作る予定。これからレシピを書かなくっちゃ。料理教室は明後日水曜日の4時から7時まで。デモンストレーションをしてお料理の作り方を説明した後、皆さんとお話しながらお夕食をいただきます。少人数でアットホームな教室ですのでよかったらご参加ください。参加費は3900円です。
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November 05, 2006
今日はこの連休一番の人出となり、店内はとても混み合い大忙しとなった。昨日の夕方、買い物に行った時、市内の車が意外と少ないのに驚いた。皆さん行楽地にでもお出かけだったのだろうか。連休や祝日とは全く無縁の生活をしているので、お客さんに言われて初めて「そう言えば今日は祝日なんだっけ?」と気がつくことも多いのだが、さすがに今日が三連休の最後の日ということくらいは自覚していた。
今日のデザートに作ったリンゴ寒天は真っ赤なリンゴ色。ちょっと見ただけだとワインゼリーのようにも見える。普通、リンゴジュースは琥珀色だったりベージュだったりで、リンゴのような赤い色のジュースは見たことがない。だけどこれは正真正銘のリンゴ寒天。この前、アップルプリザーブを作る時にむいた皮を刻んでレモンと砂糖で煮て冷凍していおいた。それをリンゴジュースの中に入れて一緒に寒天にしたら、こんなキレイな色に仕上がったのだ。真っ赤なリンゴやむらさき芋のむらさき色、茄子紺・・・身近にある野菜や果物の中に、ハッとするような鮮やかな色を見つけると、そんな色が自然界の中に存在しているということに驚く。
ラオスで草木染めと手織りで織物を作っている工房に行った時、案内してくれた人が「一般に使われているほとんどの色は、この近くの山々に自生している木や草や花の実などを使って染色すれば全て出すことができるんですよ」と話してくれたのを思い出す。毒々しい色合いの着色料や発色剤を使わなくても、必要な色はみんな自然の中に揃っているということなのだろう。
ここ数年、今頃は毎年、買い付けに行っていたのが、今年は久しぶりにタイに行かない秋となった。アジア雑貨の販売を大幅に縮小し、仕入れは年に一度、春先だけにしようと決めたからだ。だけど草木染の話を思い出していたら、またラオスに行きたくなってきた。屋台でビニール袋に入れたオカズと果物をいろいろ買ってメコン河の夕陽を見ながら食べたいな。北海道もいいけれど、やっぱり私は南方系?のようだ。
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November 04, 2006
2年前、私がライターをしているミレーのサイトで、風楽のケーキを販売していただいた。さつま芋タルト、むらさき芋タルト、人参ケーキ、チョコレートブラウニーなど数ヶ月にわたって納品した。お会いしたことのないネット上のお客様に向けて、素材にこだわった風楽の手作りケーキを食べていただくというのは、初めての試み。店独自でネット販売をするゆとりはないし、冬場はお客様が減るので、スィーツ作りの仕事があるというのは有難いことだった。ただ店を通常営業しながらスィーツを作るとなると、かなりの覚悟が必要で、当然ながら厨房は戦場のようになる。
その後スタッフの入れ替えなどもあって、それどころではなくなり、しばらく納品をお断りしていたのだが、今年になってまたお声をかけていただいた。私は基本的に依頼された仕事は(私がいれば)お受けするようにしている。今回は期間も数量も限定していただけるということだったので、それなら短期集中でやれそうだと思った。
というわけで来週からタルトの納品が始まることになった。それまで少しずつ作って冷凍しておかなければ。このさつま芋タルトはオリジナルレシピで開発したものだが、甘さを引き出すためにオーブンでじっくり焼いてからさつま芋をマッシュしている。焼き芋にすると使える量もすごく少なくなり、手間もかかる。4キロ以上のさつま芋を手でマッシュしているとそのうち腕の力がなくなってくる。全て手作業で野菜のケーキを作るのは本当に大変な仕事だなあと思う。
今日は昼前にあいりん堂さんにおにぎりの配達があったので玄米を3回炊いた。その後、定食の準備をしながら、さつま芋タルトを12台焼いた。夕方、店を閉めてから、あっという間になくなってしまったラム酒を買いに走り、タルトをしまうジッパーの袋を用意し、中に入れる手書きの手紙をコピーした。それを折って一台一台ジッパーの中に入れ封をして、ようやく冷凍庫に。この仕事を受けたことで、作ったものを発送できる形にするまでの一連の作業を一通り経験できてよかった。全部の仕事が終わったのは8時過ぎ。
実は今日の作業量、2人ではとても無理だろうなあと思っていたので、予定通りやり終わった時は正直、ほっとした。とても体が軽く、てきぱきと動けたのが意外だったが。
やればできるじゃん!・・・もちろんいつもそんなわけにはいかないけれど、今日くらいはこんなセリフ言ってもいいかな。
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November 03, 2006
ブロッコリーをまた農家さんからたくさんいただいた。冷蔵庫の中はブロッコリーで満員になってしまったので、とにかくたくさんブロッコリーを食べられるサラダを作らなくっちゃと考えた。それで今日のサラダはブロッコリーをフレンチサラダ風に仕上げた。ブロッコリーは穂先と茎を分けてゆがく。茎はサイの目切りにし人参も同じ大きさのサイの目切りにする。丸麦を炊いて、玉ネギのみじん切りと一緒にレモンで作ったフレンチドレッシングに漬け込む。そこににんにくのすりおろしとブラックペッパーとマスタードを少々加える。ただブロッコリーの鮮やかな緑色は酢で変色してしまうので、穂先の部分はドレッシングに漬け込まずに塩をふりかけて、お出しする直前にサラダの上に乗せるようにした。味は漬け込んだ方が美味しくなるのだが緑が覚めてしまうのは、やはり残念なので分けることにした。
今朝、留守中にたまっていた新聞を読んでいたら、3年ぶりに来日講演を行うエリック・クラプトンの素敵な言葉に出会った。「僕にとって成功は自分の直感と一体になっている。直観力は与えられたものという感謝の心が必要だ。演奏前、必ず祈る。より高い次元の力に接したい。自分だけの力でここまで来たと思い始めたら、自分自身と不協和音を起こしてしまう。(中略)自分の内からであれ、外からであれ、来るものを受け止める準備をするんだ」
「レイラ」を熱唱していた彼も今や61歳。常にトップミュージシャンとして苦悩しながらもキャリアを磨き続けた彼でさえ、演奏前に祈るのだという。久しぶりにアルバム「UN PLUGGED」を聴きながらパソコンに向かう。直観力は与えられたものという感謝の心が必要だ・・・すごく深い言葉だと思う。
私は自分の直観力を信じている。直観力だけを頼りに生きてきたと言っても過言ではない。そして自分の直観力を育むという点においては、かなり意識を向けてきたつもりだった。でもそういうことも含めて実は本当に大きな力によって全て導かれているということなのかもしれない。やはり人というのは生かされているものなのだろう。
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November 02, 2006
昨日の夜11時半過ぎに北海道から帰ってきた。成田から羽田は電車のアクセスが悪くて、飛行時間よりも電車に乗っている時間の方が長い。今回はAIR DOが45日前の予約で羽田ー女満別が10600円と格安だった。でも乗ったらもっとビックリ!機内誌を見たらなんと12月25日まで(45日前までの予約)8500円になるというのだ。往復17000円!一体どこまで航空券は安くなるのだろう。年内にもう一度行きたくなってしまった。
今回はサロマ湖の近くに住む友人の家に泊まらせてもらって漁港に行ったり、ドライブしたり、温泉をハシゴしたり、文庫本を読み漁ったりとのんびり過ごしてきた。写真はサロマ湖の夕陽。シーズンオフで湖畔の露天風呂には誰も人がいなかったので、お風呂に文庫本とデジカメを持ち込み、夕陽が沈むのをずっと眺めていた。露天風呂で一人デジカメ片手に写真を撮ったり、ヨガのポーズを取ったりしている裸のオバサンなんてかなり不気味だけど?誰もいないのだからまあ、いいかと悠長に構えて過ごす。
漁港では牡蠣や鮭を買って友人の家で山ほど食べた。写真は水揚げされたばかりの鮭。小さく見えても一尾4キロほどある。スキーをするには早いし紅葉は終わりかけているという中途半端な季節だけど、味覚的には秋刀魚や帆立も採れるし鮭が上がり、牡蠣漁も始まるなど魚介類が豊富な時期でたっぷりと海の幸を堪能することができた。

取り立てて有名な観光地に行ったわけではないのだが、北海道のいい所はちょっと走っただけでも絵になるようなハッとする風景に出会えることだ。特に色とりどりの紅葉の季節は本当に美しい。カラ松の葉が黄色く色づいている山の中腹に西日が差し込むと枝葉がキラキラと輝いているように見える。丘陵を埋め尽くす赤や黄色や緑の木々たちの色模様。目を見はるような自然の姿を普通に走っている車の中から垣間見ることができるのだ。だから秋の北海道は毎年行きたくなってしまう。
今朝は早めに起きて山ほどたまっていた子供たちの衣服を洗濯機に放り込み、食器が散乱している流しを片付けゴミを出す。留守中のスタッフからのメモに目を通し、早めに店に下りて今日やることの段取りを考える。すっかりいつも通りの朝だ。出発前に取り寄せた青森の低農薬の紅玉をレモンと素製糖で煮てアップルプリザーブを作る。

ミレーがネットで販売してくれることになっているサツマイモタルトの納品が来週に決まった。明日から毎日数台ずつタルトを焼いていかなければ。来週は私もお休み返上だ。もし旅行をして疲れて帰ってきたのだとしたら、こんなにいきなり普通の生活には体が戻れないだろう。だけど私はどこかに行く度に元気になって帰ってくるから、そのままスムーズに元の生活が始まってしまうのだ。余韻に浸るヒマもないので、それをちょっと寂しく思うこともあるけれど、楽しい時間を過ごせたのだから、帰ってきてからは前よりも元気で仕事をしなくっちゃと思っている。
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