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January 04, 2007

サッチーの黒豆

Dsc03923サッチーは黒豆を煮るのが上手だ。昨年のお節料理の黒豆もサッチーに煮てもらった。つやつやしていてふっくらと炊けていて本当に美味しいのだ。昨夜でお節料理もほぼなくなり、今朝、重箱を洗って片付けた。重箱をしまうとお正月も一区切り。でもサッチーの黒豆だけはまだ冷蔵庫に大事にしまってある。
サッチーは開店当時からずっと厨房にいたスタッフだ。サッチーは料理が好きで縫い物が好きでおしゃべりが大好きな人だ。だからサッチーが厨房にいるといつも何かしら作っているし、大きな声でずっとしゃべっている。近所の人に野菜をもらったと言っては野菜を持って来てくれたり、庭の花を摘んで来てくれたり、ケーキやまかないのオカズを作って来てくれたり・・・どれほどサッチーには世話になっただろう。お互いの料理の味見をしながらよく味付けについて相談しあった。「いい素材を使おうね、美味しいお料理を作ろうね、材料を無駄にしないで使いきろうね」・・・サッチーと私の合言葉だった。サッチーは雑学も豊富なのでいつもいろいろなことを教えてもらった。「おばあちゃんの智恵袋みたいだね」と私が言ったら「おばちゃんなんかじゃないわよっ!」って言い返されてしまった。
明るくて元気だけれど、家には病気で働けなくなったダンナさんと糖尿で目が見えないお母さんがいるから、サッチーが大黒柱となって、風楽と掛け持ちでもう一つ仕事をしている。しかもサッチー自身にも膠原病という持病がある。そんな大変な状況の中でも一日も仕事のシフトに穴を開けたことがない。還暦まではがんばるわ~と言っていたけれど、体調や家庭の状況など様々なことを考えた末、昨年末で風楽を辞めることになった。
開店当時からの私のやりくりの苦労を全部わかっているので、サッチーは少しでも自分のできることをしようと店のためにいろいろなことをしてくれた。本当にサッチーにはたくさん助けてもらった。今でもサッチーがしてくれたことを思うと、そのありがたさと優しさに胸がいっぱいになり涙が出てくる。
サッチーの黒豆を今朝も食べた。何度食べても変わらないサッチーの味だ。私にとって美味しい黒豆というのはサッチーの作ったこの黒豆の味だ。
ありがとう。サッチー。そして元気でいてね。そしていつでも風楽の賄いを食べに来てほしい。還暦のお祝いは歴代のスタッフみんな集めて風楽でやるから楽しみに待っててね!

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Comments

担々麺さんありがとう。
仕事というのはとてもありがたいもので、少なくともサッチーと一緒に仕事をできただけでも私は幸せでした。実はサッチーと私は、性格も年代も志向も趣味もかなり違う部分が多いんですよ。仕事を一緒にしなければ、共通点というものは少なかったのです。それでも互いに美味しいものを作ろうという思いが根底にあったので、つながっていくことができました。そしてすごくいい勉強になり楽しかったのです。サッチーには感謝の気持ちでいっぱいです。

のりぴいさんありがとう。
お互いに一緒に仕事をしていると自然と役割分担が決まってきて、サッチーは伝統的な煮物を作る人、私はいろいろな材料を組み合わせてサラダや和え物を作る人・・・という感じに分かれていたんです。よく他のスタッフが「えいこさんとサッチーのそれぞれ違った味付けのバランスが定食の中で一緒に並ぶのでちょうどいい」と言っていました。私もサッチーもずっとそう思っていたんですよ。

ビオラさんありがとう。
そうなんですよね。何かの終わりは何かの始まり。本当に明確なことです。そしてサッチーは風楽の仕事を辞めたけれど、私とサッチーがこの5年間で築いてきた関係が終わりになるということは決してないから、これからもいつでも会える仲間です。そういう仲間が厨房にいる人以外にも広がっていったことはすごくありがたい・・・。風楽に関わってくれた人たちとは、仕事抜きでもずーっといい関係を続けていけるなあと思っています。

Posted by: 風楽 | January 06, 2007 at 01:40 PM

サッチ-さん、長い間お疲れ様でした。私も、そうとは気付かずサッチ-さんが作って下さった美味しいものを一杯頂いていたのだと思います。ありがとうございました。
えいこさん、お寂しいことでしょうね。お気持ち、よく伝わります。でもなにかが終わった時は、同時に始まりの時でもありますものね。サッチ-さんとも新しいご関係が築かれることでしょう。

Posted by: ビオラ | January 05, 2007 at 09:15 PM

サッチーさんの黒豆 我が家も 昨日食べ終えました。そのあとこのブログを 読んだので しみじみ。直接お話する機会はありませんでしたが たまに えい子さんがお休みの日のランチで スパゲッティを頼むと「アッ おいしい!」と思うときがあり(決して えい子さんのがまずいと言うのでなく)その時は サッチーさんが厨房から出てらっしゃいました。やむを得ないけど ちょっと淋しいですね。

Posted by: のりぴい | January 05, 2007 at 07:47 PM

心中、お察しします。
そういうお気持ちになれる方と一緒に働けたことは財産ですね。
人ごとなので簡単に言ってしまいますが、うらやましくもあります。
黒豆を上手に炊けるのは根気のいる仕事ですから。水を変えて、しわし和にならないように注意して。人柄がにじみ出ますね。
マクロなんて言葉は大嫌いですが、自然に昔からの本物の食をこしらえることができる人は尊敬します。マクロ、商業用語ですね。この言葉が流行って儲かったのは風楽でもなく、雑誌、協会、アメリカのあの人、あたりですからね。
すいません、また毒舌でした。

Posted by: 担々麺 | January 05, 2007 at 07:35 PM

璃璃さんありがとう。
私の中でサッチーは「赤毛のアン」に出てくるマリラおばさんのような存在なのです。本当に別れは寂しくてブログを書きながらも泣いてしまいました。サッチーから年末を区切りに辞めようかなと思っているんだと聞いた時、厨房を一体どうしようかと本当に悩みました。私にとっては片腕みたいな人だったからです。でも鯛三さんがサッチーの後に来てくれることになったので、厨房のことについては一安心ですが、開店以来長く一緒にいた仕事仲間なので、気持ちの上ではまだまだ吹っ切れなくて・・・。スタッフを見送る時はいつも寂しさが去来します。

Posted by: 風楽 | January 05, 2007 at 03:49 PM

あぁ・・・・
そうでしたか・・・・・
えいこさんのお気持ち察します・・・
もっともっと いてほしかったですね。。。

サッチーさんは
このブログで頻繁に登場されていたので
わたしも その都度サッチー像を想像させていただいていました。
もう 登場されなくなってしまう・・と考えると
とても残念です。。

Posted by: 璃璃 | January 04, 2007 at 09:58 PM

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