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March 05, 2007

春の匂い

Dsc00128朝、起きた瞬間、春が来た!っと思った。理屈ではない。何か突然、空気が春の気配に変わっていたのだ。今日は風が強い一日だったけれど、気温は夕方になっても下がらず、野菜を買いに行く途中、国道51号にある温度計は20度と表示されていた。
4月のような陽気。この分だと桜の開花も早まって、入学式前には散ってしまうだろう。いよいよ春が本格的に始まるのだなと思いながら、店に行ったら、サッチーが雪柳と沈丁花を手折り、持ってきてくれた。その後、お昼を食べに来て下さったお客様からは菜の花をいただいた。そのうちの一つは京菜の菜の花。小さな黄色い小花がとっても可愛らしい菜の花だった。食べちゃいたいのをガマンして?全部、お店に飾ったら、お店の中が春の花たちの匂いに包まれて、いっきに春めいてきた。
匂いというのは人の記憶のスイッチを呼び覚ます働きがある。道を歩いている時に、ふっと嗅いだ匂いから、昔の恋人を思い出したり、楽しかったシーンの映像が急に浮かんでくることがある。
今日から3月末までのほんの一時だけど、サッチーが週3回ほどまた店を手伝ってくれることになった。鯛三さんが突然辞めると言って、次の日から店に来なくなった。その次の日にはもう東京へ引っ越してしまった。何とも急な展開だ。今の店の経済力では一人の男性の経済を支え切れなかった。残念なことだけれど仕方がない。3人体制を前提に仕事の予定を立てていたので、しばらくの間、混乱し今後のことを考え呆然としてしまった。
今までも何人ものスタッフが店に関わり巣立って行った。あと何人見送ることになるのだろう。その度に寂しい気持ちを味わってきた。でも仕事という場を離れてからは、友達としてずっとずっと付き合っていくことができる。昨年の秋からこの2ヶ月の間、互いの夢を語り合って、共に仕事をしていきた時間は本当に様々なことを考えさせられた。共有した時間が深ければ深いほど、離れることは寂しいけれど、鯛三さんとはきっとこれからも友達でいられると信じている。いつでも遊びに来てほしい。出会えたことに深く感謝している。
そして私はいつものように、今日も農家さんに行き、朝になれば何を作ろうかなと考え、お湯をわかし、野菜を湯がき、器を並べ、お客様が来るのを待っている。夕方になれば一日を振り返りブログを書く。変わらない日々の営み・・・揺らぐことなく、この小さな毎日を丁寧に生きていくことが、今の私にとって一番大切なことなのだなあと思う。

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Comments

担々麺さんありがとう。
様々な思いを抱きながら、それでも前向きに少しでも成長し続けていくことのできる自分と店でありたいと思っています。どうもありがとうございました。見守っていていただけたら幸いです。

Posted by: 風楽 | March 07, 2007 at 08:31 PM

お返事拝読しました。
前向きに捉えられておられるようでそりゃ良かった、今後もがんばってください。
やっぱりオーガニックライフはメジャーにはなれない、と思います。儲かるものでもないとやはり思います。こつこつとやるものではあっても。

私のような一庶民はそのようにこつこつとやっていただいている生産者やレストランの方々のおかげで恩恵を受けていますので、ありがたく思います。ではでは。

Posted by: 担々麺 | March 07, 2007 at 10:16 AM

担々麺さんありがとう。
ただ夢を語っているだけだったら、子供でも語れるし、語ること自体に制限はありません。だけど、現実にそれをどのように形にしていくか・・・。まして経済の問題なしには形化していけない部分があって、私も今回のことはとても学ぶことが多かったです。まだまだ整理しきれていないのですが、でも少なくとも「お金の切れ目が縁の切れ目」にならなかったことが救いです。この広い宇宙の中で出会えた人たちとのご縁というのは並々ならないものですね。まして一緒に同じ夢を語り合って、同じ釜の飯を食い、同じ仕事をしたという関係はかなり深い縁があったということでしょう。それを大切にしたいなあと思っています。
急に人数の体制が変わってしまったし、ケーキやカレーやスープがなくなりストック作りが重なってしまったので、ここ数日は私の仕事量がかなり多くなってしまい、どうしよう!?・・・・という感じでしたが、でも何とか落ち着いてきました。以前と同じようにやっていけばいいんだって、思えるようになったことで、また新しく始められるような気がしています。本当に人生にはいろいろなことがあるものですね。

Posted by: 風楽 | March 07, 2007 at 12:18 AM

そうですね、今日は暖かい日でしたね。人の心はコントロールできないもの・・・難しいものですね、ブログを読ませていただいていてうまくいっているとばかり思っていて、いつか、彼の料理もいただきたいと考えていました。キャンディースの「微笑み返し」を思わせます。
うーん、オーガニック料理(というか経営の姿勢、生き方)の難しさをまたまた拝見してしまったような。本当にこのまま大量消費で、上昇志向でいいの?だろうか。
でも、それから外れることは日本では「脱落」と見なされますから、いつまで経っても「オルターナティブ」なんて、かけ声だけで終わってしまう。今日は私も考えさせられました。根が深いなあと。
日本各地でオーガニック料理屋さんに行きますが、繁盛して事業として成功しているのは主にバイキング(ビュッフェ式)の店。客層は、若い女性、主婦がメイン。
でも、話していて尽きることがない、看板を下ろす時間を過ぎてもいろいろと教えてくれるしこちらのつたないオーガニック体験を真面目に聞いてくれるのは、街角にある小さな(風楽のような)お店。客は若人もいれば中高年も多い。わけありげな人も多い。店主は、肩肘張らずに淡々とオーガニックの目線でやってきた個人のそしてお仲間のお話です。そんなとき、ああこの店主に会えて良かったなあと思うし、私も間違ってないんだなあ、と思います。
これは外国でも同じ。オーガニックの大型店では話すことなどないし、店員も皆バイト。でもオーガニックの個人商店では話が弾みます。
お米をいつも買っているある農園でも、今年からは国の政策で米の作付け面積が3割減反で、経営が一挙に苦しくなったそうです。何なんでしょうね農政は。メタボリックは駄目よ、とか言っておきながら、メタボリックを防ぐ大切な古代米などの減反をすすめるとはね。
あ、理屈っぽい話ばかりになって済みませんでした。

がんばれ、風楽!

Posted by: 担々麺 | March 05, 2007 at 08:57 PM

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