April 30, 2007
春をイメージする色って、何色だろう?。ちょっと前まで桜が満開だったので、淡い桜色が春らしいなあと思っていた。でも桜も終わって、新緑がまぶしい季節になると、今度は柔らかな緑系が春にふさわしい色だなあと思うようになってきた。若草色。とてもキレイな響きだ。和名で色を表すととても美しい日本語に出会える。カタカナで色を表すよりも、こんなに美しい日本語の響きでいつも色を表現できたら・・・そしてそれを日常的に使えたら楽しいのになあと思う。ただグリーンと言うよりも、和名だと微妙なニュアンスや様々なイメージを喚起させてくれるから不思議だ。
今日、作ったドレッシングをそんな和名の色の中から名付けるとしたら「若草色のドレッシング」。
ほうれん草を茹でてみじん切りにして、玉ネギと一緒にミキサーにかけて、甘酒、なたね油、酢などで調味したドレッシングを蒸し野菜にかけた。甘酒の白い色がほうれん草の濃い緑色を淡くて優しい色に染め変えてくれた。トロリとしていてすごく柔らかい感じがするドレッシングなので、見た目からもとっても美味しそう。
昨日に引き続き、今日も最高にいいお天気。半袖のTシャツを着ているお客様が目立った。まるで初夏のようなさわやかで陽射しの気持ちいい一日だった。今日は途切れることなくお客様が来て下さり、パキパキっと忙しく働くことができた。タイから帰ってきて、はりきって厨房に立っても、あまり忙しくないと、かえって体がなまってしまうようだ。忙しくしているのが好きなんて貧乏性?なのかもしれない。満席になって、オーダーが間に合わないほど忙しくなった日は、マキコちゃんが「今日は忙しくて面白かったです~」なんて言ってくれる。ヒマな方が仕事はラクなのに、うちの店のスタッフは誰もがヒマな日よりも忙しい日を喜んでくれる。ありがたいことだ。頼もしい仲間たちに助けてもらいないがら、GWの後半もがんばろうっと!
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April 29, 2007
世界中で一番多くの地域で食べられていると言われているヒヨコ豆。風楽でもカレーに入れたり、サラダにしたり、トマト煮にしたり・・・と様々な料理にアレンジしている。しっかりした豆なので煮崩れる心配もなく、火の通りも早いので使いやすいのだ。独特の匂いがあるので、たっぷりの水の中にローリエを加えて一緒に煮ている。
今日はヒヨコ豆を煮て、マッシュし、コロッケを作った。ヒヨコ豆をマッシュしてスパイスで味をつけたものをフマス(またはファラフェル)と言って、中近東地方ではコロッケにしたり、サンドイッチの具にしたりして日常的に食べられている。ヴェジタリアンのたんぱく源としても積極的に使われている食材だ。今日は1キロ豆を湯がいたので、かなりの数のコロッケができあがった。しばらくコロッケ三昧が続きそう・・・・。
本場のフマスを食べた時、かなりスパイスの味が強く、このままでは日本人の食卓には合わないだろうなあと思った。スパイスの使い方の好みには個人差があるので、何とも言えないけれど、あまり香りの強すぎるものが私は好きではないので、今日はほんのりとした味に仕上げた。でもちょっと異国風味も?ほしかったので、マッシュしたヒヨコ豆の中に、ザータルを加えた。これはパレスチナのハーブでパレスチナを支援しているNGO「パレスチナオリーブ」の商品。レモングラスのようなさわやかな酸味と独特の香りがどこかアラブっぽくって?ヒヨコ豆にピッタリ。使いすぎるとキツクなるので、量はほんの少し、優しい風味が口に広がる程度に加えてみたら、とっても美味しかった。スパイスというのは隠し味に使う分には美味しいけれど、あまり強烈な香りが全面に出てしまうと、お味噌汁に合わなくなるので気をつけなければ。
久しぶりの晴天。こう気持ちのいいお天気になると、近場で食事をするよりもどこか遠出をしたくなるのだろう。店がヒマだったので、抜け出してこんなに早い時間にブログを書くことができた。でもこれってあまり嬉しくない?傾向だ・・・・。
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April 28, 2007
April 23, 2007
今日、3週間ぶりにようやく休みが取れた。この間、全く調理場から離れられず、毎日厨房に立っていた。取材がある時も早朝に定食の支度をしてから出かけた。夜の予約や早くから支度しないと間に合わない日もあったので、かなりの時間を厨房で過ごした。今日も朝から抜けようと思ったが、昨日の停電事件?の後、バタバタっと店を閉めてしまい、マキコちゃんとチョウコちゃんにきちんと引継ぎができていなかったので、午前中だけは店に出た。私が店内の掃除をやって、あえて二人に作るところは任せることにした。一緒にお昼を食べてから私は2階に上がった。
4月初旬に仕込んだ手作り酵素ができたので小分けにするためペットボトルなどに移し変えた。材料となった野草は言わば絞りカスなのだが、ここにもまたたくさんの酵素が残っている。この野草を洗濯物のネットに入れてお風呂に浮かべると即席の酵素風呂になるのだ。おが屑を発酵させてその中に入る酵素風呂も私は好きで、たまに行くのだが、摘んだ野草を最後まで生かせるこの草のお風呂もまた格別。お湯が淡い緑色になってお風呂場は草の香りでいっぱい。草いきれという言葉を思い出す。酵素の力が生きているのでとても温まるし、お肌もツルツル。バスソルトも入れたので、まるで温泉に入っているみたい。日中にバスタブに入れるなんて滅多にできないので、私はそれだけで贅沢な気分になってしまう。山田詠美のエッセイを持ち込んでぬるめのお湯にゆっくり浸かって読む。それから布団に転がってちょっとウトウト。こんなにゆっくりできるのは久しぶり。
明日はまた普通に仕事をして、夕方、そのまま空港へ直行してタイへ。どうしようかと迷ったけれど、1週間前に格安チケットを買った。原油の値上がりのため、ここ数年はシャーチャージと言ってチケット代にさらに燃料費が上乗せされるので運賃がかなり高くなってしまった。アジア雑貨の販売はもう終わりにするつもりなので、多分、今回は最後の買い付けになると思う。飲食中心にやれるよう少しずつ他の仕事を整理していかなくては。4泊5日と言っても深夜着の早朝発なので、実質2泊3日のかなりタイトなスケジュール。
金曜日までブログお休みさせていただきます。行ってきま~す!
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April 22, 2007
写真だとフラッシュが光っているので、全然暗く見えないのだが、実はこれ、かなり暗い中で作業をしているところ。今日の2時半頃、突然、停電になった。ブレーカーが落ちたのだと思って、使っていた電気製品のスイッチをとりあえず全部OFFにして、配電盤を確認に行ったのだが、大元のブレーカーの方が落ちてしまい戻そうと思っても戻せない。一つのコンセントから何個かの電気製品をいっせいに使うと、個別のブレーカーが落ちることはたまにある。でも今回はエアコンもついていなかったし、一度にたくさんの電気を使っていたわけではない。お客様の男の方も心配して見てくださったのがわからない様子。電話も使えないので、ケータイから東京電力に電話をして停電になって困っているのですぐに来てくださいとお願いした。
今日は忙しくて、その時間でもおフロアにはまだ5組ほどのお客様がいらした。店全体の電気が切れてしまったので、冷蔵庫はもちろんのこと、フロアの電気やステレオ、換気扇、コーヒーメーカーなど全部使えない。電気が消えてBGMのないフロアになってしまったが、お客様は一瞬驚いた様子だったけれど、そのまま何事もなかったかのようにお食事を召し上がって下さった。こちらはかなり焦ったのだが、お客様が変わらずにいてくださったので、とてもほっとした。厨房ではちょうど出来上がったカレーを小分けにしたり、ご注文をいただいた30個のお握りを作っている最中だったので、暗い厨房の中、窓側に作業台を移動させて窓明かり?のもとで仕事を続けた。その時の様子を撮ったのがこの写真。実際にはもっと暗い。
1時間後に東京電力の方が来て(何て長かったのだろう!)、確認してもらったら、配電盤には異常がなく、何かの電気製品から漏電したので電気が止まったのだろうということだった。そういえば、ちょうどアイスクリームを作ろうとハンドミキサーをコンセントに差し込んだところだった。コードの根元がちぎれていたので、そこから漏電したようだ。プロの方に検査してもらったので、事故ではないとわかり安心したけれど、ランチタイム時に電気がストップしてしまうと、事実上、店の営業はできないということがわかった。私は原発の建設には反対の立場だけれど、飲食店って、こんなにも電気に依存していたのか・・・と改めて実感した。停電時にお店にいらしたお客様、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
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April 21, 2007
風楽の器をたくさん作ってくれている陶芸家の垣野勝司さんが年末に籍を入れた。ふくみちゃんという可愛らしい奥さんだ。店の器を焼いてくれる作家さんという以上に、親しい友人であり弟のような存在でもある彼は、垣野さんと呼ぶよりもカキピーという愛称で呼ぶ方がしっくりくる。とても気の合う大切な友達だ。
店をオープンさせてから一度はやってみたいと思っていたことがある。それは結婚式だ。そんな私の夢の一つが近々実現できる。6月にカキピーが風楽で結婚式をやってくれることになった。式というよりも親戚や友達の前でのお披露目会のようなものなのだが、二人曰く「村の結婚式」のようなイメージの飾らない和気藹々とした会をやりたいとのこと。
何度か打ち合わせをしてきたが、今日の夜は新居にお邪魔して夕食をいただきながら、具体的なことを相談した。陶芸家という彼の仕事柄、使うお皿も彼の作品をたくさん用意してもらおうと思っている。会の進行や用意するものの話をつめていこうとするのだが、何しろ気の合う友達だけに話の脱線が多く、なかなか思うように話がまとまらない。それでもタイムスケジュールを決めて、それに対してお互いの役割分担を明確にしながら、何となくの概要が見えてきた。「今からドキドキしちゃうなあ・・・」なんてシャイな彼は心配していたけれど、本当に幸せになってほしい二人なので、心からお祝いしたいし、私のできることは何でもやらせていただこうと思っている。
結婚式場やホテルやもっと広い会場のオシャレな店はたくさんあるのだが、そういう場所ではなく、あえて風楽を選んでくれたことに感謝しながら、小さな会場だけど、お花をいっぱい飾って、心温まる素敵な結婚式にしていきたい思っている。あと2ヶ月。当日が楽しみだ。
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April 20, 2007
今日のデザートは甘酒と豆乳でプリンを作った。くず粉で固める焼きプリンだが、卵と牛乳を使わないでもプリンができるなんて面白い。もちろん一般的なプリンとはちょっと違うけれど、甘酒の香りが美味しくて、トロリとしているプリンだった。使ったのは玄米甘酒。玄米甘酒は今日の定食でもドレッシングを作る時に使用して大活躍。甘酒饅頭の皮にもなるし、タルト地のフィリングにも使える。ナチュラルスィーツを作る時はとにかく欠かせない素材。
それにお米の中に含まれているでんぷんが麹菌に含まれる糖化酵素の働きで、ブドウ糖になっているので、甘酒を飲むことは、口から点滴を入れているようなものだと言う。必須アミノ酸やビタミンも豊富に含まれており、とにかく甘酒は栄養満点の飲み物。
だけど春を過ぎるとメーカーの製造が中止になるのか減るのかわからないが、問屋さんからは仕入れられなくなるので、冬の間、ずっと店先に並べていた甘酒も今日で在庫は終わり。しばらくは手に入らないので、これからの季節は必要に応じて、自家製の甘酒を作っていくしかない。
意外に思ったのだが、甘酒の季語は夏なのだそうだ。ちょっと早いけれど、夏バテ防止にも一役かってくれそうだ。発酵食品を積極的に摂って腸内細菌を増やしたい。夕方、ようやく先日仕込んだ春の酵素をザルにあけた。一晩かけてゆっくり草の酵素をろ過して、その後、海の精を加えてできあがり。しばらく寒かったので発酵がゆっくりだったけれど、今年もまた生命力たっぷりの野草酵素ができあがった。
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April 19, 2007
昨日の夜は海外からいらしたお客様のお食事会があった。案内をされる日本人はお一人。欧米各国からベジタリアンのお客様をお迎えし、国内を観光した後、今日の便で帰国されるとのこと。昨夜は成田空港近くのホテルに宿泊されるので、その前に店で夕食を召し上がりたいとご予約いただいたのだ。そのうちお一人はべジタリアンだが、玄米以外、全く日本食が召し上がれないので、何か別のものを作ってほしいとご依頼があり、一人分だけは洋食仕様に。他の皆さんも全員ベジタリアン。肉も魚も召し上がらないので、かつお出汁ではなく昆布出汁を使うこと、またにんにくと砂糖は使わないでほしいというご要望もあった。
何がいいかなあとメニューをいろいろ考えた。もちろんベースは和食だ。レンズ豆のコロッケだったら、向こうの方にも喜んでいただけるだろうと思いメインはそれにした。最初に定食のトレイをテーブルにお出しした時から、ウワァ~と声を上げて喜ばれ、お料理を召し上がりながらも「オイシイ。ホントニオイシイ・・・」と日本語で何度も言ってくださった。日本人に比べると、海外の方は喜びをジェスチャー付きでストレートに表現してくださるので、わかりやすい。皆さんとっても気に入ってくださり、なぜか「ファンタスティック!」を連発。こちらの方こそ嬉しくて感激してしまった。食後はコーヒーではなくハーブティーを希望されたので、サーバーに入れてお出しし、お好きなカップでどうぞとお声をかけると、また「ナ~イス!」と言って盛り上がり、とても楽しげに笑いながらカップを選んで下さった。
「みんなベジタリアンなのに、こういう食事を食べられる店が少なくて、千葉に来てからはどうしようかと心配だったのですが、本当に美味しかったし、みんな喜んでくれたし助かりました。ありがとうございます」とホスト役の日本人の方からも言っていただいた。
ハーブテイと一緒にマクロクッキーをお出ししたら、「本当に砂糖が入っていないの?」と何度も質問された。カウンターに並べておいて、焼いたばかりの豆腐マフィンとマクロクッキーも大人気で、全部、売り切れてしまった。
私のおぼつかない英語では細かなニュアンスをお伝えすることはできないが、「美味しい」と喜んでいただいている姿は、言葉がなくてもその様子から伝わってくる。美味しいものに国境はないんだなあ、きっと。
夜の予約の時、一人で仕事をするのはちょっと心細いのだが、昨日はそんな気持ちになる隙もないほど、たくさんのリアクションをいただいて、楽しく仕事ができた。
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April 18, 2007
佐倉きのこ園にミレーの取材で行ってきた。9時からの取材に行くために、朝の6時半から定食の支度をして、その後、店を抜け出し、開店時間前までには店に戻ってきた。佐倉インターのすぐ近くにあるきのこ園では菌床栽培で美味しい椎茸を作っている。農薬や添加物を一切、使用せず、地下50mの天然水だけで栽培されているので、安心して食べられる。初めてきのこ園に行った時、菌床栽培でこんなに美味しい椎茸があるんだなあと知って驚いた。
一般にきのこは無農薬でしか作れないと言われているけれど、実際には防虫剤や防カビ剤などの薬品を使用している場合が多いそうだ。急に温度があがる今の時期、きのこ園でも菌床のブロックにカビが発生するのだが、薬剤を散布せず、全て水洗いでカビを落としていくそうだ。だからスタッフは毎日、ブロック洗いと室内の床流しに追われているという。実際に温度も湿度も高い部屋の中なので、カビが生えるのも自然なことなのだろう。カビが生えている菌床を見せていただき、逆に安心した。椎茸狩りをした後はバーベキューもできる施設が整っているので、これからの季節は大勢の人で賑わいそうだ。
最近、店のお味噌汁の具はいつも重ね煮で作っている。その時、鍋の一番下に椎茸を入れる。椎茸があるのとないのとでは味が大違い。椎茸だけのお味噌汁も香りが強くて美味しいのだが、重ね煮をすることによって、椎茸の香りだけが突出することなく、他の野菜の甘味や香りも引き出されるので不思議だなあと思う。一つ一つの野菜の香りは逆に目立たなくなるけれど、その分、全体的な旨みが増していくのだ。だから買い物に行くたびに、いい椎茸を探していた。
取材の後にお話していたら、成田方面にも配達にいらしているそうなので、土曜日なら届けていただけるとのこと。これで美味しい椎茸が毎週確保できそうだ。小分けにして店頭にも並べられるかもしれない。帰りは、きのこ園の売店でたくさん椎茸を買ってきた。明日からの重ね煮のお味噌汁はきっとより一層美味しくなることだろう。
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April 17, 2007
最近、ナチュラルスィーツ作りに凝っている。いつも「本日のケーキ」として、その日にお出しできるケーキを貼り紙しているのだが、最近は、必ずマクロケーキも1種類はご用意している。なぜか人気があって、普通のケーキと同じ数を用意してもなくなってしまうのが早いようだ。マクロビアンで、最初からマクロケーキを希望される方も多いが、「砂糖、卵、乳製品を使わずに作ったケーキなんですよ」というケーキの内容をご説明すると、「砂糖なしなんて魅力的ね、それにしようかしら?」・・・となる場合も多いようだ。
昨日は久しぶりに店がヒマだったので、ケーキやクッキーを一日中、作っていた。このケーキはさつま芋とリンゴのタルト。さつま芋とリンゴをそれぞれ塩で蒸し煮して甘味を引き出してから、フィリングに加えた。コーンミールとアーモンドプードルとメイプルと豆乳で作ったフィリングはほんのりと優しい甘さが美味しい。
タルト地は全粒粉を使ってサクサクとした風味。砂糖がなくても充分に甘くて美味しいタルトだと思う。上から艶を出すために、ノンシュガーのリンゴジャムを塗ろうかなと思ったが、何もつけない方が、素材の味を楽しめそうなので、そのままお出しすることにした。
今日は雨が降って随分と冷え込む一日となった。久しぶりに店のエアコンをつけた。家でも灯油がなくなってしまったので、もうストーブは使わないつもりで部屋の隅においやっていたのだが、夜になって、次男が寒いと言い出し、一緒に灯油を買いに行った。いっきょに冬に逆戻りだ。寒暖の差がこう大きいと体調を壊す方も多いだろう。今夜はどうぞ暖かくしてお休みください。
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April 16, 2007
定食には必ず、お豆をお付けするようにしている。一度に1キロずつお豆を煮ているので、だいたい3~4日に一回はお豆を煮ている。今日、厨房の中にあったお豆は3種類。紫花豆、虎豆、レンズ豆。ただのお豆なのに、お豆がいろいろ並ぶと何だかとっても可愛らしい。お豆は体にいいし、たんぱく質も豊富に含まれているので、積極的に摂りたい食材だ。だけどご家庭でお豆を煮て、毎日、食卓に並べるというのは大変そうだ。それに一度にたくさん煮てしまうと、毎日、同じお豆が続いて飽きてしまうだろう。そのせいか最近では豆を煮るお家も少なくなってしまったようだ。
風楽では以前、煮豆は控え目ではあるが砂糖を入れていた。でも最近では、砂糖を入れず塩だけで調味するようになった。塩加減のバランスがちょうどいいと、うまくお豆の甘味を引き出すことができるようだ。
この前、お客様から「どうして風楽のお豆はいつもキレイに煮えているのですか?」と聞かれた。自分の中では、今日はとても上手に煮えたと思える日と、そうでない日があるので、決していつもキレイに煮えているというわけではないと思うのだが、どうして?と聞かれて、その違いは何だろうと考えた。
前日からたっぷりの水に浸しておいて、落し蓋をして沸騰させずにコトコトとゆっくり煮て、最後に塩を入れるという煮方はいつも同じだ。でも違いがあるとしたら、お豆がそこで煮えているということにいつも気持ちを向けているかどうかなのかもしれない。他の野菜の切り込みや煮物の準備に追われて、火にかけっぱなしでいいお豆の存在を忘れてしまうと、いつも彼らはストライキを起こす。プーっと膨らんで弾けてつぶれてしまったり、いつまでたっても柔らかくなってくれなかったり・・・・。
何をしていても時々、調子はどう?って声をかけてあげること。火にかけているお豆の存在を忘れずにいてあげること・・・そうすると、機嫌よく美味しく煮えてくれるようだ。もしかしたらお豆も人間と同じなのかも・・・?
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April 15, 2007
お弁当の準備をするため、6時ちょっと前に目覚ましをかけたのだが、布団からなかなか抜け出せず、7時過ぎに厨房へ。まずは出汁をひき、圧力鍋を火にかけ、第一弾の玄米を炊き始まる。それから太いゴボーをゴシゴシ洗って椎茸と一緒にごま油で炒めてから煮込む。その後、里芋、人参をそれぞれ別煮した。何しろ量も多いし、バラバラに煮ているので、ガスコンロはずっと満員。サラダは自然農法の会の方たちが作っている切干に京菜、玉ネギ、人参を加えて柚子風味のサラダにした。切干大根を戻してから、さっと湯通しし、サラダにして生で食べるのは歯ごたえがあってとても美味しい。煮物はお弁当箱に詰めてもまだ量がたくさんあったので、大皿に盛り付けておかわり用に食べていただくことにした。
9時にはスタッフもみんな来てくれたので人の手も多くなり仕事がはかどった。お弁当箱をフロアに並べて、作り終わったお惣菜を詰めてくれたのはヒデコちゃんとショウコちゃん。「もうパンパンでオカズが入りませ~ん!」と言われるくらいギッシリとたくさん野菜の入ったお弁当ができあがった。アリミちゃんとヨウコさんには今日の店頭に並べる人参ケーキを仕込んでもらい、私はお惣菜を作り終えたら、味噌汁用の重ね煮を仕込み、デザートの豆乳葛餅を作った。さすがにお弁当40個は大仕事だけれど、5人共みんな働き者なので、予定通り全ての仕事を追えて11時には店を出ることができた。マンパワーってスゴイなあと思う。
配達から戻ると、店にはお客様が一組だけ。スタッフみんなはもう賄いを食べたと言う。昨日が忙しかったから今日はヒマなのかなあ・・・なんて思いながら、私一人で賄いを食べていたら、その後、急に混み始め、夕方までずっと忙しかった。土、日曜日と2日間続けて忙しい日が続くのは珍しい。
夕方、オザワ君が野菜を取りに行ってきてくれた。ちょっと疲れたので、今日はもう出かけたくないなあと思っていたので、野菜を届けてもらえるだけでも大助かり。店を閉めてからみんなでお茶を飲む。忙しい一日が終わってほっとするひととき。
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April 14, 2007
夏日を思わせるような暑い一日。朝から厨房の窓も全開にして仕事を始めた。風が気持ちのいい季節になった。今日はすごく忙しかった~!成田山では太鼓祭りが今日と明日、開催されている。私がジャンベチーム「AーYO」を結成した年に、まだ技術も未熟なのに、みんなで参加しよう!と練習して、参道のパレードでジャンベを叩きながら練り歩いた。もちろん私もパンジャビを着てはりきって参加。青空の下、大勢の方たちの声援に見守られながらジャンベを叩いて歩くのはとっても楽しかった。あれから6年くらいたつのだろうか。言いだしっぺの私はもうチームからは抜けてしまったが、チームは今も活動しているし、メンバーも増えた。もちろん今年も太鼓祭りに参加している。時間があればパレードを見に行きたいけれど、とても店を抜け出せそうにない。
太鼓祭りに合わせて来て下さった方たちなのだろうか、4名様5名様とまとまった人数のお客様が多く、定食の支度に大慌て。しかもスタッフはまだ慣れていない新人ショウコちゃんと助っ人ヒデコちゃんの3人だったので、作る方はほとんど私一人でてんやわんや。
明日は自然農法成田生産組合のお弁当を40個ほど頼まれている。自分達が作っている野菜をお弁当の中に入れてほしいと、昼過ぎに自然農の野菜を届けてくださったのだが、ちょうど大忙しの時間と重なってしまい、ほとんどお話もできない状態だった。
お持ち帰りのお弁当はよくお客様からもご注文をいただくのだが、40個もまとまったお弁当をお届けするのは初めてのこと。お昼のピーク時が過ぎてから、里芋の皮をむき、グルテンミートとおからのハンバーグを焼き、下準備をした。メニューは持ってきていただいた野菜を見て決めた。農家さんたちがご自身で作っていらっしゃる無農薬の野菜なので、素材を生かした美味しいお弁当を作らせていただこう。明日は6時頃から準備しなくては。ちょっとドキドキ。
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April 13, 2007
昨日、筍をいただいた。一緒に糠も持ってきてくださった。玄米ばかりを扱っているので、いざ糠がほしいと思っても、精米しに行かない限り手に入らないので助かった。さっそく皮をむいて昨日のうちに茹でて、そのまま一晩、水に漬けておいた。今日、それをこんにゃくと一緒に土佐煮にした。初物だ。今年は裏作だそうで、筍を掘ったという話をあまり耳にしない。
ずっと前に働いていた生活クラブの研修施設は竹林に囲まれていたので、筍は特別珍しいものではなかった。この時期になると、毎日のように筍を食べていた。朝、お湯を沸かして、ちょっと掘ってくるかなという感じで、竹林に入り、長靴の底で地面をこすりながら筍の頭を探した。折れずに掘るのは難しかったけれど、木の芽も筍もいつも身近にあった。むいた皮も生ゴミとして出すことはなく、そのまま竹林の中に放っておいた。
台風や雪の後は竹が倒れてしまうので、よくチェンソーを担いで片付けに入った。竹は丈夫でぐんぐん伸びるけれど大風や雪の重みに耐えることはできない。倒れて裂けた竹をそのままにおくのはみっともないので、いつもそれを切って燃やしていた。パチンパチンと竹が燃える時にはぜる音が懐かしい。夏場は草刈に追われていつも草刈機を手放すことができないような場所だった。
4月になると組合員の人たちが筍狩りにやってきた。一度に大勢のお客様のお料理を作って野外で食べられるように準備をした。筍のお味噌汁や天ぷらを作ったらとても喜んでいただけた。今の私が田舎暮らしをしたくて仕方ないのは、当時の仕事を通して、その楽しさを知ったからだと思う。
麦わら帽子をかぶってタオルを首に巻いて、野良仕事をした後、冷たい井戸水で顔を洗って、飲む水の美味しさ。生ゴミを土に返しながら作る料理や畑。周囲の家の明かりは全く入ることなく、雨になれば地面がぬかって、大風の時は笹の葉や木の葉の音しか聞こえない人里離れた場所。一人で暗くなった仕事場に残るのがコワイと思った時もあったけれど、闇には目が慣れるということも知った。
私にとって筍はあの仕事場の思い出と直結する。残念なことに、今、住んでいる場所の近くには自由に筍を掘れるような竹林はない。筍のいただきものがとても貴重に思える。そして毎年、最初に筍を食べる時は、いつもあの当時の自分を思い出す。東京で生まれて都会で育った私に、初めて田舎暮らしの大変さと面白さを教えてくれた仕事だったので、今でも妙に懐かしい。あの場所に戻れることはもうないけれど、いつかまた別の場所で闇を感じる生活をしたい。
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April 12, 2007
ちょっとコワイことが起った。ランチタイムに揚げ物をしている時、中華なべのフチに火がついて、もう少しで中の油まで火が届くところだったのだ。揚げ油を加熱しすぎて発火するという火災の原因はよく聞く。店ではフライヤーを使わず、一回一回、中華なべで揚げ物をしている。もちろん注文が入ってから火をつけ、小まめに火を消している。フライヤーを使うと、確かに温度を一定に保つことができるし、キレイに揚げものができるのだが、大量の油がいるので、光熱費も無駄になるし、廃油の処理もある。なたね油の場合、揚げ物の後も炒め物に利用できるので、揚げ油はオイルポットに毎回、戻して必要な時に使うようにしている。この方法だと廃油を出さずにすむのだ。
注文が入ってから火をつけ油を熱し、揚げ物をするので、確かに効率は悪いし、キレイに揚げるのにも工夫が必要だ。でもそれが一番、エネルギーコストが少なくてすむ方法だと思って、ずっと実践してきたのだが・・・・。
このところ、中華なべを火にかけると、油の温度が高くなっていないのに、やけに煙いなあと思っていた。開店以来5年間、使い続けた2つの中華なべにはかなり油がこびりついている。でもまさかそれが発火の原因になるなんて、思ってもみなかった。だって家で使っている中華なべは周囲がもっと真っ黒になっているが、発火したことなど一度もないからだ。
ちょうど揚げ物が油の中に入っている時、ガスコンロの火が、外側の油かすに燃え移り、なべのフチも燃えていた。危険だと思ったので大きめのフタをして横から火を吹き消した。慌てて水をかけると余計、火が広がってしまう。狭い厨房の中、揚げ油に火がついたら厨房なんてあっという間に家事になってしまうだろう。
中華なべにこびりついていた真っ黒の油の固まりは危険物分子。とにかく落とさなくっちゃと、マキコちゃんと二人で午後はなべ磨き。いろいろ試した結果、包丁が一番効果的にこそげ落とせるとわかったけれど、刃物にとってはかなり可愛そうな使われ方。終わってからキレイに研いであげた。
それにしてもうちは普通の店に比べたら、揚げ物をしている量も少ないし、夜も営業していないのに、たった5年間で発火するほどの油が中華なべにこびりついてしまうものなのだろうか?もちろん毎回、中華なべは洗っているし、コンロの回りも毎日、拭いている。決してキレイな厨房ではないけれど、年代のたった建物のわりには清潔に使っている方だと思う。
マキコちゃんに話したら、「知り合いのラーメン屋さんのおじさんは5回もボヤを出したって言ってましたよ。学習しない人もいるんですねえ~?!」と言っていた。学習しないのは本人の勝手だけど、ご近所さんに迷惑をかけなければいいけれど・・・。中華料理屋の近くには住みたくないなと思った。
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April 11, 2007
3月にお客様の畑にルッコラを摘みに行った。あの時食べた春のルッコラの生命力と香り、そして葉っぱの柔らかさが忘れられず、できることならまた食べたいなあと思っていた。
この前、ある農家さんにミレーの取材に行った時、「これから春の野草を使って自分で酵素肥料を作ってみようと思っているんです」と話されていた。農文協から出ている「現代農業」3月号に酵素の特集が組まれていて、酵素飲料の他、酵素を利用した肥料のことなどが載っていて、興味を持ったそうだ。私も野草酵素を自分で作ってずっと飲用しているので、手作り酵素のお話を少しさせていただいたら、それも作ってみたいので、十勝均整社の「海の精」を買ってきてほしいと頼まれた。先週、前橋まで酵素作りに行った時、一緒に買ってきたので、それを農家さんにお届けしに行ったのだ。私は農家さんが手作り酵素を作ったらすごくいいなあと思っていた。農薬に汚染されていない野草が至る所に生えているし、仕込み終わった野草もそのまま肥料として使える。それに堆肥を作っている経験から発酵の知識も豊富だ。もちろん酵素は農作業で疲れた体を労わってくれるだろう。今の時期、農作業は一番多忙だから、酵素など仕込んでいられないかもしれないが、有機農業の畑の近くに生えているたくさんの草?!で作る酵素は格別なものになるだろう。今度お会いするのが楽しみだ。
その帰りにハウスの中でたくさん咲いているルッコラや菜の花が目に留まり、思わず「摘ませてください~!」とお願いした。あのルッコラがまた食べられる!何の用意もしてこなかったが、いつも車に積んでいる長靴を入れてあるビニール袋を引っ張り出し、袋が満タンになるまで一人でルッコラを夢中になって摘んだ。ハウスだし気温も高くなっているから、かなり花が咲いていたが、茹でて食べてもいいなあと思い、花も葉っぱも合わせて摘んだ。
もちろんスタッフみんなにもお裾分け。それでもまだまだ食べきれないほどの量があるので、このところ、毎日、菜の花と一緒にルッコラを食べている。あんまり量が多すぎて冷蔵庫に入らないのだが、使う間際に冷水に放つとパリッとして元気になってくる。人参と玉ネギと一緒に生野菜のサラダにして、メインのお皿の付け合せに。
お花見の混雑も一段落。今日はちょっと肌寒かったせいか、久しぶりにのんびりとした店内。4月から店に来てくれることになったスタッフのショウコさんとあれこれ話しながら仕事をする。毎回思うのだけれど、スタッフになってくれる人たちとは、本当にいろいろな話をすることができる。人の交流の深さは付き合いの長さだけでは計れない。同じものを喜び合える幸せだったり、大切にしているものが似ていたり・・・生き方は違っても共通の価値観がそこにはあるのだと思う。同じ側に立っている人たち。人生のある期間、魂の交流をしながら一緒に仕事をさせていただけるご縁をつくづくありがたいなあと思う。
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April 10, 2007
菜の花が美味しい季節だ。先日も農家さんのハウスに行って、水菜と山東菜の菜の花をどっさりと摘ませていただいてきた。私の大好きな菜の花。定食の青菜はこのところいつも菜の花だ。
前にもご紹介した辰巳芳子さんの「慎みを食卓に」の本を毎日眺めている。その中に菜の花の小丼が紹介されていた。NHKで放送された番組でも、辰巳さんのお宅のお昼はこの丼だった。鍋に菜の花を入れてからオリーブオイルを注いで火にかけ、塩をふって炒める。最後に酒と醤油を入れて出来上がり。こんな簡単な作り方なのだが、辰巳さんは菜の花の時期はこれに限ると言い、頻繁に食卓に登場するのだそうだ。
さっそく夕食に作ってみた。オリーブオイルで炒めるよりもごま油の方が美味しいんじゃないかな・・・なんて半信半疑で?レシピどおりに作ったら、驚くほど美味しくてご飯がすすんだ。しかも5分ほどでサッとできる。菜の花を茹でるよりも簡単だ。火をつける前の鍋に菜の花を先に入れてからオリーブオイルを注ぐのも何か意味があるのだろう。
それにしても本当に素敵な本だ。書かれている言葉が洗練されていて美しい。崇高な方なのだなあと思う。辰巳さんの足元にも及ばないけれど、同じ食に携る者として身の引き締まる思いがする。そして何よりも心に響くき、この仕事を大切に丁寧にやらせていただこう・・・・という思いにかられる。
「春の芽吹きは生命の発露そのものです。この季節、菜の花を育て、つぼみを摘んでは、食卓に運びます。つぼみの生命力を身にとり入れると、春のけだるさ、疲れなどをまぬがれやすいのです。食べるということは生命の刷新です。都会生活者は『自分が自然の一環である』と日々感じることは難しいと思います。だからこそ、都会の方ほど、生命の仕組みを見失わないように、食べ物は手づくりするべきです。食べ物は身近に残された唯一の自然ですから」(本文より)
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April 09, 2007
千葉のローカルな情報を発信している月刊誌「ぐるっと千葉」の取材があった。5月末に発行される6月号では、なんと、千葉県内のオーガニック情報の特集を組むのだそうだ。ぐるっと千葉が発売されて以来、初めての大型企画ということで、スタッフ一同はりきっているそうだ。コトのきっかけアースデー千葉のミーテイングにぐるっと千葉のスタッフが参加したことから始まる。5月に開催されるアースデー千葉に向けて(もちろん風楽も出店します!)メンバーたちが集まって、毎月、実行委員会を行っている。私も何回か参加させていただいたが、実際に実行委員会として動くことは中々できずにいる。今回、ぐるっと千葉ではアースデーの主旨を理解していただいた上で、アースデーのPRもしていただきながら、県内各地で活動するオーガニック関係のお店や農家さんなどを取材していくのだそうだ。まだまだ大きな点にはなっていないけれど、各地で動き始めた小さな点たちは少しずつ増えてきた。そんな人たちをぜひ紙面で紹介してほしいし、そういう特集の雑誌だったら、絶対に私も買いたいと思う。
それで風楽の定食の撮影があった。すでに何度か掲載していただいているが、まだまだ店の存在を知らない方が多いので、こういう雑誌で紹介していただるのはとてもありがたい。
今日はお昼にお弁当17個の配達が入っていたので、朝早くから準備をはじめ、配達に行ったり、夕方には取材。それから松尾の農家さんまでお米95キロを取りに行き、車にお米を積んだままヨガのクラスに何とか間に合った。10時頃にようやく帰ってきた時は、何だか疲れてしまった。最近、玄米を炊く量が増えてきたので、お米がなくなるのが早い。車に積んで降ろすだけでも一仕事。今では30キロの米袋も一人で持てるようになったが、その分、しっかり二の腕もたくましくなってしまった。
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April 08, 2007
ひな祭りはとっくに過ぎているけれど、桜が満開なので、お花見の帰りに店に来ていただいたお客様のデザートは桜にあやかって桜餅を作ることにした。どちらかと言えば、5月を前にして柏餅の方が時節に合っているのかも知れないが、桜の花を愛でた後、お食事が終わって桜餅がデザートに出てきたら、何となく春っぱくていいなあなんて思ったのだ。
問題なのは桜の葉の塩漬け。以前、住んでいた家の近くにあった和菓子屋さんで分けてもらったことがあるのだが、市販されているものはほとんど見かけない。そんな話をしたら風楽のパン教室の講師である高田さんがホームメイド協会のものを買ってきてくれた。ホームメイド協会では製菓材料のほとんどを揃えることができるようだ。
桜の葉があったら、もう作るのは桜餅に決まっている。道明寺粉を熱湯で溶かして少し待ってから、蒸し器で蒸す。その後、アン練りをして水分をとったあんこを丸めておく。それに道明寺粉を平たく伸ばして包んでいくのだ。道明寺というのは実際に大阪にある真言宗の尼寺。このお寺で、もち米を保存食にする方法を考え出したことから、名前がそのまま粉の名前になったそうだ。だから桜餅のことをそのまま道明寺という名前で呼んでいる人もいる。水洗いしたもち米を水に漬け、蒸した後、乾燥させ、適当な粒に粗挽きしたものが道明寺粉。、桜餅の触感は道明寺粉ならではの粒々感が必要だ。
普通の桜餅よりはサイズを小さくしたので、葉っぱから中味がほとんど見えないのが残念だけれど、小さくても立派な?桜餅ができあがった。でも食紅は使いたくなかったので、色はそのままの白。見かけよりも中味で勝負。桜の葉の塩漬けの香りとあんこの甘さが絶妙な味になっている。小さい頃は桜の葉の匂いが苦手で、いつもはがして食べていたのだが、さすがに今は一緒に食べる方がオツだなあと思えるようになった。少しは大人になったのかな?
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April 07, 2007
店の2階にあるギャラリーは私が買い付けに行った時に、アジアの衣類や雑貨を展示しているが、それ以外にもご希望に応じてフリースペースとして貸し出しをしている。と言ってもそれほど需要があるわけでもないので、パソコンを置いて普段は私の仕事部屋にしているのだが、今、パソコンに向かっていてもちょっと部屋の雰囲気が違う。今日から梶原みちさんのコレクションによる手描きジャワ更紗展が始まり、部屋全体がバテイックで飾られているからだ。バティックはチャンティンと呼ばれる柄のついた小さな銅の壷に溶かしたロウを入れて、それで線引きをしながら、布を染め、再び線を描きながら染色を繰り返すという手法で作られている。本当に様々な絵柄があってすばらしい手仕事の芸術だなあと思う。
私もアジアの織り布や染め布が好きなので、キレイな布を見るけると、何とか身に纏うことはできないかと、技術は別としてもただ着たい一心でよく服を縫っていた。その気持ちが高じて、買い付けの時は、自分でデザインした服を東北タイのNGOにオーダーするようになった。風楽という筆文字のタグも作って衣類に縫い付けていた。かつてはアジア雑貨中心のお店だったし、ギャラリーでの展示会もやっていたので、そんなクリエイテイブで楽しい仕事が中心だった。
さすがに飲食部門を始めてからは、そればかりやっていられなくなり、仕方なくオリジナル服をオーダーするのは諦めた。野菜を農家さんに買いに行き、定食のメニューを考え、包丁を握り続ける毎日の中では、頭の思考がとても服のデザインにまで回らないのだ。だけど、元々好きな分野だっただけに、美しい布が服に仕立てられているのを眺めていると、ついつい見とれてしまう。
今日はあいりん堂さんからお握り25人分を注文していただき、早朝から厨房でご飯を炊き、煮物を作った。サッチーがたくさんのお花とお菓子と果物を持って、お昼を食べに来てくれた。「エイコちゃん本当に美味しかったよ~がんばっているね!」と言ってくれた。いつも一緒にご飯を作って、サッチーは私の料理の最大の毒見係?だったので、サッチーに美味しかったと言ってもらえることは何よりの励みだ。絶好のお花見日和だったので、忙しくてあまりゆっくり話すことができなかったけれど、いつでも来てくれる仲間がいるというのはとても嬉しいこと。背番号はないけれど、サッチーは風楽にとっての永久欠番?だ。
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April 06, 2007
毎年、桜の時期に合わせて開催していた「たかはしきよし水彩画展」だが、今年はお休みさせていただくことになった。酒々井町の造り酒屋さんの「まがり家」ギャラリーで大きな作品展を行うことになったからだ。でも毎年のように春の訪れと共に素敵な絵の数々を展示させていただいてきたので、何もないのはとても寂しい。それでたかはし先生にお願いして、作品展という形ではないが、何点か絵を飾らせていただくことにした。今日の夕方、お宅に作品を取りに伺うまで、どの絵になるかわからなかった。先生が選んでくださったのは「庭の一年」などの絵本に使われた原画が4点。店に帰ってさっそく展示したら、いっきょに店内が明るくなった。とても繊細で美しい作品だ。4月末まで展示してあるのでぜひご覧下さい。
昨日、一昨日の二日間はかなり忙しく、夕方いらしたお客さまにはお出しできるものがなくなってしまったようだ。今日もカレーのストックがないので朝早くから厨房で作り始めた。その他、クッキーやケーキ、八方出汁、マンゴアイスクリームなど、ないものだらけだったので、ひたすら手を動かして仕込みに明け暮れた一日だった。
明日からは2階のギャラリーで「手描きジャワ更紗展」も始まるので、今夜はこれから掃除しなくては。インドネシアに駐在した経験を持つ梶原みちさんが現地で集めたバテイックの布や、オリジナルで縫製した服の数々を展示。今年で3回目になるが、とても質のいい更紗を展示しているので、こちらもよかったらぜひご覧になってください。会期中はずっと梶原さんは来ていらっしゃいます。13日まで。
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April 05, 2007
朝、早く起きて前橋まで手作り酵素を作りに行ってきた。今回のメンバーはアリミちゃんとヒデコちゃん、にわとりひろばのマユミさんと私の4人。ヒデコちゃんがドライバーになって車を出してくれた。何だかウキウキと遠足気分になってしまい、ゆっくり寝ていたかったのに、朝5時には目が覚めてしまった。寝るに寝られなくなりお弁当を作った。昨日の夜のうちに白神こだま酵母でカンパーニュを焼いておいたので、それにスモークサーモンやチーズやレタスをのせてオープンサンドにしようと、豆腐マヨネーズを作った。豆腐マヨネーズは天然酵母パンとよく似合うのだ。菜っ葉を茹でて、三年番茶を沸かし、おやつのお煎餅やおつまみの燻製も袋に入れて準備万端。それでもまだ時間があったので、厨房に行ってお店用のマクロビスィーツであるココアとプルーンのケーキを焼いた。
ヒデコちゃんが7時半に迎えに来て、一緒に白井のマユミさんのお宅まで行ってアリミちゃんと合流。柏から常磐道に乗って外環から関越道へ。高速の渋滞はなく前橋までは2時間半。手作り酵素指導員である中山さんとかみつけの里博物館で待ち合わせ。まずは腹ごしらえを・・・・ということで、皆、持ってきたお弁当を芝生の上に並べて楽しいランチタイム。お稲荷さんあり、菜の花寿司あり、煮物あり、お浸しあり、オープンサンドあり・・・と本当に盛りだくさんのご馳走が並び、青空の下、みんなで美味しくいただいた。

前橋は千葉よりも温度が低くまだ野草が少ないので、中山さんが草の群生しているポイントを見つけてくださり、少しずつ摘みながら移動していった。面白いものでヨモギが自生している所やカラスのエンドウばかりの原っぱ、クコの葉が生い茂っている土手、スイバが並んでいる道など、場所ごとに種類の違う草が集まっていた。
それを大きなビニール袋に入れて集め、山の湧水で洗って刻み、砂糖と10対11の割合で樽の中に仕込んでいく。摘んだ草は酵素が生きているうちに早く仕込まなくてはならない。千葉よりも空気がキレイな分、いい草が多く、とても美味しい酵素になることだろう。
私以外の3人は春の酵素作りは初めてだったので、中山さんはとても細かく丁寧に酵素の効用や作り方を説明してくださった。本当に中山さんの説明はわかりやすく、酵素のよさというものを実感することができる。中山さんが仕込んだ酵素を試飲させていただき、飲む前と飲んだ後の首の回り具合の変化を確認したり、Oリングによって指の開き具合の強度を体感したり、本当に酵素パワーを実感することができた。
昨日の雷雨とはうってかわって晴天の今日はまさに酵素仕込み日和。ヒデコちゃんに往復とも運転してもらって、私は高速の分岐点で「こっちだよ」と指をさすだけのナビ役。とてもラクをさせてもらった。だけど、明日から20日以上、ずっとお休みなく店に出るので、この酵素が仕上がったらさっそく愛飲して疲れを残さないようにしなくては。気持ちのいい一日だった。
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April 04, 2007
手作り酵素の季節だ。私が手作り酵素を作り始めたのは4年ほど前。河村文雄先生の「人類の命を救う手作り酵素」の本を読んだのがきっかけだった。それまでも西洋医学に頼らずに体を整えていく様々な自然療法を勉強してきたし、腸内細菌というものに大変興味があり、それを補うには積極的に発酵食品を摂り入れて行く必要があると思っていた。市販の酵素液や玄米酵素などを自然食品店で購入し飲んでもいたのだが、せっかくなら自分の常在菌を生かして、自分の体にあった酵素を作りたいと思っていた。
それでいろいろ調べて手作り酵素指導員である中山要さんに出会い、教えていただくことになった。春の野草酵素から作り始め、以来、梅酵素や秋の酵素など毎年のように作っている。河村先生は中山さんの先生でもあり、慢性肝炎を患い、それを何とか克服しようと酵素作りを試行錯誤しながら始められ、すっかり完治したという経験をお持ちの方だ。今では手作り酵素のパイオニア的存在で、十勝均整社を設立し、手作り酵素を普及させている。
今日は神崎にある寺田本家で河村先生が「地球上の生物 人間として生きる」というテーマでお話をされると知って、これは絶対に行かなくてはと思い、仕事を抜け出すことにした。朝10時からだったが、朝一番でミレーの取材で農家さんに行かなければならず、お昼から夕方までの参加となったが、実際に酵素を体にぬって老廃物を出す酵素マッサージなどを目の前で見せていただいて、とても参考になった。また寺田さんのご主人は微生物と発酵についていつも楽しくお話をしてくださるので、お酒造りと酵素作りという発酵をキーワードにして、体のことをいろいろ考えることができた。
私も今は酵素のおかげで元気で過ごせているので、毎年の酵素作りは欠かせない。明日は正真正銘のお休み。前橋まで中山さん指導の下、春の野草酵素を作りに行く。自然の中で草を摘み、山の湧き水で草を洗って仕込む時間は、それだけでたくさんのエネルギーをもらえるので楽しみ。
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April 03, 2007
曇り空のせいか、お花見のお客様の出足も今ひとつ。1時半頃・・・厨房を片付けたくて仕方のない私はお客様の途切れる時間を待っていた。きっかけはヒデコちゃんからもらった大きな保温ジャー。以前、ヒデコちゃんが使っていたものを、飲食店を始めるという友達に譲ったそうだが、その友達がお店をやめてしまったので、風楽で使えるようにと送り返してもらったのだ。店には1升の保温ジャーが二つしかないので、たくさん炊いた時は入りきらない。大型保温ジャーがほしいなあとリサイクルショップでずっと探していたのだ。
ほしかったものをいただいたのでスゴク嬉しいのだが、今までよりも大きい分、置く場所に困った。それで何とかジャーの場所を確保しようと厨房の模様替えをしようと思ったのだ。「ねえ、コレをこう動かして、アレをこうしたら広くなると思わない?」とレイコちゃんに話しかけるのだが、「そうですか~」とツレナイ返事。大量の食器が入っている食器棚や調理台を今から動かすなんてとんでもないという感じ。
築25年以上もたっている厨房はいらない配管や排水溝、蕎麦茹で釜のフードなど余計なものがいっぱい。居抜きで借りたからそのまま使えるかと思っていたら大きな誤算だった。油がこびりついて火がつかなくなったレンジ台や、いつ壊れるかわからない大型冷蔵庫や冷水機、魚焼きグリル、配管のないシンクなど実際には使えないものだらけだった。結局、2tトラック2台分の産業廃棄物を処理する羽目になり予定外の出費。だからその後、リースやリサイクルショップで諸々の厨房機器を揃えたのだが、ギリギリのスペースにバラバラに集めた厨房機器をはめ込んでいるだけ。配置換えなどする場所のユトリはないのだ。でも調理台の向きを変えて食器棚を上乗せすることくらいならできそうだ。それでレイコちゃんがフロアに出た隙を狙って、そそくさと私一人で食器棚を動かし始めた。既成事実をスタートさせえしまえば、やるしかないじゃない?!だけど私が一生懸命、調理台の下を拭いていたら、「一人で掃除しているって感じで背中が寂しそうですよ~」とレイコちゃんが笑いながら写真を撮ってくれた。
そんなこんなで始まった模様替えだが、なくなったと思っていたタッパーのフタや小物が見つかったり、スッキリ納まると妙に気持ちよかったりで、レイコちゃんも最後は夢中になって片づけ始めた(・・・というよりもやらざるを得なくなってしまった?)。5時くらいまでかかったけれど、終わってみると何だかいい感じなのだ。前よりも広くスッキリしたように見える。ジャーの置き場も決まったし、動線がよくなったみたい。終わったら急に自分の部屋も模様替えしたくなってしまった。
*昨夜はサーバーのメンテナンスのためブログがアップできませんでした。一日遅れですみません。
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April 02, 2007
この2日間、本当に忙しかったので、ケーキなど作っても作ってもなくなってしまい、今日も店頭にケーキを並べておきたいなあと思っていたのだが、ケーキを焼くのが間に合わなかった。今日は朝、小雨が降っていたせいか、お花見のお客様は少なくて、久しぶりにひっそりとした店内。定食の支度が終わってから、豆乳チーズケーキを焼いたり、人参ケーキを焼いたりした。
人参ケーキは風楽でもよく焼いているのだが、今日、作ったものはマクロビオテイック仕様の人参ケーキ。人参のすりおろしがかなり入っているため、50分近く焼いても焼きあがりはしっとりしている。くるみとレーズンがたっぷり入っているし、人参も甘いので、砂糖が入っていないのも気にならないほどだ。もちろん砂糖、乳製品、卵などは何も使っていないのだが、シナモンとナツメグを入れたスパイス味がきいていて、とても美味しかった。以前、別のマクロのレシピで人参ケーキを焼いたことがあるのだが、かなり味に無理があって(ハッキリ言って不味かった)、これじゃあ、店には出せないなあと思ったことがあった。たとえマクロケーキだからと言って、一般の方が食べた時、美味しいと思えるようなものでないと、お出しするのは躊躇してしまう。
でも最近、マクロケーキを必ず、1種類は常備しておくようにしているので、ご注文いただくことも多くなってきた。これも時代のニーズなんだろうなあと思う。特にマクロビアンでない方たちが召し上がった時にどんな感想を持たれたのかとても興味がある。
風楽の一般のスィーツを作る時はバターではなくマーガリンを使っている。このマーガリン、今、トランス脂肪酸の問題で気にする方も多くなってきた。店で使っているのは生活クラブ生協のマーガリンハードだが、トランス脂肪酸を添加しているのではなく、マーガリン原料である硬化油の製造時に油脂に水素をつけて硬化させる際に発生したものが含まれている。この含有量は2.9%と、市販マーガリンに比較して低い水準になっている。含有量はとても少ないのだが、摂取したくないと思われる方も多いので、マーガリンを使用しないお菓子もご用意しておきたいと思う。その結果がマクロスィーツ作りなのだが、一般のスィーツと味に差がありすぎるので、少しでもその差がなくなるものを作りたいと、いろいろ試作している最中だ。
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April 01, 2007
にわとりひろばの湯浅さんの家で夕方、花見をやるというのでアリミちゃんと二人で行ったきた。会場はいつも餅つきをしている納屋の横にあるかつて湯浅さんのお母様が住んでいらしたお宅。でもそこから目に入る桜の木など一本もないのに、とりあえず花見を口実に?打ちたて蕎麦を食べながら宴会をしようという楽しい集いのようだ。
新潟から湯浅さんの友達のトチナミさんという方がいらっしゃっていた。無農薬で蕎麦を栽培し、趣味で蕎麦打ちをしているうちに、いろいろな所で頼まれるようになったそうだ。トチナミさん指導の下に子供たちも蕎麦粉をこねて、丸めてのしていく作業を繰り返していた。トチナミさんの蕎麦の作り方の特徴はふのりとヤマゴボウの根を煮たものを蕎麦粉に混ぜ込んでいくこと。コシのある美味しいお蕎麦が茹で上がった。大人と子供を合わせると総勢25人くらいだろうか。賑やかな宴会だ。皆、それぞれに持ち寄った手みあげを机の上に並べてご馳走がいっぱい!
店からも何品かお料理を持っていたのだが、それも必要ないくらい、食べるものがたくさんあって、お腹がいっぱいになった。最後は今日、ついたばかりの玄米もちのお雑煮まで出てきてもう苦しい~!というまで食べてしまった。あまり夕食を食べない私がものすごい量を食べたのでお腹がはちきれそう!
今日はお花見日和で店は朝から忙しく、本当にたくさんの方に来ていただいた。作ったものも全部なくなってしまった。今日から新しいスタッフであるショウコさんも来てくれてアリミちゃんとレイコちゃんと私の4人体制でやれたので、とてもスムーズに回すことができ助かった。レギュラーで入ってくれる人が来てくれてほっと一安心。しばらく忙しい日が続きそうだが、がんばらなくっちゃ!宗吾霊堂の桜もほぼ満開だ。
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