May 31, 2007
昨日の夕方、何とか無理を言って冷蔵庫の修理屋さんに来ていただき、取りあえずの応急処置をしてもらった。何とモーター内の金属板が腐食していたそうだ。本当は部品を交換した方がいいのだが、応急処置だけをしたので、一年以内にまた同じ故障が起きる可能性もあるらしい。冷蔵庫の中に入れた酢の物やドレッシングの酸がモーター付近に吸着して腐食してしまったとのこと。そんなこともあるんだなあと驚いた。
本当に無事に冷えているかどうか心配だったので、朝、早く店に出て温度を確認してみたら、とてもいい状態でほっとした。今日はお弁当の配達があるので、そのまま準備に取りかかった。最近、お弁当の配達の注文をいただくことが多いのだが、今日も配達に往復1時間。私がいれば何とかなるけれど、スタッフ2人の時はゴメンなさい。お受けできない場合もあるので、ご予約の際にご相談させてください。
昼過ぎに店に戻り、その後は抜けさせてもらった。大急ぎで着替えて上野へ。東京国立博物館で開催されているレオナルド・ダ・ヴィンチ展を見に行く。「モナ・リザ」を見に行ったのは74年のこと。あれから30年もたってしまったのか・・・。あの時もスゴイ人だったなあ。今回の「受胎告知」も日本では初公開。閉館間際というのに、本当にすごい人がいて見るのに疲れてしまった。繊細な描写を大勢の人の頭の合間から垣間見る。平日の夕方にこの場所にこんなに人がいるということが不思議、「ダヴィンチ・コード」以来、ダヴィンチはすっかり一大ブームになってしまった。そのせいか「最後の晩餐」の弟子の表情の展示場面ではたくさんの人がたまっていた。もっとゆっくり見たいよ~なんて思うのは贅沢な話?
明日は店舗検査だ。また早くから店に出て、最後の掃除?をしなくては・・・。
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May 30, 2007
一昨日煮たお豆が昨日の朝、痛んでいたので全て処分した。こういう季節だから、食品の保存には気をつけている。ずっと冷蔵庫に入れて保管しているし、ご注文のあるたびに小出しにしていたのでおかしいなあと思って冷蔵庫の温度計を確認してみた。同じ数字がずっと点滅していて、どういう状態だかわからない。店の厨房では大型冷凍冷蔵庫と製氷機、コールドテーブルという上にものを乗せられるタイプの背の低い冷蔵庫の3つを使っている。
このお店を始める時に、ここは居抜きで借りた物件で厨房器具も揃っていたので、そのまま使うつもりだった。でも契約が決まった後、厨房屋さんに細かく調べてもらったら、あまりに古くて汚くて使えそうにないものばかりだということがわかった。仕方なく調理テーブルを覗いて全部、処分することにしたのだが、全て産業廃棄物扱いになるので、2tトラック2台分で20万円以上の処分費がかかってしまった。
厨房器具はそのまま使うつもりでいたので、開業資金の予算には計上していなかった。国民生活公庫で借りた開業資金は内装工事や保証金などに消えてしまい、もう冷蔵庫を買うお金などない。苦肉の策でリース契約を思いつき、それで新品の冷蔵機器3台を入れてもらったのだ。
今までずっと調子がよかったのでリース期間中に故障するなんてことを想定したことがなかった。昔の書類を引っ張り出してリース屋さんに問い合わせてみると、リース期間中の故障は全て借主負担とのこと。仕方なく厨房機器のメーカーに電話をして、今日の夕方、遅くなってもいいから何とか来てください!と無理を言ってお願いした。運悪く?今週は保健所の店舗検査があるのだ。冷蔵庫の温度は重要チェックポイントだ。それまでにはどうしても何とかしなくては。それで今、ブログを書きながら修理屋さんが来るのを待っているところ。
結局、庫内の温度は15度になったまま下がらない。とても冷蔵庫として使える常態ではないので、中味は大型冷蔵庫の方に移し変えたが、ギューギュー詰め状態でかなり使いづらい。明日も朝、お弁当の配達があるし、明後日は店舗検査だ。よりにもよってこんな時期に!
しかも厨房機器は特殊なせいか修理費がえらく高いのだ。年末にもガス代の五徳が壊れて交換したら、1つが3万円近くもすると聞いて、思わず「えっウソ~!」って叫んでしまった。今月は自動車税の支払いもあるし、あーあ、出費がかさむなあ・・・・・。
とにかくコレじゃ仕事にならないので、早く何とかしなくては・・・。
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May 29, 2007
いつも一般的なケーキとマクロビ対応のケーキの2種類を焼いてストックしているのだが、最近ではマクロケーキのご注文の方が多くなってきた。今日はオーガニックココアをベースにして、メイプルシロップと豆乳で作ったケーキの中にさつま芋の乱切りを加えたケーキを作った。いいレシピがなかったので、だいだいこのくらいでいいかなあと目分量で粉とメイプルとなたね油を合わせながら生地を作った。さつま芋はココアととてもよく似合うし、蒸し煮することで甘さが引き出されるので、試食してみたら、砂糖を使っていなくてもとても甘いケーキに仕上がっていた。マクロケーキのほんのりとした甘さに慣れてしまうと、砂糖の甘さは必要ないなあと思えるようになる。
ヨウコさんのお家の庭に生えている金宝樹という花をいただいた。こんなに赤いブラシのような花を見たのは初めて。窓辺に生けたのでその前で写真を撮った。
今日はいつも助っ人に入ってくれるヒデコちゃんが彼氏を連れて食事に来てくれた。散々話を聞いていたのだがお会いするのは初めて。午前中はアツアツの二人に当てられっぱなし?で参った。でも恋愛は人を元気にしてくれるということがよくわかる。ダンナさんと死に別れ悲しい思いをいっぱいしたヒデコちゃんだからこそ、これからはたっぷりと楽しく生きていってほしいと思う。明るく笑いながらビールを飲んでいる二人の席に燻製のおつまみを差し入れた。
「ヒデコを泣かしたら怒りますからねっ!」なんて、初対面の彼氏に向かって言ったら、「そんなことしませんよ。いつも泣かされているのはこっちですから・・・」ですって。ご馳走様でした。勝手にやってくれ~!
夜は6月17日に店で行われる結婚式の打ち合わせ。陶芸家の垣野勝司さんは私にとってはカキピーと呼べる弟のような友達だ。普段着感覚で身の丈にあった村の結婚式のような?手作りのパーテイをしたいというご希望に添えるように、準備をすすめているのだが、どうも話があちこち飛んでしまって、毎回、決定事項を詰められない。・・・とは言うもののあと3週間。店で結婚式をやりたいという私の長年の夢がもうすぐ実現する。それも私のとても大切な友達の門出を祝うお披露目なのだ。楽しくしっかりやらせていただこうっと。
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May 28, 2007
枇杷の温灸を施療している原さんというお客様とお知り合いになった。3月に百姓屋敷わらの船越康弘さんの講演会に参加され、その後も店に何度かお食事に来て下さっている。ご自宅の他、出張もOKということだったので、今日、店に来ていただくことにした。アリミちゃんもマキコちゃんもぜひやりたいと言ったので、2階のギャラリーに布団を敷いて、3人順番に施療していただいた。
原さんは30代の時、膠原病にかかり動けなくなったそうだ。その時、病院に通いながら様々な自然療法を試して、枇杷の温灸と出会った。とても気に入って自分で温灸しているうちに膠原病も克服でき、今ではステロイドも全く飲んでいないという。
その昔、お釈迦さまは枇杷の葉をあぶって患部に当てていたそうだ。枇杷の樹のことを「大薬王樹」、 葉のことを「無憂扇」と言い、枝、葉、茎、根の全てに薬効のあると言われ、様々な民間療法に取り入れられてきた。枇杷の葉に含まれるアミグダリンはビタミン17と同じ成分でガンなどにも効きめがあると言われている。私も枇杷茶を飲んだり、枇杷葉をお風呂に入れたり、こんにゃくシップの下に枇杷の葉を挟むなど愛用している。
原さんの療法は「無憂扇きゅう」という枇杷灸だ。棒状のもぐさを、特殊な筒に入れて火をつけ、先端のセラミックに枇杷葉エキスをしみこませ、体の経絡に沿って圧力をかけながら温灸していくという方法だ。枇杷葉温灸の方法はいくつかあるけれど、このタイプは私も初めて。枇杷の薬効が温熱と指圧効果によって、皮膚を通して骨にまで浸透していくようだ。
なんて気持ちがいいんだろう。原さんは本業が看護士なので人の体に触れることが慣れているのだろう。ツボの部分に温灸がピッタリと入ってくる。熱いけれど、じわじわとエキスが体の中に浸みこんでくるのを感じる。この温灸を通して難病を克服した人たちもたくさんいるそうだ。温泉に入った後ように体の芯の部分が温まり、ここ数日の疲れがほぐされていった。
「無憂扇きゅう」の道具を使えば誰でも家庭で枇杷葉温灸ができる。枇杷の生葉を使うよりもエキスの方が深く浸透していくような気がする。何人か集まれば来て下さるので、これからも時々、原さんに2階で施療をお願いしようと思っている。興味のある方、よろしかったらぜひどうぞ。
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May 27, 2007
夏を思わせるような快晴のお天気の中、幕張海浜公園で行われたアースデイちばの模擬店に出展してきた。今回で6回目。店のオープンと重なった第一回目を覗いて毎年、出展している。今回は模擬店やフリマの出展者数が過去最大だった。開催前に様々なメディアにも取り上げられたり、アースデイの存在自体がメジャーになってきたせいか、来場者数も今までで一番多かった。会場のあちこちにオーガニックの食べ物屋さんが並んだり、フェアトレードショップがあったり、マッサージコーナーがあったり、ジャンベを叩く人たちがいたり、占いコーナーがあったり、クラフトコーナーがあったりと、模擬店も多彩になってきた。
今日はショウコちゃんのダンナさんが助っ人に入ってくれることになったので、7時半に店で待ち合わせをした。それまでに持っていく料理を全て作り終え、出発できるようにしておかなければならない。3時頃起きて、4時前から支度に取り掛かる。厨房で一人時計とにらめっこ。何しろ大量に作るので、炒めるのもいつもより何倍も時間がかかってしまう。それでも昨日の下準備のおかげで順調に進み、ショウコちゃん夫婦が店に着いたら、すぐ車に荷物を積み込み出発できた。会場にも早めに着いていつもよりユトリを持って設営できた。
毎回、アースデイの模擬店は豆をテーマにしているので、今日のメニューはヒヨコ豆のトマト煮、ビーンズマリネ、レンズ豆と新じゃがのカレー炒め、玄米のライスサラダ、青大豆とひじきのご飯、スィーツはマクロ仕様の豆腐マフィンとアーモンドクッキーの7種類。経木を半分に折って補強し、端を笹舟のようにクロスさせてとめたものをお皿にしてお出しする。アースデイの時はマイ食器持参で来て下さる方が多く、ゴミがほとんど出ないのが嬉しい。同じようなカフェをやっている仲間たちや、何人もの友達やお客様にもお会いでき、会場内は私にとって同窓会のような感じだった。
人出が予想以上に多かったので、2時前には持っていった食材は全て完売。毎年、完売しても早い時間には車が会場に入れないので、いつもなら終わるまで待って、その後に片付けていたので帰りは8時過ぎ。昨日、今日とほとんど寝ていなので、さすがに今日は早く帰りたいと思っていたら、ショウコちゃんのダンナさんが台車で少しずつ使い終わった荷物を車に運んでくださった。そのおかげで夕方には店に戻ることができて、今夜は少しゆっくり休めそうだ。運転したり重たい荷物を持ってくださったり、テントの設営を手伝ってくださったりと、男手があって本当に助かった。
アースデイは他のどのイベントとも違う何かがある。それは「地球環境」という共通のテーマが出展者にも参加者にもあるからだろう。会った人には気持ちよく声をかけあって、何気なく座ったテーブル席で隣り合わせた人とも気軽に話せるお祭り。大人も子供もお年寄りもみんなで楽しめるお祭り。エコって決して堅苦しいものではない。楽しくて当たり前にできること。ちょっとお箸をもって歩いたり、自分で食べる器を持って歩いたりすることで、ゴミが減らせる。またコンサートの音源にはソーラーパネルを利用。ガイアの日野雄策さんは風楽のブースの前で、カリンバをソーラーパネルで発電したミニスピーカーにつなげて演奏してくださった。コンセントがなくってもお日様の光さえあれば、どこででも音を出せるなんて素敵なことだ。
地球の未来はきっと大丈夫。そんなことをふっと思えるような一日だった。
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May 26, 2007
祝勝会というのは試合やレースなどに勝った時のお祝いの席のことを言うようだけれど、今日の祝勝会の勝利は選挙。4月の成田市議会議員選で当選した無所属市民派の女性議員の祝勝会を今日の夜、店でやっていただいた。成田市は立候補の時から、なんと女性議員がたった一人しかいなかった。もし彼女が落選したら、女性が一人もいない市議会になってしまう。生活者の視点や命を育み守っていくという視点は女性の方がしっかり持っている(そういう言い方をしてしまうことはちょっと残念だけど、現実にはそうだと思う)。だから自分達の地域にも女性議員をもっと増やしていきたいし、様々な場所で活躍する女性達を応援していきたいと思っている。
夜は基本的に営業していないが、貸切でお食事をしたいというお話があった場合にはご相談させていただいている。今日は30名以上の方がいらっしゃったので、お料理もかなりの量になった。朝、通常の定食をお作りしながら、ずっと仕込みを続け、日中もとても忙しかった。やることが多くて休む暇がなかったので、ちょっと疲れたなあと思っていたところに、夕方から助っ人のヒデコちゃんが来てくれた。久しぶりに元気なヒデコちゃんと話しているうちに私の元気も復活してきた。元気って伝染するのかもしれない。そういう感染症だったら麻疹よりも流行してほしいものだ。
パーティの時にしか使わない大皿を戸棚から降ろして、たくさんのお料理を作ってフロアに並べた。最初は少ない人数だったが、暗くなるに従って、どんどん参加者の数が増え続け、店中のお皿とカップを全部出しても足りないくらいだった。だけどとてもキレイに召し上がっていただき「美味しかったです。ご馳走様でした~」と言いながら皆さんが使ったお皿をさげて下さるので恐縮してしまった。宴会の時に残飯ばかりだと、心をこめてお作りした分だけ失望も大きい。そういう時、宴会にはオーガニックの料理なんて必要とされていないんじゃないかな・・・とさえ思う。
だけど今日みたいにお出ししたものが全部なくなって、たくさんの「美味しかった!」の言葉をいただくと、疲れも吹き飛んでしまう。明日はアースディちば。ようやく準備もメドがたち、明日は朝、4時頃からご飯を炊いて会場へ向かう。とても楽しみ。
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May 25, 2007

昨日、買った器をさっそく今朝、洗って店におろした。信楽の土を使ったこの色の焼きしめの小鉢は何を入れても映えるだろうなあと、昨日、手に取った瞬間から思っていた。ラディッシュや人参、玉ネギ、ピーマン、大根などをスライスしたものに、ローストした胡桃を刻んで、ごまペーストで作ったドレッシングで和えたサラダ。盛り付けるととっても可愛らしい。抑えた器の色が野菜の鮮やかな色を際立たせてくれている。もう一つはこごみを茹でて、刻んだアンチョビとかつお節をのせたおひたし。
ラデッシュもこごみも昨日行った湯本駅前の八百屋さんで買ってきたもの。小さな八百屋さんだったけれど、山菜もたくさん置いてあって、さすが福島だなあと思った。ラディッシュは葉の部分をわらで縛ってくくってあった。きっと近所のおばあちゃんが自分の畑で作ったものを持ってきてくれたのだろう。形も不揃いで虫食いのアトがあちこちに。そのまんまの野菜の姿を見るとほっとする。野菜の横にはバケツに無造作に突っ込まれた切り花たちが置いてあった。駅前なのに、そんな野菜たちやお花が並んでいる八百屋さんがある町だということも、何だか嬉しかった。
夕方、野菜やビールやたくさんの食材の買い物に行った。すごい量だ。明日の夜は30人ほどのお客様がいらしてお祝いのお食事会があり、明後日は幕張海浜公園で行われるアースデイのイベントに出展する。両方の準備で明日はきっと大忙しになることだろう。
あいにくの雨だというのに、今日はお給料日のせいか、たくさんのお客さまが来てくださって忙しかった。そんな中でアースデイに持っていくクッキーを焼いたりしていたので、厨房の中は一日中、バタバタだった。ガス台の上には3つの大きな鍋がかけられ、豆が浸水してある。冷蔵庫の中も食材で満杯だ。明日は早朝から支度に取り掛からなくては。
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May 24, 2007
朝、早く起きて福島県いわき市にある窯元まで行ってきた。私自身が器を見るのが好きなので、店で使う陶器は益子や笠間まで行ったり、陶芸をやっている作家さんの工房に行って分けていただいたりしている。開店前の仕事の中でも一番、楽しかったのは内装工事とこの器選び(メニューを考える前から器を買い集めたので、いざ開店してみたら使わないものも案外多かったのだが・・・)。
使っているうちに、気に入ったお客様が買ってくださったり、残念なことに割れてしまったり・・・と少しずつ器は減っていく。そろそろ新しい器がほしい。アリミちゃんの身内の方が福島で窯元を開いていると以前から聞いていたので、この機会に行ってみようと思った。さっそくアリミちゃんにお願いして予定をたてた。
早起きして土浦に出て常磐道に乗って湯本で降りた。静かな住宅地の一角に枯淡窯はあった。主宰の児玉良介さんは日本陶芸倶楽部を経て、40年近くこの道一筋。工芸展などに出展したり、ギャラリーでの作陶展を中心に活動されているそうだ。信楽の土で作った焼きしめ、黄瀬戸や織部など、とても丁寧で美しい作品の数々を見せていただき、この中から数点を選ぶとなると、本当に迷って(困って?)しまった。あまりにステキな作品ばかりなので、予算さえあればみんなほしいくらいだ。
児玉良介さんとは初めてお目にかかったのだが、とても優しそうな印象を受けた。起ることの全てを淡々と受け容れながら、穏やかに作品を作り続け、心の中に静かな情熱を秘めている方なのだろう。まさに土のエネルギーをお持ちの方なのだと思う。
その作品は土臭さが残っているが荒削りではなく、表情が洗練されていて、手の中にすっぽりとおさまる。意表をつくというのではなく、完成を予測してデザインされたかのような釉薬の使い方。一つ一つの作品を手にとっていると、器に似合うお料理がどんどん浮かんでくる。盛り付けるお料理をイメージできる器に私は弱い。ただ定食のトレイの中に納まるちょうどいい大きさのものがなかったので、今回は数点しか購入しなかったけれど、また機会があったら遊びに行きたい。
せっかくいわきまで行ったのに時間がなくて、勿来の関にも寄らず、小名浜の漁港で買い物もせず、温泉にも入らず・・・トンボ帰りの強行軍だったけれど、アリミちゃんとずっといろいろな話をしながらドライブできてとても楽しい一日だった。
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May 23, 2007
この時期、旬のキャベツをよく食べている。サラダによく使うのだけれど、今日はちょっと触感を変えてみようと思い、スライスアーモンドをローストして降りかけた。せん切りにしたキャベツと人参と玉ネギをちょっと塩でもんでから、レーズンを加えて、レモンとインカのグリーンナッツオイルとマスタードを混ぜたドレッシングで和えた。さっぱりとしていて、ナッツの香りも芳ばしくザクザク切ったキャベツがたっぷりと食べられるサラダだ。
今日は朝、一番で、「観光ガイド うぃーくえんど」という地域の情報サイトの取材をしていただいた。営利目的ではないにもかかわらず、面白い店をご紹介していこうと、リポーター(モデルさん)を連れての写真撮影。お食事や店内の写真を中心に店のことをわかりやすく情報サイトの方にアップして下さるそうだ。
5月21日発売の「ぐるっと千葉」6月号では創刊以来初めてのオーガニック特集。27日に開催されるアースディちばのことやオーガニックレストランとして風楽のことも紹介していただいた。アースマーケットの東君のドアップ?の顔が印象的!
さらに今日の毎日新聞でもインカのグリーンナッツオイルのことを中心にアースディのことが掲載された。私たちが手分けして作るグリーンナッツオイルを使った料理のことも紹介していただいた。
アースディが近付いてきたせいか、オーガニックに関する話題がメディアに取り上げられる機会が増えてきた。出展者数も今までの中で一番多いようで嬉しい限り。今週はその準備にいろいろ忙しくなる。
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May 22, 2007
キレイなバラの花束をお客様からいただいた。さっそく入り口の窓辺に飾らせていただいた。すごくゴージャス!昨日のブログに風楽が満5歳になったと書いたら、そのお祝いにとさっそく届けてくださったのだ。お花の贈り物ってすごく嬉しい。バラは私にとって手の届かないような高貴なイメージがする花なので、自分の庭があってもきっと植えることはないだろう。だけど切り花として生けると、とても華やかだ。こちらがちょっと恥ずかしくなってしまうくらいに可憐で美しい花だなあと思う。そして見ている人を幸せな気分にしてくれる。贈っていただいた方のお気持ちにお答えできるよう、これからも一生懸命仕事をやらせていただこうと思う。
今日もいいお天気だったので、昨日と同じように、開店早々から忙しく、定食は皆、完売してしまった。ボランティアでお手伝いしてくれるヨウコさんが来てくれなければ、レイコちゃんと二人だけではとても回せなかっただろう。こういう日が続くなんて珍しいけれど?嬉しいことだ。
おかげさま農場の新ジャガが待ちきれなくて、生活クラブ生協のお店デポーで九州で採れた新ジャガを買ってしまった。さっぱりしたサラダが食べたくて仕方ない。夏になるとよく作っていたジャガイモのフレンチサラダを作った。蒸したジャガイモをマリネ液の中に漬け込んだサラダだ。冷たくしていただくと美味しい。初夏の体になってきたんだなあと思う。沖縄は入梅したそうだ。関東地方でもこのさわやかな陽気がいつまで続くことだろう。少しでも長く楽しみたいな。
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May 21, 2007
「松本キミ子さんの絵の教え方はちょっと変わっている。①りんかくの下がきはしない、②絵の具は三原色と白しか使わない。自分で絵の具をまぜあわせてさまざまな色を作る、③描こうとする鶏やニンジンによく触る。このキミ子方式で、絵が嫌いだった子が見事な写生をするようになった・・・」
こんな書き出しの20年以上前の天声人語。松本キミ子さんは芸大彫刻科を卒業後、美術の産休補助教員になり、いろいろな学校で絵の指導にあたる。その中でどんな子どもでも絵が描けるようになる指導方法を生み出していった。描き始めの一点を決め、構図は無視して、画用紙は足りなかったら足せばいい、画用紙が大きかったら切ればいい、実際のモデルを置いて描く・・・などその方法はとてもユニーク。初めてキミ子方式の絵を見た時、たった3つの色を合わせるだけで、こんなにいろいろな色を出せるんだと知って驚いた。
お客様のお一人に橋本典子さんというキミ子方式による絵の教室をしている方がいらっしゃる。1階の土壁の壁面にもっといろいろな作品を展示したいなあと思っていたので、橋本さんにキミ子方式で描いた作品を貸していただけないかとお願いをした。快くお返事してくださったので、今日の夕方、さっそく展示させていただいた。植物のモデルを描いた静物画を中心に10点ほどを飾らせていただいた。とても繊細で、ホンモノそっくり?の作品だ。6月末頃まで展示しているのでどうぞご覧ください。
今日はすごく忙しくて、昼過ぎにはご飯もお惣菜も全部なくなってしまった。マキコちゃんとたった二人だけだったのでずっとフル回転!久しぶりに友達が店に来てくれたのに、ほとんど話すこともできず、ちょっと残念。だけど「よかったわねえ。ここまでになって・・・」と何も話せなかったにも拘わらずとても喜んでくれた。
忙しくて忘れていたのだが、店は満5歳の誕生日を迎えた。開業資金の借り入れ期間は10年なので、ようやく折り返し地点に来た。よくここまでもった?というのが本音かな。だけどこの5年間、どれだけ多くのことを学ばせていただいたか。自分の人生のどこを切り取ってもこれほど実り多い時間はなかった。
店というのは私にとって自分自身を写し出す鏡だ。いつも気持ちのいい風が吹いている店にしたい。そのためには私自身もまた穏やかで明るく気持ちよく・・・自然体で生きていたいと思う。
う~ん、精神修業だな、自営業は。
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May 20, 2007
酒々井のお店をやっている頃のお客さんだった方から、お電話をいただいた。「新潟に山菜採りに行って、いろいろ摘んできたから、夕方、時間があったら食べにおいでよ~」。こういうお誘いは突然であっても万障繰り合わせて?お伺いすることにしている私。書かなければならない原稿もあったのだが、それも後回し。取り合えずこの季節の恵みはこの時期にしかいただくことができない。野山歩きが大好きで、筍や蕗やこごみや山椒など、身近にあるものを摘んで歩いては、美味しく料理して、みんな回りの人にふるまってしまう元気のいい方だ。女一人で小料理屋をやりながら子供を育ててきたので、ご苦労も多かったようだが、それを吹き飛ばしてしまうような逞しさと痛みのわかる優しい気持ちを持っている。私にとってはお母さんのような存在だ。
お宅に伺うと、テーブルの上にはすでにウドのキンピラ、土筆の煮物、きゃらぶき、ウドやコシアブラの天ぷら、栗の渋皮煮などのご馳走が並んでいた。一緒に行ったアリミちゃんと二人で「美味しいねえ~」と感動しながらパクパクといただく。お母さんの料理はとっても暖かい味がして、ほっと和む。食べているうちに作り手の優しさが伝わってきて、思わず胸が熱くなってしまう。
そしてお食事しながら、苦労して人生を駆け抜けたきた彼女の体験をお聞きしているうちに、本当に涙がこぼれてきてしまった。過去のことをさりげなく、笑いながらお話されるのだが、息子さんを愛するお気持ちや、いつも本音で人と向き合ってきた誠実なお人柄がひしひしと伝わってきて、話にどんどん引き込まれてしまうのだ。
どんな状況であったとしても、自分がその中で最大限できることをしてきたとしたら、人生に後悔は残らない。彼女は苦労した経験を全て自分の肥やしにしている。それをサラリと笑って話すことができる大きな懐。70歳を過ぎてもとてもパワフル。だけど、とても可愛らしくて真正直。なんてチャーミングな70代なのだろう。
帰りの車の中で彼女のことを全然知らないアリミちゃんも「初めてお会いしたけれど、とてもステキな方ですね。どんな講演を聞くよりも感動しました。美味しくて楽しい時間でした。一緒に行けてよかったです」と話していた。
人の魅力は生きてきた歴史によって創られる。どんなふうに生きてきたのかということがいつも問われるし、年を経るとそれが如実に顔に表れる。いい年の取り方をしている人はいい顔をしている。私もそうなれるように、これからも時間を作って人生の大先輩からたくさん学ばせていただこう。
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May 19, 2007
雨が降りそうなくらい真っ暗になったかと思っていたら、突然、陽射しがさしこんできたり、今にも降り出しそうなのに、結局、夕方まで降らなかったり・・・と不安定なお天気の一日。土曜日なので忙しいだろうなあと思いながら準備をしていたのだが、今日はそんなお天気の影響なのか、本当にヒマだった。人出が読めないから、一人になるというのはかなり不安もあるのだが、ケーキも焼いたし、イチゴのアイスクリームも仕込んだし、ストックを作る仕事もとりあえずなかったので、レイコちゃんには早くあがってもらい、久しぶりに一人で店にいた。一人で本を読みながら店番をするのは嫌いではないけれど、大勢の方が一度にいらしたらどうしよう?!と内心はちょっぴりヒヤヒヤ。
今日、作ったのはマクロ仕様のカボチャタルト。春は田植えもあるし、作付けも多く、農作業はとても忙しい時期だ。野菜がどんどん成長する時期でもあるけれど、実は端境期。だからこの頃、ずっと人参、大根、カブ、キャベツ、ほうれん草、小松菜・・・・ばかりを食べている。昨日、おかげさま農場で初物のスナップエンドウとインゲンを見つけてとても嬉しかった。季節の野菜だけを食べていると、こういう時の喜びはひとしおだ。
生活クラブのお店デポーでもようやく九州のカボチャが並ぶようになったけれど、まだ若そうなカボチャだった。見ているうちにどうしてもカボチャが食べたくなって、冷凍の栗カボチャを買ってしまった。旬の時期のものをカットして冷凍してあるので、出始めのカボチャよりは甘いだろう。
何にしようかと迷ったけれど、今回は皮ごと塩茹でしてマッシュし、タルトの中味に使うことにした。カボチャは大好きなので、冷凍とは言え、久しぶりのカボチャにとってもワクワク。シナモンとノンシュガーのオーガニックジャムを加えてフィリングにした。塩だけで甘味を引き出したけれど、こういう素朴な味わいっていいなあと思う。もちろん冷凍ではなくてカボチャが出回ってきたら、蒸してマッシュしたっぷりとペーストを作ろうと思っている。これからの季節、少しずつ野菜の種類が増えそうで楽しみ。
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May 18, 2007
柚子の絞り汁とアマゾンのグリーンナッツオイルをよく混ぜ、炊いたアワを加えてドレッシングを作った。人参とカブ、ピーマンと玉ネギを薄くスライスして、そのドレッシングをかけ、ざっくり和えたサラダにした。さっぱりとして風味がいいので、たっぷりいただける。
このグリーンナッツオイルは血流をよくすると言われている植物性の不飽和脂肪酸であるオメガ3を50%も含有する高機能なオイル。オイルの酸化や劣化を防ぐ働きのあるビタミンEが豊富なので、酸化防止剤を添加しなくても酸化しにくくなっている。またαリノレン酸とリノール酸がバランスよく含まれており、さらりとしていて軽い感じのオイルだ。松戸のNPO「アルコイリス」が自然環境と調和した循環型の経済開発による熱帯雨林再生と、アマゾンで暮らす人々の生活環境改善の両立を目指して、コミュニテイトレードによる商品開発と販売を行っている。
実は今月末、27日に幕張海浜公園で開催されるアースデーちばに風楽もオーガニックのランチをご用意して出展する。その時、何件かの有志が、グリーンナッツオイルと千葉県産の食材を使った料理を紹介するという企画があるのだ。それでアルコイリスの方からオイルを提供していただいたので、今、いろいろなものを試作中だ。当日はグリーンナッツオイルを使って玄米のライスサラダを作ることにしているが、それ以外でも面白い使い方ができそうだ。手に塗ってもサラリとした使い心地で、質の良さが触るだけですぐわかる。
ほんのりと草の香りがして、軽さの中にも独特の風味があるグリーンナッツオイル。いつか行ってみたいと憧れているペルーのアマゾンの地で生きる人たちに思いをはせながら、その貴重な資源を大切に活用させていただこうと思っている。
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May 17, 2007
美味しそうな芋ようかん。でもこれは店で作ったものではない。今日、ミレーの取材で芋ようかんの工場へ行ってきた。地元の名産であるさつま芋を利用して、無添加の芋ようかんを作っている会社だ。千葉県内の道の駅やデパートの特産品には芋ようかんがとっても多い。だけど、防腐剤や着色料が使われているものがほとんどだ。
今日、行ったところは無添加で、さつま芋と塩と砂糖だけで作っているという。信頼できる農家さんのさつま芋を仕入れて、大きな冷蔵倉庫で保管しているので、一年を通して美味しい芋ようかんを作り続けられるそうだ。
家に帰ってからいただいたら、本当に素朴で美味しい芋ようかんだった。砂糖の甘さではなく、お芋の甘さがよく引き出されている。余計なものが入っていないので、このままスィートポテトや栗きんとんなどにも再利用できそうだ。無添加で作っているので、賞味期限は4日。防腐剤を使えばもう少し日持ちするので、長く販売できるのに・・・と取引業者さんからも言われるそうだが、自然志向の時代なので、混じりもののないホンモノの芋ようかんを食べていただきたいという経営方針を絶対に変えたくないと話されていた。こういうモノ作りの姿勢がもっともっと、広がっていくといいな。
取材の後、午後からは農作業をお手伝いに行こうかと思っていたのだが、あいにくの土砂降りになってしまって取りやめた。ぽっかりと時間ができたので、前からやりたいと思って出しておいた着物をほどくことにした。タイのNGOと取引している頃は、よくほどいた着物を持って行ってタイシルクと合わせて、オリジナル服をオーダーしていた。あの頃はヒマさえあれば、着物をほどいていたっけ。最近ではもうオーダーもやめてしまったので、ほどきものに追われることはない。夜の電気の下では、どうも目が見えにくくなるので、日中にやりたかった。自分の洋服にリフォームするつもり。針仕事で手を動かしていると無心になれる。久しぶりに落ち着いた時間を過ごすことができた。
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May 16, 2007
オーサワジャパンの車麩は本当に美味しい。全粒粉の風味が生きているし、弾力があって煮崩れしないし、コクがある。お麩カツは風楽の定番メニューだけれど、今日はいつもの車麩をちょっとアレンジして丸ごとステーキにした。
昨日はグルテンミートをミートボールにした。玉ネギと人参を炒めて加えて作ったミートボール種を注文をいただく度に丸めて片栗粉をつけて揚げていった。そのグルテンミートがまだあったので、同じメニューでもよかったのだが、それほどたくさんの量ではない。これは何かにはさんで使うといいかも・・・と思って車麩の穴の中に詰め込むことにした。
車麩に下味をつけながら戻して、その中にグルテンミートを詰めてから、一度オーブンで焼く。その後はフライパンにごま油を敷いて、さっと焼き色を付ける。お出しする直前にしょうがあんをかけて出来上がり。
グルテンミートが崩れてしまわないだろうかとちょっと心配だったけれど、片栗粉を少々加えたので、ポロポロにならずに焼くことができた。お麩カツの時は、一つの車麩を3分の1に切って、一人分としては2つずつお付けしている。でもこのお麩ステーキの場合は、車麩を一枚、丸ごと一つを使っているので、かなりボリュームがあったのではないかなと思う。
今朝も11時の開店と同時にお客さまが来て下さったのだが、まだ厨房の中が片付け終わっていなかったので、ちょっと焦ってしまった。最近、お客様のご来店時間が少しずつ早くなってきたような気がする。それに合わせて仕事を始める時間も少し繰り上げている。
最近、朝、とても早起きになってしまった。寝ていたいと思うのだが、なぜか目が覚めてしまうのだ。年をとったせい?。おかげで明るいうちに新聞を読んだり、本を読んだり、昨日は朝風呂にまで入ってしまった。早起きは三文の徳というけれど、朝陽の中でお風呂に入るのはちょっといい気分。
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May 15, 2007
今日、お店に「まちの駅 ひとの駅 交流サロンSHU」というNPO法人地域交流センターの浜田さんという方がいらした。食事の後、少しお話したいというので、お席に伺って、その活動についていろいろお話をお聞きした。新橋駅の近くのビルの中で、様々なNPOや活動団体が共同で活用できる場を作り、コンサートをしたり、講演会を企画したりしているそうだ。また人と人の出会いをサポートする町の情報受発信拠点として「まちの駅」の設置を推進している。
店を閉めてからも地域作りについていろいろな話をしていたら、おかげさま農場の高柳さんから電話があった。「今、日野さんが来ているよ。うちに来ないかい?」。
日野雄策さんはエコロジーショップGAIAの設立者であり、オーガニックやエコロジーの活動をしている人たちのネットワーク作りやコーディネートをしている。国のダム建設に反対して徳島県の木頭村に助役として就任し、後に第三セクターを起こし、木頭村の特産品である柚子を使って、村おこしをした人でもある。
日野さんはこの世界の大先輩として尊敬しているので、一昨年の収穫祭の時、風楽におよびして高柳さんと対談していただいた。その時、高柳さんは日野さんと初対面だったが、その経験やお人柄をすっかり気に入ってくださった。今回、おかげさま農場の直売所がリニューアルするので、そのコーディネイトも兼ねて、日野さんに直々相談したいことがあったそうで、お宅まで来ていただくことになったそうだ。
浜田さんにもお引き合わせしたら、きっと楽しそうだなあと思ってお誘いしたら、二つ返事で行くと言われ、すぐに車に飛び乗った。お宅に着いたら既に酒盛りが始まっていた。挨拶もそこそこにお食事をいただきながら、お話に加わったが、何しろ酔っ払っているのでみんなで笑ってばかり。その中でも日野さんは地域における直売所の役割を話してくださり、その後、高柳さんは「俺たちはバカ者同士だよなあ・・・だけど俺、バカな奴が好きだよ」と笑う。日野さん曰く「バカ」の定義はやりたいことをひたすら追求し、欲望の赴くままに生きている人なのだそうだ。ただしその欲望というのは物欲など目に見える欲ではなく、目に見えない夢や理想を追い続けていく人のことだという。
生きている以上、貨幣経済というシステムの上に乗らざるを得ないけれど、それでも、お金に支配されることなく納得のできる生き方を全うするバカでいたい・・・お二人(私も)に共通する価値観だ。
これからの直売所の運営は主旨を理解してくれる賛同者を応援団に巻き込みながら、みんなで作っていこうという思いを語り合った。もちろん私もお手伝いしていくつもりだ。
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May 14, 2007
今日はお昼に20個のお弁当の配達のご予約をいただいた。20人分ともなるとかなりの量だ。早めに厨房に出て準備を始めたのだが、昨日も忙しく、ほとんど何のストックもない。通常の定食の用意もあったので、とにかく作るものがいっぱい!人参だけでも10本は切ったと思う。ようやく11時すぎに出来上がったので、早めに配達に行って、ランチタイムが忙しくなる前に戻ってくるつもりだった。でも出来上がったお弁当箱をダンボールに並べているうちに、次々とお客様がいらして、定食のオーダーをいただいた。
スタートがいつもよりも早いので驚いてしまったが、とにかく私はお弁当をお届けしなくては。流しには料理に使ったたくさんのボールやバットがまだそのままの状態で山積みに。気になりながらも車に乗った。配達を終えて、大急ぎで店に戻ってきた時は、すでに満席に近い状態。「ただいま」を言う暇もなくすぐに洗い場に入った。
そんな中で今日、作ったのはグルテンミートのカツ。昨日、息子がくれたお花の鉢の前で撮影した。上にかかっているものは粒ソバと長ねぎのあんかけ。生姜とにんにくで中華風味にした。グルテンミートのカツは上にかけるソースで味にたくさんのバリエーションができる。トマトソースも好きだけれど、雑穀をたっぷり食べていただきたいので、丸麦や粒ソバ、粟などのつぶつぶを加えたあんかけのソースもよく作る。
昨日の夜はお腹の中から何かが押し出されるような感覚が続き、寝ている間もしょうっちゅうトイレに行った。こんな状態だったら、明日はきっとバテルだろうなあと思ったが中々眠れない。朝方になって宿便のようなものが出た。その後の体はバテルどころか、妙に快調だ。何だかお腹がとてもスッキリして気分がいい。体にとって必要ないものが自然な形で排毒されたのだろう。うまく説明できないのだけれど、すごく不思議な経験だった。
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May 13, 2007
スタッフのショウコちゃんの具合が悪くて、日曜日だというのに私とレイコちゃんの二人だけになってしまった。春先は気温の変化が激しいせいか、レイコちゃんも腰を痛めたり、アリミちゃんも風邪が抜けなかったりと、皆、何かしら不調のようだ。それでも仕事となると元気で来てくれるのでありがたい。
昨日ヒマだった分、今日はとても忙しく、夕方前には作ったモノがぜ~んぶなくなってしまった。レイコちゃんと二人でよく回せたなあと思う。3時過ぎには弓木野君が東京から畑見学に来た仲間を連れて、お店にきてくれた。以前、ブログにも書いたが、厚木で七沢農園というバイオダイナミック農法でできた野菜の産直をやっていた人だ。道路の拡張のため移転先を探していたので、おかげさま農場の高柳さんにお引き合わせをして、畑を紹介していただいた。その後、着々と移転の準備がすすみ、4月に無事、引越しが終わり、ついに成田市の住民となった。
借りている古屋の補修など、まだまだやらなければならないことが山積みのようだけれど、同じ成田市に仲間(同士?)ができたようで心強い。現在は弓木野君は成田市で七沢農園改め百姓農園を準備中。成田市でバイオダイナミック農法の野菜が食べれるなんてとても楽しみ。
夕方、私は野菜を取りに行かなければならなかったので、「店を閉めて私は出かけちゃうけど、このまま店で話しててもいいし、帰りたくなったら帰ってもいいし自由に使ってて」と言って弓木野君たちを店に残し一人でおかげさま農場へ。野菜を積んで店に戻った頃も、まだみんなが残っていたので、玄米珈琲と人参ケーキを差し入れし私も話の輪に加わった。
「都会のカフェと比べて時間の流れがのんびりしていて、とても落ち着く店ですね」とその中のお一人が言われた。パーマカルチャーを勉強し、農業のことや食べ物のことを真剣に考えている若者たちだった。ただ美味しくって安心して食べられる野菜がほしいと思うだけでなく、生産現場に足を運んで、実際にどんな作り方をしているのか、農作業を一緒にやりながら、農家さんといろいろお話してみるのはとても大切なことだと思う。作り手の顔が見えると野菜を粗末に扱えなくなる。そして自分で少しでも土に触れてみると野菜の命がとても愛おしくなる。
私がもし今、田舎に住んでいて、広い土地を持っていたとしたら、都会から遊びに来る友達やお客さんのために、一緒に農業作業できるスペース(畑)を作るだろうなあ。そして収穫した野菜で一緒にお料理を作りたい。もしといつか・・・・夢は広がっていく。
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May 12, 2007
あんなに強く吹いていた風もやんで、湿度が少なくさわやかないいお天気。土曜日だし、こんなにいいお天気だから、今日はきっと混みそうだ。2日間も厨房に出なかったので、すごく久しぶりな気がしたが?リフレッシュした分だけ、今日は一生懸命仕事しなくっちゃ~と、いつもより多めにおかずを作りお客様がいらっしゃるのを待った。だけどいつまでたっても忙しくならず、結局、のんびりした一日になってしまった。最近、土曜日はいつも忙しいのだが、さすがにGW明けの最初の休日だったせいか、人出も少なかった。はりきって作った分だけ、何だか拍子抜け。明日は地域の廃品回収なので、たまっていたダンボールと古新聞、古雑誌を紐で束ねてまとめたり、フロアの椅子を拭いたりと、日頃、できない仕事を細々と片付ける。
それでも動きたくて仕方のない体は、まだ何かしないと気がすまない。そうだ!店の入り口にある鉄のオブジェの色を塗ろうと、前にペンキを買っておいたのを思い出した。ちょっと暗い感じがするので、何色か色を入れて明るくしたいなあと思っていたのだ。さっそく着替えもせずにそのままペンキを出してきた。思い立ったら即実行!遅い時間からはじめても、これだけお天気がよければ、すぐに乾くだろう。
赤と緑と黄色の3色を、鉄筋棒の所々に入れていく。全部、塗ってしまうとうるさい感じになるので、点々とした感じで、ちょっと明るくなればいいかなと思って、ハケを伸ばしていく。後先、何も考えず、新聞紙も敷かなかったので、回りにはたくさんペンキが飛んでしまったけれど、何となく完成。手もすっかりペンキだらけ。でもこういう作業ってやっぱり楽しいな。
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May 11, 2007
今日、行ってきたのはBunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」。朝、父と一緒に食事をした後、家を出て、代々木公園からNHKホールへと歩きながら、Bunkamuraへ向かった。写真は娘が中学の時、美術部で模写したモディリアーニ。先生に誉められてずっと教室に飾ってあったそうだ。「あの作品は絶対にママがほしいから卒業したら返してもらってね」とお願いして、中学を卒業後はずっと私の部屋に飾ってある。
モディリアーニの描く人物画はどことなく暗くて寂しい感じがするが、なぜか惹枯れるものが多い。その一生は映画「モンパルナスの灯」にもなっているように、甘いマスクで多くの女性と恋に落ち、酒と麻薬におぼれ、病魔に苦しんだという悲劇の人生が影を落としているのだろうか。今回は、最後に連れ添った妻ジャンヌに注目し、二人の出会いから別れまでの一連が、一つの物語のようになって作品として展示されている。
ジャンヌがモディリアーニに出会ったのはわずか18歳の時。長い金髪で青い目の聡明な美しい女性だった。彼との出会いによってジャンヌの作品がどんどん変化して、画家としての才能を開花させていくのがよくわかる。しかし夫が36歳で肺病で亡くなった2日後に、お腹に二人目の子がいたジャンヌ自身も後を追うように飛び降り自殺をしてしまう。わずか22歳の人生であった。
私は今までジャンヌのことはほとんど知らなかった。もし彼女がモディリアーニと出逢わなければ、両親の愛の元で幸福に育った少女の一生はどうなっていたのだろうか。人生に起ることは皆、必然だから、「もしも・・・・」なんてことはないのだろうけれど、やはりそう思ってしまう。
2日間、お店を離れて、自分の好きな絵や写真を見たり、カフェを回ったり、友達と会ったりと楽しいお休みだったので、お腹がいっぱい・・・・ではなくて心がいっぱい(いい意味で)!だ。もちろんお店は大切だし仕事は大好きだけれど、このところ忙しくてなかなかこういう時間が取れなかったので、アートに触れ、心を揺さぶられた2日間はとても幸せだった。
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May 10, 2007
このお休みに絶対に見ておきたいと思っていたものがいくつかあった。その一つが国立新美術館で開催されているモネ展。限られた時間の中でいろいろ回りたかったので、珍しく予定をたてて最初に六本木へ行った。オープンしたばかりで混み合っている東京ミッドタウンの横を通り抜けて、国立新美術館へ。今年、完成したばかりで国内最大の展示スペースを持つそうだ。黒川紀章が設計した波打つガラスの外壁が緑の中に溶け込んでいる。光と点で美しい絵を描く印象派の巨匠モネ。「日傘の女性」や「睡蓮」など100点もの作品が展示されており見ごたえたっぷり。「日傘の女性」は見た瞬間にパッと明るい光がさし込んできたような美しい作品で思わず息をのんでしまった。
その後は、ゆりかもめでお台場へ出てノマディック美術館で開催されているグレゴリー・コルベールの写真展へ。カナダ出身のドキュメンタリー番組の制作者だが、エジプトやミャンマー、トンガ、ケニア、ボルネオなど世界40カ国以上を回り、動物と人との交流を撮影している。彼の作品展は「ashes and snow」という写真、映画、小説、建築が一体となったアートプロジェクトにより世界各地で開催され、すでに100万人以上の来場者を集めたそうだ。建築家板茂によって設計された移動式のノマディック美術館をお台場公園の観覧車の前に設置。貨物コンテナを積み上げて建てられた空間の中は紙管の柱が神殿のようで神秘的。コルベールの写真はセピア色の和紙で大きく引き伸ばされ展示されているが、タイトルも説明も一切書かれていない。会場に3箇所設置されたスクリーンでは彼の映像が静かに映し出されている。
動物と人間が深く交わっている姿は、とても美しくスピリチュアルだ。人と動物があまりに違和感なく交流しているので、一瞬、合成なのだろうか?と思ってしまったが、全て自然のままで一切の加工はされていないという。建物に一歩足を踏み入れただけで、もうそこには一つの宇宙が広がっていて、私の心はすっかりコルベールの世界観に魅了され自然に涙が出てきた。あまりに美しく感動的な映像と写真の数々。そして空間そのものが全てアートでありメッセージになっている。写真がこんな手法で展示されていることにも驚いたが、何より、人が動物を警戒することなく、また動物たちも人をありままの存在で受け容れているというそのコミュニケーションがスゴイなあと思った。
オラウータンが友達のように女の子と手をつなぎ、どこかへ連れて歩いていこうとする姿は、未来への共生を予感させるようで、印象に残った。とても心あらわれる素敵な写真展なので、よかったらぜひ皆さんも見に行ってくださいね。本当におすすめです!
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May 09, 2007
ご飯に入れて炊く雑穀として人気のあるアマランサスを今日は、サラダの中に入れてみることにした。アンデスの山のインディオ達に昔から食されてきたハゲイトウの仲間で生命力たっぷり!タンパク質は白米の約2倍、カルシウムは25倍、脂質は5.6倍、鉄分は50倍・・・と雑穀の中でも飛びぬけて栄養があるアマランサス。もっと積極的に摂りたい雑穀だが、とても軽いので、洗う時は茶こしのようなものに入れなければ、どんどん流れていってしまう。でも洗ってもほとんど水は汚れないので、そのまま使っても大丈夫。
2倍の水を沸かし、その中に入れて、フタをして20分。トロリとしたアマランサスが炊き上がる。そのまま使ってもいいけれど、粒々感を出したければ、軽く水洗いをして粘りを流しておくと、まるでトビコやキャビアのような触感になる。
今日は大根と人参、セロリ、玉ネギなどの野菜を塩でもんで、アマランサスを加え、フレンチドレッシングを作って和えた。ヒデコちゃんの庭に生えている野生?のセロリだったので、ほんの少し茎だけを刻んで入れたのに、香りの強いこと強いこと!サラダの中に炊いたアマランサスを入れると、思いのほかたくさん食べることができるので、力がついたような気持ちになった。
真夏のような暑い陽射しの一日。「いいお天気だったから歩いてきたのよ~」というお客様もいらした。だけどちょっと歩くともう汗ばむくらい。穏やかな春をもっと楽しみたかったのに、あっと言う間に夏になってしまうそうでちょっと寂しい。
明日は久しぶりに何の予定もないお休みだ。しかもGWにたっぷり働いたご褒美にしようって勝手に決めて?2連休。週休2日なんて夢のまた夢だったけど、少しずつ実現させていかなくっちゃ。最近、自分の中の植木鉢に水やりをしていないなあと思ったので、東京へ出て、絵画展を見てくる予定。
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May 08, 2007
お客様からコレ本当にミントなの?と思うほど大きく育ったミントの葉っぱと、セリとこごみと蕗をいただいた。お家のお庭に自生しているものだそうだ。自分の庭先で畑以外にも食べられるものが、勝手に生えてきてくれるなんて、なんと贅沢な生活なのだろう。
さっそくミントは香りを楽しむために、店の入り口の出窓の所にカゴを置いて、どっさりと飾った。こごみはさっと湯がいて出汁醤油に漬け込んで、ほんの一口ずつだったけれど、定食の添えにお付けした。蕗はとても細い種類のものだったので、「筋をむかなくてもそのまま食べられるわよ」と教えていただいた。醤油とみりんで煮て、そのまま煮汁に漬け込んでおいた。明日の付け合せにしよう。
春の山菜摘みは私も大好きな仕事だ。何回か山の中を歩き回って、どっさりと収穫物を店に持って帰ってきたことがある。袋を持って、山菜を探しながら山の中を歩いていると、自分の中の原始感覚?が呼び戻されていくような気がする。秋のきのこ狩りと同様、とても楽しい季節の行事だ。だけどそれを行楽として、どこかに行ってやってくるのではなく、普通に生活の中で行うことができたらもっと嬉しい。
実は蕗やセリの香りは苦手だ。基本的に私はあまり香りの強いものは食べられない。だけどほろ苦い香りを嗅ぐと春の訪れを感じられるから、一年に一度は必ず料理する。
夜は野口整体の活元会へ。この頃、左手がずっと痛いのが気になる。体をゆるめて、ボーっとしてきた。
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May 07, 2007
数週間前、佐倉市で広告、印刷、プランニングなどの事業を行っている高千穂ネットワークの方からお電話をいただいた。お店の取材依頼だった。より多くの方に店を知っていただける機会になればと思っているので、タウン誌やフリーペーパーの取材は喜んでお受けするようにしている。佐倉市は国立歴史民俗博物館や川村記念美術館など、文化的施設がとても多く、歴史と文化と市民活動がとても盛んな街だ。
また佐倉市ではかつて蘭学が盛んな土地であったことから、風車をシンボルにしたりチューリップ祭りを開催したりと、オランダとの交流にも力を入れている。そんな佐倉市にある高千穂ネットワークは、コミュニティ活動をとても大切にしていてさくら塾やコミュニティフォーラムなどの組織と協力しながら、よりよい地域つくりを目指したフリーマガジンを独自に発行している。その名前は「すたっと」。A4版カラー19ページの冊子を2ヶ月に一度、制作し配布している。「すたっと」とはオランダ語で「街」という意味だそうだ。地域で活動する人やイベント情報などを誌面に掲載するだけでなく、「すたっとTV」でも放映。情報紙とインターネットが融合した「メディアミックス」による街作りの新しい活動だ。
前の店が酒々井にあったことから、地元の「B-NET子供センター」というNPOにもほんの少し関わったことがある。「すたっと」の協力者の中には当時のメンバーもいるので、さくら塾の活動についてはずっと前から聞いていた。だからようやくお会いできたという感じで嬉しかったのだが、来て下さったカメラマンは初対面ではなかった。昔、生活クラブ生協で働いていた時に、チェルノブイリの子供たちの保養スティのお手伝いをさせていただいた。その時に子供たちの写真を撮っていたカメラマンだったのだ。
「すたっと」の女性ディレクターとカメラマンのお二人での取材。何枚も何枚も写真を丁寧に撮影していただいた。その後も、ゆっくりとランチを召し上がっていただき、取材というよりも、風楽での時間をゆったりと楽しんで下さっている様子にとても好感が持てた。
もっとお話したいなあと思いつつ、今日は私とマキコちゃんの二人体制で、お客さまもずっと途切れなかったので、時間を取れずに残念。でもきっとまたこれからもお会いできるでしょう。人と人とのつながりを改めて発見できた嬉しい一日だった。
「すたっと」6・7月号は6月1日発行。風楽でも置かせていただこうと思います。どうぞお手にとってお読みくださいね。
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May 06, 2007
精進料理が好きなのでいつか行ってみたいと思っている場所がある。滋賀県大津市にある月心寺。NHKドラマ「ほんまもん」の庵主のモデルになった月心寺の村瀬明道尼が作るごま豆腐はすばらしいという評判だ。明道尼の自伝「ほんまもんでいきなはれ」はとても面白かった。9歳の時から仏門に入り、20代の頃、親子ほど年の離れた師匠に恋をした。尼僧の恋は戒律を破ることになる。苦しみの中、ダンプにはねられ、右半身の自由を失う。その後、紆余曲折の末、月心寺で精進料理をふるまうようになり、それが美味しいと評判をよび全国から訪れる人が絶えないという。波乱に満ちた激動の人生をありのままに綴っているエッセイだ。「ある小さな禅寺の心満ちる料理のはなし」という明道尼の本の中に月心寺の食事訓というものが書かれていた。わかりやすく解説すると、
1、お米を作った人、脱穀した人、運んだ人、自分の目の前のお膳にその品物がくるまでの人々の苦労を慮ること
2、私たちの徳行が足りないのに、この食べ物をいただくことを過分に思って感謝すること
3、目の前の食べ物に向かって貪る心、厭う心を起こさないこと
4、食事は五体を養う良薬としていただくこと
5、悔いのない人生をおくるため、その道に命をかけて大成するため、五体を養って心豊かにするために、この食事をいただきます
読んでいてすごく厳しいなあと思ったけれど、食事の基本はこの人生を豊かに生きていける体をつくるために命をいただくということ。これに尽きる。食べられることだけでも充分にありがたく感謝しなければならないことなのだと思う。
明道尼はお昼に出すごま豆腐を作るため、夜中に起きて仕事に取りかかるのだという。半身だけしか動かない体でごまを炒る所から作るごま豆腐。その大変さを思うと想像するだけで涙が出てくる。いつか私もいただいてみたい。
今日の定食にお付けした高野豆腐の含め煮。忙しかったGWも今日はあいにくの雨で人出も今一つ。明日からまた静かな毎日が始まる。
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May 05, 2007
以前、風楽のスタッフだったヒデミちゃんとは同じ誕生日でとても感性が似ている。しかも一回り違うネズミ年同士。性格は違うけれど、好きなものや心惹かれるものがかなり重なり合っている。以前、スーザンオズボーンを風楽にお招きした時も通訳をやってくれて、スーザンも「We are sister」と言っていた。
先日、取りに行ってきたヒデミちゃんの小物たちをようやく少しずつ整理し始めた。私の好きなモノばかりで、もう見ているだけでワクワク。この荷物たちは本当に私の元に来るべくして来たんだなあと思った。少しずつ店にも飾りたいと思うのだが、あまりに量が多すぎて今のところ私の部屋に広げっぱなしで一人にんまりしている。ヒデミちゃんはほとんどの荷物を処分して実家に帰ると言う。よくこれだけのものを手放す気持ちになったなあと思ったけれど、「執着を捨て心身ともに気分はスッキリ」なのだそうだ。きっと新しい人生のステージがこれからまた始まっていくのだろう。
使い込まれたモノたちには魂が宿っている。古いものや手仕事の世界に深く引きつけられる私は、好きなものに囲まれて暮らしたいと思う。店頭にヒデミちゃんが作った椅子と野焼きの鉢と集めた石ころを並べてみた。それだけで何だかとっても可愛い。大切に使わせていただこうと思う。
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May 04, 2007
今日もいいお天気。開店前から食事に来て下さる方もいらして、相変わらずお店は忙しかった。作ったデザートが次々になくなってしまうので、定食のご用意をしながら、明日以降に向けての準備をしていった。最初はこの頃、よくデザートにお出ししているあんずのゼリー。手作りのあんずシロップを水でのばしてゼライスで固めたもの。前日に作っておくとラクだ。朝、作ると急激に冷やさなければならないので、流しに大量の氷を入れて水をはる。冷やしているとわかっているのに、水道を出してしまったりと失敗も多いのだが。次はいちごアイスクリーム。いちごをミキサーでペースト状にして、さっぱりとした酸味がほしいのでレモン汁を少々加え、ホイップした生クリームと混ぜて冷やし固める。
この他、マクロ仕様のアーモンドクッキーは生地を仕込んでから一度冷やすアイスボックスタイプなので、翌日焼けるように四角く棒状にのしたものがラップに包まれて並べてある。とにかく冷凍庫も冷蔵庫も作ったスィーツでギッシリ!この他、常備食品の他、絶えず研いだ玄米を浸水しておいたり、ひいた出汁がストックされていたりと、冷蔵庫の中はただでさえも満員。写真は2枚とも冷凍冷蔵庫の中から。
夕方、近所のスーパーに買い物に行ったら、家族連れでとても賑わっていた。夕飯は焼肉か手巻き寿司?。売り場で買うものを相談しているご夫婦の姿が目立つ。GWってどこにも行かなくても家族でのんびりする日なんだなあと思った。私はお休みとは無縁だし、息子たちの姿もここ数日見ていない。いつのまにか一家団欒という言葉からはほど遠い生活をするようになってしまった。「連休、どこの公園に行こうか?」なんて予定を立てていた頃が妙に懐かしい。月日が流れていくのが以前にもまして早く感じられるようになってきた。
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May 03, 2007
昨日の夕方にレジ脇にあったスィーツが全部、売り切れてしまったので、今朝は何かお菓子を焼かなくては・・・と思いながら、まずは定食の準備に取りかかった。連休初日の今日はお天気も最高!開店のちょっと前からお客様が次々に来て下さったので、結局、定食をお出ししながら洗い物をするのが精一杯で、お菓子を作るところまで手が回らなかった。それでもちょこちょこと手を動かして、ようやく焼き上がったのは閉店時間のちょっと前。リンゴをカットして生地の中に入れて焼き、上からシナモンとスライスアーモンドをふりかけたカントリーケーキだ。
昨夜は、2年前に風楽のスタッフをやっていたヒデミちゃんが我孫子から、実家のある東京へ引っ越すことになったので、今の住まいで使っていた様々なものをいただきに行ってきた。同じ誕生日で一回り違いのネズミ年なので、スタッフとは言えとても他人とは思えない。アートや手工芸品、手仕事の小物たちが好きで、二人共、好みが似ているので、プリウスのトランクから助手席までギッシリと積み込まれたダンボールの中には、アフガニスタンの古いガラスや素焼きの壷、インドのアンティークビーズや石、モン族の手刺繍の端切れや藍染の布、タイの服やアンテイークの布、カゴ、陶芸家の作った焼き物などがギッシリ。山ほどの荷物を部屋に運び入れ、一つ一つを並べていくうちに、あまりの可愛らしさに興奮してしまい寝たのは明け方近くに。だから今日はとても寝不足の状態で仕事をスタートさせたので、忙しくなってよかった。手を持て余すことなく動かし続けてきたので、あくびをする暇もなく、眠いということさえ忘れてしまったからだ。でもさすがに日が落ちて、あたりが暗くなってくると徐々に眠たくなってきた。今夜は絶対に早く寝て、また明日に備えなくては。
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May 02, 2007
今日は久しぶりのお休み。タイから帰ってきた後も、そのまま仕事をしているので、今日はゆっくりしたいなあと思ったが、田植えの取材があったり、野菜を買いに行ったり、友達と食事の約束があったりと、いつもよりも忙しい一日になってしまった。農家さんの仕事はお天気次第なので、取材の約束をしても雨が降ったらできないし、まして田植えという一年の中でも一番の大仕事となると、お天気の動向に敏感にならざるを得ない。
私の都合を言わせてもらえば、取材に出るとなると、スタッフの手配をしなければならないし、自分が抜けた前後の仕事の調整もしなければならないので、取材のお約束をしたら、その予定どおりに行ってしまいたいと思う。でもお天気ばかりは自分の都合でどうすることもできず、今回の取材もなかなか予定が立たなかった。朝、ようやく取材のお約束ができたというのに、電話を切った直後にいきなり大雨が降り出して、あ~あと深いため息をついてしまったが・・・。
でも午後は晴れてきたので、風は強かったけれど、なんとか田植えの取材ができた。息子さんや娘さん夫婦もお手伝いに来ていて、一家総出の田植え。お孫さんまで参加して、ほのぼのとした多古米の田植えだった。
それにしても間近で田植え機の動く様子を見たのは初めてのこと。見る見るうちに一枚の田んぼに6列ずつ小さな稲が植えられていくので驚いてしまった。苗を育てたり、その苗を田んぼの畦まで運んだりするのはもちろん大変なことだけど、植える作業自体は機械を使うと本当にあっという間なのだ。昔の人はこれを全部手でやっていたのかと思うと、頭が下がる。
今日は満月。夜、友達と食事をするので出かけたが、途中で通った田んぼに水が引かれていて、その小さな湖にゆらゆらとお月様が写っていて、とても美しかった。これから八十八夜をかけて美味しいお米に育っていくのが楽しみ。
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May 01, 2007
炒り豆腐は家庭料理ではよく作られるお惣菜の一つだが、作る人によって具は全然違う。皆、それぞれ自分が食べてきた炒り豆腐こそが炒り豆腐だと思っているので、中味が変わると、全く違う料理ではないかと思ってしまうくらいだ。私の小さい頃は、油揚げと長ネギと椎茸、そして卵が定番だった。特に卵の半熟度合いがポイントで、出来上がった炒り豆腐の最後に溶き卵を加えて、充分に火が通らないうちに鍋からご飯の上に移して、おかかをかけて丼モノのようにして食べるのが好きだった。
今日、作ったのはゴボーと人参、椎茸を炒めてから、最後に木綿豆腐を加えてよく炒り、仕上げに長ネギを散らすというもの。椎茸が入るのと入らないのとでは味が全然違ってくる。何だかとっても懐かしくて素朴な料理だ。母は多分、砂糖をかなり入れていたので、とても甘い炒り豆腐だったと記憶しているが、店で作る料理には砂糖を使わないので、昔の味に比べるとずいぶんとさっぱりとしている。
今日はGWの真ん中で平日。しかも雨が降っていたので人出も少ないだろうなあと思っていたのだが、お昼はすごく混み合って満席になってしまった。どんどんお惣菜がなくなり嬉しい悲鳴を上げてしまったが、今日がGW一番の忙しさになるなんて、全く予想もしていなかったのでビックリ!
昨日は暑かったのでアイスコーヒーやアイステイのご注文が多かったが、今日はちょっと肌寒くなったせいか、葛湯ドリンクのご注文までいただいたりして、同じ季節なのに、たった一日でこうもご注文内容が変わるんだなあと不思議になった。それほど気温の変化が激しい時期なのだろう。体調を崩される方も多くなることと思う。皆さんも急激な温度変化には充分お気をつけくださいね。
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