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July 31, 2007

坊ちゃんカボチャのタルト

Dsc01204坊ちゃんカボチャが甘くて美味しい。毎年、この時期になると、数えきれないほどたくさんの坊ちゃんカボチャを料理している。片手の上にすっぽりと乗ってしまうほどの大きさなのに、甘さはカボチャの何倍もありそうな気がする。甘さというよりももっと感じるのは味の濃さ。大きくないせいなのだろうか、味が凝縮されているような気がする。今日は塩だけで蒸し煮にした坊ちゃんカボチャを使ったマクロビオティック仕様のタルトだ。
最近、ケーキセットのケーキもマクロケーキを希望される方が多くなってきたので、いつもストックと作り続けている。特別にマクロを実践されていない方の場合でも、バターも砂糖も卵も使っていないケーキって一体どんなものなんだろう?って、興味を持って注文いただく場合がある。
一般的なケーキの味に慣れている方にはもの足りないかもしれないけれど、最近、マクロスィーツをいろいろ試作するようになって、そのほんのりとした甘さを舌で感じたいと、意識をそこに向けるようにしてきた。どう取り繕っても美味しいと思えないようなレシピも時にはあるけれど?(もちろんこれは内輪で処理しています)、美味しいものは美味しい。ようやく違いがわかるようになってきた。
甘さは一番最初に人間が慣れてしまう味覚。私も子供の時からかなり甘いものを食べて育ってきたので、この甘さを断つのにはかなり苦労したし、体内にも相当量の砂糖が蓄積されてしまったのではないかと思う。
でも美味しい野菜の甘さや、雑穀のほんのりとした優しい甘さ、甘酒のコクなどを日常的に味わっているうちに、だんだんと砂糖の持つ甘みを必要としない体になってきた。もちろん今でもケーキは食べるし、嫌いではないけれど、なければなくても大丈夫。
砂糖をとる量が減ってから、味覚も敏感になってきた。微妙な味の変化がわかるようになってきたし、味付けのバランスもピタっと決まるようになってきた。これは調理の仕事をしていく上でとても重要なこと。そして料理人としては必要条件かもしれない。
生クリームたっぷりのケーキよりも坊ちゃんカボチャの何とも言えないコクのある甘味が美味しいと思う。当分の間、坊ちゃんカボチャは厨房でも大活躍してくれることだろう。

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July 30, 2007

モチキビだんご

Dsc01203最近、食事を作る量も増えてきたので、朝の仕込みの時間内でデザートまで作ることが中々できなくて、まとめて作れるマンゴアイスクリームをデザートにお出しすることが多い。でも今日はちょっと時間にユトリがあったので、久しぶりにモチキビだんごを作ることにした。
雑穀のほんのりとした甘さが大好き。特にとろ~りとしたモチキビは私の好きな雑穀だ。モチキビを目の細かいザルでよく洗って柔らかめに炊いてから、すりこ木で少々つく。今日はきな粉をまぶしておだんごにした。きな粉をバットに広げて、そこに丸めたモチキビを小さくのしてあんこを乗せる。あとはモチキビを伸ばしながら、うまくあんこが包めるように、手を使って形をまん丸に整えていく。美味しく食べていただけますように・・・とおだんごたちに語りかけながら手を動かす。丸っこい小さなおだんごたちがきな粉のお化粧をしてバットの中にちょこんと並んでいる姿はとっても可愛いらしい。
今日は雷や雨が降ったりやんだりのヘンなお天気だったのに、お客様はとっても多く、定食もキレイになくなってしまった。夏休みのせいか、お子さん達も多い。小さい頃から野菜をたくさん食べて育つ子供たちは、きっと大人になっても元気よく仕事ができるんだろうなあと思う。
約1ヶ月ほど展示していた鈴木貴之さんの作陶展。今日が最終日で、夕方展示の片づけをする。初めての作家さんだったけれど、登り窯の作品をとても手軽な価格で出してくださった。趣味で陶芸をやる人たちが増えてきたせいか、作品が中々売れなくなってきたけれど、思ったよりはよく出たのでちょっとほっとした。作家さんはDMや切手代などいろいろ経費をかけて準備してくださるので、売上が少ないと申し訳ないなあと思う。搬出にはお子さんたちも含めてご家族総出で来て下さった。この一ヶ月、器たちが並んでいる風景に慣れ親しんできたので、作品が引き上げられた後の店内は妙に寂しく、そして広く感じられた。

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July 29, 2007

キュウリとナスのミョウガサラダ

Dsc01200夕方からはちょっと気温が下がったけれど、朝から暑い一日だった。さっぱりしたサラダが食べたかったので、ナスとキュウリでサラダを作った。ヨウコさんがご実家から摘んできたというミョウガをたくさんいただいた。昨日はサッチーが来ることがわかっていたので、何よりミョウガが大好きなサッチーのためにお昼はナスを蒸して、その上にミョウガと青じそを乗せたサラダを用意しておいた。でもサッチーに出したら、「美味しかったけど、私はナスの上にミョウガをちょこんと乗せるのではなくて、ミョウガをサラダ鉢いっぱいに盛り付けて、その上にちょこんとナスが乗っているサラダの方がよかった~」なんて言われてしまった。ホントに正真正銘のミョウガ大好き人間!
発汗や解毒などの薬効もあるので、ミョウガそのものを痛む患部に貼ったり、お風呂に入れてもいいそうだ。この季節に薬味としても大活躍するミョウガなのだが、実は私、ミョウガが大の苦手。あの強烈な匂い?がダメなのだ。料理人として好き嫌いがあるのは全く困ったものだが・・・。アクの強いものや香りが強いものはどうやら体に合わないようだ。
今日は大きくなりすぎたキュウリをいただいたので、すりこ木で叩いてちぎったものと、蒸しナスを合わせた。醤油、酢、ごま油と炒った白ゴマを合わせて、ゴマダレを作り、その中に刻んだミョウガをたっぷり入れた。もちろん私が試食したのはミョウガを入れる前。
先週は仕事が終わってから、出かける用事が重なってしまって、ほぼ一週間、夜(夜中)まで家にいない日が続いたので、あっという間に終わってしまったという感じだった。梅雨もあけていないけれど、もう8月になる。早いなあ。

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July 28, 2007

かざぐるまの会

Dsc01196暑い一日だった。お昼に配達があったり、開店と同時にお客様がたくさん来て下さったりして、1時になる前に定食がなくなりそうだった。遊びに来てくれたサッチーが厨房を手伝ってくれたので大助かり。ピークが終わってからサッチーを囲んで、みんなでご飯を食べながら、あれこれ話していたので、ずーっと厨房の中は大笑い!楽しかった~!
夜は「かざぐるまの会」に参加。おかげさま農場の直売所が新しくなって、その2階に会議などにも使えるフリースペースができた。直売所の名前は「かざぐるま」。地域や社会にそよそよとした風を吹かせていこうという思いをこめて命名された。2ヶ月に一回くらい集まって、農家さんと消費者が農業のことや食べ物の作られている背景について、情報交換できる「かざぐるまの会」を開きたいと高柳さんが呼びかけた。
将来的には、この北総地域や千葉県内で活動している農家さんのネットワークを作りながら、より積極的な情報発信の拠点として、「かざぐるま」を運営していく予定。今日はGAIA日野雄策さんも駆けつけてくれて、第2回のかざぐるまの会が開催された。
有機認証ができたことで、有機とそうでないものが極端に二分化されてしまった。結果として本当に丁寧に作られているものであったとしても、有機認証がないために、消費者から選択されないという商品も増えてしまった。正しい情報をキャッチして、もっと消費者はホンモノを見極める目を持つべきだという日野さんからの意見や、高柳さんからは有機認証の基準自体が農家の意見に関係なく作られてしまったという現実や、国の農業政策の矛盾や問題をいろいろ発言。
終わってからも高柳さんのお宅でお話していたので、家に戻ってきたのは1時半頃。忙しい生活の中、農家さんたちが集まって、お話してくださる機会をいただけるのはありがたい。次回は秋に予定しているので、ぜひ皆さんもご参加ください。

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July 27, 2007

米ナスのグルテンミート田楽

Dsc01190おかげさま農場の高柳さんのお宅に伺った時、高柳さんは「米ナス、うまいんだよなあ・・・」と言いながら、奥さんが作ってくださった味噌炒めをいただいた。実がしまっているのだが、トロリとしていて、何ともいい触感が美味しい。揚げ物、炒め物など何でもできるけれど、味噌と油との相性が抜群。米ナスの米はアメリカ産のブラックビューティを日本で改良したことから、アメリカを意味する米が名前に付いたようだ。ヘタが緑色なのも特徴の一つ。お土産にいただいた米ナスを今日はグルテンミートを入れた味噌で田楽にした。
2センチくらいの輪切りにしたナスをごま油でじっくりと焼いてから、ニンニクと玉ねぎ、グルテンミートを加えて作った味噌ダレをかけていただくというもの。最初、輪切りにしたナスをオーブンで焼いてみたのだが、水分がとんでしまうので、フライパンに油をしいて焼くことにした。
それにしてもこの米ナスの表面の艶やかなこと!「茄子紺」という色の名前はなるほどなあと思う。この紫色は「ナスニン」という色素で、コレステロール値を下げたり、抗ガン作用もあるポリフェノールの一つ。ポロフェノールは老化防止にもいいと言われているので、最近、モノ忘れの激しい私はナスの皮だけどんどん食べようかしら・・・?
はじけてしまいそうなくらいピーンとはっている紫色の皮がツヤツヤしていて何ともキレイだ。

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July 26, 2007

ヒエ粉のココナッツプリン

Dsc01189雑穀であるヒエの粒はいつも料理に使っているけれど、ヒエ粉を使う機会はめったにない。挽いた分だけ粒状のものより割り高だし、本当に少ない希少品で売っている所が少ないので、今まで使う機会がなかった。
でも未来食の大谷ゆみこさんのレシピを見ていたら、どうしても作りたくなったものがあって、あいりん堂さんに頼んでヒエ粉を取り寄せてもらった。それはヒエ粉のココナッツプリン。もちろんマクロ仕様でプリンと言えども卵も砂糖も牛乳も使っていない。一般的なプリン作りの材料の基本的な3種類を一切使わないので、もはやプリンと呼んでいいものか?は別として、面白そうなので作ってみることにした。
材料はココナッツミルクと甘酒とヒエ粉とリンゴ果汁100%(無糖)のリンゴジュース。材料の全てを鍋に入れて葛餅を作る要領で練っていくだけなのだが、それを冷やして固めて最後にココナッツファインをまぶす。
どんな味なのか試食してみるのが楽しみだったが、ほんのり甘くてリンゴの香りが美味しいふわふわの冷菓子だった。とっても優しい味。雑穀はそれぞれ独自の甘さを持っていて、それが魅力なのだけれど、その甘さが最大限引き出されているという感じだった。
でも大きくカットしすぎてしまい、後半にいらして下さったお客様の分はなくなってしまった。それにランチが満席になり、予想以上に忙しくなってしまったので、最後に残ったものを賄いにして食べよう・・・というはかない夢?も叶わず、端切れを一口、口に入れただけ。残念~!
とっても気に入ったので、夏の冷やしデザートとして、ちょくちょく作っていこうと思う。さっそくあいりん堂さんにヒエ粉を再発注することにした。

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July 25, 2007

かざぐるまの会

Dsc01187先月、おかげさま農場の直売所「かざぐるま」が完成した。今までビニールハウスだったのだが、15坪ほどの建物を建て1階を野菜の直売所にして、2階はフリースペースとして利用できるようになった。高柳さんはこの場所で、農業や食べ物の勉強会をしたり、手仕事を今も継承している職人さんなどをお招きして、お話を聞いたりする集いを定期的に開催していきたいと話されていた。例えばお醤油一つとっても、生産現場と私たちの生活はあまりにかけ離れているから、どのように作られているのか、全くわからない。自分達が毎日、口に入れているものなのに、それがどんな材料でどのように作られているのか知らないなんて、本当は可笑しな話だ。
私は仕事がら、しょっちゅう農家さんに行っているけれど、普通のご家庭の方が無農薬で野菜を作っている農家さんの生の声を聞く機会は中々ない。そういう方たちと農家さんとの交流できる場、そして実際に起こっている食の問題を一緒に考えていく場として、これから定期的に「かざぐるまの会」を開いていく予定だ。
大げさな組織化はしていないが、高柳さんを中心に、GAIA日野雄策さんがオブザーバーとして関わって下さることになり、お二人をお引き合わせしたご縁で、私も一緒にお手伝いさせていただくことになった。勉強会の他、集まった人たちと周辺に点在している有機農業の農家さんとのネットワーク作りを進め、それを土台にいろいろな人の書き込みや農家さんの紹介もできる「かざぐるまの会」のサイトを作ることも目標にしている。
それで今週の土曜日に第2回の「かざぐるまの会」が開催されるのだが、会を運営していくにあたって、小出農場の小出クンや「みみずの会」の岡田クンたちと、打ち合わせをすることになったので、夜、高柳さんのお宅に集まった。打ち合わせというよりも、いつもみんなが感じている思いや疑問を語り合ったりして、とても楽しい時間になった。こういう思いを共有していくことが、まさにかざぐるまの方向性なんだろうなあと話しながら思った。高柳さんの奥さんが作ってくださったおにぎりと米ナスの味噌炒め。お土産にピッカピカの米ナスをいただいた。土曜日に何か作ってお持ちしよう。
「かざぐるまの会」は28日土曜日7時から。おかげさま農業直売所「かざぐるま」2階にて。どなたでも参加自由です。興味のある方は川端までどうぞ。

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July 24, 2007

台風の傷跡~ナス~

Dsc01170突然、今日、ミレーの取材に行くことになった。このところ、レイコちゃんにいろいろ任せてしまうことが多いので、今日も迷ったのだが、行ける時に行っておかないと、日程を調整するのが難しくなるので思い切って出かけてきた。
今日、行ったのは有機JAS認証を取得している横芝光町の農家さんだ。BSEが発生した後、長年、やっていた畜産業をやめて無農薬で野菜を作る仕事を始めたと言う方だった。だからまだまだ研究途中で毎日、実験しているみたいなもんだよ・・・と話されたいた。
作業場に行ってみて驚いたことがある。コンテナにたくさんの傷のついたナスが山ほど入れてあったこと。毎日のように収穫してから、畑に捨てているそうだ。ナスは風に当たると表面が傷ついてカサブタのようなものができてしまう。私は料理を作る立場だから、カサブタの部分だけ切って使えば何の問題もないと思っているのだが、実際にそういうナスは出荷ができないそうだ。
その原因は先日の台風7号。私たちの住んでいる北総台地は大風が吹くこともなく、ほとんど何の被害もなかったのだが、ここから35キロほど離れた横芝光町は海の近く。激しい海風にあおられてナスが大打撃を受けた。横の畑にあるピーマンなどは枝ごと飛ばされてしまったという。ナスの栽培はまだ4年くらい。堆肥や植える時期を工夫しながら「今年はようやく実がしまって、ピカピカのきれいなナスができたって喜んでいたのに・・・さあ採ろうという時になって台風でしょ?去った後にまず畑に行ってガッカリしちゃったよ~」。
うちの近くではあまり台風の影響はなかったと思っていたので、比較的近い場所でも、海が近いだけでこんなに被害が大きかったんだと初めて知った。傷だらけのナスでもそのままにしておくと、重たくて木の負担になって、次の実がなるのに影響を与えてしまうので、出荷できなくても収穫だけはしなくてはならない。出荷先のないものを、それでも収穫しなければならないお気持ちって、どんななのだろうか。
このコンテナ全部、安く買わせてくださいとお願いしたら、「いいよいいよ。あげるから持っていきな」と言われてたくさんのナスをいただいてしまった。カサブタだけ取って一本も無駄にならないように料理させていただこう。

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July 23, 2007

カサブランカ

Dsc01145昨日(というよりも今日)の1時頃に帰ってきて、とりあえずブログを書いてから寝たので、朝は少しゆっくり起きようと思っていたのに、なぜか早くから目が覚めてしまった。結局、眠いのに2時間くらいしか寝ていなかったので、夕方になってから猛烈に眠たくなってきた。今日は小雨が降ったりやんだりでジメジメしていたけれど、少しずつたくさんの方に来ていただき?結局は定食も完売してしまった。そんなに忙しいとは思わなかったけれど、いつのまにか全部なくなってしまった・・・という一日だった。
隠岐に行ったことをアリミちゃんとヒデコちゃんに話していたら、すごく盛り上がって、今度、みんなで遊びに行こう!なんて案まで飛び出した。年中無休の店だから、みんなで泊まりに行くことは中々できないけれど、いつもスタッフたちとは一緒にいるので、どこへ行かなくても出かけているような気持ちになってしまう。
写真は先週、アリミちゃんが庭から手折ってきてくれたカサブランカ。たった2輪しか植えていないというのに、そのうちの1輪を風楽に持って来てくれた。隠岐から帰ってきたら、3つの蕾が全部、咲いていた。今、展示している陶芸家の鈴木さんの花器にさした。庭にせっかく咲いた2輪だけのカサブランカ。私だったら人に持っていってあげられるだろうか。アリミちゃんはいつもそういう人なのだ。本当に優しくていつも店のことを考えていてくれて、大変だったらいつでも手伝いますから・・・と声をかけてくれる。
うちの店のスタッフは皆、そういう人たちだ。ちょっと留守をして帰ってくると、余計にそう思う。子供が学校から帰ってきてお母さんにその日の出来事を話すように、私もスタッフたちに旅先での出来事をあれこれと話し続ける。その度に「よかったですねえ~」と一緒に旅してきたかのように喜んでくれるのだ。そんなスタッフたちと一緒に仕事ができることをとっても感謝している。
全部の蕾が咲いたら、絶対に写真を撮ろうと決めていた。出かけている間に花が落ちてしまわないかと心配だったけれど、何とか残っていた。ここにも待っていてくれた人?がいる。

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July 22, 2007

隠岐の島へ

Dsc01142金曜日の夜から急きょ出かけることになった。ある一つのメールがきっかけだった。隠岐と書いて「おき」と読むことさえ知らなかった。ましてどこにあるのかも、どうやって行くのかも。
人口2500人の小さな島。かつて後鳥羽上皇が流刑された島としての歴史を持っている。島全体が国定公園に指定されており、日本海に大小様々な島が点在している。大きく分けて4つの島があるのだが、それぞれが独立した町村で、その中の一つ海士町観光協会が「女性起業家支援プロジェクト」というものを立ち上げたのだ。
公共事業でなんとか持ちこたえてきた島の財政は破綻寸前。人口も流出。このままでは島は過疎化し、衰退する一方だという現実を見据えて、山内道雄町長は町政の大改革に着手した。かつて民間企業で働いていた経験を生かして、内部からの改革を推進するためまず職員の給与を大幅に削減。そして町村合併の道を選ばず、島の特産品を次々にブランド化して、島の雇用を促進しながら産業が発展するように様々な取り組みを行った。また島へのUターン、Iターン者を積極的に受け入れ、観光にも力を入れながら、どうにか生き残る道筋を切り開いていった。そのノウハウをまとめた本として「離島発 生き残るための10の戦略」(NHK出版)を今年6月に町長が出版した。日本の地方では豊かな自然が手付かずで残っているにも関わらず、多かれ少なかれどこも過疎化の道を辿る一方。小さな町村の財政は破綻し少子化と高齢化問題が目の前に迫っている。その中でどのようにして生き残っていくか・・・それは日本全体の問題にもつながっていくのだなあと思う。
今回のプロジェクトは「この島で夢を叶えたい人が、全国の人に応援されながら、島で夢を叶える仕組みを作る」というもの。そのための視察ツアーがこの土日に開催された。知った瞬間、とても面白そうな企画だなと思った。でも島のことを何も知らないと何も語ることはできない。場所さえしらない土地で何ができるというのだろう。とにかく行ってみたい・・・。
ただプロジェクトを知ったのはつい3日前。そんな急な話、いくら面白そうでも行けるわけがないと半ば諦めていたのだが、観光協会の方が熱心にお誘いくださり、夜行バスの手配もしていただいて、なぜか行ける条件が整ってしまったのだ。
何も考えずに出発してみたのはいいけれど、夜行バスで岡山に土曜日の早朝、到着した後、電車と船を乗り継いで、島に着いたのは夕方の5時半。何て遠い島なのだろう?と来てみてから驚いた。だけど美しい海に囲まれ田んぼも畑もたっぷり。空き家も安く借りられるそうだ。参加された方たちとお話したり、島を案内していただくうちに、何かとても可能性を感じてきた。
日曜日のお昼に島を発って、帰りは新幹線を使ったのに家に帰ってきたのは1時近く。滞在時間よりも移動時間の方が圧倒的に長く、かなりハードなスケジュールだったけれど、今、何かワクワクするものを感じている。

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July 20, 2007

トマト入り豆腐のドレッシング

Dsc01139今日もトマトを美味しくいただく方法をあれこれ考えている。それで作ったのは皮をむいたトマトを入れた豆腐ドレッシング。豆腐の白とトマトの赤が混ざってとてもキレイな色になった。いつも入れる酢の代わりにトマトの汁の酸味を利用。香りづけにレモンとパセリと玉ねぎと隠し味に味噌を少々。ほどよい酸味と豆腐のほんわりとした甘さが美味しい濃厚なドレッシングだった。だけど色のイメージで某メーカーのドレッシングに似ているように見えるのがちょっと残念。
豆腐ドレッシングは蒸し野菜と合うので、カボチャと人参をサイの目に切って蒸したものと、きゅうり、紫玉ねぎを合わせた。暑い一日で、今年初めて朝からエアコンをつけた。お客様もとてもたくさん来て下さり、忙しい一日となった。今日は枇杷温灸の日なので、夕方はじっくり枇杷の力をいただいて、より元気に!
忙しい仕事でもパキパキと動くことのできる体でいられることがとっても嬉しい。枇杷温灸の8月の施療の日程は10日(金)、20(月)、27日(月)です。まだ多少、予約の空いているところがありますので、ご希望の方、ぜひ体験してみてください。一回1時間4000円。本当に気持ちよく熱と枇杷の薬効が骨の髄まで染み込んでいくようです。最近の私がより元気になった秘訣かも?
*急な出張で出かけることになりました。明日のブログお休みさせていただきます。

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July 19, 2007

オートミールとトマトのコロッケ

Dsc01136トマトがたっぷりあるので、今日はコロッケを作ることにした。トマトでコロッケ?なんて思われる方も多いかもしれないが、カリカリっと揚がったコロモとオートミールのほんのりした甘さ、そしてジューシーなトマトの酸味がとてもよく似合う。コツは中味の水分をできる限り残したままコロモを付けること。
皮をむいたトマトをざく切りにして、キャベツと玉ねぎはみじん切りにする。ニンニクを少々加えたオリーブオイルで材料を炒めて、塩コショウで味を整える。そこに固めに戻したオートミールを加えてよく混ぜてタネを作る。そこまで仕込んでコロモ付けをレイコちゃんにお願いしたら、タネが柔らかすぎて、とてもやりにくそう。これは二人がかりで分業するしかないかと思い、私が丸めて溶き小麦粉の中をくぐらせた。その後、レイコちゃんは丸めながらパン粉が均等に付くように転がしていった。もちろん二人共、しっかり両手でやらないとコロッケが流れてしまう。もっとオートミールを加えて水分を少なくした方がコロモは付けやすいのだが、この崩れるか崩れないか・・・という微妙な柔らかさが美味しさの秘訣!しっかり両手を使って、割れ物に触るような手つきでゆっくりと丸めていった。
オートミールはオーツ麦から作られた食物繊維たっぷりの穀物だ。店ではよくクッキーの中にも入れている。日本人にはあまり馴染みがないけれど、一度加熱されているので、食べたい時は、さっと再加熱するだけですぐ食べられるのが魅力。子供たちが小さかった頃は離乳食としてよく利用していた。
今日は出足が遅く午前中はヒマだったが、2時過ぎてから混み始め、夕方までお客さまがずっといらした。久しぶりのお天気だったから洗濯物を干してからのお出かけだったのかな。夕方は友達が二人で遊びに来てくれたので、店を閉めてから、おにぎりや残りもののおかずをつつきながら、あれこれと話し込む。楽しい会話が弾み、あっという間に夜になってしまった。自分の気持ちをキチンと見つめながら、ありのままの付き合いができる友達との語らいは本当に楽しい。いい友達はいつも自分を写し出す鏡のような存在だなあと思う。会話の中にもいろいろな発見があって、それがまた面白かった。

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July 18, 2007

殯(もがり)の森

Dsc06778先週の今頃は慶良間の海の上にいた。台風の前とは言え、とても青く澄んだ海が広がっていた。あれから1週間もたってしまったなんて。日に焼けた顔もすでに一皮むけた。今月はスタッフが二人入ってくれたので、シフトがうまく組めるようになり、週1回は私のお休みがようやく確保できるようになった。取材の予定も入らずお休みだった今日はずっと見たいと思っていた映画を見に行ってきた。「殯の森」(シネマックス千葉での上映は24日まで)。
今年のカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した作品だ。河瀬直美監督の世界観は10年前にやはりカンヌ国際映画祭でカメラドール賞を受賞した「萌の朱雀」の頃から、とても好きだった。その後、結婚、離婚、再婚、介護、出産と女性として様々な経験を経て、3歳になる息子の子育てをしながら今回の作品を制作したそうだ。殯とは敬う人の死を惜しみしのぶ時間のこと。またその場所を表す言葉だそうだ。語源は「喪あがり」(喪があける)。
奈良県山間部の豊かな自然の情景の中で美しく静かに流れていく時間。古い民家を改造したグループホームに赴任してきた介護士真千子と、そこで暮らす軽度の痴呆症があるしげき。真千子は息子を事故で亡くしたことから夫とも別れ、心に深い傷を持っている。しげきは33年前に死んだ妻との思い出を大事に今を生きている。ある日、しげきの妻の墓参りに二人で行くことになるのだが、途中で車が脱輪し、二人は森の中を彷徨い続ける・・・・。
ストーリィとしてはただそれだけ。セリフもすごく少ない。ほとんどが風景の描写と共に、森の中を歩く二人の姿で綴られているのだが、亡くした人を思い続ける、残された者の気持ちがひたひたと伝わってきて、心に静かな感動が広がっていく。
有名な俳優が出演しているわけでもなく、大きな展開があるわけでもない地味な作品だ。だけど今を生きる私たちが忘れてしまいそうなものを思い出させてくれる美しい映画だと思った。二人が彷徨う森の中は沖縄の御嶽と重なる部分が多く、とても神秘的な世界だった(写真は玉城の御嶽)。生と死の間には深い祈りがある。そして人は生きるために祈らずにはいられないから、私たちが安心して祈れるように、古代から様々な祈りの場所が創られていったのだろう。
受賞後の河瀬直美のスピーチがとても印象に残っている。「私たちの人生にはたくさんの困難がある。お金とか服とか車とか形あるものに心のよりどころを求めようとするが、そういうものが満たしてくれるのは、ほんの一部。目に見えないもの・・・誰かの思いとか、光とか風とか、亡くなった人の面影とか・・・私たちはそういうものに心の支えを見つけたときに、たった一人でも立っていられる、そんな生き物なのだと思います」。

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July 17, 2007

トマトとヒエのサラダ

Dsc01135昨日、いただいてきたトマトのコンテナを店に運び入れた。トマト一つは軽いけれど、コンテナいっぱいとなると20キロ以上だ。農家さんから分けていただく玄米も一袋が30キロ。この仕事を始めてから、いつのまにかそれくらいの重さのものは一人で運べるようになってしまった。それに伴い二の腕にもしっかり逞しくなったけれど・・・。
今日はそのトマトでヒエのサラダを作った。ヒエは田んぼの畦道に生えている雑草だけど、豊富なタンパク質とミネラル、カリウム、リンなどをたっぷり含んだヘルシーな雑穀。店では一度蒸してから脱穀したより栄養バランスのいい黒蒸しヒエを郡上八幡の庄村米穀店から、送ってもらっている。他のアワやキビなどの雑穀と比べるとかなり割高になるが、とても粒が小さいので脱穀の手間を考えると妥当な価格だなあと思う。国内で作って下さる農家さんがいるだけでもありがたい。
玉ねぎとパセリとにんにく、そして炊いたヒエを混ぜて、レモンとオリーブオイルで味をつける。トマトの酸味とヒエのつぶつぶ感がとても似合っているし、色もキレイだ。夏になるとよく作るサラダの一つ。
夕方は「ぐるっと千葉」に連載することになった野菜料理の取材があった。前回取材した分の掲載号(7月21日発売)もまだ見ていないのに、もう次の取材だなんて月刊誌の制作は早め早めの準備が必要だ。毎回、旬の野菜をテーマにお料理を作ることになっている。今回はナスを取り上げ、モチキビをはさんだフライを作った。取材をしてから本誌が発売されるまで、かなりの時間があるので、旬の野菜をかなり先取りしなければならない。でも料理を作っているポイントごとにカメラマンが撮影し、その画像をチェックしながら進行するので、一緒に制作しているという感じで取材の時間はとても面白い。千葉県産の美味しい野菜の食べ方を皆さんにお伝えできるよう楽しみながらやらせていただこう。

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July 16, 2007

シーフードトマトソースパスタ

Dsc01132_1今日はあいりん堂さんにお弁当26人分の配達があった。早めに玄米だけ先に炊いておこうと厨房に行ったら、入り口に背の高い男性が立って手をふっていた。自然療法の勉強会である快医学セミナーを受講した時に一緒だった菅谷さんだ。10年ぶりの再会になる。彼はセミナーを受講後、頭骸仙骨療法や操体法Oリングテスト、お灸などを組み合わせた独自の方法で手当てをするようになった。看板も出さす宣伝も一切していないのに口コミだけで人が次々に訪れている。シャーマンのような人だ。私の知り合いも何人も彼の所へ行っている。「治しているのは私ではないよ。その人の体が楽になる手助けをちょっとしているだけ。それが私のお役目なんだよね」。
菅谷さんの話は面白いのでもっと聞いていたかったのだが、今度、遊びに行くねと約束してお弁当の支度に取り掛かった。
配達から戻ると店は大忙しで用意したお食事が次々になくなっていった。にわとりひろばの湯浅さんご夫婦が食事に来てくれた。混雑が終わった頃に席に伺う。湯浅さんは平飼いの養鶏をやっていて、鶏糞を田んぼに返しながら無農薬のお米を作っている。私も知っているあるお店のご主人が先日、自死された。鬱病だったそうだ。みんなから面倒見がよくいい人だと慕われていた人だった。「回りの人からいい人と言われて、その役割をずっと演じ続けることで、本当はしんどくてNOと言いたい時にも、そう言えなくてつらかったんじゃないかな・・・」「みんなが作ったイメージを壊さないように自分を押し殺して生きていくことが習慣になってしまったら、本当の自分の気持ちがわからなくなってしまうよね・・・」。
自分たちが丁寧に作ったものをわかってくれる人たちに届けていきたいと言う湯浅さん。いつもいろいろな話ができる人だ。「土に触れている時間があるから、こういう時代にあっても自分本来の感覚を取り戻すことができるんだと思うよ」。
湯浅さんと入れ替わりに書家の大花さんが食事に来てくれた。「沖縄の話を聞きたいから早くこっちに来てよ~」と言われたので、私も席に座って御嶽回りの話をした。「一番、いい時期に必要なことがみんなできるようになっているんだねえ」と大花さん。この春以来、自分の心の中にある恐れがどこからくるのか、ずっと気になっていたそうだ。瞑想しても内観しても中々それを取り除くことができなかったのだが、ある人のヒーリングを受けた時、ふっと楽になったそうだ。「自分が大変な思いをしているから、楽になった時の喜びもわかるんだよね。これからは、疲れた人を癒してあげることができるような作品を作りたいわ」。
今日、来てくれた3人の人たち。それぞれ活動する分野は違っても、話している内容はみんなつながっているんだなと思った。生きることに迷ったり疲れた時、そういう人たちと話すことで、私もまた自分の感覚を自分の手の中に取り戻すことができる。そして生きていくことの意味を再確認することができるのだ。自分にとって必要な人たちはみんなすぐ近くにいてくれるんだなあ・・・と思った。
農家さんから電話がかかってきたので、ハネダシのトマトを夕方、いただきに行ってきた。ニンニクと玉ねぎ、パセリにセロリ。そして冷凍庫にあったイカを加えてトマトソースを作って夕食のパスタにした。

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July 15, 2007

豆腐のレアチーズケーキ

Dsc01129台風の影響で今日も朝から雨足が強い。でも3連休なので、行楽地への遠出をあきらめて近場でお食事を・・・という方もいらっしゃるのではないかなと思って、いつものように定食をご用意する。そしてこんなお天気の時にわざわざ店に来て下さった方には何かサービスをさせていただきたいなと思って、デザートにもう一品、昨日、焼いたオーガニック大豆フレークとレーズンを入れたクッキーをお付けすることにした。
今日のデザートは豆腐のレアチーズケーキ。水切りした豆腐を使うベイクドチーズケーキはたまに作るのだが、朝はオーブンで焼く時間がないから、今日は寒天で固めるレアを作ることにした。水切りした豆腐にレモンとメイプルシロップと寒天を入れて作るマクロビオテイック仕様のケーキだ。ちょっと寒天の量が少なかったのでゆるくて固まりにくかったけれど、国産大豆の美味しい豆腐の濃厚さがわかるケーキ(というよりもクリームみたい)。
定食の用意が終わった後、店はさすがにヒマだったので、アリミちゃんとレイコちゃんに任せて日中のうちに玄米を農家さんまで取りに行くことにした。いつもなら夕方、店が終わってから行くのだが、今日は台風がどうなるかわからなかったし、何しろ玄米90キロだから、大雨の中を運びこむのはちょっと辛い。
幸い道路も空いていて、いつもなら往復2時間はかかるのに、とても早く帰ってくることができた。店に戻ってきたら、以前、スタッフだったケムちゃんが彼女と、その友達を連れて店に遊びに来てくれた。その友達が来月、カフェとエコ雑貨の店を開くそうだ。そういう店を開きたいと思う人は全面的に応援したいので、一緒に席に座って店のことをいろいろお話する。ケムちゃんはスタッフを辞めた後も、来る度に風楽のご飯を美味しいね~!ケーキも美味しいね~!と感動しながら食べてくれるので、ついついいろいろ食べさせたくなってしまうのだ。「美味しいね~」と言われることは私にとって何よりの喜びだ。
台風はこの時間、銚子にいるようだ。進路がちょっとズレて、このあたりの畑が台風に直撃されなくてよかった。野菜の生育状況はいつも気がかり。

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July 14, 2007

椎茸のグルテンミート入りフライ

Dsc01125昨日、午前中に私は配達に行ってしまったので、料理はほとんどヒデコちゃんに任せたが、今日は私が朝から厨房に立った。ほんの4日間、包丁を握らなかっただけなのに、とても久しぶりのような気がする。明日は何を作ろうかなと、昨日からとても楽しみにしていたのだ。椎茸の軸を取ってみじん切りにして、人参と玉ネギをみじん切りにして・・・と野菜たちを刻んでいたら、ヒデコちゃんが横から「本当に作るのが好きなんだね~」と言っていた。
「私なんか任されて作る時は、さて何を作ろうかかと、随分悩んでしまうけど、エイコさんは何を作ろうかと考えている時が楽しそうだね」と。
多分、そうなのだろう。今ある材料を無駄にしないように、いろいろな組み合わせを考えながら料理することって、すごく楽しくてクリエイティブな時間なんだろうなあと思う。特に美味しそうな野菜たちに出会った時は、何にしたら一番、美味しくいただけるのかなって聞いてみる。すると彼らが「キンピラにして~」とか「昨日は揚げ物だったから今日は煮物がいいよ!」なんて答えてくれるのだ(・・・ような気がする)。
で、今日の椎茸たちはフライにしてくれと言う。グルテンミートとよく炒めた野菜と合わせて、軸の中に詰めて衣を付けてフライを作った。コロコロっとしていて何とも可愛らしいフライだった。揚げたてを半分に切って盛り付けるたびに「まあ、可愛い!」と何度も叫んでしまった。あんまりまん丸なので、お皿の上ですぐに転がってしまう行儀の悪い子たちだったのだが・・・。
台風の影響が心配だ。つくづく無事に帰ってこられてよかったなあと思った。暴風域にあった沖縄はかなりすごい状態だったようだ。こちらに住んでいるとよっぽどのことがない限り、自然の猛威を直接、実感する機会がない。でもいつも台風と隣り合わせの生活をしている島の人たちは、自然の美しさと共に、その怖ろしさもキチンと体でわかっている。それが自ずと自然に対する畏敬の念につながっていくのだろう。自然と切り離された暮らしになればなるほど、そういう気持ちから遠のいていく。それはとても怖いことだと思う。

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July 13, 2007

沖縄の旅

Dsc01086とても楽しい時間だった。往復航空券を買っただけで何の予定も立てずに出かけた沖縄への一人旅。南の島に行ったら、いろいろやりたいことはあるけれど、とりあえずは御嶽を回ることとカフェめぐり、そしてちょっとだけ泳ぐことができたらといいなあと思っていた。
2年前に斎場御嶽(せーふぁうたき)に行って、海の向こうに浮かぶ久高島を見た時、いつか行ってみたいなあとずっと思っていた。久高島は琉球の創始神アマミキヨが降り立ったと言われる神秘の島。一周が8キロ足らずの小さな島だが、今でも神事がたくさん執り行われ、人々は祈りと共に暮らしている。まずは久高島に行くことにした。30度以上ある快晴の空の下、自転車を走らせながら御嶽めぐりをした。1.8ℓのペットボトルの水がどんどんなくなっていく。日焼け止めを塗っても塗ってもさえぎれないほど強い陽射しの中、よくこんなに歩けるなあと思うくらい、フットワークが軽い。Dsc01091
次の日は本島に戻り、レンタカーを借りて、アマミキヨゆかりの地を訪ねて回った。「東御廻り(あがりうーまい)と言って、その昔、島人や王族たちは、女神の足跡をたどり、首里城内にある園比屋武御嶽(すぬひゃんうたき)を第一番目の拝所として、聖地を巡礼しながら歩いたと言われている。四国のお遍路さんのようなものだろう。
私は何の下調べもせずに、ただ心の思うままに行きたい場所に車を走らせた。Dsc01093
ニライカナイ(神々の住むと言われる理想郷)から久高島に降り立ち、琉球国を創世して、本島に最初に上陸したのは玉城のヤハラヅカサ南城市にはアマミキヨゆかりの聖地が今もなおたくさん残っている。ただかつての御嶽だった場所は岩や木や海などの自然物に囲まれ、中々それとはわからない。うっかりすると通り過ぎてしまいそうな場所もたくさんあった。だけど五感を澄ませていると、何かの拍子に呼ばれるような気がふっとして、その瞬間に車を止めて歩いたりしているうちに、次々と御嶽だった場所がわかるようになっていく。
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かつては旧暦の2月と4月に行われていたそうだが、さすがにこの時期に御嶽巡りをしている人はほとんどいなくて、どこへ行っても私一人。御嶽では静かに一人の時間を持つことがきた。大きく息を吸い込んで両手を合わせ、頭を下げる。ただただ「ありがとうございます」を唱えながら。
沖縄の信仰はアミニズム。何かの偶像や宗教を崇拝するのではなく、自然界の中にあるものを崇め奉る。人間にとってもっとも自然で基本なのではないかなと思う。太陽や海や木や岩に神が宿ると思うことのできる気持ち。自然を畏敬し、人間も自然の創造物の一つに過ぎないと思えることの謙虚さ。私が南の島に惹かれるのは、自然界の神に対して、ごく当たり前に手を合わせることのできる生活が今もなお残っているからだ。どの御嶽に行っても気持ちのいい気をいただき、たくさんの自然界からの恵みを分けていただくことができた。
Dsc01099そしていくつか行きたかった海辺のカフェがあったので、ナビを駆使しながら、カフェを探した。一番のオススメは玉城の「山の茶屋・楽水」とそのすぐ近くにある「浜辺の茶屋」。2軒とも海が真正面に広がる素晴らしいロケーション。時を忘れてその場所にいつまでもいたくなってしまう。楽水は動物性の食材を使わないで作った自然食のランチがとても美味しかった。百名海岸を見下ろす場所に建つ「やぶさち」も白を貴重にしたおしゃれでモダンなカフェ。夕陽が落ちるまでのんびりと過ごした。
夜は那覇に戻り、安宿を探す。次の日は慶良間へ体験ダイビングに。世界でも屈指のダイビングスポット慶良間にはどうしても行ってみたかった。20年以上のダイビング歴のある弟が一番気に入っている海だ。真っ青な空と碧く澄んだ海をボートが進んでいく。こんなに美しい海が今もあるなんてやっぱり沖縄は神様の島なんだと感激。
なるべく日影にいたつもりだったけれど、ずいぶん日に焼けてしまった。
Dsc01107御嶽を廻りカフェをハシゴし、ダイビングもできたから、これで大満足・・・のハズだったのだが、あんなに青かった空が最後の日にぐずり始めた。台風4号の接近に伴い、帰りに予定していたスカイマークの17時発の飛行機が欠航となってしまったのだ。もちろんANAもJALも5時以降は軒並み欠航。
那覇空港にはキャンセル待ちの長蛇ができた。わずかに飛んでいる羽田行きは全て満席でキャンセル待ちが何十人といるそうだ。翌日の全面欠航はほぼ確定だったので、ここで何とかしなければ、帰りは15日過ぎになってしまう。どうしても戻らなければならなかったので、とりあえず本州まで飛ぶ便を探そうと思って、大阪、岡山、神戸などいろいろ探したけれど、全て満席。
結局、まだ到着していないけれど、多分、飛ぶであろうと思われる名古屋行きだけがほんの少し空席があった。もうどうこう言っている場合ではない。それしかないのだから。正規料金でチケットを買い(高くて泣きそうでしたが・・・・)、2時間以上待って、ようやく出発(それが那覇から飛んだ最後の飛行機だったみたい)。
9時過ぎに名古屋空港に到着して、JR名古屋に出て、深夜バスで早朝の新宿に。こうして何とか朝7時半頃に無事に帰ってくることができた。万が一のことを考えて、レイコちゃんやヒデコちゃんともメールで連絡を取り合い、子供たちにもメールを送り続けたので、途中でケータイは充電切れになってしまった。
Dsc01122さっそく朝からいつものように仕事をして、あっという間に現実に戻ってしまった。沖縄の旅がはるか昔に感じられる。だけどなぜか私は疲れ知らず。旅をするといつもいい時間を過ごすことができるので、私は元気になって帰ってこられるようだ。気持ちのいい自然からのエネルギーをたくさんいただいてきたおかげだと思う。だけど帰ってきたばかりだと言うのに、もう沖縄に行きたくなってしまった。困ったなあ。また一生懸命働いて、旅費を作らなくっちゃ。

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July 08, 2007

トマト水煮作り

Dsc01083朝、定食の支度を途中までしてから、ヒデコちゃんに残りを任せ、ミレーの取材に行ってきた。今日の取材はハウスで無農薬トマトを作っている農家さん。無農薬で作る野菜の中でもトマトは特に難しい。何度か伺っている農家さんだけど、トマトの取材は初めて。
7月いっぱいの出荷ということだったので、今はちょうどトマトの採れ時。ハウスの中では私よりも背が高く伸びたトマトの蔓が、上からぶら下がっている紐にくくられていた。春に蒔いたトマトの木は夏を越すことはできないそうだ。それでも縦横無尽という感じに蔓を伸ばして、トマトはハウスの中で元気よく育ち、真っ赤な実を重たそうにぶら下げていた。青いままもいでも、後から追熟するそうだが、おかげさま農場のトマトは完熟してから収穫するので、ちょっと採るのが遅れると、トマトがボトンと地面に落ちてダメになってしまうそうだ。もったいないなあ~いつでも拾いに来るのに・・・と思った。
トマトは高温と低温と多湿に弱いというから、本当に生育には手のかかる野菜だ。今年は雨が少ないので、ハウス内の湿度も低く病気になりにくかったそうだ。でもカラ梅雨はハウスにとってはよかったのかもしれないが、畑の野菜にとっては今後が心配・・・とお天気を懸念されていた。
帰りにハネダシのトマトをコンテナ2箱分、いただいた。すごい量だ。昼前に店に戻るなりヒデコちゃんとチエコさんの3人で丸かじり。味が濃くて甘い桃太郎だ。無農薬の大きなトマトをガブガブ食べられるなんて、なんという贅沢!二人にもたっぷり持って帰ってもらい、明日来るレイコちゃんやイズミちゃんやアリミちゃんたちにも持ってって~とメモを残した。それでもまだまだたっぷりあるので、急きょ皮をむいて水煮を作ることにした。ザクザクにカットして塩だけで煮て冷凍しておくとカレーやパスタソースやスープに使える。鍋に山盛りあったトマトだけれど、煮てしまうと半分くらいのカサになる。
私は美味しい素材を見つけると、すぐに料理したくなってしまうので、バジルを加えたトマトサラダや冷たいスープを作りたいなあ・・・なんて腕がうずく?のだけれど(単にたくさん食べたいだけの話)、今夜から出かけてしまうので、とりあえず丸かじりだけでガマン。
今夜は実家に泊まって明日から沖縄に行ってきます。神々の原郷と呼ばれる久高島に行くのがとても楽しみ。4日間ほどブログはお休みさせていただきます。それでは行ってきまーす!

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July 07, 2007

ブルーベリーとチーズケーキ

Dsc01025今頃、オリンピック記念青少年総合センターでは、まだ多くの若者たちが、平和をテーマにして選び抜かれた映画を大きなスクリーンで見ていることだろう。今日は東京平和映画祭に行くつもりでいたのだが、月曜日から出かけるので、留守中の準備がいろいろあって、諦めざるを得なかった。
朝、定食の支度をしてから、店のストック用のキャラメルナッツタルトとチーズケーキを焼いた。その後、マクロビオティック仕様のカボチャタルトのレシピを起こしてヨウコさんに仕込みをお願いし、野菜を買いに行った。祇園祭の方に人出が流れたのか、店はいつもの土曜日に比べてかなりのんびり。合間に他の仕事ができてよかった。
その他、食材のストックを買い揃えたり、スタンプカード用の画用紙を買って作ったり、留守中の引継ぎなどの用件をメモしたり・・・と細々とした仕事を一つずつ片付けていった。4日間もお休みが取れるだけ幸せなのだが、毎度のことながら出発前と帰ってきてからは大変だ。明日の朝も取材が一本入ってしまった。
今日はケーキばかり焼いていたせいか、夜になってから珍しくケーキが食べたいなあと思った。チーズケーキを一つ出してきて、大事にとっておいたブルーベリーのはちみつ漬を全面に思いっきりかけた。いつものチーズケーキなのに、ちょっと豪華になったみたい。お客様からミントの葉を茎ごとどっさりといただいたので、葉を摘みとって日本茶とホーリーバジルティとブレンドして一緒に飲んだ。意外と思われるかもしれないが、緑茶とミントの組み合わせはとても相性がいいのだ。バタバタと動き回っている時に、美味しいお茶を飲むと、それだけでふっと心がゆるむ。香りの力ってすごいなあ。

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July 06, 2007

引き続きチーズケーキ作り

Dsc01044成田の夏の風物詩である祇園祭が始まった。今日から3日間、成田山の山道では各町内自慢の山車が練り歩く。祇園祭が終わるといよいよ本格的な夏が始まる。
今日も定食の準備をしながら豆乳チーズケーキを焼き続けた。店は満席にはならなかったけれど、お客さまは途切れることなく来て下さった。定食のオーダーが入ったら、お惣菜をお皿に盛り付ける場所を作るために、ケーキ用のボールをあっちこっちに移動させながら、小麦粉を混ぜたり、クリームチーズを溶かしたり・・・と隙間を見つけての?作業となった。
また今日は3回目の枇杷温灸の日。少しずつお客様も増えてきた。温熱ともぐさ+指圧と枇杷エキスの相乗効果が体に染みわたる。体が温まり骨の髄まで枇杷のエキスが浸透していく心地よさを体感している。毎回、一番最後の時間に私もやっていただいているのだが、仕事を早めに切上げて、尻尾をふった犬のように喜びながら?2階に駆け上がる。
施術者の原さんとあれこれお話しながら、ゴロリと体を投げ出して、もぐさの煙に包まれる至福の時間。最高に気持ちがいい。
すっかりハマってしまったアリミちゃんはついに「無憂扇」の枇杷温灸の道具を買ってしまったほどだ。私も今、買いたいなあ・・・と迷っているところ。一つ持っていれば、家でいつでも自分にかけられるし、自己流だけど友達にもかけてあげられる。回りの人の体がしんどい時、ちょっとお手伝いをするだけで、その人の体がラクになるのであれば、こんなに嬉しいことはない。
できることなら病院には行きたくないし、薬も飲みなくない。自然界にある薬草や自然療法を取り入れることと、食べもので体のバランスを整えていくことができたなら、西洋医学に頼らない健康自立ができるだろう。そんな具体的な方法を実践されている方たちのご紹介ができたら、面白いなあと思う。
枇杷温灸の施術、次回は7月13日と27日。いずれも金曜日。2時半以降だったら空いています。一回4000円です。

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July 05, 2007

オカヒジキとヒジキのマリネ

Dsc01047オカヒジキはもともと海岸の砂地に自生する野草で、海水の塩分にも強くミネラルたっぷりの野菜だ。このヒョロリとした細長い草のどこにそんな栄養があるのだろうかと驚いてしまうのだが、実はカルシウムやカリウム、βカロチンなどが豊富に含まれている。今の時期、若芽を摘んで食べるが、摘んでも次々と新芽が出てくる丈夫な野菜(草?)。海草のヒジキと形がよく似ていることからオカヒジキと呼ばれているが、同じ名前でもヒジキとは全く別の素材。
今日はこの二つをマリネにした。ヒジキは水に戻してさっと茹で、梅酢とごま油と醤油で作ったマリネ液に熱いうちに漬け込む。その後、さっと茹でて短く切ったオカヒジキと、人参のせん切りと玉ネギのスライスなどを一緒に漬け込んだ。最初、人参の赤と玉ネギの白、オカヒジキの緑とヒジキの黒の4色が揃ってとてもきれいだったが、時間が経つにつれ、オカヒジキの緑色が梅酢の酸で褪せてきてしまったのが、残念。
一昨日、ミレーから連絡があって、豆乳チーズケーキ30台の注文があった。それで昨日はお休みの日だったけれど、朝、出かける前にクリームチーズやサワークリームや生クリームを大量に買い揃えるため買い物に行ってきた。納品は来週だが、私が来週、沖縄に行くことになっているので、早めに作らなければ間に合わない。それで今日はさっそく豆乳チーズケーキを12台焼いた。定食をご用意しながらケーキを焼くのは中々大変だ。しかも途中からカレーのストックもなくなってしまい、急きょカレーも仕込み始めたので、厨房はコンベックの熱気の中、カレーとチーズケーキの匂いが混在する不思議なテイストに?なってしまった。とにかくとっても忙しくて蒸し暑かった一日。フル回転で動き回ったので、すっごく「働いた~」という感じの一日だった。

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July 04, 2007

田舎蕎麦とシャガール

Dsc010403週間ぶりにお休みが取れた。久しぶりのお休みなので自分が本当に楽しめる時間にしたいと思った。お昼に市原市八幡宿にあるお蕎麦屋さん「田」(でん)へ行ってきた。ここは5月まで風楽で働いてくれたスタッフマキコちゃんのご両親がやっていらっしゃるお店だ。体を壊したのを機に、長年、経営されていた印刷会社を閉めて、山形の田舎そばの味に感動したお父様が、蕎麦打ちの修業をされた。その後、ご自宅を改装しご夫婦二人で安心して食べられる食材を使ったお蕎麦屋さんを始められたのだ。
玄蕎麦を仕入れ石臼で自家製粉した国産蕎麦粉を使用。「挽きぐるみ」という方法で、殻を抜いたものと付いたものを合わせて十割蕎麦を打っている。コシがあり蕎麦粉独特の風味が生きている素朴な蕎麦だ。かえしは本醸造の有機丸大豆醤油と最高級の三河みりんとざらめで作られている。また天ぷらは無農薬野菜と、人工飼料や抗生物質を投与せずプランクトンや水草をエサにして養殖されたオーガニックのエビを菜種油でカラリと揚げている。厳選された素材で作られているので、いただいた時、す~っと体の中に自然に入ってくる美味しい天せいろだった。蕎麦湯がまた濃厚で美味しくて何度もお代わりをしてしまった。
マキコちゃんのお父様は職人堅気。こだわり続けて美味しいものをじっくりと作っていらっしゃる。店内の椅子や電気、棚なども皆お父様の手作りだという。またお母様は微笑むとお顔がシワシワになるのだが、それがとってもチャーミング。仏様の笑顔のようだった。満面のシワがこんなに素敵な方がいるなんて!こういうご両親の血を分けたマキコちゃんだからこそ、あんなに一生懸命、風楽で仕事をしてくれたのだなあと納得。静かな郊外の緑に囲まれた美味しいお蕎麦屋さん。皆さんもぜひどうぞ。本当にオススメです。0436-43-2328。
Dsc01042帰りは千葉市美術館で開催中のシャガール展を見に行く。シャガールは大好きなのでもう何度か見ているのだが、今回は今まで見た中でも一番、心に響いた。伸びやかで自由な曲線と色彩がとても美しかった。展示の最後に掲げられていたシャガールの言葉が印象的。
「ぼくは特定の美術の動向には与みしていません。ぼくに必要なのは色彩と純粋さと愛、それ以外には何もありません。それは美術の動向ではない。信念なのです。いつもというと嘘になりますが・・・。しばしばぼくはいにしえの人々が知っていた完全な世界の感覚を取り戻すことを夢見てきました。世界を目に見えない一つの全体として始まりと終わりを同時に孕むものとして見ること。それはとても純粋なことなのです」(マルク・シャガール)

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July 03, 2007

一つの訃報

Dsc01039今朝、突然の訃報を聞いた。「れお・ぽっくる」という子供の遊び場を主宰していた金親智士さんが亡くなったという知らせだった。「れお」は金親智士さんみどりさんご夫婦がお二人でやっていた子供たちの会だ。小さな古い家を借りて、勉強を教えたり、釣りや探検やキャンプというアウトドアのプログラムもたくさんあった。また子供たちが楽器を作ってコンサートをしたり、芝居を上演したり、お祭りを創ったりと、楽しいイベントがいつも盛りだくさんだった。
フルタイムで働く母親にとって子供の夏休みはとても大変だ。息子たちが小さかった頃、仕事を休めなかった私は夏の間、よく「れお」に子供たちを通わせた。と言っても送り迎えやお手伝いができないうちの事情を知っているお二人は「れお」にずっと参加できるようご自宅に息子たちを泊めてくれた。智士さんは「おんじ」、みどりさんは「おんば」と呼ばれ、たくさんの子供たちがいつも「れお」に集っていた。
子供たちが大きくなってしまうと、年に一度の年賀状くらいのお付き合いになり、しばらくご無沙汰してしまった。今朝、みどりさんから電話をいただくまで、おんじが闘病していることも知らなかった。でも亡くなる数日前も「れお」に行ってみんなと会ってお別れをしてきたそうだ。自分の残された時間を知りつつあきらめず、家族とたくさんの「れお」の子供たちに囲まれて、その日を迎えるまで静かに自分らしく生きたおんじ。おんじらしい死に方だと思う。
自然が好きで木や花や草や星の名前を何でも知っていた。どこに行ってもワンパクではみ出しっ子だった息子たちが自由に伸び伸びと遊べる数少ない場所だった。「”やっと俺たちが楽しめる場所が見つかったねっ!”と三男が言ってたんですよ」と、おんじに話したら、それを聞いてこっそりと泣いていたそうだ。
子供の気持ちをいつも忘れない人だった。夢があって、人を信じていて、温かくって、時には子供たちのことを厳しく怒ることもあったけれど、子供の意見を真剣に聞いてくれた。誰でも気軽に参加できるようにとても手軽な会費でやっていたから、いつもお金がなかったみたいだけれど、すごく楽しそうだった。
三男も一緒にお通夜に参列した。たくさんの卒業生を送り出してきた「れお」だから、葬儀場には記帳と献花をする人たちが道路まであふれていた。「れお」の子供たちの写真が貼ってあって、献花のバックには多分、おんじの好きな明るい曲がずっと流れていた。そこだけみたら同窓会のようだ。だけどみんな泣いていた。おんじのお顔に対面した時、三男が号泣した。帰りの車の中でもずっと泣いていた。「成人式の時、おんじのところに行こうかなって思ったんだけど、行かなかった。あの時に行ってればよかった・・・」。若い息子は大人になるまでの間に、一体いくつこういう後悔を重ねていくことになるのだろう。
棺の中に入れる色紙が置いてありみんなで寄せ書きをした。三男は「たくさん迷惑かけてゴメンね。でもいっぱい遊んでくれてありがとう」と兄弟の名前を書いた。若すぎる死だったけれど、ずっと好きなことをして、たくさんの人たちに愛されながら生きたおんじの人生はすごく幸せだったんだろうなあ。会葬お礼の中に同封されていたおんじの絵に添えられた言葉は「ありがとう」だった。

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July 02, 2007

明日から鈴木貴之 作陶展

Dsc01037あいにくの雨にも関わらず今日も忙しい一日だった。実質、今日が仕事始めになるいずみちゃんが来てくれて、慣れない仕事を一生懸命やってくれた。7月からはランチタイムの一番忙しい時間帯はいつも3人で回せるスタッフ体制を組めそうなので、ちょっと一安心。今日はヨウコさんが雨の中、おかげさま農場まで野菜を取りに行ってくれたのでとても助かった。営業時間中、私はほとんど厨房に張り付き状態なので、他の仕事が全くできない。飲食店を始めてわかったことは、ご飯を作って出して片付ける・・・以外にも仕事は山ほどあるということ。だから山ほどの仕事は店を閉めてから一人でやることになる。2回、野菜を取りに行くところが1回で済ませられれば、それだけでも大助かりだ。
明日から陶芸家の鈴木貴之さんの作陶展が始まる。夕方、作品の搬入があったので鈴木さんと一緒にディスプレイした。鈴木さんは茨城県稲敷市で三袋の登り窯で陶器を焼いている。5年ほどサラリーマンとしてデザイン会社で働いていたこともあり、当時からもの作りの人たちに憧れ、田舎で暮らしたいと思っていたそうだ。退職後、バックパーカーの旅に出た後、益子で活躍する登り窯の作家さんの元で修業をし、97年、稲敷市に登り窯を作って本格的な創作活動に入った。
益子の北郷谷(きたごや)の手漉しの粘土と、天然素材の釉薬を使って蹴ロクロで作られた器たちは、素朴で温かみがある。ある評論家の人は鈴木さんの作品を「土の動きそのものを大切にしている」といい、ご本人は「形やデザインにとらわれることなく、自由に屈託なく作っています」と話す。並白や糠白などの釉薬がかかった器は、どの料理にも似合って使いやすそうだ。
明日から30日まで開催しますので、どうぞ見にいらしてくださいね。

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July 01, 2007

還暦のお祝い

Dsc01031風楽がオープンした時から、昨年の年末までずっと働いてくれたスタッフのサッチーの誕生日。ちょうど還暦になるので、昔のスタッフにも来てもらって、夕方から店で一緒にお祝いをした。昨日はサッチーへのプレゼントを何にしようかなと考えながら、いろいろなものを買い集め、夜はサッチーが開けた時に喜ぶ顔を思い浮かべながら一つ一つをラッピングした。
サッチーはとても料理が上手で手早いので、いつも一緒に料理を作りながら、お互いに作った味をチェックし合った。野菜をもらったと言っては持ってきてくれたり、梅酢が多めにできたからと言っては分けてくれたり、店のデザートにとケーキを焼いてきてくれたり、豚の角煮やおでんをドッサリ作っては息子達に食べさせなと言って持ってきてくれたり、家にある調理道具もみんな貸してくれた。一緒に仕事をした5年間、どんなにサッチーに助けてもらったかわからない。もちろんバイト代をお払いしてきたけれど、お金に換算できないそれ以上のことをたくさんたくさんやってもらった。
Dsc01033ずっと一緒に仕事をしてきたので、サッチーの好きなものはだいたいわかる。パッチワークに使う絣の古布、錦松梅にマロングラッセ、油茂製油のゴマラー油、千葉醤油の無添加沢庵、無添加のかつおの角煮、銚子のぬれ煎餅、お花に色紙に大皿etc・・・みんなからのお金に私のお金をプラスして、たくさんのプレゼントを用意した。
食事は各自一品持ちより。私はシーフードパスタを作ろうと思っていたのだが、沖縄で板前をやっていた長男がちょうど家にいたので、お造りを作ってもらうことにした。「かつおと鰺がいいよね」なんて話しながら昼過ぎに店を抜け出して、長男と買い物に行ったら、ちょうど大きな鯛があった。「やっぱりお祝いだから鯛だよね!」と二人で即決。思い切って奮発してしまった。
Dsc01030店に戻り長男に鯛を活け造りにしてもらった。すごい!とっても上手な包丁さばき。我が息子ながら惚れ惚れ。ちょうどみんなが集まる頃に、キレイに仕上げてくれた。皆で思い思いの食べ物を持ち寄って、賑やかなお祝いの席。とにかくよくしゃべりよく笑いよく食べる~!!お祝いというよりも、スタッフの同窓会みたいだったけれど、サッチーもすごく喜んでくれたし、久しぶりにみんなが集まれたし、とても楽しかった。誰かに喜んでもらえることをやらせていただくこと。それはむしろ自分自身の喜びにつながる。心からお祝いをしてあげたいと思う人が近くにいるって幸せだ。サッチー、ずっと元気でいてね。今度は古希と喜寿のお祝いをみんなでしよう!(もしかしてその前に私の還暦か~?!)
*笑いすぎて写した写真はなんと全部手ブレ!ピン呆けの写真ですみません!

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