August 31, 2007
明日のお待夜祭に合わせて、朝からいろいろ仕込みを開始した。昨日のうちに買い物は行っておいたのだが、また足りないものが出てきてしまい、午前中、再び買い物に走る。生活クラブのデポーでクーベルチュールのチョコレートを買い、ブラウニーを焼く。どちらかと言えば、冬場に多く焼いているお菓子なので、久しぶりに作った。端っこをちょっと切って食べてみたけれど、やっぱり美味しいなあと思う。高級チョコレートであるクーベルチュールをたっぷり使っているからだろう。
この他、キャラメルナッツタルトも豆乳チーズケーキも在庫が少なくなってきたので、それぞれ3台ずつ焼いた。厨房ではずっとコンベックがフル回転。太陽の陽射しは強くなかったけれど、オーブンの熱と湿度で厨房はとても蒸し暑かった。
夕方になって生ビールのレンタルサーバーと生樽を取りに酒屋さんに出かける。店に帰ってから、それらを運び入れ、氷を作ったり、オーブンから出してようやく冷めたケーキをカットしたりしていたら、すっかり遅くなってしまった。明日は昼前までにあいりん堂さんにおにぎり25人分の配達もある。朝から、何回玄米を炊くことになるのだろう。
宗吾霊堂からお囃子の音が聞こえる。山車に合わせて踊る練習もしているようだ。境内の中にはテキヤさんの屋台が立ち並び、駐車場も来場者の名前が貼られていて、明日の祭りを待つばかりとなった。病院通いに忙しくて、自分が祭りモード?になるのに時間がかかったけれど、いよいよ明日だ。忙しいのでいつもよりはメニューを限定させていただきますが、お祭りの雰囲気を味わいがてら、ぜひお出かけ下さい。
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August 30, 2007
久しぶりにお休みで、今日はゆっくりしたかったので、病院にも行かないことにした。朝、起きて洗濯機を回して、散らかり放題の家の中を掃除。それだけで午前中が終わってしまった。休みの日は何と時間がたつのが早いのだろう。午後は図書館にようやく行くことができた。返却がのびのびになって気になっていた本をようやく返して、病院通いの合間に電車の中で読めるような文庫本を数冊借りてきた。
その後はお待夜祭に向けての準備。生活クラブのデポーで買い物をしたり、生ビール用の紙コップを買いに行ったり、野菜や食材を買いに行ったりと何ヶ所も回ったので、車の中は荷物でいっぱいになってしまった。今回のお待夜祭でも毎年、定番となっている五穀コロッケと玄米精進散らし寿司とカレーを作る予定。例年どおり、店頭でそれらを並べて、エビスの生ビールを売って、店の前にも椅子を並べてミニビアガーデンをご用意する。
もう明後日というのに、中々気持ちがお祭りの方にシフトしていかない。明日は生ビールサーバーのレンタルと生樽を取りに行って(すごく重たい一仕事!)、料理の仕込みも始めなくては。
写真は実家からもらってきたエスプレッソの直火式のマシン。ようやくエスプレッソ用のコーヒー豆を買ってきたので、今朝、淹れてみた。使い方がイタリア語でしか書いていないので、見よう見まねでやってみた。一番最初は入れる水の量が少なすぎたようで、中々コーヒーが上に上がってこなかった。もう一度、今度は多めに水を入れてトライ。お湯が沸騰してくるとボコボコとコーヒーがサーバーの方に上がってくるので、その音がしなくなったら火を止める。ちょっと薄めだったけどようやくうまく淹れられた。デミタスがないのが残念。でもコンロの上にこのマシンを置いて、ボコボコという音を聞きながら、コーヒーが抽出されるのを待っている時間ってけっこう優雅な気分かも。しばらく朝の日課になりそうだ。
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August 29, 2007
昨日も病院に行ってきた。行くたびに実家に寄ってきて、少しずついらない荷物を運び出している。思い切って車で運べばたくさんの荷物が一度に動かせるのになあと思いつつ、いつも部屋の片付けの方を優先させていたので、中々、荷物の運び出しまで手が回らなかった。
昨日はちょうど東京の方に車で来る用事の友達がいたので、帰りに荷物を大量に運んでいただけることになった。ここぞとばかりに?たくさんの不用品を車に積み込ませていただいて、今まで以上に大量にいろいろなものを持ち帰ってきた。
帰ってきて2階に運ぶのも大変だったので、店の裏の階段のところにしばらくそのまま積み上げておいた。そして店の手の空いた時間を見計らって、箱を開けながら一応の値付けをした(でも値段はあってないようなものなのでほしい方はどうぞ、交渉してください)。それで今、何十箱という箱が店に並んでいる。シーツやタオル、カップやグラス、お皿などだが、未使用で箱に入ったままのキレイなものばかり。
これだけモノが集まってきてしまうと、もう本当にモノは何もいらないと思う。せめて自分の家はスッキリとシンプルに暮らしていきたい。だけど意識していないと、ただでさえもモノにあふれている時代だから、モノたちがいつのまにか集まってきてしまうのだ。本当に必要なものだけを長く使いたいなあと思う。
*原万佐子さんによる9月の枇杷温灸の日程が決まりました。7日、13日、22日、29日です。よかったらぜひご予約ください。
*それとチラシを店頭でもお配りしていますが、ウッドベース奏者の水野俊介さんと琴の稲葉美和さんによるコンサートを9月15日(土)6時半より開催いたします。参加費は2000円。新しいCDの発売記念コンサートです。ヒーリング音楽でもジャズでも民族音楽でもない素敵は心地よいサウンドをお届けします。よろしかったら、ぜひどうぞ!
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August 28, 2007
枇杷温灸のおかげで昨日よりもだいぶノドが楽になってきた。でも声はまだ全快という感じにはなっていない。ひっそりと静かに?厨房で仕事をする。お客さまからルッコラをいただいた。ルッコラをちょっと刻んだだけでいつものサラダがとっても美味しくなる。ゴマの香りがさわやかで私も大好きなハーブの一つ。だけど夏のルッコラは葉っぱも厚くて辛味が増す。春先のルッコラに比べてかなり主張が強いので、茎を除いて葉先だけを使うようにした。一年中収穫できるそうだが、やはり美味しく食べられる時期というのは限られているんだなあと思った。今日はキュウリ、人参、玉ねぎ、ピーマンなどのスライス野菜にルッコラを加えたサラダを作った。
ドレッシングは酢、なたね油、醤油ににんにくのすりろしと刻みパセリ、雑穀のアワを炊いたものを加えたアワドレッシング。ドレッシングに中に雑穀を加えただけなのに、生野菜だけのサラダでもちょっと豪華な感じになる。
今日は満月。いつも窓を開け放って寝ているので、昨日の夜中に目が覚めた時、あまりの明るさに驚いた。ちょうど私の部屋に入る角度で月明かりが部屋にさしこんでいたのだ。寝ているのがもったいなくなって、しばらく月の光を眺めていた。この光を浴びているだけで、ノドもよくなっていくような気がした。久しぶりに雨も降りそうだ。暑さがちょっと一休みしそうでほっとする。
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August 27, 2007
久しぶりに家で夕食を作ろうと思い、お客さまからいただいたゴーヤーを使うことにした。今日も声が出なかったから、ゴーヤーの栄養をたっぷり取り入れて力を分けていただこうと思ったのだ。もちろん料理はゴーヤーチャンプルー。沖縄に行った時も毎日のように食べていたけれど、ゴツゴツしている元気のよさそうなゴーヤーを見ていたら、また食べたくなってきた。以前はゴーヤーの苦味が苦手で、敬遠していた野菜だったけれど、初めて沖縄に行って食べたチャンプルーがあまりに美味しかったので、自分でも作ってみたいと思うようになったのだ。以来、夏の間はひんぱんに食卓に登場するようになり、あの独特の苦味もいつのまにか気にならなくなってきた。
私は肉を食べないので豚肉は入れずに、ゴーヤーと豆腐と卵とけずり節だけというシンプルな作り方。本場の人から見れば、そんなのゴーヤーチャンプルーじゃないと言われてしまいそうだけれど、ゴーヤーを食べるだけでもビタミンCたっぷりだし、この苦味が体に効きそうだから、私にはこれで充分。
夕方は枇杷温灸の日だったので、ノドを中心にたっぷりと温灸していただく。たくさんの汗が出てきた。すごいなあ。枇杷の力は。このよさを少しでも多くの方に体感していただきたいと思う。9月もまた原さんによる施術の日があるので、興味のある方はぜひ一度、体験なさってみてください。多分、明日には声も戻っているハズ!
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August 26, 2007
いつも作っている豆腐のドレッシングに今日、キュウリと人参のピクルスをみじん切りにして加えてみた。ヨウコさんが家で作ったけれど、酸っぱくて食べられないからと、持ってきてくださったものだ。確かにそのまま食べてみると本当に酸っぱくて、かなり強烈。しっかりと味もしみこんでいる。いつか何かに使おうと思いつつ、そのままになっていたものだ。
豆腐ドレッシングはほんのり甘くて美味しいのだけれど、酸味があまり強くないので、いつもは梅酢なども加えて味を工夫している。そこに酸っぱ~いピクルスを加えたので、バランス的にちょうどよくなったようだ。ピクルスが隠し味になって酸味のある豆腐ドレッシングが出来上がった。キュウリ、カボチャ、玉ねぎなどの野菜にかけてサラダにした。
今日はノドの調子が悪くて一日、声が出なかった。実家に泊まる時、夜、窓を開けられないので、エアコンを付けっぱなしにしまう。エアコンに慣れてない私の体は、どうにも居心地が悪いのだけれど、あまりに暑くて仕方ないので、ついついつけてしまうのだ。先週は実家に3回も泊まっていたので、夜、エアコンのついたソファで寝たのが、よくなかったのだろう。
ノドが乾燥して声が出なくなってしまったようだ。風邪の症状はないのだが、ノドだけがやけに痛くでイガラっぽくて少し咳も出る。こんな声になったのは久しぶりのこと。
私の声を聞きながら話すイズミちゃんもチエコさんもなぜか一緒にヒソヒソ声になってしまうので、今日の厨房はとってもひっそりとしてしまった。私がしゃべれないと厨房も静かになるということが、どうやらこれで証明?されてしまった。「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」も言えない。早く声を取り戻さなくては。
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August 25, 2007
父の心臓のカテーテル検査とバルーンの施術が終わったので、心臓血管研究所の付属病院から、普通の病院に転院することになった。ずっと個室だったので医療費も心配だったけれど、とりあえず心臓の方の処置は終わったので、これからは普通の病院の大部屋で過ごすことになった。しばらくベットの上で寝てばかりで動かないことが多かったので、リハビリを兼ねての転院となる。
今回の入院に合わせて、介護保険も申請することにした。入院してすぐにでも来てほしかったのだが、容態が不安定な時は面接ができないとのことで、申請してから面接予定日まで、3週間も間が空いてしまった。まだ面接も終わっていないので、どのようなケアプランができるのかわからないけれど、それが実施されるのも一ヶ月先だということなので、まだまだ安心できない。
とりあえず下の部屋だけは何とか片付けられたし、父も前よりは元気になってきているけれど、今、退院してきても昼間は一人だし、ヘルパーさんもいないし、私も日中は通えないので、しばらく入院していてもらった方が安心だ。昨日から泊まって実家の一階の部分の最後の片づけをしてきたのだが、一度始めてしまうと、それ以外でも気になる場所が次々に出てきて、いつまでたっても全部は終わりにできなそうだ。本当のモノがあふれている家だ。
今まで他人事だった介護が急に身近な問題として迫ってきた。私は遠いと行っても片道2時間で行ける距離だし、弟もいるので、全て私一人の肩にかかってくるわけではないのでまだいいけれど、親一人子一人で離れて住んでいる場合などは本当に大変だろうなあと思う。
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August 24, 2007
昨日、いただいてきた梨をさっそくいちょう切りに切って、今日のデザートに使うことにした。梨は単独で食べる分にはとっても美味しいのだけれど、あまりに淡白すぎて何かに加工するのはちょっと難しい。個人的にはヨーグルトの中にザクザク切った梨を入れて食べるのが好きなのだが・・・。
今日は寒天を冷煮溶かし冷やして固め、サイコロ状にカットしたもの、そしていちょう切りにした梨、クコの実を、素製糖で作ったシロップの中に加えた。仕上げにヒラミレモンをちょっと加えて香りをつけた。寒天も梨も色がないので、クコの実の赤がちょうどよい彩りを添えてくれた。クコの実は滋養強壮に役立ち、疲労回復のお手伝いをしてくれる薬膳料理には欠かせない素材。
最近、特に時間がたつのが早いと感じる。あと1週間とちょっとで9月に入るのだ。9月と言えばお待夜祭。風楽の目の前にある宗吾霊堂で行われる年に一度の大きなお祭りだ。江戸時代に、年貢の取立の軽減を幕府に直訴して討ち首になった佐倉惣五郎さんの命日なのだが、境内にはたくさんの屋台が並び、山車も引かれる。
今年は長男が彼女(最高に可愛い子!)と一緒に生ビールを店頭で売るよ!って言ってくれたので、店頭は若者に任せよう。祭りの当日である1日2日の2日間は店の営業時間を夜10時までに延長して、店の前にも椅子を並べる。エビスの生ビール樽を注文し、サーバーのレンタルも申し込んでおかなければ。そして買出しはもとより、何を作るか、その日のメニューやスタッフのシフトも決めなくては・・・とやらねばならないことが山積みだ。
忙しいのだけれど、お祭りのことを考えるとわくわくしてくる。準備が間に合うのかなあ・・・とちょっと心配だけれど、楽しいことを考えると元気になる。そして楽しいことをやり始めるともっと元気になってくる。だからこの仕事はいつだって大好き!
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August 23, 2007
今日は病院に行かなくてもいい日。久しぶりに家にいたいと思ったけれど、でもそういう日には夕方からしっかり予定が入っている。今、夕方に時間を作るのが厳しいので、あらかじめ予定をたてて時間を組み立てていかなければ、中々仕事を進めることができない。それで先週から空き日の今日の夕方にはミレーの取材を入れておいたのだ。今日は栗源にある梨園に行ってきた。今、出荷がピークで、毎日、朝の4時から仕事をしているそうだ。取材も日中は忙しいから日が落ちてからにしてと頼まれたので、遅くなってから伺った。
この梨園は減農薬で梨を作っていて化学肥料は使っていない。特に糖度の高い梨は、虫もつきやすく農薬を減らすのは難しいと言われている。でも本当に甘くてみずみずしくて美味しい梨を作っている。私は果物の中で梨が一番、好きなので、梨の季節がとても待ち遠しい。だけどこのところ、病院通いで忙しく、梨が出ていることにも気がつかなかった。
幸水は時期が短いので今月いっぱいで終わり、9月からは豊水が始るそうだ。ただ今年はこの暑い天候と成長期に湿度が高かったこともあって、病気が発生したり、木の上で過熟しすぎたり・・・と梨にとっては受難の年だったようだ。梨園の中で腰を下ろしながら、もいでいただいたばかりの梨を丸かじりした。口の中に甘い汁がジュワーっと広がる。ああ美味しい~!梨を食べると秋が来たことに気付かされる。まだまだ体感的にははとても秋とは言えないけれど。
今年は病気が多くてねえ・・・と嘆いていらしたが、いただいた梨は昨年と変わりなく本当に甘くて美味しかった。直売所もあるので、毎年、ここの梨が食べたいと買いに来て下さる方が多いそうだ。ちょっと黒い斑点ができただけなのだが、出荷できないものもあるそうで、ハネダシを分けていただいた。何かデザートに加工することができないだろうかと、いろいろ考案中。今夜はこれから久しぶりに息子たちとご飯を食べよう。
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August 22, 2007
昨日の夕方は「ぐるっと千葉」の取材があった。10月号はかぼちゃのコロッケを掲載していただく予定。店が忙しかったので、お客様がまだいらっしゃる間に撮影をさせていただいたが、病院に行く日だったので、あらかじめカボチャや丸麦を茹でておくなどして、早めに仕上げられるように準備しておいた。
そのまま夜、ちょっと遅くなってから病院に顔を出し、今日はお休みだったので帰りに実家に泊まってきた。それで昨日の夜から今日の夕方までたっぷりと時間をかけて一日中、片づけに励んだ。ちょうど今日は燃えるゴミの収集日だったので、昨夜から出せる限りは出してしまおうと、とにかく空き箱や郵便物などをゴミ袋にどんどん詰め込んで、置く場所もないので、そのままゴミ置き場に直行。出した数は50袋以上!うちのゴミ袋で道路に山ができてしまったほどだ。
今日もまた続きをやったので、今、実家の玄関には10袋以上のゴミ袋が次の収集日を待っている。これでようやく何とかベットを置くスペースができた。掃除機をかけようとしたら袋が満タンで、しかも換えもない。きっと何年もかけていないんだろうなあ。
片付けながら素敵なもの見つけた。母が愛用していた抹茶茶碗と茶せんがあったのだ。母の育った目黒の家は空襲でも焼けずに残った古くて大きな家で、子供頃、よく泊まりに行った。長い廊下を通ってトイレに行くのがとっても怖かった。大玄関、小玄関、勝手口と入り口が三つあり、毎晩、木の門はかんぬきを通して閉めていた。庭の向こうに離れがあり、そこがお茶室になっていた。
母の娘時代はよくそこでお茶を点てていたそうだ。私が小学校の頃は、お茶室を人に貸していたので、中には入れなかったが、祖母の家に行く度によくお抹茶を飲まされた。小学生の私にとって、正座させられて苦いお茶を飲む時間は苦痛でしかなかったが、結婚後もきっと母はお茶を点てたいと思って、お茶碗を持ってきたのだろう。
家で母の点てたお茶を飲んだ記憶はほんの少ししかない。それも私が牛乳とお砂糖を入れなきゃ飲まない・・・なんて言ったものだから、抹茶茶碗にはきみどり色の液体が並々と注がれていた。何十年ぶりかに母の抹茶茶碗を見て、そんな日々のことが急に思い出され、しばらく片づけの手も止まってしまった。
父は器を集めるのが好きだったので、実家には箱に入ったまま使われることのなかった器が台所に積み上げられている。そんな中で流しの上にあるステンの収納扉の奥に無造作に重ねられていた抹茶茶碗たち。この家では彼らの出番が全くなかったのだろう。
今、片づけながら実家では使わないモノたちを少しずつ、家に運んでいる。私は必要以上にモノを持ちたくないから、心底そうしたいと思っているわけではない。だけど店で使ったり、リサイクルすることによって、少しでもモノにあふれた実家が広くなって片付けばいいと思って使えそうなものを選んでいるのだ。
だけどこのお茶碗たちはそれらとは全く違って、私が手元においてあげなくっちゃ・・・と思い、持って帰ってきたものだ。私はお茶の作法を何も知らないけれど、大事に使っていつかこれを娘に手渡そう。
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August 21, 2007
ホクホクのキタカカリを煮た。ジャガイモの中でも一番大好きな品種だ。ほっこりしていて甘くてコクのある美味しいジャガイモ。雑穀を炊く時はいつも多めに炊いて、冷蔵庫にしまっておく。そうすると次の日には、すぐ使えて便利だ。昨日、米ナスにモチキビをはさんでフライにした。その時に炊いたモチキビがあったので、今日はジャガイモ中に入れて一緒に煮ることにした。もっちりした感じのトロミがついて煮物がより美味しくなった。
昨日は枇杷温灸の日だったので、夕方、施療していただいた。連日の病院と実家の片付けに追われていたけれど、疲れているという実感は全くなかった。だけど施療の後、どーっと疲れが出てきたようで、昨日は早く寝てしまった。久しぶりに家にいられたから気が緩んだのかもしれない。
実家はモノであふれている。父はモノを捨てない人だ。それにワをかけるかのように冠婚葬祭やご進物などいただきものが多い家なので、家の中は箱でいっぱい。そして人の歩くスペースをどんどん侵食し、泊まる時、私の布団一枚敷くスペースがないほどだ。今、それらを整理しに実家に通っている。新しいものでも使えそうにないものはどんどん捨てているし、店で使えそうなものは行く度に担いで持って帰ってくる。昨日は未使用で箱に入ったまま何年も置いてあったコーヒーメーカーとジューサーを見つけたので持って帰ってきた。
その他、新聞、雑誌、機関紙、郵便物、父の服やネクタイ、デパートの袋、病院の薬・・・・いつのだかわからないコーヒーや紅茶、日本茶、角砂糖などの詰め合わせも箱の山になっている。それらを必死になって片付けているのだけれど、あまりにモノが多すぎていっこうに作業は進まない(片付けが手早く得意だと自負している私が、ガラクタの前で手も足も出ないまま呆然としているのはちょっと悔しいのだが・・・・)
そんなことを仕事が終わってから、連日繰り返しているものだから、やはり体の奥の方は疲れがたまっていたのだろう。今朝、起きたら、珍しく体がだるくて重たかった。まだまだ気の長い仕事だけど、父が退院する来る前に全て終わらせなければ・・・。父が目の前にいたら、絶対に捨てさせてもらえなくなると決まっているからだ。
あふれるモノって、本当にゴミと同じだなあと思う。年を経るに従って、モノを持たない暮らし、モノに押しつぶされない暮らしをしていかなければ・・・・と実家に行く度に思う。
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August 20, 2007
今、店内に展示しているのはヒーリングアートをやっている書家の大花さんの作品展。もともと正統派の書道の世界でずっと活動されていたが、書を通して愛や優しさをお届けしていきたいと、ヒーリング要素を取り入れた独自の表現活動をするようになった。詩に絵をつけたり、仏画を描いたり、お経を書いたりと、大花さんの作品は多岐にわたる。そのどれもに温かなエネルギーがこめられていて、見ているだけで心が和み優しい気持ちを思い出させてくれる。
今回は、作品を作ろうと筆を持った時に、幾何学模様や象形文字のようなものがイメージとして降りてきたということだった。それで古代ゲルマン民族が使用したと言われるルーン文字もいくつか展示されている。共通する作品のテーマはお守りや祈りという思いなので、作品の本体価格はなく額代だけという価格設定にしてくださった。
この作品は「阿伽陀」(あかだ)。健康とか不死という意味。万病に効く薬、不死の意がさらに転じて、念仏の功などの意味があるそうだ。文字を見ていると、まるで絵のように見えてくるから不思議だ。展示は9月5日まで。
今日は、電車で通っているイズミちゃんが夏バテなのかすごく具合が悪そうだったので、朝、そのまま帰ることになり、急きょチエコさんと二人だけ。その後、13名の定食のご予約が入ったり、8名の方がお食事に来て下さったりで店内は満席となってしまった。とても二人だけでは回せない状況となり、家にいた長男を叩き起こし、何でもいいからとにかく手伝って!と声をかけ猫の手になってもらった。
昨日も仕事が終わってから病院に行き、その後は夜中まで実家の片づけ。朝5時に起きて電車で家に戻り、そのまま忙しく仕事をしていたので、さすがに疲れたなあ~と、洗い物が一段落したら、思わず椅子に座り込んでしまった。今日は1週間ぶりに病院に行かなくていい日だ。早めに寝よう。
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August 19, 2007
お盆があけてようやくいつもの日曜日が戻ってきた。暑さがぶり返したけれど、久しぶりに多くのお客様に来ていただくことができて、お店も大にぎわい。賄いを食べようとよそった後に、次々とオーダーが入ってしまい、とてもそれどころではなくなってしまったけれど、「やっぱりこうして忙しく働いていられる方が気持ちいいね!」なんて話しながら注文いただいたものを準備していった。久しぶりに厨房の中をバタバタと走り回ってしまった。
今日のメインはヒヨコ豆のコロッケ(ファラエル)。ヒヨコ豆は世界中で一番多く食べられていると言われるお豆。茹でてマッシュしたヒヨコ豆にスパイスを入れて丸めたものをフマス、それに衣をつけて揚げてコロッケにしたものをファラエルと呼んでいる。もとはイスラエルや中近東周辺のお料理らしいが、今では世界中で愛され、ベジタリアンのタンパク源としても定番料理になりつつある。
ファラエルを美味しく作るコツはスパイスの使い方だ。以前、本格的なフマスを食べたことがあるが、スパイスが強すぎて、玄米ご飯と味噌汁には合わなかった(フマスは本来、野菜と一緒にピタパンにサンドするのが、もっともポピュラーな食べ方)。今日はニンニクのみじん切りとクミンシードをオリーブオイルで炒めて香りを出してから、玉ねぎと人参を加え、最後にパセリとコリアンダーとフレッシュバジルを入れた。味付けは塩とブラックペッパー。バジルの量は多すぎるとくどくなるので、スパイスがちょうどいいバランスになるように、味をみながら少しずつ加えていった。
カラリと揚げてソースで食べていただいたのだが、今日は本当に美味しくできたなあと思った。バジルとにんにくがほのかに香っていて、ちょうどいい風味なのだ。お味噌汁と一緒に食べても違和感がなかった。アリミちゃんが賄いを食べながら「美味しいね~」を連発してくれた。スタッフに誉められても仕方ないけれど?それでも「美味しいね」と言いながら、いただく賄いの時間は楽しくありがたい。
この暑さにもバテず、毎日の病院通いにもメゲず?元気に飛び回っていられるのは、そんな愛に満ちた仕事場があって、力のあるお食事をいただいているからなのだと思う。
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August 18, 2007
昨日の午前中は引き続き実家の片づけをし、昼過ぎに病院に行って、検査の結果を聞くことになっていた。血管内治療はうまくいったようで、狭くなっていた血管がバルーンによって拡張され、スムーズに血液が流れている様子を画像で見せていただいた。細い血管の中にワイヤーを通すということ自体、スゴイなあと思うのに、さらにそれを膨らませることもできるなんて、今の医療の技術って何でもできるんだなあとひたすら感心してしまった。
反面、医学を駆使しても助からない命があるのは、やはり技術の進歩だけではどうすることもできない、その人の持って生まれた生命力や運命というものが影響するのだろうか。画面の中でリズムを刻みながら休むことなく収縮を繰り返している心臓とそれに連なる血管を見ていたら、人間の体って本当に宇宙なんだなあと思った。
いつもは夜遅くなってしまうので、慌てて成田まで帰るのだが、久しぶりに明るい時間に解放されたので、元気になるご飯を食べたくて、その後、新宿伊勢丹にあるチャヤマクロビオティックへ行ってきた。マクロビオティック専門の美味しいレストランだ。
全体的に高級志向にしていて、安い方のランチでも2000円を越えてしまう。でも盛り付けが美しく、味も美味しいので全体の雰囲気から言っても、価格は納得できるものだと思う。前に来た時も店の前に人が並んでいたので、また待つのかなあと心配だったが、遅めのランチだったので、5分ほどで店内に入ることができた。
写真は前菜であるテンペと野菜のサラダ。洋風なのでお味噌汁やお新香がないのがちょっと寂しいけれど、デザートのナチュラルスィーツはショーケースから好きなものを選べるのでとても楽しみだ。昨日はそれに追加してもう一品、ケーキを注文してしまった。モンブランとブルーベリーの豆腐タルト。両方とも自然な甘味でとても美味しかった。
かつてここでシェフをしていたパトリシオさんが出した「あまくておいしい 砂糖を使わないお菓子」は、風楽でも一番参考にしているナチュラルスィーツの本で美味しいレシピ満載だ。美味しくて元気になる食事をゆっくりといただいたら、久しぶりに新宿を歩いてみようかなという気持ちになった。デパートの中には私のほしいものは何もないけれど、地下2階はオーガニックコスメも充実していて面白かった。
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August 17, 2007
昨日は神宮外苑の花火大会。神宮球場など大都会の真ん中にあるいくつかの会場で、ナイターを見ているのと同じように花火を観戦?しようという催しだ。山の手線内で唯一開催される大きな花火大会で、1万発が打ち上げられる。周囲には建物が多いため、花火の大きさはそれほど大きくはないけれど、会場ではコンサートなどのアトラクションも行われるので、若者には大人気で、チケットもすぐ完売してしまうそうだ。昨日が開催日だなんて、全然知らなかったのだが、偶然にも花火大会を見ることができた。
父が入院して10日ほどになる。先週、私は留守がちだったので、弟が仕事の帰りに毎日、顔を出してくれた。でも今週は弟がお盆休みを利用してミクロネシアのジープという島にダイビングに行ってしまったので、今度は私が1週間、病院に通うことになった。
父は15年ほど前、心筋梗塞で2回目の発作を起こしたのを機に、思い切ってバイパス手術をした。太腿の血管を心臓の周辺に移植したのだ。肋骨を切って心臓を取り出し、一度心臓を止め人工心肺を付けて、周辺の血管を太腿の血管とつなぎ合わせるという大手術(聞いているだけで苦しくなりそう?)。入院したのは六本木にある心臓血管研究所付属病院という所で、父はここでバイパス手術も受けた。
最近になって、心臓の様子がちょっとおかしくなってきたようで、再びカテーテルの検査をした。もう年齢的にもバイパス手術は無理なので、バルーンという風船のようなもので血管を拡大する血管内治療を受けることになった。完全看護だし、食事も自分で食べられるし、トイレにもなんとか行けるので、やることは特にないのだが、顔を出して小一時間ほどお茶を飲みながらなんとなく話をしている。
毎日、店が終わった後、成田から六本木まで行って帰ってくるのはかなり厳しい。往復4時間かかるので、移動時間が長いのだ。でも今日がお休みだったので、昨日は病院の帰りに誰もいない実家に泊まって片づけをすることにした。
病室で父と話している時、急にドカンドカンという大きな音がしたので「かみなりかな?」と思ったのだが、ちょうど父が見ていたテレビで外苑の花火大会のことを知った。あいにく父の病室からは見えなかったが、病院には屋上があるので、帰りにちょっと寄ってみた。
都会の病院の屋上で生ぬるい風を受けながら、ネオンやビルの谷間から上がっていく花火が見える。千葉へ越してきてからは花火大会と言えば、海や川でみるものと決まっていたので、ちょっと味気ないなあと思いつつ、毎日、慌てて病院に飛んできては家に戻る生活が続いていたので、屋上のベンチに座って一人でのんびり花火を見物することにした。病院から実家までは電車に乗る時間を入れても15分とかからないから、帰りの時間を気にする必要もなかった。
小さい時、臆病だった私は花火大会に行っても音が怖くて泣いてばかりいた。あの時、肩車をしてくれた父の匂いを思い出そうとするのだけれど、もう思い出せなくなってしまった。83歳・・・あとどのくらい一緒にいられるのだろうか。花火を見ながら泣いたのは久しぶりだ。
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August 16, 2007
群馬県では昨日、40度を越えたそうだ。連日の猛暑で、さすがに人も出歩かなくなるのだろうか。今週、お店はずっと閑散としている。昨年はお盆が忙しかったのだが、今年は本当にヒマで拍子抜けしてしまった。暑いけれどクーラーも扇風機もない我が家では窓を全開にして自然の風を入れている。さすがに息子が耐え切れず、自分で扇風機を買ってきたけれど、私はそれも使っていない。毎日たくさん汗を流し、水をしっかり飲んで夏バテとも無縁で元気に過ごしている。
先週、成田市にある生産者連合「デコポン」へ今年、発売したばかりのにんじんジュースの取材に行ってきた。都内の自然食品店に勤めていた方が体を悪くしたことから、仕事を辞めた。その後、農業をして体を整えようと、取引先であった「デコポン」へ研修生として参加することになった。自分でもお店で野菜を売っていたのだが、実際に畑に行ってみると、思っている以上に出荷できないハネダシの野菜がたくさんあることに驚く。せっかく有機JAS認証を取得したすばらしい畑の野菜たちをなんとか使い切ることはできないだろうかと、にんじんジュースの開発を思いついたそうだ。
本来は畑から抜いたばかりのにんじんをその場でジューサーにかけて搾りたてをいただくのが一番、美味しい。だけど誰でもそんな環境にいるわけではないから、無添加で繊維質もそのまま使って、にんじん臭さのない飲みやすいにんじんジュースにするにはどうしたらよいかと、いろいろ研究を続けていったという。
私もムラサキ芋のタルトやにんじんケーキなどオリジナル商品の開発をしてきたことがあるので、試作を続けながら、レシピを起こして商品として完成させるまでの過程の大変さ(面白さ)がとてもよくわかる。
それに商品の開発の目的が、ハネダシの野菜たちを形を変えて再利用していくことで、有機農業をやっている農家さんたちのリスクを少なくして、生産者の活性につなげていきたいということだったので、すごく共感できた。
私にとっては、真っ直ぐなにんじんでも、曲がったり二股に分かれているにんじんでも、素材という点においては全く変わりがない。それぞれが土の上で育ったかけがえのない命だ。
いつもその命を無駄なくいただきたいと思いながら、包丁を握っている。もっともっとこういう形の加工品がたくさんできたらいいのにと思う。畑にうなわれることなく、生まれかわって再び、食べてもらうことができてよかたね!にんじん君!さっそくそのジュースを使って私もにんじんゼリーを作ってみた。
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August 15, 2007
もちろん私の・・・!なんて言いたいところなのですが、残念ながら当分、その予定はなさそうです。先週の土曜日、私も参加しているくりもとミレニアムシテイのメンバーのお一人が結婚されたので、ミレニアムシテイの中で結婚パーテイが行われた。
沖縄に行って以来、ずっと寝不足が続いている。出発も早朝便。帰りは朝方3時20分のフライトに夜から眠らずに乗って、帰ってきた足でそのまま仕事をしていた。2日後には隠岐へ。やはり早朝の飛行機だったので、4時34分の京成の始発で羽田に行った。帰りは夜10時近くに米子から羽田空港に着いたので、終電で家に帰ってきた。成田から羽田まで2時間かかるので、移動時間がとても長いのだ。
正直なところ、終電で帰宅して、寝不足だったので、パーテイのお料理をお願いされていたのだが、前日には何も準備することができなかった。それで、土曜日は早く起きて、50人分のお料理の仕込みに取り掛かった。いくら楽しい時間を過ごしてきたとしても、帰ってきたらすぐに気持ちを切り替えて、現実にやらなければならないことに取り掛かる。店をやっていることで、幸か不幸か?そういう習慣がすっかり身についてしまった。
そんなこんなで、店も通常営業しながら、夕方までにお料理を仕上げ、デリバリーがてらにミレニアムシテイに向かい、さっそくバナナの葉っぱを敷いて大皿に盛り付けた。風楽のお惣菜以外にも、メンバーが前日から泊り込みでパーテイの準備をしていたので、流しそうめんやバーベキューなどお料理は盛りだくさん。ちょっと持っていった量が多すぎたようで、かなり残ってしまったのが残念だったけれど、少なくて寂しい食卓になるよりはずっといい。
回りを畑に囲まれた自然の中で仲間たちによる手作りの結婚パーテイ。日が落ちた後は涼しい風が通り抜け、クーラーも何もない場所なのに、とても気持ちがいい。単に祝辞を並べるだけではなく、皆が参加できるゲームや歌や踊りのコーナーまであったりして、かなり異質の?結婚パーテイだけれど、ミレニアムシテイはそういう楽しみ方のできる人たちが集まっている素敵な場所なのだ。
私も盛り付けが終わった後は、一参加者として、途中までご一緒したのだが、さすがに夜遅くまではいられないので、早めに失礼することにした。風楽のお料理がそんな楽しい門出の場の食卓に並べられたことがとっても嬉しい。数がまとまればデリバリーもしますので、パーテイや人が集まる場所でお料理が必要な時にはどうぞご相談くださいね。
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August 14, 2007
沖縄から帰ってきてほっと一息つく間もなく、今度は隠岐へ行ってきた。島根県の隠岐諸島は大きく分けて4つの独立した島から成り立っている。島全体が国立公園に指定されていて、美しい景観の島々が海に浮かんでいる。その中の一つ海士町が女性起業コンペ『ama-con2007』を企画したことを知って、何か私も島でできることはないだろうかと、7月に突然、予定を立てて島へ視察に行ってきた。
私は東京で生まれて故郷というものがないので、田舎のある人がとても羨ましかった。そしていつか自分もどこかに帰る場所を作りたいと思っていた。私が田舎の古民家に憧れ、いつか畑をやりたいという気持ちは、年を重ねるごとに強くなる。その選択肢の一つとして海に囲まれた島での生活を漠然と描いていたのだ。
実際に行ってみた島は思っていた以上に自然豊かで人も優しく、移住者に対してもオープンな雰囲気を持っていた。飛行機を使わない限り、かなりアクセスが悪く、新幹線を使っても家から12時間!という難点はあるけれど、とてものんびりとした温かい島だった。
だけど、今の店を開業するに当たっての公庫から借りた事業資金の返済があと300万円残っている。この場所で店をやっていけば、返済も可能だが、島に移住した後もその返済を続けるのはかなり厳しいだろう。それに今の店をまだ閉める気持ちにはなれない。とても魅力のある島でやりたいことがあれこれ浮かんでくるのだけれど、結局、今すぐに移住することはできないと結論に達した。それでもせっかくできた島とのご縁。このまま島との関わりをなくしてしまうのはあまりに寂しい。
島の高台に海を見下ろす小さな廃校があった。その学校を見た時、ここでいろいろなことができるのではないかというイマジネーションが膨らんだ。土壁を塗ったり、ヨガや瞑想のセミナーハウスにしたり、パーマカルチャーの実践場所にしたり・・・・。
海士は半農半漁の島だ。島では米や豆も作られ、隠岐牛というブランドの畜産業も手がけている。第一次産業の資源の豊富な島なのだ。命の源を生み出す「実業」というのは本来、第一次産業であるべきだ。今、経済界の中にある「実業家」という言葉は私にはマネーゲームにしか聞こえない。食べものを調理する仕事に携っている身として、一番、大切なことは日本の第一次産業を推進させる一端を担うお手伝いをしなければならないということだ。自給できる食べ物を持たない国に未来はない。
今まで私が店でやってきた小さなコミュニテイ。地元の農家さんから野菜を分けていただき、地元の食材を中心に命あるお食事をお作りさせていただくこと。それは地産地消の原点で、各地にその和が広がっていったらいいと思っている。
店でやってきたことを拡大して、島の中で地域通貨などを取り入れながら、地元の農産物を利用して何か加工品を作ったり、第一次産業を応援していける食べ物の学校を開いたりできないだろうか。人が集い、モノを生み出し、食べ物の豊かな恵みに感謝しながら、元気になれる場所・・・・。島の人たちと一緒にあの学校をそんな拠点として創っていくことができたら本当に楽しいだろうなあ・・・。
今すぐに移住することはできなくても、何かそういう方向性を見出すお手伝いをすることならできる。迷いながら、正直な現状と共に、ふっと心に浮かんだそんな島のプランをお話してきた。これからどう動きだしていくのか私にもまだわからない。だけど小さな島だからこそ、実践できることがあるはずだ。人口2500人。毎日、一人ずつ島の人たちとお話することができたなら、10年以内に島の人全員と知り合うことができる。そのくらいの大きさにいろいろな可能性を感じる。
帰りの船の出航の時には、ちょうど島にキャンプにきていた子供たちの帰りと重なったので、港には大勢の見送りの人たちがいた。紙テープを渡して船が見えなくなるまで手をふる人たちの姿を見ていたら、たった一泊しただけの私まで泣けてきた。見送ってくれる人たちがいることの幸せ。また行きたいなあと思った。待っていてくれる人たちがいる場所には何度でも行きたくなる。
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August 13, 2007
暑いですねえ~!お久しぶりです。皆さんお元気ですか~?
梅雨明けが遅れた分だけ、8月に入ってから一挙に暑さがやってきた!という感じの毎日ですが、暦の上ではも立秋。照りつけるような陽射しを見ている限り、とても秋だなんて思えませんが、それでも夕方に吹く風はちょっと秋の匂い。体の中をすーっと通り抜けていく風にほっとしています。
久しぶりのブログです。旅に出て留守にしない限り毎日書くと決めていましたが、8月は移動が多く、上を飛んだり下に潜ったりと?気圧の変動が実に激しい?10日間でした(ずっと留守だったわけではありませんが)。
一つは20年来の夢だったダイビングのライセンスを取得するために沖縄に行ってきました。20年ほど前にある雑誌のモニターとしてフィリッピンのエルニド諸島というリゾートに家族全員招待されたことがあります。リゾートそのものは、自然破壊と表裏一体なので、今の私はあまり行きたいと思いませんが、当時はまだリゾートに対しての憧れがありました。そこで体験ダイビングを初めて経験したのです。まだダイビングがブームになる前だったので、澄み切った青い空の下、透明な海が広がり、熱帯魚があふれ返るほど泳いでいて一生忘れられない感動の時間となりました。
小学校の頃に住んでいた社宅の目の前には某大学のプールがあり、夏休み中は毎日、家から水着を着たままそこのプールに直行していました。泳ぐのが大好きで、かつて私の仕事をしていたYMCAの幼稚園ではスイミングの時間もあったので、幼児の水泳指導も少しやっていました。そんなことから、水に対しての抵抗は全くなかったので、いつかライセンスを取得して絶対に魚になるんだって、その時、決めていたんです。
その後、離婚し一人で子供を育てながらずっと仕事をしてきたので、それどころではなく生活するのが精一杯。好きなことだけを仕事にする幸運には恵まれましたが、反面、お金には縁が薄く?いつしかその夢も心の片隅に追いやられていきました。
先月、沖縄に行って再び体験ダイビングをやった時、忘れていた夢がムクムクと浮き上がってきました。慶良間の海に行ってライセンスを取りたい・・・もうそうなったら止めることもできず、有り金はたいてエイヤッ~!って感じでライセンス取得の申し込みをしてしまったのです。貯金もないくせに、随分と思いきったことをしてしまったものです。もしかしたら8月の後半はどこかでバイトをしなければ支払いが追いつかなくなるかもしれません。それでもいいんです。自分の楽しみのために、自分の働いたお金を自分のために使える日がようやく来たのですから(子供たちには今までだっていつもそうしてきたじゃない?と言われますが・・・)。人生は楽しむためにあるのだから、お金は遊びが終わった後に、また一生懸命働けは何とかなる・・・ハズ?。
旅に行くことが多いし、好きなことばかりしているので、よくそんなにお金が続くね・・・と言われることが多いのですが、私の生活そのものはとても質素です。それに私の旅はいつも貧乏旅行。格安チケットを購入し、安宿に泊まり、フタ付きタッパーとお箸と水筒を持ち歩き、市場でお惣菜を買いながら、ダイビング以外の出費は極力抑えました。素晴らしいインストラクターの方たちから指導をしていただき無事に講習が終わって晴れてNAUIのライセンスを取得することができたんです!
水中にいる感覚はまったく異次元の世界で、自分の意思だけで自由になることは中々できません。指導を受け理屈ではわかっていることでも、体が着いて行かず、自分のセンスのなさを実感しましたが、それでも浮力をコントロールしながら水の中に潜るのは何と気持ちのいいこと。時間の流れ方が違うんです。魚になった気分です。
とは言うものの、ダイビング自体はお金がかかるので、私にとって贅沢なスポーツであることには変わりありません。でも一度潜るとまたすぐに潜りたくなってしまう。今度いつ行けるかわかりませんが、20年越しの夢を一つ実現させることができて、とっても幸せです。夢って叶えるためにあるんだなあって、改めて思います。あと3つ、私には大きな夢があるのですが、きっとそれもいつか叶えられると信じて、今日からまた仕事に励みます。
海で元気になってきた分、仕事もがんばらなくっちゃね!
この10日間、それ以外にもいろいろなことがあったのですが、とりあえず第一弾のご報告はライセンス取得についてでした。お盆休みなく営業しております。皆さんのお越しを心からお待ちしておりますね!
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August 02, 2007
最近、いろいろな用事が重なってしまって、帰宅時間も遅いし、出かけて留守にすることも多くなってきたので、思い切って今日から12日までの10日間、ブログをお休みさせていただくことにします。この間、店の出入りが多く、私自身も移動が多くなるので、どうにもブログを毎日、書き続けることが難しそうな状況なのです。パソコンがいつも手元にある環境だといいのですが、そうでない場合も多いので申し訳ありませんが、ブログの夏休み?とさせてください。
写真はランチに作ったレンズ豆の揚げボール。今、発売中の「ぐるっと千葉」8月号の野菜料理のコーナーでも掲載されています。レンズ豆を茹でて、フードプロセッサーでマッシュしたものに、茹でて細かく刻んだモロヘイヤと人参と玉ねぎのみじん切りを炒めたもの、コリアンダーを加えて丸めた。つなぎに片栗粉を加えて、素揚げして出来上がり。塩をふってもいいし、店ではケチャップをかけてお出しした。スナック感覚で軽く食べられる美味しい揚げボールだ。中の緑が濃いのはモロヘイアたっぷりだから。もちろん栄養満点!
それでは10日ほどブログはお休みさせていただきますが、店はお休みなくお盆もずっと営業していますので、どうぞ、お立ち寄りください。後ほどまとめていろいろなことをブログに書かせていただきますね!
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August 01, 2007
久しぶりに南房総に行ってきた。ずっと行きたいと思いつつ、中々足を運べずにいた安房国一ノ宮である安房神社。静かで凛とした佇まいは、参拝する度に心がすーっと通るような気がする。房総にはよく行くけれど、館山までは中々足を伸ばせないので、2年ぶりのお参りになった。
主祭神である天太玉命(アメノフトダマノミコト)は神代の昔、天照大御神のお側近くにお仕えになられた神様で、日本における全ての産業の総祖神として崇敬されている。白く輝く正面の鳥居は何か神々しいものを感じ、境内はいつも清々しい気に満ちている。生かされている命に感謝の意味をこめて、「ありがとうございました」と手を合わせ、自分の命のお役目を全うさせてくださいと頭を下げた。
ご参拝の後は、国道沿いにあるお気に入りの魚料理の店「かなや」へ。ここへ来るといつも煮もの、揚げ物、刺身、さんが、ナメロウ、サラダ、汁類・・・とそれぞれ違う種類の魚料理をあれこれ注文するのが楽しみ。お腹が空きすぎて、料理がくるなり食べてしまったので、写真を撮ったのは随分、後になってから。海の上に作られたテラス席で海を見ながら、波の音を聞きながら、新鮮な魚料理を食べられるのが最高!特に今日は真鯛のあら煮が美味しかった。
昨年、同じ敷地内に入浴施設も完成した。満腹の体で湯船に浸かってから帰ってきたので、どーっと体がゆるんでしまったのか、もう眠くて眠くて・・・。やっぱり海っていいなあ。海風に吹かれているだけですごく幸せな気分になれる。
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