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December 31, 2007

この一年をふりかえって

Dsc01964_2今年は何もしないつもりでいたのだが、さすがに年末ともなると店の仕事はいろいろやることが多く、先ほどようやくそれらが一段落。今日もチョコレートブラウニーや柚子と豆腐のマクロ仕様のチーズケーキ(写真)を焼いて、3が日のケーキのストックに備えた。
今年は本当に楽しい一年だった。少しずつ自分のお休みも取れるようになって、温泉に行ったり自然の中を歩きまわったりする時間もできた。東南アジアに買い付けに行かなくなった分、国内のあちこちを見ながら日本の四季を楽しんだ。
シングルマザーで無一文の私が公庫から開店資金を借りて、レストランを始めてから早5年。開店当初は自分のお給料は全く出なかった。あまりに大変でやめることばかり考えていたけれど、少しずつお客様が来て下さるようになって、今は細々とだけれど何とか店が回っていくようになった。
手間はかかるし材料費は高いし、全て手作りでは大量には作れないので、決して儲かる仕事ではない。それでも今はほんの少しだけお店から自分の生活の糧を得られるようになり、いいスタッフに恵まれ、お客様に喜んでいただける仕事ができる毎日。本当に幸せだなあと思う。
企業だったら、利益を追求するために投資を続けていくのだろうけれど、私はこれ以上規模を大きくしたり、仕事を拡大したいという野望はまるでない。むしろ現状維持さえできるのだったら、今まで走り続けてきた分、歩きながら仕事ができるような状況に身を置きたいなあと思う。
料理の仕事は奥が深く創造的で本当に素晴らしい世界だ。同時に包丁を握る者は絶えず自分の精神性を高めていかなければならないと思う。これからも感謝と感動の気持ちを忘れず細く長く料理の仕事をやらせていただきたい、そして同時に自分の生活も大切にしていきたい・・・そんなことを強く感じた一年でもあった。
また来年、どんな年が始るのかとても楽しみだ。どうぞ皆様もよいお年をお迎えください。一年間どうもありがとうございました。

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December 29, 2007

しめ飾り作り

Dsc01961朝、定食の支度を終わらせてから、少し時間があったのでお正月用のしめ飾りを作ることにした。と言っても特別な材料を揃えるわけではない。河口湖に行った時に取ってきた松の枝をリースのように丸めて、にわとりひろばの湯浅さんからいただいた黒米の穂を巻きつけ、唐辛子や南天の実や蓮の花を適当にあしらっただけ。およそ一般的なお飾りとはほど遠いものだけれど、自然素材そのものばかりで作られていて、それが何となく風楽っぽい?のだ。
本来はウラジロ(共に白髪の生えるまでと互いの長寿を願う)、ユズリハ(家計を次の世代に継ぐ)、ダイダイ(家が代々栄える)など、飾りにも縁起ものが使われているようだけれど、手元にあったものでできたらそれが一番だと勝手に解釈している。しめ飾りを作っている時、昔のスタッフで友達のスミエちゃんが寄せ植えを持って遊びに来てくれた。懐かしい顔に出会えると嬉しい。すぐに帰るといいながらのんびりとカレーを食べていってくれた。どうしていつもゆったりいられるのだろうかと彼女のスローペースは羨ましい限り(彼女に言わせればどうして私はいつもバタバタしているのだろう?と不思議そう?)。
一夜飾りは縁起がよくないから、明日にはお飾りをつけようかとも思うのだけれど、なかなかお正月気分になることができない。大掃除もしていないのだから当然なのかもしれないが。でも毎年、税務署からの申告書は確実のこの時期に送られてくる(たまには忘れられてもいいのだが)。封筒を眺めながら、そろそろ一年分の経費を項目別にパソコンに入力しなければと思う。私にとってももっとも苦手な会計と関わらなければならないユーツな時期がやってくる。
今日はあいにくのお天気だったけれど、気温はいつもよりも温かく、年末というのに途切れることなくお客様が来て下さり、定食もすっかりなくなってしまった。絶対に今日はヒマだろうという予測がはずれて、ちょっと嬉しい。

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December 28, 2007

むかごと安納芋の和え物

Dsc01959店を開店した当初は週一回の定休日を作っていたけれど、翌年からは年中無休で営業するようになった。お盆休みを3日ほどとった年もあったけれど、今年はそれも返上でずっと店を開けてきた。そのせいか、昨日一日、臨時定休をしただけなのに、今朝は随分と久しぶりに厨房に立ったような気がして不思議だった。
昨日のアルカンシェールでのお食事にさつま芋と三つ葉とむかごの和え物があったので、それを参考に今日はサラダ感覚の和え物を作ってみた。安納芋を蒸してマッシュした中に、リンゴと茹でたむかごを入れた。さつま芋にはレモンが似合うので、いつもならレモン風味にするのだが、今の時期、柚子がいっぱいあるので、今日は柚子の皮のすりおろしと絞り汁を加えて味を整えた。安納芋の甘さとキレイな黄色が引き立つ美味しい和え物になった。
お客様からも「このお芋は金時芋?」とご質問があったくらい鮮やかな黄色だった。
夕方、前のスタッフだったレイコちゃんがフラリと遊びに来てくれた。厨房で賄いを出しながらワイワイと近況報告。2ヶ月ぶりくらいになるのだろうか。いつ会っても話が弾んで楽しい。そして偶然、話していることなのに、お互いの生活にとって何かしらのシンクロニテイがあって面白い。今日もそう感じたことがいくつかあった。必要な時に何気なく話す言葉が、鏡のように自分への振り返りになる。そんな関係なのだろう。そういう仲間たちと仕事ができたここ数年。今年もあとわずかだが改めて幸せだったなあと思う。

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December 27, 2007

マクロビオティック懐石

Dsc01952ずっと定休日なしでやってきたのだが、今日は研修のため臨時休業をさせていただいた。スタッフと一緒に河口湖にあるマクロビオティックの宿「アルカンシェール」に行ってきたのだ。暮れも押し迫った一日。ヒデコちゃんの運転する車に乗って日帰りで河口湖へ向かった。数日前に雪がたくさん降ったようで、河口湖の周辺の路肩には雪かきをした後の雪が積もっていた。
予約で作っていただくアルカンシェールの懐石のお食事は本当に美しく美味しいので私も大好きだ。ここのお食事をいただくだけで、かなり新メニューのヒントを得られるし、素材の使い方の勉強にもなる。それに何より心と体が大満足するお料理なので、みんなで食べに行くことにしたのだった。
実は昨年もスタッフとOB一同で行ってきた。でも昼過ぎまで店を開けてランチタイムが一段落した頃に出発したので、距離が距離だけに帰ってきたのは12時過ぎ。かなりの強行軍になってしまった。今回はヒデコちゃんの提案で一日思い切って店を閉めて朝から出かけたら、負担も少ないしのんびりできるんじゃない?と自らドライバーをかって出てくれたので、私も迷いつつ臨時休業をすることに決めた。
Dsc01954擬製豆腐、レンコンのゆべし焼き、カブの津軽和え、大徳寺のからし酢味噌、モチキビ湯葉揚げ、白滝、柿、椎茸、春菊の白和え・・・など一つ一つ丁寧に作られたお料理が運ばれてくる。どれも手間がかかっており、一つ一つが美しく盛り付けられ、テーブルの上に並べられるたびに次は何かなと楽しみになった。肉も魚も使わないで昆布出汁だけでコレだけの味を出せるなんて本当にスゴイなあとひたすら感動。
お昼をいただき、そのまますぐに帰路につくというトンボ帰りだったけれど、みんなとワイワイ言いながら、忘年会と研修を兼ねた楽しいひとときを過ごしてくることができた。いろいろマクロのお店にも行ってみたけれど、いまだにアルカンシェールを越えるお店には出会ったことがない。5250円というお値段はちょっと高いかもしれないけれど、それだけのことはあるお料理だ。いただいたお料理を参考にしながら私も勉強を続けたい。

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December 26, 2007

ベーコンエピとチーズフランス

Dsc01951今日のパン教室で作ったパンの写真。今回は初めてフランスパンに挑戦。毎回、白神こだま酵母で作っているが、この酵母がフランスパンの生地ととてもよく似合うようで、外側はパリパリ、内側はもっちりのとても美味しいフランスパンが焼き上がった。使う粉は強力粉ではなく中力粉。中力粉を買わずに作る場合は、強力粉と薄力粉を6対4でブレンドすればいいそうだ。
ベーコンエピってどういう意味なんだろうとずっと思っていたのだが、これは麦の意味なのだそうだ。なるほど、よく見ると麦の穂の形にそっくり。成形したパンを焼く時の方法もまた面白い。天板を300度に熱く熱しておいて、一段分は石を天板に並べてカラ焼きしておく。そしてパンを入れた後、そこに挿し水をするのだ。そうすると熱々の石がジュッとなって、蒸気がたつ。その方法で焼くと霧吹きをかけて焼くのと同じ焼き上がりになるのだそうだ。
Dsc01949ちょっと危険?な焼き方のようだけれど、その効果は絶大で?本当に最高に美味しいパンが焼け。思わずたくさん食べてしまって大変だった。クリスマスから今日にかけて、何だか食べ過ぎている。かなりお腹が苦しいハズなのに、それでもまだ食べてしまうなんて、胃袋が広がってしまったのかもしれない。ああ大変~。
なお1月のパン教室はお休みさせていただきます。2月は20日を予定しています。

*明日はスタッフ研修のため、風楽を臨時でお休みさせていただきます。それ以外は年末年始も通常通り営業しておりますので、どうぞお出かけください。

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December 24, 2007

甘酒まんじゅう

Dsc01947久しぶりに夜の千葉駅の周辺を歩いていたら、街はキレイなイルミネーションに包まれていたので驚いた。あちらこちらでクリスマスモードたっぷりなんだなあと今頃になって実感してしまった。今日はクリスマスイブ。夜は静かに大切な人たちと食卓を囲む一日になることだろう。
毎年、クリスマスになると思い出す一冊の本がある。「サンタクロースっているんでしょうか?」(偕成社)。「サンタクロースって本当にいるの?」という8歳の女の子の質問に対し、ニューヨークにある新聞社「THE SUN」の論説委員が社説にまとめたものが本になっている。もう100年くらい前になるが実際にあったお話だ。
サンタクロースがいるかいないか、信じるか信じないか、それは個人自由だ。だけどこの世の中で思いやりや誰かに喜んでもらいたい、誰かのことを大切にしたいという気持ちというのは、決して目には見えないもの。それを信じるのならば、きっと目に見えないものもあると信じることができるだろう。
家族から愛され、プレゼントを贈ってもらう喜びを体験して育った子供たちは、きっと大人になった時、今度は誰かにプレゼントを贈る人になりたいと思うはず。与えてもらう側から与えられる側になった時、人生はより喜びに満ちたものになっていくのだと思う。私がサンタさんになる喜びを教えてくれたのは他でもない子供たちだ。でも子供の頃に贈り続けてきたプレゼントよりももっともっと大きなものをこちらがいただいてしまったような気がする。
「目には見えなくても、この世に愛や真心あるのと同じようにサンタクロースも確かにいるのですよ」。いつでもそう言う事のできる自分自身でいたい。
今日のデザートはクリスマスっぽくはないけれど、安納芋をマッシュしてあんこを入れた甘酒まんじゅう。砂糖を一切使っていないのにほのかで素朴な甘さが美味しい。

「サンタクロースがいない、ですって?とんでもない!嬉しいことに、サンタクロースはちゃんといます。それどころか、いつまでも死なないでしょう。一千年のちまでも、百万年のちまでも、サンタクロースは子供達の心を、今と変わらず喜ばせてくれることでしょう」
メリークリスマス!


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December 23, 2007

重曹ブレッド

Dsc01944ふと思いついてパンを焼くことにした。すぐに焼けるパンで簡単に作れるものがこの重曹ブレッドだ。ソーダブレッドと言ってベーキングパウダーで作るものもあるが、今日は重曹を使うことにした。
この特徴は生地をこねてから発酵をさせる時間がいらないということ。そして強力粉ではなく薄力粉を使うということ。だから材料をこねてしまえば、あとはオーブンの中に入れ、20~30分の焼き時間だけが必要という超簡単にできるパンだ。食べたくなってから仕込んでも食事には間に合うというお手軽なパン。ただし発酵していない分だけ固くなるのは早いし、きちんとこねて発酵させたパンに比べると風味も落ちるしややもったりとしている。
今日は全粒粉を使ったので、焼き上がりの風合いがより素朴になって、昔風のパンみたい。ムラサキ芋のタルトを作っていたので、その時に残ったムラサキ芋をあんこのように中に入れて丸めたものもいくつか作ったのだが、焼いてから中を見て驚いた。ムラサキ芋が深緑色に変色しているのだ。そう言えば、以前に重曹と甘酒で砂糖なしのお饅頭を作った時、中に入れたムラサキ芋のあんこが同じ色に変わっていたのを思い出した。アントシアニンが重曹と化学変化を起こして変色してしまうようだ。別に着色料を使っているわけではないので、食べる分には大丈夫なのだが、どぎつい深緑色?はちょっと食欲をなくしてしまう。全部に入れなくてよかったと思った。
重曹の匂いと塩っ気のようなものが妙に懐かしい感じがする素朴なパン。たまに焼いて食べたくなる。

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December 22, 2007

アメリカを見ながら入る?野天風呂

Dsc01937木金曜日と二日間のお休みを利用して伊豆に行ってきた。以前からその前を通っていたけれど、なかなか入る機会がなくて、ずっと行きたいと思っていた北川温泉にある黒根岩風呂。キャッチフレーズは「アメリカを見ながら入る野天風呂」。その名の通り、野天風呂の目の前には太平洋が広がり、波打ち際に露天風呂があるので、海との一体感が味わえるダイナミックな温泉だ。
午前中の営業時間が6時半から9時半なので、せっかくなら朝陽を眺めながら入りたい。日の出に合わせて、夜中の3時半頃、家を出て、ひたすら車で伊豆を目指した。何度も近くを車で通っているので場所はわかっていたから夜中でも迷うことはない。
ちょうど6時ちょっと過ぎに到着したので、着替えの準備をしてお風呂に向かう。混浴なのだが、目の前に広がる海の雄大さを見ていると、恥ずかしいなんて言っているのがもったいないほど、本当に素晴らしいロケーションだった。最近、温泉めぐりにすっかりハマってしまい、少しでも時間があれば、毎月、どこかへ行きたいなあと思うようになった。でも近場の群馬や栃木の山間部のいい温泉はもう雪が散らついているので、今回は久しぶりに伊豆に行くことになったけれど、それが正解だったようだ。気候も温暖なので、露天風呂に入っていても寒くない。それに最高にいいお天気だったので、波の音を聞きながら太陽の光をたっぷりと浴びてくることができた。日の出の時間には水平線の近くに雲があったので、お日様が丸々と見えたというわけではなかったけれど、ゆっくりと昇ってくる太陽を眺めながらお湯に浸かっているなんて、最高に贅沢な時間だった。たっぷりと温泉に入れたので、心も体も再びリフレッシュ。定期的にこういう時間が取れたら、ますます元気になれそう?な気がする。
ここは本当にオススメの温泉です。年末年始にかけて温泉行きを計画されている方、候補の一つにしてみては?

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December 19, 2007

安納芋とリンゴのタルト

Dsc01936種子島生まれのヒデコちゃんは、実家から何か送られてくると、いつも風楽にお裾分けを持ってきてくれる。お盆明け早々に、収穫したての新米とか、パッションフルーツとか、米粉とか紫芋とか、種子島ならではの農産物ばかりだ。
先週、今年、収穫されたばかりの種子島産の安納芋をいただいた。「あんのういも」と読む。南の地域ではよく栽培されているようだが、もとは種子島が原産地。調べてみると安納芋には何種類かあって、さつま芋と似ている一般的な「安納芋」とその改良種である「安納こがね」が主流のようだ。ヒデコちゃんからいただいたものは「安納こがね」という品種で、外側の皮はジャガイモのような色をしていて、中はオレンジ色に近い薄黄色だ。水分が多く、芋はホクホクというよりもペチャっとしている感じだけれど、蒸したものをマッシュすると柔らかくてクリームのようになった。焼き芋にすると密のようなものが出てくるそうだ。しかも糖度が高いのに低カロリー。なかなか関東地方では手に入らないし、価格もさつま芋に比べて高価なものなので、お店で使えるなんてとても贅沢。ヒデコちゃんのお母さんが今も作ってくれているからできるのだ。故郷がある人っていいなあ。それにしてもスタッフのお母さんが作った野菜を店で使わせていただけるなんて素敵なことだと思う。
先日は安納芋とすき昆布を一緒に煮た。今日は蒸してマッシュし、シナモンで煮た紅玉と混ぜてマクロ仕様のタルトを作った。砂糖を入れなくても本当に甘いタルトになった。ヒデコちゃんのお母さんにも食べていただきたいくらいだ。
今日はカレーやトマトと野菜のスープ、マクロのケーキ、そして明日用のデザートなどの仕込がいっぱい!本当に一日で随分たくさんのものを作ったなあと思う。寒い一日だったので、体と手を動かしてないと冷えてしまいそう。仕事がいっぱいあってよかったけれど、料理をしている時、しゃがむ度に「よいしょっ」って言ってるよとヒデコちゃんに指摘され、すごくショックだった。(無意識で言っていたらしい。指摘されるまで気が付かなかったなんて!!)

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December 18, 2007

千葉産直の会

Dsc01920ミレーの取材で千葉市にある「千葉産直の会」に行ってきた。今年最後の取材となる今日は、受注担当のスタッフも同行し、一緒に担当の方からお話をお聞きすることになった。飼育にも飼料にもこだわった鶏肉を使った加工品のハンバーグやナゲット、照り焼きなどのお惣菜をミレーで取り扱うことになった。
原材料をお聞きすると、本醸造の調味料を使用し、無添加で仕込んでいるものばかり。みりんも三河みりんを使うなどかなりのコダワリ。私も分野こそ違えど、本醸造の調味料を使い、素材を吟味してお食事をお作りしているので、いかに原価が高いか容易に想像することができる。同時にそこまでのものを揃えても大量生産をしない限り、利益というのは驚くほど少ないということもよくわかるので、作っている方たちは本当に大変だろうなあと思った。厳選された材料で作られた加工品を、単に価格だけで判断するのではなく、その価値をわかっていただけるようにお伝えしていくことが、メルマガライターとして私がやらなければならない仕事だろう。
自然食レストランという仕事柄、加工食品を作っている方たちとは、同じような思いを共有している部分が多い。その思いを尊重しながら、少しでも多くの方に作り手の思いを理解していただくことができたなら、もっともっとこの業界の仕事はやりやすくなるだろう。
今日は相手方のご都合もあって1時という日中の真ん中の時間帯の取材だったので、朝、定食の準備をしてから出かけた。その後はアリミちゃんとチエコさんに任せ、アリミちゃんが昼過ぎに帰ってからはチエコさん一人。申し訳ない気持ちで一杯だったけれど、最近、ヒデコちゃんも私も昼過ぎには一人になるということが増えてきたので、いつのまにか慣れてきて?しまった。午後の時間帯はお客様が少ないので、一人でもできないことはないのだが、万が一?大勢の方がいらしたらどうしようと内心はヒヤヒヤ。でもそんな経験をしながら、逞しくなっていくのかも?

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December 17, 2007

蔓カゴ編み

Dsc01904夕方、ヒデコちゃんと出かける用事があったので、一緒に出かけた。その途中、ヒデコちゃんの家の近くの雑木林に寄ってアケビの蔓を取ってきた。先日、編んだ蔓カゴがまだ途中だったので、もう少し蔓を取りに行きたいなあと私が何気なく話していたのをヒデコちゃんが覚えていてくれて、蔓のありそうな場所に案内してくれたのだ。
毎年、冬になるとあちこちで蔓を探してきては蔓カゴを編んでいる。お花の鉢はもちろんのこと、卵のカゴにしたり、人参やジャガイモのカゴにしたりと家の台所でも重宝している。ナチュラルな雰囲気がとても気に入っているので、何個も作っては使い続けている。何年かすると汚れてしまうのだが、そのまま土に返せるという利点もある。
それで、帰ってきてから車に積み込んだ蔓の収穫物をお店の中に運び入れ、さっそく編み始めた。編み始めるといつも夢中になるので、なかなか終わらせることができない。思ったよりもたくさん蔓が取れたので9時頃まで編んで、今日だけで4個つのカゴを作ることができた。
本当は蔓を編んでランプシェードにしたスタンドを作りたいと思っているのだが、今日のところは、とりあえず途中で終わってしまった大きな蔓カゴをまず完成させることと、カゴ類をいくつか作りたいと思っていたので、何も考えずに手を動かし続けた。
BGMはこの時期になると毎年、かける大好きな沢知恵の「いいうたいろいろ4」のクリスマスソング集。街中のジングルベルは苦手だけれど、世界中の賛美歌とクリスマスソングを集めたこのCDはとっても気に入っている。本当に情感たっぷりに歌う実力のあるシンガーだなあと聴くたびに感動してしまう。彼女のCDを聴くとクリスマスが近づいてきたのを実感し、小さい頃、毎年連れられて行ったカトリック教会でのクリスマスを思い出す。そして誰かに何かプレゼントしたい気持ちになってくる。子供たちの喜ぶ顔を見たくて、子供たちに内緒で毎年のようにプレゼント選びをアレコレ考え続けた12月が懐かしい。クリスマスって喜びを分かち合う日なんだなあと思う。

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December 16, 2007

柚子寒天

Dsc01903たくさんいただいた柚子をようやく全部、絞って皮をむいてせん切りにするという仕事をやり終えた。でも柚子の果汁はほんの少ししか取れないので、たとえば50個、搾っても1ℓあるかどうか・・・。本当に柚子果汁は貴重品なのだなあと思う。
その柚子果汁100%で作った柚子寒天。柚子の搾り汁に柚子の皮のすりおろしを入れて、寒天にした。柚子の酸味が強いので、砂糖をかなり使うことになったけれど、さっぱりとしていてさわやかな寒天だった。
毎年、この時期にはマラソン大会が行われている。今年も今日、成田市で10キロのロードレースが開催された。宗吾霊堂の横で受付が行われるので、朝から周辺の駐車場は大混雑。応援の人や参加する人たちで賑わっていた。
歩くのは好きだから自然の中であれば何キロでも歩けるけれど、走るのは苦手だ。この前、本数の少ないバスに乗るのに、大慌てでほんの数メートル走っただけなのに、息切れが激しくて?しばらくの間、ハアハアいってしまった。いつのまにか走れない体?になってしまったようだ。だから同年齢でマラソン大会に参加するような元気な人たちを見ていると、感心すると同時に尊敬してしまう。それに目の前を走り抜けていく姿は思っていた以上に早いのでビックリ。
大会に参加されたほんの一部の方たちがお店に来て下さったけれど、忙しかったのは開店早々だけ。昼過ぎには日曜日とは思えないくらい驚くほど静かでヒマになってしまった。デパートはお歳暮商戦で混雑しているのだろうか。そんな喧騒とは全く無縁の生活をしている。

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柚子寒天

Dsc01903たくさんいただいた柚子をようやく全部、絞って皮をむいてせん切りにするという仕事をやり終えた。でも柚子の果汁はほんの少ししか取れないので、たとえば50個、搾っても1ℓあるかどうか・・・。本当に柚子果汁は貴重品なのだなあと思う。
その柚子果汁100%で作った柚子寒天。柚子の搾り汁に柚子の皮のすりおろしを入れて、寒天にした。柚子の酸味が強いので、砂糖をかなり使うことになったけれど、さっぱりとしていてさわやかな寒天だった。
毎年、この時期にはマラソン大会が行われている。今年も今日、成田市で10キロのロードレースが開催された。宗吾霊堂の横で受付が行われるので、朝から周辺の駐車場は大混雑。応援の人や参加する人たちで賑わっていた。
歩くのは好きだから自然の中であれば何キロでも歩けるけれど、走るのは苦手だ。この前、本数の少ないバスに乗るのに、大慌てでほんの数メートル走っただけなのに、息切れが激しくて?しばらくの間、ハアハアいってしまった。いつのまにか走れない体?になってしまったようだ。だから同年齢でマラソン大会に参加するような元気な人たちを見ていると、感心すると同時に尊敬してしまう。それに目の前を走り抜けていく姿は思っていた以上に早いのでビックリ。
大会に参加されたほんの一部の方たちがお店に来て下さったけれど、忙しかったのは開店早々だけ。昼過ぎには日曜日とは思えないくらい驚くほど静かでヒマになってしまった。デパートはお歳暮商戦で混雑しているのだろうか。そんな喧騒とは全く無縁の生活をしている。

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December 15, 2007

桜島大根の柚子味噌煮

Dsc01901_2鹿児島に行った友達がお土産に桜島大根を買ってきてくれた。大きいということはわかっていたけれど、実際に受け取ってみてビックリ。重くて太くてごろりんとしていて、何とも丸々と太った大根だった。これを飛行機で持って帰ってきたなんて、すごいなあとひたすら感心してしまった。
さっそく今日は皮をむいて桜島大根を煮ることにした。柚子の仕事が残っていたので、今日は柚子味噌風味にして粒ソバも加えて煮込んだ。触感はホクホクしたジャガイモのよう。でもしっかり味は大根だ。香りさえなければ、ジャガイモかなと思ってしまいそうだけど、独特の甘さが美味しい。ちょっと普通の大根とは違う感じだ。
東京で生まれてから父の転勤で九州に行って5年ほど住んでいた。祖母が鹿児島出身だったので、桜島の噴火のことはよく食卓の話題にあがっていた。でも桜島大根を食べたかどうかの記憶は残念ながらない。三浦大根や聖護院大根は千葉でも見つけられるけれど、桜島大根はさすがに千葉で売っているのを見たことがない。重いと言われている三浦大根よりもずっと重くて太いのだから、さすが九州の広大な自然の中で育っただけのことはある。
久しぶりにサッチーが遊びに来てくれた。相変わらず元気で賑やか。話も途切れることがない。「風楽のご飯でたっぷり栄養補給できたわ~」と喜んでくれた。特別な名誉も賞金も?何もないけれど、サッチーは風楽の殿堂入りをしているのだから?いつでもご飯はたくさん食べに来てね!と言ってある。昔の仲間は風楽を去っても、ずっと仲間であることに変わりない。来てくれるだけで嬉しい存在だ。サッチーにも桜島大根をたくさん食べてもらった。

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December 13, 2007

柚子仕事

Dsc01897毎年、暮れになるとやっている季節の仕事がある。今、もっとも旬なもの・・・そう今年もまた柚子仕事の時期がやってきた。これまでも少しずつ柚子の皮をむいて汁を手で搾り、柚子がいつでも使えるようにしてきた。今日はその中でも一番、大量に柚子と格闘?した一日だった。
先日、お客様からたくさんの柚子をいただいた。大喜びしていたら、今日もまた追加分を持ってきてくださった。一度、そのお客様のお宅におじゃましたことがあるのだが、ガーデニングが本当に素敵だった。広い芝生のお庭で、お家までのアプローチにはハーブやたくさんの花々がキレイに植えられており、まるでどこかのプチホテルのようだった。近くには畑もあってダンナ様がお家で食べる分の野菜をほとんど作っていらっしゃる。家の回りには柚子の木や果樹が何本も植えられていて、毎年、この時期になると柚子の汁を絞ってお友達に配るそうだ。農家ではないけれど、私がやりたい農的な生活?のほとんどを実践されているご家族で何とも羨ましい限り。
もちろん農薬を使っていない自然のままに育った逞しい柚子だ。そんな貴重な柚子なので皮ごと全部、無駄にしないように使わせていただこうと思っている。それでさっそく今日は柚子の皮をむいて柚子ピール作りにとりかかった。50個以上ある柚子の皮を全部、むいてせん切りにして砂糖と一緒に煮て冷凍しておく。柚子クッキーや柚子パウンドケーキに大活躍してくれる。もちろん汁は手で搾って保存し、料理に活用する。それ以外にも皮を極細のせん切りにして保存しておくと、いつでも使えて便利だ。
今日はヒデコちゃんと二人だったのに、お店が忙しかったので柚子の皮をむきながら定食の支度を続けることになった。合間合間に作業をしているので、いつも厨房のどこかしらに皮むき途中の柚子が転がっていた。一日中、いい匂いに包まれて気分もよく、ヒデコちゃんは柚子の種と薄皮をお風呂にいれるんだと言って持って帰った。包丁の握りすぎでちょっと手が疲れてしまったけれど、あと同じ分くらいの柚子仕事が残っている。明日もやれるかな。

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December 12, 2007

千葉ウォーカーの取材

Dsc018941月に発売される「千葉ウォーカー」ではスィーツを特集するそうだ。それもイチゴのスィーツとホットウィーツを合わせて紹介するらしい。それで取材を願いしたいという連絡をいただいた。もう何度も掲載していただいているのだが、スィーツの特集で紹介されるのは初めて。それもマフィンをお願いしたいということだった。
よそのカフェやケーキ屋さんで作っているイチゴのスィーツはさぞ、可愛らしくてカラフルなことだろう。そんな中で風楽のスィーツはとても地味で、撮影していただいてもパッとしないかもしれない。でも素材を厳選して手作りしているマクロ仕様のマフィンだったら、食べたいと思ってくださる方も多いかもしれない。砂糖も卵も乳製品も使っていないので、およそ一般的なスィーツとはかけ離れているけれど、美味しくて安心して食べていただけるものだから、ここは地味でも自信を持ってご紹介してみようと思った。国産小麦と無農薬野菜で手作りしているマクロ仕様のお菓子をたくさんの方に知っていただけたら嬉しい。
マフィンは2種類のものを用意して、その原材料も撮影したいということだったので、何にしようか迷ったのだが、結局、人参マフィンと柚子マフィンを作ることにした。でも人参と柚子のマフィンは色がほとんど同じだから、違いがわかりにくい。写真でもその違いがわかるように柚子の方にはキャロブを入れたらどうかなと、急きょ作ってみたのだが、やはり柚子は柚子だけの方がいいみたい。
さらに生クリームの代わりに使う豆腐クリームも作って、お皿の横に添えることにした。店でも食べられるものにしてほしいということだったので、お正月から春までの3ヶ月間、冬場限定のスィーツとしてケーキセットのようにドリンクと合わせて召し上がっていただけるようにしようと思っている。

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December 11, 2007

くるみ豆腐

Dsc01893今日のデザートはくるみ豆腐を作った。昨日と同じく野崎洋光さんのお菓子の本を参考にしたデザートだ。本葛粉で練りながら作るくるみ豆腐ではなく、くるみをゼライスで固めた和菓子。
まずくるみをオーブンで軽く炒って、フードプロセッサーで細かく砕く。かなり長い間、砕いてペーストに近い状態にしていく。そこに豆乳と砂糖を加えてよく混ぜてから火にかける。ゼラチンを入れて火を通し、型に流し入れ冷やして固めたもの。そのままでも美味しいのだが、キウイフルーツをミキサーにかけたものをソースにして添えてみたら、キウイの酸味ばかりが目立ってしまったので、あんこを上に乗せてお出しすることにした。くるみのコクがあってほんのり甘くて美味しいデザートだった。黒蜜やきな粉も似合いそう。
今日はチエコさんと二人だったのだが、雨の中、お客様が途切れることなく来て下さり、あいにくのお天気だというのにわりと忙しかった。合間をみて黒ゴマきな粉を入れたマフィンを焼いたのだが、ちょっと失敗してしまった。その後、コーンミールで作るコーンミールブレッドを焼いたら、こちらの方は大成功。定番にできそうだ。それにしても二人だけの時に、定食の支度をしながら、お菓子を作り続けていると、落ち着かないので思わぬ失敗をしてしまうこともある。気をつけなければ。
お客様から柚子をたくさんいただいた。何個あっても嬉しい、この季節ならではいい香り。お料理にもお菓子にもたっぷり使って楽しみたい。

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December 10, 2007

水無月のお菓子

Dsc01891日本料理店「分けとくやま」の野崎洋光さんの「甘味ごよみ」という和菓子の本が面白い。テレビを見ない私でも野崎さんの名前はよく知っている。マクロや自然食とは異なる分野の方かもしれないけれど、日本の美しい伝統的な食材を使って、季節感を大切にしながら、丁寧に和食を作り続けている姿勢は素晴らしいなあと思う。この本は和菓子の本だが、実際に手に取ってみると季節ごとに作りたくなるものがいっぱいだった。料理の本を眺めているのが好きな私にとって、最近のお気に入りの一冊だ。
今日は昼に団体でご予約が入っていて、定食と合わせてピザやケーキのご希望もあった。第一次発酵に一時間かかるので、早めに厨房に出て、白神こだま酵母をおこしピザ生地を仕込んだ。その後、定食の用意をしながら、デザートはこの本から何か作ろうとパラパラとめくっていたら「水無月」(みなづき)という和菓子があった。本来は6月の季節のお菓子だが、蒸して作るものだったし、山芋や豆を加えるので、今の時期でもいいかなあと思って、作ってみたくなったのだ。
水無月のレシピを他で調べてみると、白玉粉や上新粉を使うものが中心で、わざわざ山芋を蒸してから裏ごしして、鍋で練るという方法のものは見あたらなかった。野崎さんのレシピではそこにさらに片栗粉と砂糖と水と小豆を加えていく。今日は小豆の代わりにうずら豆を使った。実際に作ってみると蒸した山芋の皮をむいて裏ごししてから、鍋で練るのはとても手間がかかってしまい、ピザもあるし、定食の準備もあるしで、とても大仕事になってしまった。
でも出来上がった水無月はいたって地味なお菓子。すりおろした山芋と粉を蒸して作るかるかんともまた違った風合いで、かなり濃厚なものだった。手間のわりには素朴な感じになってしまって、ちょっとガッカリだったけれど、山芋のこういう使い方って初めてだったので、面白く作ることができた。和菓子の世界で遊ぶのも面白そうだ。

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December 09, 2007

熊野三山と熊野古道

Dsc01880
かなりハードなスケジュールだったけれど、この土日で和歌山県の那智勝浦に行ってきた。世界遺産にも登録された霊験あらたかな聖地だ。かねてから一度は訪れたいと思っていた場所だったがなかなか機会がなかった。たまたま温泉巡りをしているグループの人たちが、今回、川湯温泉の巨大な露天風呂である仙人風呂と熊野古道のウォーキングに行くというので、いてもたってもいられなくなって同行させていただくことにした。
今から千年ほど前、宇多法皇の御代により、上皇たちは競って熊野御幸(くまのごこう)を行うようになったことが、庶民の間にも広まり、江戸時代には「蟻の熊野詣」と言われるほど多くの人が参詣した熊野信仰発祥の地である。その道は京都から始まり、大阪の天満橋より那智へと続く熊野古道と呼ばれ、人々は聖地である熊野三山を目指して歩き続けたと言う。
Dsc01887少しでも費用を抑えたかったので、同行メンバーの車に乗せていただき、土曜日の早朝5時半に都内を出発。浜松で降りて、伊良湖から鳥羽までフェリーに乗り、その後も高速を使って10時間後にようやく川湯温泉に到着。仙人風呂は確かに大きかったけれど、道路に面しているし人も大勢いるので、秘湯という感じではなかった。でも湯船の下にある石の間から熱々のお湯が常時沸き出ていてとてもよく温まった。
次の日は全国の熊野神社の総本山である熊野本宮大社をはじめ、熊野那智大社、那智の大滝を回り、熊野古道のほんの一部を歩くことができた。鬱蒼と茂った木立の中はとても荘厳な雰囲気で昼間でもひんやりとした空気が漂っていた。ただ大勢のメンバーと一緒だったので、自分一人になることはできず、ゆっくりとご参拝する時間は取れなかった。それに現実問題として気になるのは帰りの時間。東京まで10時間はかかるので、昼過ぎには出発しないと戻ってこられなくなる。当たり前のことながらのんびりはできなかった。
毎年、年末にはその年を無事に過ごせたことの感謝の気持ちをこめて、どこかの神社へご参拝しているのだが、今年は少し早いけれど、熊野にご縁があったようだ。それで引き寄せられるように出かけていったのだが、思っていた以上に移動時間が長く、かなりの強行軍になってしまった。結局、都内にあまり遅くに戻っても成田まで帰ってこられなくなるので、途中、名古屋で降ろしていただいて、新幹線に乗った。それでも帰ってきたのは12時過ぎ。
滞在時間よりも移動時間の方がはるかに長いハードな旅になってしまったけれど、ほんのさわりだけでも熊野の空気に触れてくることができてよかった。今度は時間をたっぷり取ってゆっくり古道を歩きたいと思っている。

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December 07, 2007

黒こげクッキー

Dsc01877うわあ~やってしまった!久々の大焦がし!煮物をしている時、つい他のことに気をとられて鍋を焦がすことは厨房の中でもよくある話。もちろん私だけではない。スタッフもしかり。「あ~あ、またやっちゃった~!」と笑って諦めるのだけれど、今回ばかりはなかなか諦めがつかず、かなり残念な思いをした。見た瞬間、笑うこともできなかった。
国産レモンをいただいたので、その皮をむいてレモンピールを作り、レモンの絞り汁と一緒に生地の中に入れて焼いた特製のレモンクッキーだったのだ。焼き上がりをとても楽しみにいていたのだが後の祭り。
今日はオーブンが大活躍。今年初めてのムラサキ芋のタルトを作り、マクロ仕様の豆腐のチーズケーキを作り、レモンクッキーを焼いた。チーズケーキを焼いている間にクッキーの生地が仕上がったので、途中から下の2段にクッキーを入れることにした。数分後、チーズケーキが焼きあがったので、オーブンから出して、その後、クッキーが焼けるまでの間、ちょっと郵便局に行ってこようと店を抜け出した。そこまでは順調に焼けていたハズ・・・だった。
帰ってきたら、ヒデコちゃんが「エイコさんミゴトだよ~」と声をかけられたのだが何のことだかわからない。でも何だか厨房の中が焦げ臭い。中を見てみると、真っ黒になったクッキーが並んでいるではないか!
え~っさっきまでちゃんと温度設定していたのに・・・。どうやらチーズケーキを出す時に温度を調整するダイヤルに触れてしまったらしい。オーブンの温度が200度に設定されていたのだ。こりゃあ焦げるのも無理はない。
しばし脱力し呆然とする私。いつものクッキーならすぐ作り直しもできるのだけれど、レモンピールから作るとなるとまたまた大仕事。あ~あ。諦めきれない私は焦げている中でも何とか食べられそうなものを見繕って口に入れていく。黒いクッキーの中からほんのりとレモンの香りがしてくる。焦げていなければさぞ、美味しかっただろうなあ・・・。
いつまでも焦げたクッキーを食べていたので、ヒデコちゃんからも「そんなに焦げたものを食べるとガンになっちゃうよ」なんて言われたので、泣く泣く食べるのを諦め、残りは全部、ゴミ箱に捨ててしまった。それにしてクッキーを焦がすなんて本当に久しぶりのこと。思いをこめて作ったものが失敗するって、こんなにショックだったんだ・・・と久しぶりに痛感した。こういう思いはできればあまり味わいたくないから、これからはもっと注意を払いながら、お菓子作りをしていけるといいのだが。
往生際が悪いと知りつつ、いつまでもゴミ箱の中を見ていた。

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December 06, 2007

無農薬青大豆 入荷!

Dsc01876「そろそろ青大豆を送ります。今年はお天気がよくてたくさん収穫できましたよ・・・」そんなメールが福島のタッコちゃんから届いた。去年よりも多めでいいからすぐに送って~と返事を書いたら、「タッコちゃんの青大豆」が今日の夕方、届いた。
タッコちゃんは私の25年来の友達だ。横浜で子育てをしている時に知り合った。お互いの子供のこと、夫婦のこと、料理のこと、本のこと、そして女性が自立することの難しさや自分らしく生きていくことの大変さ・・・いろんなことをずっと話してきた。今はお互いに離婚して、私は成田に、タッコちゃんは実家のある会津喜多方市に帰ることになった。
農家ではないけれど、田舎のお父さんやお母さんの野菜作りのお手伝いをしている。そして私が酒々井のお店を開いた時から、青大豆ができると、毎年のように送ってもらっている。農薬を使わずに天日干しした本当に美味しい青大豆だ。
他にもいろいろな種類の青大豆を食べてきたけれど、タッコちゃんの青大豆はとにかくふっくらと粒が大きくてとても味が濃い。だから一度、食べてくださったお客様は、毎年のように「今年はまだかしら?」と聞いてくださる。それほどファンの多い青大豆。店でも定食によくお付けしている。
意外と知られていないのが、青大豆の食べ方。青大豆とは枝豆を収穫せずに畑でそのまま乾燥させたものなので、食べ方も枝豆を粒のまま食べると考えればいい。先日、ご紹介した丹波の黒豆と同様、暑い時期に収穫せず、そのまま畑に放置して乾燥させ、年末になってから取り入れサヤからはずしたものだ。
一晩、水に浸水させると3倍にふくらむので、その水ごと茹でる。途中アクが出るのでアクをすくいながら20~30分ほど茹でて最後に塩を入れてできあがり。
そのままつまむのが一番、美味しいけれど、サラダに入れたり、醤油に浸したり、カレーやかき揚げに加えたりと使い方はいろいろ。多目に茹でて冷凍しておけば、使いたい時、さっと使えて便利。お日様の味がする甘くて美味しい青大豆。一度食べたら、きっと気に入っていただけることでしょう。今年は昨年の倍量送ってもらうことになりましたが、数に限りがありますので、ご希望の方、お早めにどうぞ。1キロ入り1500円(+税)。

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December 05, 2007

里芋と豆腐のグラタン

Dsc01874里芋が美味しい季節になってきた。店で使う時は小さめの里芋にしている。大きいものに比べて価格も安いし、丸ごと使えるのでとても便利だからだ。今日、作ったのは里芋と豆腐のグラタン。グラタンと言っても、牛乳やバターやチーズを使わずに作ったマクロ仕様のもの。
里芋は皮をむいて茹でておく。玉ねぎは薄切りにして、なたね油で炒めてから小麦粉を加えて、さらに豆乳を加えてよく混ぜながら煮込んで、ホワイトソースを作る。そこに味噌を入れて味を整える。天板に里芋と豆腐を並べて、上からソースをかけ、さらに多めの水で炊いたもちきびをチーズにみたてて、上からトロリとかけて、オーブンで焼くというとてもシンプルなグラタン。言ってみれば里芋の豆乳味噌煮なのだが、一見すると本当にとろけるチーズが乗っているグラタンみたいだ。
実際に作って食べてみてから、豆腐はそのまま使うよりも、水切りして、一度、ごま油で焼いて焦げ目を付けてから、天板に乗せた方がよかったかもしれないと思った。柔らかい里芋は味噌のソースがよく似合う。
信じられないくらいヒマな一日で、2時過ぎは私一人になってしまったのだが、それでも全く困らなかったという、お店としてはちょっと困ってしまうような?一日だった。ケーキやマフィンをたくさん焼いた。

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December 04, 2007

お茶の葉のアイスクリーム

Dsc01871ちょっと前に有機JAS認証の付いている日本茶をいただいた。日本茶は葉っぱをそのまま使うので、農薬には特に注意が必要だ。安心して飲めるように、できれば農薬を使っていないものを選びたい。食事の後に煎れたらとても美味しくてまろやかなお茶だった。ただ私は日本茶をほとんど飲まないので、なかなか減らない。せっかくのいい日本茶。ダメにしてしまうのはもったいないから何か使える方法はないかと考えた。それで思いついたのは日本茶をミルで挽いて粉にすること。お茶専門のミルではないので、完全な粉茶のようにはならないけれど、ちょうどいい粉末のお茶の葉が出来上がった。それをザルで漉して細やい部分だけを使ってアイスクリームを作ることにした。
抹茶のアイスクリームは作ったことがあるけれど、お茶の葉で仕込むのは初めて。どんなふうになるのかわからなかったけれど、とりあえず生クリームをホイップして砂糖を加え、最後にお茶の葉を入れて混ぜこんでみた。冷凍庫で凍らせながら、何度かかき混ぜた。
粉茶ではないので、生クリームの中に溶けきっていないお茶の葉が口の中に残るけれど、さすが生葉を使っているだけあって、お茶の香りはとても強い。ちょっとほろ苦い感じがお茶の葉らしくて美味しかった。抹茶を使うのとはまた違った風味だ。私はちょっと苦いかなと思ったけれど、ヒデコちゃんもチエコさんも「美味しい~」と言ってくれて、この前の夜のお食事会の時にもお出ししたら、「日本茶をこんなふうにして食べるなんて美味しいですねえ~」と喜んでいただいた。
それもそのはず。日本茶をほぼ一袋、全部、ミルで挽いて使い切ってしまったのだから。これで香りがなかったら、かなりショックというもの。よいお茶の葉が手に入ったら、またミルで挽いていろいろなものに加工していこう。

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December 03, 2007

グルテンミートのもちきびあんかけ

Dsc01868今日は午前中、私がいないので、昨日と今日のメインのお惣菜としてグルテンミートのメンチカツを作っておいた。でも途中でなくなってしまったようで、アリミちゃんが追加分としてグルテンミートのカツのもちきびあんかけを作ってくれた。この前、房総に行った時、農産物直売所で見つけた千葉県産のもちきび。とてもキレイな黄色い粒だったので早く食べたいなあと思っていたところ、さっそくアリミちゃんが炊いてくれた。
グルテンミートのメンチカツは三育フーズのグルテンバーガー(挽肉状タイプ)を使うが、グルテンミートのカツはブロックタイプの方を使っている。またグルテンミートのカツの時はトマトソースやねぎ味噌ソースなどを別に作って上からかけてお出ししている。同じカツでもソースを変えればいろいろなバリエーションが楽しめるからだ。
今日、アリミちゃんが作ってくれたのは人参、ピーマン、玉ねぎの野菜あんの上にさらに柔らかめに炊いたもちきびをかけるというもの。野菜のあんだけだと茶色になってしまうのだが、黄色いもちきびが入ることによって、トロミもつくし、彩りも鮮やかになってとても美味しそう。
たまに他の人が作ってくれるといつもと違うものができて私も楽しみ。こんな雨だからきっとヒマだろうなあと思いつつ店に戻ってきたら、いつもよりもかなり忙しくて、すぐにエプロンを付けて洗い物。のんびりなんてしている暇もなかった。昼前に大降りになったのにもかかわらず来て下さったお客様どうもありがとうございました。

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December 02, 2007

柚子のマフィン

Dsc01867最近、柚子を使うことが多い。どこかで見つけるとすぐに買ってくる。それでもあっという間になくなってしまう。いくつあっても足りなくくらいこの時期、柚子は料理に大活躍。今日のふろふき大根にも柚子味噌を作って上に乗せた。マクロ仕様のマフィンの中にも柚子の皮のせん切りにしたものを入れて焼いてみた。ちょっと皮の量が多すぎたようで、ややほろ苦いマフィンになってしまったけれど、柚子の搾り汁も加えて美味しいマフィンができあがった。さらに今日は柚子の皮をすりおろして、搾り汁と一緒に柚子クッキーも作った。こちらは砂糖を使っている一般的なクッキーだけれど、柚子の香りがよくってとても人気のあるクッキーだ。たくさん並んでいる柚子もこんなふうにして使うと、あっという間に5~6個はなくなってしまう。
何と言っても料理している最中に柚子の香りに包まれながら気分よく仕事できるのも嬉しい。残念ながら、私は柚子湯はチクチクするので苦手なのだが、お風呂に入れない分、料理にはたっぷり使って冬ならではの柚子の香りを楽しんでいる。
今日もあたたかな一日だった。でも行楽日和なのかお店はとてものんびりしていた。チエコさんがポインセチアを買ってきてくれたので、改めてクリスマスが近いことに気がつく。もう12月。師走なのだ。お正月も変わらずに仕事をしているので、12月だからと言って特別なことはないけれど、少しはクリスマスらしくしなくては・・・と急に思い始め?ほんの少しだけ店内のデイスプレイをクリスマスっぽくした。でも華やかな装飾は好きではないので、相変わらずかなり地味?だ。町中がジングルベルとサンタさんにあふれているから、一軒くらいこんな地味な店があってもいいかなと思っているのだが・・・。

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December 01, 2007

大根モチ

Dsc01864今日は予約が重なってしまい、お弁当作りから通常の定食作りから、夜のお食事会まで朝から晩まで一日、ビッシリの予定だった。それをヒデコちゃんと二人だけでこなすのはさぞ大変だろうなあと覚悟していたのだが、急きょヨウコさんがお手伝いに来てくれることになったので、気分的にとってもラクになった。
お弁当が出来上がった頃、昨日の宴会で酔っ払って寝坊した息子が仕事に遅れそうなので「お願いだから送っていって~」と駆け込んできた。ヨウコさんが居てくれたおかげで何とか抜け出せそうなので、仕方なくあいりん堂さんにお弁当を配達しがてら、急きょ息子の送迎を引き受けることに。こういう時だけ母が頼れる存在に見えるらしい。「まったくだらしがないんだからっ!」と車内でここぞとばかり文句を言いまくる母に返す言葉もなく?目的地に着くや否や「ありがとうございました」と神妙な顔付きで車から降りて仕事場に走り出す。親の手を離れるのは一体いつのことやら・・・。早く出て行きなさいと毎日のように言っているのだけれど、散らかし放題できる家はババ付きでも居心地がいいらしく自立への道は遠いみたい?。
日中の店は驚くほどヒマだったので、夜のお食事会の準備にゆっくり取りかかることができた。今日のお客さまはアジア太平洋資料センターが主宰する「PARC自由学校」の受講生の方たち。毎年様々な分野の講座が開かれているが、「環境と暮らしの学校」として毎月一回、有機農家やエコ的な活動をしているグループなどを訪問し、直接お話がきけるというとても実りの多い講座内容だ。今日は「微生物に学ぶ日本酒造り」というテーマで寺田本家を見学し、寺田さんのお話を聞くというものだった。今日は講座の最終回とのことで、「五人娘が飲める店」として皆さんで風楽にお寄りいただくことになった。
都会からわざわざ足を運んでくださるのだから、千葉県産の美味しい野菜をたくさん食べていただこうと、メニューは野菜づくし。その中でも今日は大根モチがお惣菜として初登場。実は夕方、ヒデコちゃんとヨウコさんと3人でいろいろ試作しながら、桜海老と長ネギを入れた大根モチを作っていたのだ。それが思っていた以上に美味しかったので急きょお出しすることに決めた。たくさんの大根モチを一度に焼くのは大変だったけど、お帰りの際は皆さんから「お食事どれもみんな美味しかったです」と声をかけていただきとっても嬉しくなった。新鮮な有機野菜をふんだんに使ったお料理が本当に喜んでいただけたようだ。満足できる仕事ができると疲れも吹き飛ぶ。

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