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July 24, 2008

アレルギーの除去食

P1020405ご予約をいただいた時からずっとメニューを考えていた。とにかく一般の方のお食事とゴチャゴチャになってしまわないように気をつけること。アレルゲンをきちんと取り除いてお出しできるようにしなくては・・・と何度も何度も肝に銘じていた。
今日、ご予約いただいた方のお子さんはかなり重症のアレルギーで卵、乳製品はもちろんのこと、ゴマ、豆、大豆、小麦、米、ナッツ、昆布とかなり幅広い。品目だけ並べるとそれほどでもないように見えるかもしれないけれど、原材料を考えると、和食に使われるほとんどの調味料が使えないということになる。お米一つとっても、酒、お酢、みりんが使えない。大豆となると味噌、醤油が使えない。ごま油もしかり。パン粉もダメ・・・と使えない食材ばかりだということに気が付く。心配だったので、何度かお電話して大丈夫なものを確認させていただいた。大豆が使えないとなるとお味噌汁もおすまし汁にしなければと思っていたのだが、そのままの大豆でなければ大丈夫だということでOKになった。
今日はヒエのハンバーグにしたのだが、ごま油で野菜を炒めて八方出汁で下味をつける部分から分けて作った。醤油はひえ醤油を持参していただき、ハンバーグのあんは後から作ってかけた。お酢のかわりにレモンを搾り、油はオリーブオイルを使った。でもご飯だけはどうしようもないので、できたお米を持ってきたいただいた。お豆もなし。デザートは桃をミキサーにかけて寒天を作った。
多分、お子さんにとっても初めての外食だったのだろう。心配だったが、全部、キレイに食べていただくことができ一安心。アレルギーの除去食をお作りすることはとても手間がかかり気を使わなければならない。卵と乳製品を取り除くことは何ともないけれど、米、小麦、大豆まで範囲が広がるとかなり構えて臨まなければならない。風楽の調味料は全て本醸造のいいものを使っているけれど、原材料自体にアレルギーがあれば、どんなにいいものでも使うことができない。だからお問い合わせがある度に、気をもんでしまうのだけれど、お帰りの時「美味しかったです」と言っていただき、嬉しそうな顔を見てしまうと、ああやらせていただいてよかったと思ってしまう。
自分の仕事の使命の一つに、「喜んでいただける場をお作りすること」という思いがある。喜びを作り出すためには努力と手間が必要だ。それを惜しんでどうする?という心の声が聞こえてくるものの、現実問題として通常の定食をお作りしながら、全く別の工程でもう一つ料理をすることの煩雑さを考えると、身動きが取れなくなってしまう。ああ、ずっとこの調子で揺れていくのだろうな。
でも確実に一つ、私の中に喜びの種が残っている。それは本当に嬉しそうにしていたあの親子さんの姿だ。きちんとアレルゲンを除去されているようで、お子さんのお顔もとてもきれいだった。ほんの一日だけだけど、いつものお家の食卓から離れて楽しいひとときを過ごしていただけたのだろうなあと思えば、それが私の喜びにもつながる。
でも今日の準備のことが頭から離れず、昨日は夢の中にまで食事を作っている私が出てきてしまった。今夜はやっとゆっくり寝られそうだ。

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