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September 29, 2008

気持ちのいい古民家

Dscf3045畑の見える古民家に住まいを移りたいとずっと思っていて、今、いろいろな方にお心あたりはないかとお尋ねしている。そんな折り、この前、久米島に行って、とても気持ちのいい古民家と出会った。それは重要文化財にも指定されている上江洲家の住宅。
上江洲家は具志川城主の末裔で、久米島において代々地頭代を勤めてきた旧家で、現在もその建物はご子息の方たちによって丁寧に保存され、一般解放されて自由に見学できるようになっている。周囲は立派な石塀で囲まれ「石垣殿内」とも呼ばれており、身分によって家の中に入る門の位置を変えている。東側が太陽に最も近い場所なので、一番身分の高い人たちが通る門とされている。
250年前、中国の風水氏を招き、気の通りがよく子孫が繁栄し、没することのない家にしていくにはどうしたらいいか、方位や間取りなど細かい箇所まで配慮して建てられたそうだ。縁側に座って、ご子息の方から説明をお聞きした。仏間や客間の畳は9畳。あえてキリのいい10畳に一つ足りないことで、全部を完成させるため、残りの1畳分を当主が努力するようにという先祖の思いがこめられている。また自然界の神への信仰があつく、仏壇にあげるお線香は3本。一つは天の神へ、もう一つは地の神へ、そしてもう一つは水の神へ。豊かな自然の恵みに感謝し、作物を実らせていただけるよう捧げるのだという。
お話を伺いながら、何よりもご先祖様に感謝しながら子孫が途絶えることなく代々の家を継承していくこと、そして自然界の神様を崇拝し、祈るということを大切にしている文化が今もなお残っているのだなあと思った。何度も台風に襲われただろうに、決して傾くことなく、瓦はしっかりと漆喰で固定されている。
今、その家は保存のため人は住めないが、すぐ近くに住まいを構え、訪れた人たちにこの家の歴史を伝えていく役割を今もなお担っている子孫の方々がいる。とにかく風が通り、気持ちのいい場所だったので、さっと見ただけで帰るつもりだったのだが、ついつい長居をしてしまった。
私も古民家に住みたいと思っているので、今年はかなりいろいろな場所を見に行ってきた。だけど、正直なところ、建物の中に足を踏み入れる時、腰が引けてしまったり、なんだかここは絶対に住めないと思うような家だったり、家によっていろいろな気配があるのだ。家相とよく言うけれど、確かに人を受け容れてくれそうな優しい家と、全く人を寄せ付けようとしない家とがあるようだ。
先祖代々の家を手放すということはそれなりのご事情があるのだろうが、そこに住んでいた方たちが幸せに暮らしていたとしたら、きっとその家に後から暮らすことになった者も、穏やかに過ごせるのだと思う。久米島にはおそらく住むことはないけれど、この上江洲家を見学させていただいて、時間がたっても決して消えることのないものがあるのだなあと思った。家に住むということは、その家の歴史を引き継ぐということだ。そしてそこからまた新しい歴史を創っていく。
願わくば、私が住むことになって、たくさんの人が訪れるようになり、その家もまた喜んでくれるような、そんな家と出会えることができたら嬉しい。

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