« 豆腐とカボチャのタルト | Main | 宗吾霊堂観月会 »

October 10, 2008

柿渋染めのクッション

Dscf3125ずっと前に骨董やさんで買った厚手の麻木綿の米袋。何かを作ろうと思って取っておいた。重たいものを入れておくだけあって、かなり厚くて丈夫な布だ。商店の名前が布に印刷されている。柿渋があったので、試しに染めてみた。と言っても正式な柿渋染めの方法を知っているわけではない。ただ柿渋をバケツに入れて少々の水で薄め、そこに布を浸すだけ。一晩、浸した後、よく洗って一度日に干して乾かす。それからまた柿渋に漬け込むを繰り返した。何度か繰り返した後、きれいに洗って最後にもう一度、よおく乾かす。
ゴツイ布袋だから、思うように柿渋が布に染み込んでいかないし、染め上がりもムラになっている。でもそれがいいのだ。商店の名前が見えるので、布を裏返し、リビングにあったクッションのカバーにした。実はクッションの方が大きくてサイズが合わないのだが、圧縮しながら袋にねじ込んだら、なんとかカタチが納まった。外側からステッチのように糸で入り口を止めて出来上がり。
今年中に絶対に引っ越すつもりでいたので、いらないものをどんどん処分し始めている。でも家の中は「どうせ引っ越すのだから・・・」という気持ちがあるせいか、どこか中途半端な状態で、一つ一つのものに対して心を寄せなくなってしまった。私はどんな小さなものでも自分の気に入ったものを身近において大事に使っていたいし、自分の好きな小さなアートたちに囲まれた空間にいたいと思う。自分の部屋で過ごす時間が短ければ短いほど、その時間を愛しいと思うからだ。だけどいつの間にか、そういう自分の回りにあるモノたちのことを丁寧に扱わなくなっていた。心ここにあらずという感じで、季節が変わろうが、ホコリにまみれようがお構いなし。
自分の部屋は自分が一番気持ちよく過ごせる場所なはずなのに、このところただ本を読んで寝るだけのどうでもいい空間になってしまった。秋も深まってきたので、遅ればせながら簾をはずし、秋色の織り布をソファにかけて、柿渋染めのクッションを並べたら、それだけで部屋が秋らしくなって落ち着いてきた。以前はチョコチョコとこういう何気ないことをいつも楽しんでやっていたのだが、すっかりそんな遊び心を忘れてしまっていた。
今でも気に入った古民家がみつかればすぐに引越したいという気持ちに変わりはないけれど、住む場所が見つかるかどうかというのも一つのご縁だ。今年中には動けないかもしれない。実際のところいつになるかは全くわからないのだ。ならばそれまでの間、少しでも、今、自分が暮らす空間が気持ちのいいものになるように、そこに心を留めて気をめぐらせていこう。
ほんの小さなクッションだけど、クッションを変えたことで、そんな気持ちを取り戻すことができた。

|

« 豆腐とカボチャのタルト | Main | 宗吾霊堂観月会 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/78167/42746132

Listed below are links to weblogs that reference 柿渋染めのクッション:

« 豆腐とカボチャのタルト | Main | 宗吾霊堂観月会 »