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November 30, 2008

体の不自由と心の自由

Dscf3309生まれつきの脳性マヒで全面介助を受けながら自立しているMさんという男性のお話を聞いてきた。車椅子に乗ったまま、話す言葉も聞き取りにくかったけれど、それでも1時間ほどご自身の体験を話して下さった。障がいを克服しようと、わずか2歳の頃から厳しいリハビリを受け、4歳の時にはリハビリのため親元を離れ寮生活も余儀なくされた。そんなMさんは障がい者は不幸だと言われるけれど、果たしてそうなのだろうか?と投げかけた。確かに体は不自由で他人の手を借りなくては食事も車椅子の移動も何も一人ではすることができない。では不自由なことは不幸なのだろうか。不便なことは確かだ。だけど不自由だからと言って決して不幸なことはない。不幸はむしろその人の考え方が生み出すもので、同じ障がいを持って生まれたにしても、それをどう受け留めていくかで人生は変わっていくと話されていた。
いくつかの辛い手術を受け続けてきたが、車椅子に座ることはできるものの今も歩くことはできない。現実にその体でできる仕事は限られていて、たとえ働いたとしても収入はほんのわずか。でも自分の体の中で唯一自由になるものがあるということをMさんは忘れなかった。それは頭(心)だ。たとえ体は思うように動かなくても頭を使えば、無限大の創造力を膨らませ夢を見ることだってできるし、日本中、どこでも飛んでいくことができるのだ。
ある時、Mさんは知り合いから一つのビジネスを進められる。障がいを持った人でもチャンスをつかむことができるという。そして何度か説明を聞いて納得した上で、その仕事を始めることにした。と言っても注文するにも勉強会に出かけていくにも全てお母様の介助なしにはできなかったのだが。そして20数年後。彼の努力によって、今では想像の世界で出かけるのではなく、実際にいろいろな場所へ自由に旅をすることができるようになった。そしてお母様を旅行に招待したり、お世話になった方たちと年に数回好きな旅行にも行けるようになった。
Mさんは語る。今できることを一生懸命やることが将来につながっていくと。言い換えれば今起きていることは過去を生きてきた自分の結果に過ぎない。
変わらないものを嘆きこだわっていても仕方ない。動かない体を動くようにと願い続けても動けるようにはならないのだ。だけど誰もが生きている限り変えていけるものを持っている。それは未来だ。そして未来を変えることができるのも自分だけ。Mさんは自分の人生をリセットし、自分の歩みたい人生を歩もうと決めた。決めたからビジネスがスタートしたのだ。そのビジネスを通して彼は多くの人に出会い、自分の思い描いていた未来を手にすることができた。
心や体に障がいを持っている人やシングルマザーや高齢者などがこの社会で生きていくことはとても大変だ。その中で最も大変なの経済的自立だろう。離婚して子供たちを抱え、社会的マイノリティの中に身を置いた時、親元にいて何不自由ない娘時代を過ごしてきた私は、初めて違う景色を見た。それまで頭の中だけで思っていた生活の大変さが全て自分の肩にかかってくる重圧。そして守らなければならないものがあることの責任感。
今となってはそういう生活を経験できたことは自分にとってもよかったと思っているが(子供たちにはかなりの我慢を強いてしまったけれど)、実際には明日払う給食費をどうしよう?米びつの中のお米がなくなったら今度いつ買えるのだろう?とハラハラしていた時期もあったので、お金がないことの大変さは身に染みている。あの時、あと少しのお金を手にすることができたなら、もう少し違った生活をすることもできただろう。
Mさんが今、お母様や友達と旅行に行けるのも、ご自身の収入が確立されているからだ。お金が全てではもちろんないけれど、お金があることによって得られる豊かな時間というものも確実にあるのだと思う。しかし全うな仕事を真面目にしていくだけでは、正直なところ中々そういう次元に辿り着くことはできない。ましてこんな時代だ。甘い汁をまき散らして一儲けしようと企む罠もあちこちに潜んでいるから、何に出会い何を信じ選択していくのかということは生き方を決めていく上でとても重要なことだ。
Mさんがいいビジネスに出会えてよかった。それはきっとMさんの心が自由だったからこそ見つけられた天職なのだろう。そして今度はMさんが誰かの人生を幸せにしたいから、自由な心でそのビジネスを回りの人たちに伝えているという。そんなプラスの連鎖の中で仕事をしていくことができたなら・・・。一言一言をかみしめながら、ゆっくり話すMさんの言葉を聞きながら、そんなことを考えていた。
*写真は京都の大徳寺の襖絵。本文とは関係ありません。


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November 29, 2008

2009年カレンダー入荷しました

Dscf3366明日が終わればいよいよ12月。今年も残すところあと1ヶ月となった。毎年11月になると販売を開始するカレンダー。今年は注文するのが遅くなって、ようやく先週の日曜日から店頭に並べ始めた。お客様からも今年はまだですか?と問い合わせをいただいていた。
アイテムは3種類だけと少ないけれど、毎年、カレンダーを楽しみに待っていてくださる方がいるというのはとても嬉しいことだ。どこのご家庭でも年末になれば、いろいろなお店やお勤め先などからカレンダーは何本ももらえると思う。そんな中でわざわざカレンダーを買うというのは、考えてみればちょっと贅沢な行為かもしれない。だけど私はお客様がカレンダーを選んでいらっしゃる姿を見るのが好きだ。それはそのお宅の時間が確実に流れていくということの表れであり、新しい年への思いのようなものが伝わってくるからだろう。おそらく家族が一番集まるお部屋であろうリビングかダイニングにカレンダーをかけて、そのご家庭の新しい一年という時間のお供をするカレンダー。その月日がどうか平穏で静かに流れていきますようにと思わず祈りたくなってしまう。
私の家でも歳時記カレンダーとJVC(日本国際ボランテイアセンター)のカレンダーは毎年かけている。特に歳時記カレンダーは二十四節気はもちろんのこと、月の満ち欠けや潮の流れなど暦として必要な要素がほとんど記されている他、例えば11月なら一茶忌、白秋忌などの故人の命日や季節を表す句や挿絵など盛りだくさんなので見ていても飽きない。
またJVCはカレンダーの収益が国際協力基金として使われている。今年のテーマは「風のささやき」。アジア各国の美しい風景の写真のカレンダーだ。新しい年がきても写真がとてもきれいなので、使い終わったカレンダーもずっととってある。
毎月、月の満ち欠けを月の黄色と空の青だけで表したルナカレンダーも素敵だ。
今年は少ししか取り寄せなかったので、数に限りがあります。ご希望の方はお早めに。

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November 28, 2008

「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」展

Dscf3365昨日の夜、都内で用事があったので、仕事が終わってから出かけ、そのまま渋谷の実家に泊まってきた。父の様子は相変わらずだ。私にはバスに乗ってカトリック教会に行っていると言うのだが、弟に聞いたらもう外出はほとんどできないそうだ。現実と願望が混同しているのだろう。テレフォンショッピングなどで使いもしない商品を勝手に注文してしまうのも困ると言っていた。その度に注意をしてもそういうことがわからなくなっているようだ。
今朝は六本木に出て国立新美術館で開催中の「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」を見に行ってきた。ピカソ展は以前も見に行ったことがあるのだが、今回はパリのピカソ美術館からもかなりの量の作品が届いた大回顧展だということだったので、再びピカソに会いに行ってきた。
今回はピカソの愛した女性たちに注目し、彼の創造に欠かすことのできなかったいくつもの恋愛が一つのテーマにもなっていた。91年という長い生涯を通して、何人もの女性を愛し続けたピカソ。近くにいる女性が変わるたびに肖像画の作風も美しく変遷していく。分裂気質なのではないかと思うようなわけのわからない作品もあったけれど?どのようにでも解釈できる飽きることのない面白さを内包している。私の好きな画家の一人だ。今回はサントリー美術館でもピカソの自画像を中心に「魂のポートレート展」が開催されているのだが、こちらの方は時間がなくて行けなかった。
お昼は六本木にある都内随一の雲南料理のお店「御膳房」へ。有機野菜や調味料を「大地を守る会」から仕入れ衣食同源の考えで作られている美味しい中華料理だ。中華のお店は油っぽくて化学調味料がとても多く使われている場合が多いのだが、御膳房はややあっさりしているけれど、とても美味しいランチでほっとした。

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November 27, 2008

手前味噌

Dscf3362昨年、仕込んだ味噌がようやくできあがった。12月まで待とうと思っていたのだが、ちょうど合わせ味噌にする味噌を切らしてしまったので、ちょっと早めだが、フタ開けすることにした。
今回の味噌はおかげさま農場の高柳さんが作った無農薬大豆だけを使用したちょっとぜいたくな味噌だ。昔は味噌作りを毎年、行っていたのだが、お店の分を手作りで仕込んでいては、とても賄いきれないので諦めていた。だけどやっぱりあの手作り味噌の美味しさが忘れられなくて、20キロ分だけ仕込むことにしたのだ。
今まで何度も味噌作りをしてきたけれど、完全無農薬の大豆だけで作ったのは初めて。できあがりがとても楽しみだった。今回の味噌の割合は麹と大豆をほぼ同量にして、塩がその半分の量だ。カビが生えやすいので、一番上に塩を厚めにふりかけておいた。さっそくフタをあけて味噌の匂いをかいでみた。プーんと甘い大豆の匂いがした。色も柔らかい茶色でとても優しい風味だ。
最初の味噌は塩ブタの関係でちょっと塩がきつい感じがしたけれど、次第にこなれてくるだろう。単独で使うのはもったいないので、いつも使っているおふくろ味噌と合わせ味噌にして使うことにした。麹が汁の中に散らばっていたり、はんつぶしの大豆が入っていたり、手作り味噌ならではの手作り感?があって、とても美味しかった。
手をかけて作ったものは何でも本当に愛おしい。だけど、正直なところ、国産大豆を買って塩を買って麹を買って、手間ヒマかけて味噌を仕込むよりも、市販の味噌を買う方が安上りというのがちょっと残念。しかし、今、市販されている味噌の中で国産大豆を原料にしているものがどれほどあるというのだろう。自分で作れば、材料の出所も明確で安心だ。もっともこの美味しさと安心感、そして嬉しさと食材に対する思いは、どんなに有名な味噌にもかなわないのだけれど。自分で作るってそういうことなのだろう。
仕込んだ時は多いかなと思いつつ、お店で使い始めると、20キロなんてあっという間になくなってしまうので、ああもっと仕込んでおけばよかったと後悔しているのだが、なくなるまで大事に大事に使おう。

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November 26, 2008

風楽の落款(らっかん)

Dscf3361京都に行った時、注文した落款が届いた。「風楽」の文字をてん書体にして巴林石に手彫りされたものだ。私は自己流で書をやっている。作品の隅には朱い色で落款を押す。自分の作品だという印のようなものだ。正式には引首印、姓名印、雅号印の3種類を押すのだが、趣味でやっているので、形にとらわれず、自分の好きな落款を押すことにしている。今までは消しゴムで作ってもらった落款を押していた。消しゴムハンコ作家?が作ってくれたもので、それなりの雰囲気がある。でもいつかは石の落款がほしいとずっと思っていた。そしてどうせなら落款としてだけ使うのではなく、風楽のハガキやちょっとした小物にも気軽に押せるようなものがほしかった。
京都では平安京が開かれ都が制定された時、天皇や役人たちの官印が作られ始めた。現代でも「京印章」として伝統産業になっており、下鴨神社では「印納祭」という祭りも行われているそうだ。そんなことから京都の町を歩いているとあちこちでハンコが売られているのに気がつく。こちらで売られているものと言えば、簡単な認印ばかりなのだが、京都では石で掘った一文字の印などが普通に並んでいるのだ。落款として使わなくても例えば「幸」とか「夢」とかいう文字だったら、便箋や箸袋などに気軽に押して楽しめるので、お土産としても人気があるようだ。
そんなことから、ハンコを見ているうちにどうしても「風楽」という落款がほしくなってしまった。一つ一つ好きな字体を選んで注文するので、本当に世界でたった一つのオリジナル印だ。もちろんネットなどがあるから、どこにいて落款は注文することができるのだが、せっかく京都に来たのだから、記念にここで作ってもらおうと思ってお願いすることにした。
さっそく落款を押してみた。なんとなく楽しそうな字だ。私の雅号は「楽風」なので、そのまま使うこともできる。手のひらに乗ってしまうくらいの小さな石だが、いろいろな楽しみ方ができそうだ。何かの折々に、きっとこの石は私の気持ちを足跡に残してくれる。そう思ったらとても愛しくなってきた。一生大切に使おう。

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November 25, 2008

娘とランチ

Dsc06410仕事をしている娘と私が会うのはいつも平日の夜。それも突然「今日の夜、家にいる?ご飯食べに行ってもいい?」というメールが届く。急に来るので連絡がつかず私がいない時は息子たちを連れてラーメンを食べに行っているようだ。
私もお休みの時にはほとんど予定が入っているし、娘もフルタイムで仕事をしているので、平日の昼間、一緒に過ごすことはまずない。先日、印鑑証明がほしいというメールが来た。気になって何に使うの?と聞いたら引っ越すのだという。今、彼氏と一緒に暮らしているのだが、それぞれの両親とも会って、近々結婚するだろうと思っていたので驚いた。
これは時間をとって話を聞かなければと思い、今日は一緒にランチしようと約束した。千葉市にあるイタリアンのお店で待ち合わせをしたのだが、行ってから今日は貸切のため入れないということがわかった。急きょ成田まで戻り、空港近くのホテルでランチを食べながら久しぶりにゆっくり話すことができた。
別に別れると決めたわけではないけれど結婚話も中々進まないし、取り合えず一度別居しようということになったらしい。娘の引越や新居への家電製品など必要なものも彼氏が協力してくれているようだ。娘はすでに引越先を決めて私は保証人として実印を押して印鑑証明を渡すだけ。いつも娘は自分のことは自分で決めて、さっさと結論を出してしまう。私にできるのはハンコを押すことくらいで、全ての段取りや必要なものも自分で用意してしまう。
19歳で一人暮らしを始めた時もそうだった。布団一枚私が用意してあげたものはなく、生活していく上で必要なものは全て彼女が一人で取り揃え、小さいながら自分の城を整えていった。
食事の後は、新しいアパートに必要な冷蔵庫と洗濯機をリサイクルショップに探しに行った。私と別れた後もテレビを探しに行くそうだ。すでに心は新しい生活の準備の方に向いている。結婚という制度にとらわれているわけではないけれど、娘を持つ親の気持ちとしては結婚してくれた方がどんなにほっとすることか・・・。
親の手元を離れ、これからは彼氏と協力しながら新しい家族を作っていってほしいと思っていたので、結婚の話が頓挫したことに、少なからず動揺しているのはむしろ私の方だ。でも「今は保留にしているけれど、別に別れたわけでもないし、これからお互いの気持ちが結婚に向かったら、その時はその時でまた考えるから心配しないで」とさばけている。そう結論を出すまでには随分、悩んだのだと思うが、フルタイムで好きな車の仕事をしているし、友達とも旅行に行ったり食事に行ったりと私生活も充実しているようなので、まあ一安心ということだろうか。
それにしても、こういうことをなんなくクリアしながら、今までどおり仕事を続けていく姿を見ていると、つくづく逞しいなあと思う。

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November 24, 2008

ピーナッツ豆腐

Dscf3356連休最後の日はあいにくお天気が崩れてしまった。今日も忙しいのでは?と思いつつたくさんお食事をご用意していたのだが、このお天気のせいか、それほど忙しくはならなかった。連日、かなり忙しかったのでちょっとほっとした。
今日のデザートにはピーナッツ豆腐を作った。種子島のヒデコちゃんの実家では落花生を炒って皮をむいてミキサーでつぶしたものをいも葛粉で練って作るという。前にその作り方を教えてもらったのだが、とても手間がかかるので忙しい朝はその作り方はできない。それで今日はUSAオーガニック認定を受けた無糖のピーナッツペーストを使うことにした。葛粉は沖縄で買ってきたいも葛粉(サツマイモのでんぷんから作った葛粉)を使ったので、本葛粉ほど長い時間練らないでも出来上がる。忙しい朝のデザート作りにはピッタリだ。梅醤油やわさび醤油でも食べられるのだが、デザートなので、黒砂糖を煮詰めて黒蜜を作り、きなこをかけてお出しした。
子供の頃は甘いピーナッツバターが大好きで、いつもパンに塗って食べていたのだが、今は加糖されているピーナッツバターはあまり食べたいと思わない。むしろ砂糖が入っていない方が和えものなどの料理にも使えるし、マクロクッキーなどにも利用できて用途が広い。
もう少ししたら千葉県産の炒り落花生も登場するので、そうしたらおかげさま農場の炒り落花生を使って、いろいろな料理を楽しみたい。

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November 23, 2008

葛りんご

Dsc05793あんまり忙しくて写真を撮るヒマがなかったので、写真は前に作った葛みかんなんだけど、今日はこれのりんごバージョンをデザートにした。砂糖を使わずに作るつもりだったので、りんごはほんのちょっとの塩とレモンで蒸し煮してみじん切りに。そこへ加糖していない100%のりんごジュースと葛粉を加えて鍋で練りながら作った葛ゼリー。葛のトロ~リとした食感がとっても美味しかった。温かいデザートをお出ししたかったので、ステンレスのバットに入れて、保温プレートの上に乗せておいた。葛粉は冷めたら固まってしまうので、温かくてトロンとしたデザートにしたかったのだ。その間、ずっとリンゴの甘酸っぱい香りが漂ってきたので、忙しい厨房にほんのりとしたリラックス効果を与えてくれた。
今日は3人体制だったから、昨日よりはずっとラクだったけれど、やはり朝から忙しくて、一日中バタバタとしていた。そんな中で人参ケーキと久しぶりに大豆フレーククッキーを焼いた。
澤 萃花さんの易と気功整体の日だったので、終わってから夕方は個人講座。忙しくて店を閉めるのが遅くなってしまったので、講座を始めるのも遅れて8時頃に家に戻った。一日があっという間に過ぎていく。今日もまたたくさんの方にご来店いただき嬉しい限り。

☆お知らせするのが遅れましたが、今年の青大豆が先週、入荷しました。会津に住む私の友人タッコちゃんが作ってくれている無農薬青大豆です。毎年、送ってもらっているので11月に入ると、「今年はいつ届くの?」とお問い合わせやご予約をいただく人気食材です。一晩水に浸しておくと3倍ほどの大きさに膨れるので、その漬け汁ごと茹でてください。アクを取りながら20分から30分で美味しい青大豆が茹で上がるので仕上げにお塩を少々。
そのまま食べるのが一番美味しいですが、サラダにしたりカレーに入れたり、かき揚げにしたり・・・。お正月は数の子と一緒に浸し豆にするのもいいですね。何しろ甘くて味が濃くて粒が大きくて、本当に美味しいのです。さっそく今年の新豆を煮てみました。新しい豆は煮えるのも早いです。今週より店頭にも並べています。数に限りがありますのでご希望の方、お早めにどうぞ。1キロ1575円。

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November 22, 2008

パンを焼く

Dscf3353たった1泊2日京都に行ってきただけなのに、帰ってきてから本当に忙しくてたまっていた新聞を読むヒマもない。火曜日の夜11時半頃に帰宅して、水曜日はパン教室の日だった。日中も大忙しで1時半には定食が完売してしまった。お出しするおかずがなくなってしまったので、夕方からスープやサラダを作った。木曜日はあいりん堂さんのお弁当のご予約が入っていたので準備をしなくてはならない。でも日中の忙しさに追われ、何の仕込みもできなかったので、パン教室の間中、ずっとお弁当の準備をし、朝も7時から仕事開始。当日になってからもお弁当の追加が入ったので最終的な数は43個。ヨウコさんが助っ人に来てくれたので助かったが、チエコさんと二人だけだったら相当大変だっただろう。
昨日はケーキを焼いたり、白神こだま酵母で食パンとデニッシュパンを焼いたりした(写真)、夕方、買い物に行った後、夜からは友達が来たのでご飯を食べながらずっと店で話し続け、布団に入ったのは朝の4時。ブログも書く時間がなかった。最近、人とゆっくり話すことが面白くて仕方ない。あまり寝ていないのに、なぜか7時には目が覚めてしまって、今日が連休の初日だったということに気がついた。お天気もいいからきっと混むだろうなあと思って、早めに厨房に行って仕込を開始した。カレーを作りながら、定食の準備をしているうちに、開店早々、お客様が次々に来て下さり、まだ出汁もひき終わらず、カレーも仕上がってないガスコンロの上で鍋をあちこちに移動させながら、定食の準備をし続けた。
今日もチエコさんと二人きり。二人体制の時に忙しくなると片方はフロアにかかりきりになるから、定食の支度と食器洗いなど、ほとんど一人で回さなければならない。お客様がかなり集中していたので、厨房の中はてんてこ舞い。夢中になってお食事をお出し続けていたので、どうやって回したのかほとんど覚えていない。
娘さんの出産でしばらく産休?をとっているヒデコちゃんが閉店間際にお店にふらりとやってきた。予定日なのにまだ生まれる兆候がないそうだ。チエコさんと二人で「そんならもっと早めに来てよっ~!」と思わず叫んでしまった。「超忙しいさなかに予期せず手伝いにきてくれたら、きっとヒデコがピカピカに光って最高に可愛く見えるよ!」と言ったら「じゃあ今度、そうしようかな~」と言っていた。お店が終わってから3人でチャイを飲んでいたら、どーっと眠たくなってきた。
夕方は灯油や野菜、その他の買い物に2時間。なんて忙しい日だったんだろう。今日は絶対早く寝なくては。

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November 20, 2008

京都のお土産

Dscf3348京都で買ってきたお土産を少しずつ楽しんでいる。その一つに生麩がある。乾燥した麩ならお店でも日常的に使っているが、生麩は食べる機会がとても少ない。錦市場の中の生麩専門店で買ってきた生麩はちょっと高価だったけれど、とても美味しかった。小麦粉のグルテンに餅粉を加えて作る製法らしいが、どの段階で餅粉を加えるのか、蒸すのか晒すのか、作り方が全く想像できない。いろいろある生麩の中から粟麩を買ってきたのだが、粒々の粟がそのまま生麩の中に入っているだけで何の味もついていない。それでもむっちりとした弾力と歯ごたえがあって、ワサビ醤油にピッタリ。グルテン分だけを使うのではなく、餅粉を加えるところが美味しさの秘訣なのだろう。ただの粉で?これほど美味しいものが作れるなんてちょっと感動もの。夏になったら生麩を作って笹の葉でくんだ麩饅頭にも挑戦してみたい。
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それから京のお漬物。千枚漬けをはじめ京都には美味しいお漬物屋さんがたくさんあるが、意外なことにアミノ酸が添加されていないお漬物は非常に少なかった。どこでも試食ができるのでかなりの種類を食べてきたけれど、口に入れた瞬間、「あ~あ」と思うものもいくつかあって、ちょっとガッカリ。昆布と塩があれば美味しいお漬物ができるのにわざわざ化学調味料を加えてしまうなんてとても残念。
漬物の袋の原材料をチェックしながら、アミノ酸の入っていない菜の花の塩漬けと赤カブ漬けを買ってきた。とても優しい味でご飯が進む。特に菜の花にはほんのりと桜の葉の味がしてとても美味しかった。
お土産のお菓子もほとんどの売り子さんは「2週間日持ちしますよ~」「常温で保存できますよ~」という部分をアピールしていた。生菓子がそんなに日持ちするなんて・・・。まあお土産ものだから仕方ないのかな。こちらにいる時は特に食べたいと思わなかったが、せっかく京都に来たのだからと八ツ橋とわらび餅を購入。豆や粉で作る和菓子の文化の奥深さ。地域ごとに異なる食文化を、歩きながら体感できるのは旅の楽しみの一つだと思う。

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November 19, 2008

紅葉を見に京都へ

Dscf324430年ぶりに京都へ行ってきた。毎年、秋は紅葉を見にあちこちに出かけているが、どちらかと言えば車で出かけて、野山を歩きながら温泉につかるという旅が多かった。古都の紅葉はそれはみごとだと聞いていたけれど、今まで一度もその季節に行ったことがなかったので、今年こそはとずっと思っていたのだ。
日曜日に仕事が終わってから、東京駅から出発する夜行バスに乗り朝方京都駅へ。まずは駅から歩ける東本願寺と西本願寺の周辺を散歩してから、奈良線に乗って東福寺へ。通天橋からみごな紅葉を見下ろす。その後京都駅に戻って、路線バスに揺られて大原へ出て三千院へ。今年のJRの「そうだ京都へ行こう」の舞台になっているせいか、バスは満員で道路も大渋滞。何よりも驚いたのは観光客の多さだ。参拝するまでの道すがら、試食を進める店がたちならび、まるで初詣のよう。ひっそりとした静かなお寺だと期待していただけにちょっとビックリ。でも阿弥陀菩薩の横に座る勢至菩薩の俯き加減の表情がとても素敵だった。Dscf3257

再びバスに乗り途中下車して、今度はケーブルカーに乗って比叡山延暦寺へ。最澄によって開祖された天台宗の総本山だ。標高が高いのでかなり冷え込んでいたけれど、紅葉はちょうど見頃。ケーブルカーを降りてから山道を歩きながら本山へ向かった。こんな山奥の道をかつて何人もの修行僧が歩いていたのだなあと思うと、場の力というものを肌で感じる。
夜は祇園ので京料理の食事をし、食後はライトアップされている高台寺へ。色とりどりの木々が灯りに照らされてとても幻想的だった。散々歩き回ってゲストハウスに辿り着いたのは10時半になっていた。狭いシートの夜行バスだったので足を伸ばせず寝られないまま、一日中歩いたので、ヒザがパンパンになり最後は歩くのもしんどかったほど。それでも目の覚めるような美しい紅葉を見て大感激だった。Dscf3267

翌日はゲストハウス近くの大徳寺を皮切りに、市バスの一日券を利用しながら、金閣寺、仁和寺経由で、嵐電北野線という小さな列車に乗って嵐山へ。名勝庭園として名高い天龍寺を散策。池の水面に映る紅葉まで計算に入れて作られた庭園の造形美に驚いた。その向こうの山並みの紅葉までが庭園の景色と一体となっているよう。しかしここもまたすごい人で歩くのが大変だった。Dscf3338

帰りは錦小路通りに出てお買い物。京都の食べ物やお土産、雑貨屋などが並んだ長い商店街だが、食べものの素材をたくさん扱っているので、歩いていると京都の台所事情が垣間見える。とにかく粉類や豆類が多い。豆腐や麩、豆などを試食できる店も多く、皆気軽に声をかけてくれるので料理の方法などを聞きながら楽しく歩き回った。残念ながら電車で帰るので野菜や粉など重たいものを持って帰ることができなかったが、京都の食文化にも興味があるので、すごく参考になった。
駆け足で紅葉を追いかけたので、一つの場所でゆっくりすることもできず、とにかくよく歩き回った2日間だった。今まで京都が縁遠かったのは、とても高い店ばかりというイメージで敷居が高かったんだなあと思う。確かに季節がら人は多く飲食店なども高い店が多い。それでも日本文化と歴史が根付き、やはり日本人であれば惹かれる場所だと思う。Dscf3294_2

今回、泊まったゲストハウスは1泊3000円と格安だった。台所もあって、とてもいい所だったので、今度は錦市場で食材を買ってきて料理をしながら、京都の旅を楽しめそうだ。電車の一日券もあるし、市バスの一日券は何度乗っても500円なので、ルートを調べながらこまめに歩けば、かなり安く回れそうだ。旅先での交通費と宿泊費を安く済ませて、浮いた分で興味のある京懐石のお店を一軒ずつ行く度に行ってこられたらいいな。豆腐や麩、豆などで作られた懐石を味わいたい。古いカフェにも入りたいし、町屋作りの店も覗いてみたい。今度はもう少し時間をかけてゆっくり京都に行ってみよう。Dscf3320_2Dscf3276_2

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November 16, 2008

粟ごぼう

Dscf3240昨日の夜は友達が来た。話しこんでいるうちに、気がついたら1時過ぎ。最初から泊まるつもりで次の日がお休みだったら、もっと長く話していただろう。心許せる友達が何人も必要だとは思わないが、私のことをよく理解してくれて、話すことによって、お互いの内面をより深く見つめられる友達がいてくれること。それは本当に幸せなことだと思う。相手の存在というのは鏡のようなものなので、そこに映し出される自分を見ることによって、改めて自分のあり方を振り返る。生きていればいろいろなことが起るから、自分がどうありたいか、どう生きていきたいのかということを、時に見失ってしまうこともある。そんな時も会話の中からゆっくりと自分の気持ちを再確認していくことができる。言葉の力ってスゴイなあと思う。ただ単語や伝達手段としての言葉ではなく、思いをのせた言葉というのは必ず心に響いていく。せっかく言葉を持った人間として生まれてきたのだから、もっと言葉の可能性を信じたい。そしてその「言葉が通じ合える」ような関係性を築いていきたい。そんなことを思っていたら、服のまま眠ってしまい気がついたら朝になっていた。
今日は成田空港周辺で有機農業をやっているグリーンポート・アグリのメンバーが7人でお食事に来て下さった。成田空港株式会社(旧・空港公団)が、空港周辺の休耕田を利用して、有機農業をやっていく農家さんたちを育成する事業を行っている。数年前にミレーの仕事で取材に行ったことでお知り合いになった。研修期間は原則として一年で、もう一年だけは延長できる。その間は無給だが、有機農業のベテランであるおかげさま農場の高柳さんや、三里塚農法の会の龍崎さんなどに直接、指導していただけるので、事業の内容を聞いた時、私も研修生になりたい?!と思ってしまったくらいだ。
今ではその時の研修生たちも農地を借りて、立派な農家さんとして活躍している。だんだんと逞しくなり、農家さんらしい顔?になってきた。成田空港ができる時、たくさんの畑を埋めたて、山を切り崩していった。その周辺に残る土地を、空港の土台となった農業を通して再生していく。千葉県は北海道に継ぐ農業県だが、その中でも空港周辺には有機農業をやっている農家さんが本当に多い。よその国から飛んできた飛行機が成田空港に着陸する時、最初にたくさんの緑と畑が見えるといい。そして成田空港の発展と同じくらい、この地域で有機農業が広っていくことを期待したい。
写真はごぼうを粟と梅酢で煮た粟ごぼう。このところレンコンやごぼうばかり食べているのでお腹がかなり快調。

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November 15, 2008

お麩ステーキトマトソースがけ

Dscf3235オーサワの全粒粉の車麩は風楽でもよく使う食材だ。お麩カツが最もポピュラーな料理だが、水で戻した後、下地をつけて、片栗粉(または葛粉)をまぶして、なたね油で焼き色をつけるステーキもまた美味しい食べ方だ。
今日はちょっと洋風にコショウやニンニクの擦りおろしを加えて下味をつけ、オリーブオイルで焼くことにした。そのままでも美味しいが、淡白な味にアクセントをつけるために、トマトソースを上からかけた。
今日は20名ほどのランチのご予約をいただいていたので、朝から3人体制でシフトを組んでがんばろう~!とはりきっていた。でも前日になって13名というご連絡が入り、今日には12名という人数になってしまいガックリ。そういうことって、多いなあと思いながら、前日の段階でわかっただけでもまだいいし、それでも半分以上の方が来て下さったということは本当にありがたいこと・・・そう思えるような心のゆとりがほしい。
発想を転換させていく。「~しかない」とないものを数えるのではなく、「~もある」とあるものを数えていく方がずっとラクだ。起った事柄を大変だ~とため息をついて嘆くよりも、ああいい経験をさせてもらったとプラスに受け留めていくと、起ることは全て自分にとっては必要なこと。心がけ次第で、経験する出来事の意味も変わってくるのではないだろうか。
まだまだ気持ちは揺れ続けるけれど、何があってもそんな姿勢を忘れずにいたいなあと思う。

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November 14, 2008

ぐるっと千葉の取材

Dscf3237夕方からぐるっと千葉の取材。アリミちゃんが今日は用事で早く帰ってしまったので、一人で店の片づけをした後、取材の準備までできるかなあと時計を見ながらちょっと心配だったが、何とか間に合った。
今回、取り扱う野菜はヤーコンと長ネギ。ヤーコンはリンゴやグレープフルーツと一緒にフルーツサラダに。長ネギは風楽の人気料理である大豆たんぱくのから揚げのネギソース。ぐるっと千葉のお二人とも大豆たんぱく初体験?だったので、作っているそばから、「本当にこれが大豆なんですか?まるでお肉みたい!?」を連発。確かにぬるま湯に戻した後、しょうがとにんにく醤油に漬け込まれている姿はどこから見ても立派な鶏肉だ。長ネギをたっぷり使ってソースを作り、最後に上から青い部分をかけたら、とても美味しそうな大豆たんぱくの写真ができた。毎回、キレイな写真を撮ってくださるので、発売が楽しみだ。
撮影の後、作ったものを試食していただくのだが、やはり「お肉みたい~」と感動?してくれたので、作った方としても嬉しい気分。お肉がなくってもこれさえあれば?から揚げだと思って、子供たちも食べちゃうのよ~なんて話をしながら無事に終了。
この後、今夜は急に出かける用事が入ったので、あらかじめお断りしておいたら、撮影も試食の時間も本当に手馴れたもので、テキパキと進み、あっという間に終えることができた。2品一度に作ることが大変だなあと最初の頃は思っていたのに、慣れてくればなんとかできるようになるものだなあ。
仕事はいつもそうで、大変だ~無理だ~なんて思っているものが、いつのまにかできるようになってしまう。実践を通して階段を少しずつ上がっていくということなのかもしれない。身につけたことを確実に何かに役立てていけるよう、いつも心がけていたい。

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November 13, 2008

玄米餃子

Dscf3232キャベツとニラがたくさんあったので夕飯は餃子を作ることにした。と言っても私は肉を食べないので、、子供たち用の餃子とはちょっと中味を変えて作る。肉の代わりに炊いた玄米を使うのだ。キャベツ、ニラ、長ネギなどの野菜をみじん切りして、そこにニンニクと生姜のすりおろしと調味料を加える。そこまでは普通の餃子と同じ。その後、具を二つのボールに分けて、一つにはブタの挽肉を、もう一つには炊いた玄米を加える。それぞれをよく混ぜ合わせて、同じように包んでいく。ニンニクと生姜がしっかり効いていれば、お肉をご飯に変えたことがわからないくらいだ。友達が来た時に作ってあげたらえらく気に入って、以来、彼女の家の餃子と言えば、玄米餃子が定番になってしまった。
子供たちが小さかった頃はまだ私も肉を食べていたので、あの頃は具を作ってはみんなで一緒に包んでいった。子供たちの作る餃子はお団子のように丸まっていたり、皮を平らに2枚合わせただけの円盤型?だったり、かなりユニーク。ホットプレートに並べて焼いていくのだが、それこそ焼いても焼いてもお皿の上が埋まらなかった。
食事の後はいつも戦場のよう。子供たちの小さな手を一人一人タオルで拭いて、お口のまわりを拭いて、アブちゃんをはずし、全員をテレビの前に移動させてから、ようやく食卓を上を拭いて、その後は床の水拭きだ。ポロポロポロポロ食べ物が落ちていて、一回拭いたくらいでは終わらない。そのうち、向こうでケンカが始り、誰かしらが泣ききだし・・・あ~あ一体、いつになったら、食後にゆっくりお茶を飲めるのやら・・・とため息をついていた。
でも今はあの頃が無性に懐かしい。もう誰にもじゃまされることなく、いつでもお茶をゆっくり飲むことができるけれど、おかずの方はせっかく作っても残ってばかりで作る張り合いがない。だからほとんど家では何も作らなくなった。自分の分だけだからいいやと適当に焼いたら、それこそ焼き上がりも大失敗。
今日、子育て時代の友達がお店に来てくれた。久しぶりにいろいろ話したのだが、あの裸ン坊で泥んこばかりしていた息子たちが、スーツを着て、今時の若者風?になってしまったと聞いてとても驚いていた。

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November 12, 2008

オレンジピールのパン

Dscf3227ここ数日、ずっと寒い日が続いている。今日もかなり肌寒かった。お店は一日ヒマでヒデコちゃんにも早く帰ってもらった。冬になると人の動きが止まるので、しばらくヒマな日が続くかもしれない。数日前まで大忙しだった店内がウソのように静かになってしまった。
ヒマな時は店のストック品を作るようにしているが、特に早急に仕込むものが必要でない場合もある。そういう時は、いつ使うか何に使うかという目的がなくても、ただ作ってみたいというだけで手を動かしてしまう。だいたい材料がいつでもそろっているので、作りたいと思えば即作り始められるという状況だからだ。それがいいのか悪いのか・・・。家庭の食費の換算したら、すごい出費になっているに違いない。
今日も白神こだま酵母をおこしてパンを焼いた。いつもとちょっと違うパンにしようと思って、ずっと前に仕込んでおいたオレンジピールを刻んで生地の中に入れオレンジピールパンを焼いた。スープセット用のパンがいろいろあればいいなあと思うが、今回はストックのパンを作ったというよりもただオレンジピールパンを食べたかったので作ることにした。
生地の中にピールを入れても、焼くと表面に出てしまうので、その部分が焦げるかなと心配だったが、今回は特に焦げることもなく美味しく焼きあがった。いつも全粒粉を入れて焼くのに、今回は全く入れなかったので、ちょっと軽めの真っ白なパンになった。普通のパンはこれでも硬めなのかもしれないが、全粒粉がない分、私にとっては随分、ふわふわしたパンに思える。だけど目的もなく焼いてしまうと、特に焼きたてのパンの魅力には勝てないので、ついつい食べ過ぎて困るのだが。
小麦粉も値上がりしている。なたね油もしかり。仕入れている食材もいつのまにか値上がりしている。これから真面目に食べ物を扱っている個人のお店はどんどん大変になっていくだろう。無駄遣いなんてしている場合じゃないのだが、でも焼きたてパンが美味しく食べられるとやっぱり幸せな気持ちになる。

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November 11, 2008

安納芋のケーキ

Dscf3221
ヒデコちゃんのお姉さんが送ってくれた安納芋が美味しいので、最近の定食では毎日のように使っている。煮物にしたり、サラダにしたり、ケーキにしたり、サツマイモと同じように使い道はとても多い。
今日は安納芋でケーキを焼いた。蒸し上がった安納芋を軽くマッシュして、フードプロセッサーの中に入れ、小麦粉や卵などと一緒に混ぜた生地を鍋の中に流しいれて焼く。ふんわりとした独特の食感の美味しいケーキになるのだ。安納芋を食べて育ったヒデコちゃんでさえ「芋くさくななくて美味しいね~!」と気に入ってくれた。きっと種子島でもこんな食べ方はしなかったのだろう。「子供の頃、当たり前のように食べたいた芋が今ではこんなに人気が出ちゃうなんてね・・」とも言う。だけど種子島で子供の頃から家の農作業を手伝いつつ、故郷の味というものがしっかり体に染み込んでいるヒデコちゃんが時々羨ましくなる。
この前、私の好きな山田ズーニーさんの「大人の小論文教室」のサイトを読んでいたら、「おとうふの水」という読者のメールが紹介されていた。とても心に残ったので全文を紹介させていただきます。これを書いた若い女の子のことを思っていたら泣けてきました。

今も後悔していることがひとつあります。それは母親に料理を教わらなかったということです。

私の母は私が高校2年の時に家を出ていってしまいました。母は専業主婦でしたが、キッチリと家のことをする人だったので、子供の頃から既製品やインスタントものは口にすることはありませんでした。

母がいなくなってから、特に悲しいということはなく、学校にも普通に通っていました。私の愛読雑誌は普通はセブンティーンとかの年頃ですが、『きょうの料理』や『オレンジページ』などに変わりました。
料理雑誌にのっているのも、手順どおりに作ってみると、この雑誌の系統は味が合うとか、一味違うとかそんな違いもあり、自分流に磨きがかかっていきました。

高校では弁当は彩り、味、料理の仕方でダブらない献立を考えていました。ケーキやクッキーなども作っては、クラスメートや先生に配り、進路指導の時には調理方面へ進むのですか?と担任に聞かれたほど熱中していました。

スーパーでよい品を捜すコツや、チラシを丹念に見ることをすごく熱中していたように思います。

今にして思うと、当時私があんなに料理に夢中になったのは、クラスメートや先生に「わーすごい」と褒められたい
気持ちが強かったのだと思います。それだけ、母がいなくなったことが、寂しかったし、いなくても平気よ、と自分に言い聞かせたかったのかもしれません。でも当時の私はいっぱい、いっぱいで自分の心にまで、気をつかうのが無理だったのかもしれません。

あるとき豆腐を一丁買ってきて、全部使うことが出来ず、冷蔵庫にしまっておいたら、一日ですっぱい臭いがして
腐らせてしまうことを何度が経験しました。使い切れない、でももったいない、

そんな時に、昔は、お豆腐屋が売りに来て、子供が器に水を張って入れているのが思い浮かびました。

ああ、これだと思ってボールに残りの豆腐半分を入れて水を満たして冷蔵庫に保管したのです。

実験は大成功で、豆腐は腐らなかったのです。

これは大発見と思い、一番の親友に話したことがありました。それくらい嬉しかったのです。でも親友の返事は「そんなの当たり前じゃん、でも、あんまり入れておくと、味が落ちるのよね」と。

そのとき私がショックだったのは、知らなかったのは私だけで、普通は知っていること、普通に母親がいる家庭は知っていることで発見でもなんでもなかった。知らないのは自分ばかりという取り返しのつかない大きな欠落。

アジの手開きや、シュウマイ餃子は皮から作り、本に載っている料理は作り続けていても、あまりにも初歩的な料理の基礎は当時の雑誌では当たり前すぎて載っていなかったです。

それからも私の料理奮闘は続きました。

母の味の欠落、そんなことにも、私なりの私が料理のルーツになる味をみつければいいのよと意識を変えて、そこまでやる? というぐらい作りました。

高校を卒業してから、浪人して、通信教育で短大を出て、その間は働いたり、家事手伝いをやっていました。
家事手伝いは自宅住まいの何もやっていない女の子の常套句でしたが、私の家事は料理も掃除も洗濯も手抜きはありませんでした。

主婦って、えらいなと思い、主婦の仕事は全部職業になっているという事に気がついたときに主婦の仕事はこの世の中で一番凄い仕事かもしれないと思っていました。

今は得意料理がないほどに料理は上達しました。舌が肥えてくると、記憶の遠くを手繰り寄せるように、子供の頃に作ってもらった料理の味を思い出した時期がありました。

運のいいものは、近い料理を本などから見つけ出すことができて再現することができます。

でも、母のオリジナルっぽい料理の中で、どうしても再現できないものもあるのです。

あの美味しかった料理はいったいどうやって作ったのだろう?

こんなに料理が得意になっても作ることができない現実に、後悔という言葉が浮かびます。私は全てのむすめさんたちに、教えてくれる人がいるうちに、習っておいた方がいいと思いました。

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November 10, 2008

ヤーコンとリンゴのサラダ

Dscf3220先日那須に行った時、農産物直売所で今年初のヤーコンを買ってきた。私はヤーコンが大好きなので、秋になるのが待ち遠しい。秋が深まった頃、堀りあげられたヤーコンを見つけては大量に買い込んいる。千葉ではまだみかけないのだが、もうそろそろ出回る頃だろう。真冬になると温度が低くなりヤーコンがカゼをひいてしまうので?発砲スチロールの箱の中に入れて保存している。
ヤーコンは食べ物の中でもっともプラクオリゴ糖を多く含む野菜だ。プラクオリゴ糖は消化酵素では分解されないので、食べた後も吸収されることなく消化管を通って大腸へ直行。そして腸内で善玉菌を増やしてくれる。また血中のコレステロールや中性脂肪などを減らす働きもあり、何よりも低カロリーなのが嬉しい。おまけにポリフェノールもたっぷりなのでとても健康的な野菜だ。原産国であるアンデス高原では古代から果物のように親しまれてきたというから、彼らの長寿の要因の一つにもなっているのだろう。
食べ方としてはキンピラ、天ぷら、煮物など何でもいいのだが、私が最も好きなのは生のままサラダにして食べる方法。変色しやすいので切ったらすぐに酢水にさらすといいのだが、水気が多いと旨みも逃げてしまうので、私は切ったらすぐにレモン汁をかけておく。
最近、毎日のようにヤーコンのサラダを食べているのだが、これは太めの千切りにしたヤーコンをグレープフルーツの果肉とレモンに漬け込んで、赤カブ、白カブ、リンゴなどと一緒にサラダにした。シャキシャキとした食感とほのかな甘味。ヨーグルトに入れて食べるのも美味しい。
今日はこんなにヒマなのは久しぶり~と思うくらいヒマだった。昼過ぎに香取市のNPO「コスモスの花」の代表である青山先生が来て下さった。障がいを持ったお子さんたちの集まる場を作り、いろいろな教育支援をされている方だ。ずっと前にお預かりした絵をお返しすることになっていたが、その中から一枚、前からほしいと思っていた倉石久子さんの絵を買うことにした。そして今までバザーや寄付などで集まった手作りのポーチやバックなども販売してほしいということだったので、商品をお預かりすることにした。絵もポーチも売上は全てNPOの活動資金に充てられるそうだ。ちょうど手が空いていたので、その値付け作業を夕方までした。

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November 09, 2008

擬製豆腐

Dscf3225あいりん堂さんから豆庵の豆腐をたくさん分けていただいたので、擬製豆腐を作ることにした。精進料理としても一般的な豆腐料理だ。人参、ヒジキ、椎茸、長ネギ、大根葉などを炒めて出汁醤油で味をつけ、水切りした豆腐の中に加えてよく混ぜる。山芋や小麦粉を入れてつなぎをつける方法もあるけれど、今日は卵がたくさんあったので卵つなぎにした。その方が焼いた時にしっかりと固まるからだ。混ぜあがった材料を天板の中に入れて平らにし、オーブンで焼いたら出来上がり。豆腐が淡白なので、生姜あんを上からかけた。いつもは卵を加えないのでゆるゆるした焼き上がりになるのだが、今回は適度な焦げ目もついて、生地がしっかりしているのでキレイに切り分けることができた。
今日は開店早々からお客さまがたくさん来て下さった。定食をお出ししてから一段落して時計を見たらまだ12時半。いつもならこれからという時間だ。今日は澤 萃花さんの易と気功整体の日でもあった。先月から毎月2回、風楽に来ていただき、易占と気功のどちらかをお選びいただいて受けることができるようになった。手が空いたのでヒデコちゃんが「元気なんだけど気功を受けてみたいな~」と言って、飛び込みで澤 萃花さんの施術を受けてきた。「健康印」のスタンプを顔に押してあるようなヒデコちゃんが、きゃしゃな澤 萃花さんから気を受けている姿はちょっと不思議な気がしたが?「気持ちよかったよ~」ととても気に入った様子。澤 萃花さんの気功整体の師匠は野口整体をベースに独自の整体道場を主宰している片山洋次郎さんだ。片山さんの本は体のことをとてもわかりやすく書いてあるので、私も好きだ。
夕方は私の易占の個人講座。最近、食べすぎ気味で腸がちょっと疲れてきたようだ。おまけに今日はとても冷えた。それで不謹慎ながら講座の間中、足の裏の反射区を揉みほぐしながら話を聞いていた。終わってからはお座敷に寝っころがって諭気をしていただく。急に寒くなったのでどうやら腎臓の働きも鈍っているようだ。そっと手を当てているお腹がほんわりと温かくなり、ぐるぐると動き始めた。
誰かと双方で気の交流をさせることで、気がとおり体がふっとゆるみラクになる。ぜひ一度体験してみませんか?次回は11月23日を予定。個人セッションは初回3000円。易占もやります。ご希望の方、ご予約ください。

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November 08, 2008

長芋のもちきびフライ

Dscf3215いつも椎茸やれんこんのはさみ揚げの時の具にしているもちきび。ふっくらモチモチとした食感がたまらない雑穀だ。昨日と今日の定食のメインのおかずに作ったのはそのもちきびを長芋の上に乗せて青ジソで包んでから衣をつけた長芋のもちきびフライ。長芋は揚げることによって、よりお芋らしく?なってもちきびとの相性も抜群。初めての組み合わせだったけれど、とても美味しいフライになった。お弁当に入れたらこんな感じになりました。長芋の白がとっても鮮やか!
今日は以前のスタッフだったユキちゃんが、オーブンを借りに夕方お店にやってきた。明日から8日間、埼玉県吉川の器のお店「NUSHISA]の企画展でおむすびランチを出すことになったからだ。けんちん汁とおむすびとおかず、そしてケーキをお付けして980円の限定30食のランチだ。自宅のオーブンではケーキが一度にたくさん焼けないので、風楽のコンベックを使わせてほしいということだった。
柏からわざわざ車でケーキを焼きに来るなんて、会期前の忙しい時で大変なのに、とてもがんばっているなあと思う。3年ほど前にも同じ店の企画展でランチを作っていたけれど、とにかく美味しくて心のこもっているご飯がいただけて、感激してしまった。今日も私がちょっと出かけている間に、どっしりとした美味しそうなケーキが天板の上で焼けていた。期間中、食べに行きたいところだが、今回は日程的に厳しそうで残念。
帰る前に小さなおむすびを作って、お味噌汁とちょっとのおかずを並べて、あれこれ話しながら一緒に早めのご飯を食べた。いつかカフェを作ることがユキちゃんの夢だけど、感性豊かで料理のセンスがとてもいい子なので、きっと素敵なお店になるだろうなあ。早くユキちゃんの夢が叶ったらいいな。開店日には絶対にお手伝いに押しかけようと今から決めている。

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November 07, 2008

干し柿作り

Dscf3210今朝の厨房は那須から買ってきたものがわんさかとあふれていた。リンゴ10キロ、渋柿10キロ、ヤーコン10キロ・・・それに種子島から送られてきた安納芋が30キロ・・・。少しでも広く厨房を使えるように、とにかく早く片付けるには仕込むのが一番。まずはリンゴの皮をむきイチョウ切りにしてアップルプリザーブを仕込んだ。またマクロ用のお菓子に使えるようにリンゴの塩煮も作った。
その後は干し柿作り。こちらではあまり見かけないが、田舎の方では渋柿がどっさりと木箱に入って売られている。干し柿用の渋柿だ。そのままでは食べられないが、皮をむいて日と風に当てることで柿が乾燥し、美味しい干し柿になるのだ。可溶性の柿のタンニンが不溶性に変化し渋が抜けるので、干し柿にすると普通の柿よりも糖度が高くなる。また柿に含まれているビタミンCは干すとなくなってしまうが、その分、ビタミンAが普通の柿の倍以上になるというから、お日様の力は偉大だ。
那須の市場で買ってきた渋柿はかなり大きくて重たかった。さぞかし立派な干し柿?になりそうだが、大きすぎると乾燥するのに時間がかかるから、うまくできるかどうかちょっと心配だ。それに重すぎて竹ざおに全部、ぶら下げることができなかった。結局、店の軒先よりも2階の私の部屋の方が日当たりが格段にいいので、ヒモをかけてから全部、2階に運び込んだ。そして一連ずつ窓辺にぶら下げて乾燥させることにした。
おかげで障子を閉めることができなくなってしまったが、当分の間、可愛らしいオレンジの水玉カーテン?を楽しもう。美味しくできるといいんだけどな。

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November 06, 2008

紅葉の那須高原へ

Dscf31935日6日とお休みを利用して一泊で那須まで行ってきた。ちょうど紅葉が見頃でお天気もよく最高の紅葉狩り日和。那須はあちこちに遊歩道が整備されており、ちょっとした軽装でも森林浴を楽しむことができるし、カフェやレストランなど本当にオシャレな店が多い。もちろん温泉もたっぷり湧いているので、美しく色づいた木々を眺めながら、ゆったりお湯に浸かってボーっとすることができる。そして道の駅をはじめとする農産物直売所がとても多く、様々な野菜などをあちこちで買うことができるのだ。千葉からほんの3時間ほどで行けるし、豊かな自然に恵まれ、良質のお湯が湧き出る温泉、そして面白いお店などがいろいろ揃っている那須は私の好きなエリアの一つだ。Dscf3204

今回、宿泊したのは那須塩原温泉で自炊ができ、なんと一泊2200円という格安なホテル。使わなくなった大きな厨房を宿泊者の食事が作れるように開放しているので、夜はご飯を炊き魚や椎茸を焼いて食事を作った。確かに建物はかなり老朽化していたけれど、お部屋は値段のわりにはきれいだったし、なんと言っても、今時2000円台で宿泊できるホテルがあるなんて驚きだった。また標高900mの硫黄泉からのかけ流しでとてもよいお湯が豊富に湧いているし、近くには小さいけれど、昔ながらの共同浴場が3件ほどあり、宿泊者は無料で何度でも入ることができるのも魅力的だった。湯治でいらしている方もとても多かった。
日中は青葉の湯、もみじの湯、岩の湯、不動の湯という小さな露天風呂をハシゴした。これらは渓流沿いに建てられ、簡単な脱衣所と屋根があるだけのとてもシンプルな野湯。ただかなり視界がいいので?ちょっと入るのには勇気がいるけれど、入ってしまえば、もう何も見えないのでこっちのもの?。入浴料も清掃管理費として200円程度と格安なのが嬉しい。それぞれ質の違う温泉なので、移動するたびに違うお湯に入ることができ、温泉を堪能することができた。Dscf3209

那須にはカフェの元祖とも言われる「SHOZO CAFE」という素敵な店があるので、行く度に寄ってくるのだけれど、今回は「高原ビュッフェ ヴォイエッタ」という自然派レストランへ行ってきた。地元那須高原で採れた新鮮野菜をふんだんに使い、産地や生産履歴を明確にして自家製にこだわっているレストランだ。全てがそうではないけれど、マクロビオテック対応のお惣菜やデドックス効果の高いメニュー、自家製のヨーグルトや高原牛乳など、全部で50種類ほどのメニューが並んでいた。きのこやいちぢくなど今が旬の食材がたっぷり使われていて、野菜好きの私は嬉しくて思わず食べ過ぎてしまった。あんまりお腹がいっぱいになってしまい、帰りに寄ろうと思っていた「SHOZO CAFE」もパスすることに。
車を走らせていても、赤、黄色、緑、黄緑・・・と色鮮やかな紅葉が素晴らしく、つい見とれてしまう。葉っぱの間からこぼれて射しこむ光がキラキラとまぶしかった。たった2日間だけだったけれど、充分に自然の美しさを堪能することができた。やっぱり秋っていいなあ。一番好きな季節なのでまた時間を見つけて、紅葉と温泉を楽しみに行こうと思う。

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November 04, 2008

パンの日

Dscf3191今日は一日中パンを焼いていた。まずはドックとバーガー用のパン。早めに厨房に出て、定食の仕込を始める前にパンをこねて発酵できる状態にしておけば、定食の準備が終わった頃には成形して二次発酵ができる。いつもの白神こだま酵母をおこし、前回よりもやや柔らかめにしたかったので、外皮の量を控え目にした。それからスープセット用のパンにはオートミールとくるみとレーズンと外皮を加えて、イギリスパンのようなものを仕込んだ。いっそのことバーガーパンと同じ生地でオートミールなどの中味をいろいろ加えて作ってみようかとも思ったのだが、それはまた今度の機会にしよう。毎回、少しずつパン違うパンをお出しするというのも面白いかもしれない。試作しながらどんなパンがよいのかいろいろ研究していこうと思う。
その後はおやつパンとして、パン生地を四角に伸ばして、シナモンとレーズンと砂糖を振りかけて、クルクルっとロールにしたものを輪切りにして、それを鍋の中に敷き詰めて焼くという方法でシナモンロールパンを作った。鍋でパンを焼くという発想はあまりなかったのだが、そう言えばカンボジアに行った時、市場で売っているパンはほとんどが無水鍋のような重たそうな蓋つきの鍋を七輪の上に乗せて焼いていた。所々が香ばしく焦げていたが、素朴な懐かしい味のパンだった。蓋をすることによって、蒸気を封じ込めるのでふわっとした柔らかい生地のパンに焼きあがる。カンボジアはかつてフランス領だったので当時の名残でフランスパンもたくさん売っていたが、さすがにフランスパンは皮をパリッとさせるので、この方法では焼けないと思うが。
昨日、一昨日がとても忙しかったせいか、連休明けはいつもそうなのだが、かなりのんびりムードになる。今日も多分、それほど混まないだろうなあと思っていたら、その通りになってしまってちょっと複雑な?気分。でもパンをあれこれと仕込めたので、ちょうどよかった。夜は野菜とお米を取りに農家さん回り。

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November 03, 2008

忙しかった~!

Dsc02481この連休は2日間ともすごく忙しかった。特に今日はご予約も2件入っていて、その後も2件ほどお電話をいただき、それ以外にも次々にお客様が来て下さって、とにかくずっと厨房から抜け出すことができなかった。それも12時半頃から2時半頃に集中していたので、アリミちゃんとミエコちゃんの3人でとにかく話をするヒマもないくらい必死になってオーダーをこなすのが精一杯だった。混むだろうなあと思って、お食事の支度はかなりたくさんご用意しておいたのだが、2時半頃にはすっかりなくなってしまった。昼過ぎにはあがる予定だったアリミちゃんもあがるにあがれず、結局、一日残ってもらってしまった。
夕方、友達が来てくれたので、枇杷灸をやってもらった。風楽で施術している無優扇のものを購入し、その場でやってくれたのだ。疲れていた頭と頚部を特に集中してやってもらう。温熱がじわじわと体に染み渡っていき、あ~気持ちいい~。読書の秋にあやかって?最近、かなり集中して本ばかり読んでいたので、目が相当疲れているようだ。もう老眼鏡をかけなくては・・・と諦めていた目が、あるサプリを飲み始めたおかげでかなり回復してきた。それで字がくっきり見えるようになったのが嬉しくて、また一昔前のように乱読を繰り返していたら、急に酷使したせいか、ちょっとした眼精疲労気味。目が疲れると首がこる。そんな首や頭、肩、目に枇杷灸をあててもらい、かなりすっきりした。
夜はシナモンロールのパンを焼いて一緒に食べた。たくさん働いてたくさんしゃべっていたら、ブログ用の写真を撮るのを忘れていたので、今日の写真は4年ほど前に行ったマダガスカルのバオバブの木。こんな青空と大きな木を眺めていたら、きっと近眼も老眼も飛んでいってしまうだろうなあ。

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November 02, 2008

種子島の安納芋

Dscf3188ヒデコちゃんの故郷種子島から安納芋が届いた。いつもはヒデコちゃんのお母ちゃんが作ったものを送ってもらい、そのお裾分けをいただくのだが、今年から姉ちゃんが本格的に作り始めたそうだ。それで風楽の分も一緒に送っていただくことにした。
安納芋は種子島で昔から栽培されている糖度のもっとも高いサツマイモの一種。あんまり甘くて焼き芋にするとミツが出てくるくらいだ。また食物繊維が豊富で、βカロチンやビタミンCなど活性酸素を除去する物質が多く含まれている。ねっとりとしたクリーミイな食感でとても甘くて美味しいのだが、嬉しいことに糖度が高い割にはカロリーが低い。
ここ数年の健康ブームで安納芋にも秘かな人気が出てきたので、最近ではあちこちで栽培されるようになった。でも本来、紫芋や安納芋は亜熱帯性のものなので、温かな風土の中で育てられることによって、甘さも旨さも増すと言われており、やはり種子島産の安納芋には叶わないだろう。
今日はさっそくスィートポテトを作った。砂糖を加えなくても充分甘い。焼きたての安穏芋のスィートポテトと、袋詰めにした安納芋をカウンターの上に並べて販売した。関東地方にはあまり出回っていないが、いざこちらで買うとなると意外と高いのだ。だからお客様にも「わあ~安納芋だ。安いわねえ~」と言っていただいた。また追加で送っていただく予定なので、ご希望の方にはお分けいたします。減農薬栽培。

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November 01, 2008

グリーンがいっぱい

Dscf3181友達のお母さんから挿し木で増やした観葉植物をいただいた。パキラとサンスベルア。かなり大きく育っているものだ。たった二つの観葉植物が増えただけでも、雰囲気がぐっとよくなった。その後でお客様から月桂樹や南天、紅葉の枝をざっくりと切ったものをいただいた。南天と紅葉は窓辺のカゴの中に、月桂樹はお座敷の壁に下げてある背負いカゴの中にそのまま放りこんだ。
なんだか店の中がグリーンであふれて、とてもいい感じだ。深く呼吸ができるような気にさえなっている。いつも生花を絶やさないように、テーブルの上にも一輪挿しを置き、ユトリがあれば大きな花器の中にも季節の花や枝を生けている。本当は自分の庭から手折ったものを飾りたいなあと思いつつ、未だその夢は叶わないのだが、花や緑を見ているとそれだけで心が和み、高価な装飾品を置くよりもずっと素敵な空間になると思う。特に生ける花器や花カゴと花がピッタリ決まると、すごく嬉しくなる。小さな子供に可愛らしいお洋服を選んで着せてあげているような気持ちになる。
このサンスベリアは空気の清浄効果が観葉植物の中で最も高いと言われている。マイナスイオンもたくさん発生させてくれるらしい。初めて見た時、ただ真っ直ぐに伸びているだけで可愛いくないなあと思ったのだが、陶器の鉢カバーをしてお座敷に置いてみたら、中々個性的でオシャレな雰囲気なのだ。問題はアフリカや南アジアが原産国なので、日当たりを好むということ。夜になると暖房もなく冷え込む店内の中で冬越しができるだろうかとちょっと心配。
今日は高校時代の友達が川崎からご飯を食べに来てくれた。ずっと仕事をしている人なので、いい意味で主婦っぽい感覚があまりない。2年ぶりくらいに会ったのに会うと昔のような口調のままに会話が始る。その時々で話したい内容は変わってくるけれど、何かのタイミングで会えた時というのは、偶然にしろ、何かしら共通する同じような気持ちがどこかにあるのかもしれないと、ふっと思った。仕事と自分のことにかまけて、いつのまにか学生時代の友達にはご無沙汰だらけ。でも必要であれば、きっと何かの拍子に再会することができるんだろうなあ。

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