January 31, 2009
昨日のことだった。2時半過ぎに突然、重箱をお持ちになった客様がいらした。これに何でもいいので風楽のお惣菜をつめてくださいとのこと。見せていただくと、なんとも重厚で大きな重箱が3段。ちょうど定食用のお惣菜はほぼ終わってしまったところだった。一番下には玄米ご飯をというご希望だったのだが、すでにご飯も茶碗1杯分くらいしかない。この大きさをいっぱいにするにはかなりの量が必要だ。普通のお惣菜のパックよりも量が多いので値段も高くなる。お断りしようかと思ったのだが、ご飯はなくてもいいし、時間は夕方、改めて取りに来るので急がなくていいとのこと。
それなら何とかなるかもしれない。重箱をお預かりして、さっそく厨房へ持って行った。頭の中は、これからの時間で何を作ればいいのだろうともう動き始めている。見慣れない重箱を見てアリミちゃんは、何日か後のご予約だと思ったらしい。「いつ作るんですか?」と聞いたので、「今日だよ。今日!!」と答えたら「え~っ!これからですか?!」と大驚き。そろそろアリミちゃんは帰る時間だ。昨日は忙しかったので厨房の中はまだ片付けも終わっていない。でもお受けしてしまったので、もう一人で片づけをしながらやるっきゃない。
ブロッコリーと人参をまたまた追加で茹でて、青菜を茹で、キンピラを作り、お麩カツを揚げ・・・。何とか重箱をいっぱいにしたのだが、とにかく大きいので量もたっぷり。オードブルのようにたくさんの細かい食材を少しずつ並べられたらいいのだが、とても時間がない。でもそこはさすが重箱。何を入れても美しく見せてくれる。
こんな感じの盛り合わせてよかったら、お作りさせていただきますので、何かの折りにはぜひご利用ください。ただ数日前に重箱をお持ちいただき、ご予約いただけると準備の都合上助かります。
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January 30, 2009
昔から健康に良いとされる黒ごま。タンパク質や各種ビタミン、食物繊維、カルシウム、鉄分などの栄養素がバランスよく含まれた健康食材だ。特にその成分の一つである「ゴマリグナン」には、活性酸素を除去する働きがある。またビタミンEも豊富に含まれており、表皮の黒い色素にはアントシアニンが含まれており、これらにも強い抗酸力があると言われている。
風味もよく香ばしいので食欲の増進にもなる。卓上に常備して、何にでもごまをかけるくらい常食したい食材の一つだ。今日はその黒ごまでドレッシングを作った。定食にはブロッコリーと人参を茹でたものをこの黒ごまドレッシングで和えたサラダ。
トロリとしている方がドレッシングに合うので、使ったのは黒ごまペースト。セロリや玉ねぎなどの野菜をみじん切りにして、そこへ黒ごまペーストと梅酢、なたね油などを加えてミキサーにかけて作るドレッシングだ。水を使わないため、日持ちするので、多めに作って冷蔵しておくと便利。
今日はこのお天気の中、予想に反して?お客様がたくさん来て下さり、途中でサラダがなくなってしまった。黒ごまドレッシングがちょうど作りおきしてあったので、すぐにブロッコリーを人参をさっと茹でて和えて、追加分ができあがった。特に今の時期、ブロッコリーは甘くて美味しいし、なんと言っても柔らかくてすぐに茹でられるので大活躍だ。
生野菜よりも温野菜に似合うドレッシング。この他、カボチャやさつまいも、かぶ、里芋などにもピッタリ。
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January 29, 2009
豆庵の豆腐があったので使ってしまおうと思って、デザート用にマクロ仕様の豆腐チーズケーキを焼いた。いつもならタルト台も焼いて、それを冷ましてから中味を加えて再度焼くので、出来上がりに時間がかかるのだが、デザート用のミニサイズならタルト台もいらないし、大きさも小さくていい。そう思って作ったら、あっという間にできてしまった。豆腐にレモンとメイプルと葛粉を加えるだけでレアチーズケーキ風になってしまうから不思議だ。
風邪が中々抜けない。そんな中、昨日は東京に行って野菜の栄養学の話を聞いてきた。出かける前にどうしようかと迷いつつ、絶対に聞きたいテーマだったので、無理を押して出かけて行った。でも都内の人混みの中を歩き、帰りも7時過ぎて寒くなり、だんだんつらくなってきた。予想通り、這うようにして帰ることになり、これでまた回復を遅らせてしまったようだ。
でもセミナーの内容は面白くとても参考になった。一日に必要な野菜の量350gを、実際に等身大の野菜の模型を使って、ザルに乗せて見せてもらった。何だこれだけか・・・。今までつかみどころのなかった350gが急に身近な量に見えてきた。正直、いつもの定食に使っている野菜に、ちょっと他の野菜を加えるだけで350gはクリアできてしまう。だけど、これだけの量でも実際には食べられない人がとても多いそうだ。
実際、昨日の私が食べたものと言えば、食欲がなかったこともあるけれど、マフィン2個、ミルクティー1杯、コーヒー1杯、みかん2個・・・。野菜はゼロだ。これでは野菜の力で体内の活性酸素を除去してもらうこともできない。無理にでも何か食べなくてはと思って、夜は野菜スープを作って飲んだ。
結局、野菜をきちんと摂取するということをいつも意識化に置いておかないと、自然食レストランをやっている私の食生活でさえ、とたんに野菜不足に陥ってしまう。まして私は肉を食べないので、野菜や玄米、豆、雑穀からの栄養がとても重要になってくる。
真剣に数字を追うとかなり面倒な領域になってしまうけれど、毎日の積み重ねが体を作っていくので、食に携る仕事をしている以上、野菜をたっぷりと美味しく食べられる工夫を提案していくことも必要なんだろうなあと思った。
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January 27, 2009
今日の朝はなんとも忙しくやることが山積みだった。昨日、定食が完売してしまったので、全ての食材がなくなってしまったのだ。玄米から豆から定食のお惣菜の数々や、デザートまで何もなし。いつも玄米も時間をずらして炊いたり、豆を煮る時はガス台が空かないので、煮物の時間をずらしたり、いろいろ工夫しながら、4口しかないガス台をやりくりしながら、作るのだが、今日は全て同時にスタートし、同時に進行した。おまけに野菜が届いていたので、野菜のお掃除もあり(袋から出して泥を落として、葉先を切って新聞紙に包むなど)、12時過ぎる頃まで仕事が一段落しなかった。
重なる時は重なるもので、早い時間のお客様がいらっしゃらなかったからよかったが、アリミちゃんと二人で大忙しの厨房だった。
今日のメインは粒そばの揚げだんご。炊いた粒そばをミートボール風にしたのだが、つなぎにじゃがいものマッシュとレンコンの擦りおろしを加えたら、本格的な味になった。それにあんを作って上からかけた。
バラバラにならないようにゆっくりと揚げていくのがコツだ。ヤーコンの乱切りと一緒にあんをかけてお出しした。昨日が忙しかった分、今日はヒマで、本当に二日忙しい日が続かない店?だ。温かい陽射しにほっとした。
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January 25, 2009
秋に那須に行った時、たくさん買ってきた芋がらもいよいよこれが最後。終わってみればもっとたくさん買ってくればよかったなあと悔やまれるが、何度も風楽の定食のお惣菜として大活躍してくれた。最初のうち芋がらの特性がなかなかつかみきれず、煮てグタグタにしてしまったり、逆に青臭さが残ってしまったりと、満足いく出来映えにはならなかった。でも何回と使っているうちにようやく芋がらとの付き合い方がわかってきた。
芋がらに関しては農家さんに聞いても使い方に個人差があるので、自分で食べながら美味しいと思う方法を取り入れていくしかない。私の場合、ぬるま湯で戻してから、お湯を沸かして、さっと湯通しをしている。その後、人参や椎茸、油揚げなどと一緒に炒め煮にするのだが、あくまで煮る時間は少なく。たっぷりのごま油に唐辛子を少々加えて、キンピラのように炒めるのがいいようだ。出汁はほんの少々。加えた後も強火にして水分を飛ばすようなつもりで炒めきってしまう。味付けは八方出汁と酒。仕上げは生醤油を少々垂らして出来上がり。
この作り方でいくと失敗なく美味しい芋がらのキンピラが出来上がる。特に油揚げと干ししいたけとの相性は抜群。栃木や群馬の温泉にも行きたいが、しばらく雪道のため車が運転できないので向こう方面に行くのは温かくなるまでお預けだ。行ったらまたどっさりと芋がらを仕入れてこよう。
それにしてもかつて貧しい時代に、里芋(八つ頭)の茎をわざわざ干して食料にしていたという名残りだから、今となっては、貧しい時代に食べた食料こそ、珍しがられる?ということか。
今日はいいお天気だったのに、忙しくなかったので、チエコさんもミエコちゃんにも早く帰ってもらって、夕方一人で店にいたら、閉店間際に3組8人ものお客様が来て下さった。ほぼ同時だったので、かなり焦ってしまった。たった一人の手ではいくらがんばってもできることには限りがある。お出しするのが遅くなってしまって申し訳なかったなあと思う。日曜日は何が起るかわからない。のんびりした休日なので、こういうこともあるんだなあと反省。
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January 24, 2009
寒い~っ!定食の準備をしてから、午前中のうちに買い物に出かけた。震えながら帰ってきたら、昼過ぎにちらちらとみぞれ交じりの雪が降ってきた。かなり冷え込んでいる。家用のストーブにはもう灯油がなかったので、早めに灯油を買っておいてよかった。
こんなお天気だから今日はヒマだろうと思っていたのだが、帰ってくると店の前にはすでに2台、車が止まっていた。店内にはお客様が3組。その後も何組か来てくださり、あいにくのお天気にも拘わらず、いつもよりも忙しい土曜日となった。
蒸したさつまいもをサイコロ状に切って、生地の中に入れるタイプのパウンドケーキを焼いた。以前、新聞で紹介されていたケーキだが、本格的に作るにはバターを溶かして、ちょっぴり焦がしたものを生地に流し入れて風味をつける。またさつまいももバターで炒めてから使う。でも店でお出しするにはあまりバターっぽくないものの方がいいので、そこは省略。生地はアーモンドプードルを使って、上から黒ごまをかけたら、とてもしっとりした美味しいパウンドケーキになった。
昨日から、ちょっと風邪っぽい。ロールペーパーでハナをかんでばかりいたら、夕方、来たヨウコさんに「ちゃんとペーパーをクシャクシャと柔らかくしてかまないから、ハナの下が真っ赤になっていておサルさんみたいよ~」と笑われてしまった。
今まで何年も風邪をひかなかった私が、昨年から2度目の風邪。なんだか体力に自信がなくなってきたな。これも年のせい・・・?
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January 23, 2009
冷蔵庫の中にお豆腐が一つだけあったので、何かに使ってしまおうと思って、パウンドケーキの中に入れて焼いたみた。強力粉で作ったパウンドケーキなので、もっちりした感じなのだが、豆腐を加えることでそれにしっとりが加わった。シナモンとレーズンも入れたので、ちょっとしたデザートになった。
豆腐はいつもマフィンを使うのであいりん堂さんから分けていただいているが、マクロ仕様のお菓子にも豆腐は欠かせない食材だ。でも今回はマクロ仕様ではなく卵もバターも使う、ごく一般のパウンドケーキだ。マクロスィーツ限定にしなくても、普通のお菓子の中にも美味しい豆腐を加えることによって、より美味しいお菓子が出来上がるのだなあと思った。
今日は午後からシュタイナーを勉強しているグループの方たちが皆さんでお食事に来て下さったので、久しぶりに定食が完売。すっきりキレイになくなってしまった。忙しく食器を洗って、足りなくなった菜っ葉や人参を追加で茹でた。最近、忙しい~と思う日があまりないので、やっぱり動くならこのくらい忙しくなった方がいい。
重松清の新刊「とんび」を読んだ。父と息子の愛情を描いたとてもいい作品。不器用ながら一途に息子を愛し男手一つで育てたお父さんがとてもいい。思わずホロリと泣いてしまうシーンがたくさんあった。重松清は家族を描くのがとても上手な作家だ。誰の心にもある懐かしい気持ちを思い出させてくれる。昭和のお父さんってきっとガンコで不器用で男っ気が強くて、それでも高度経済成長に合わせて一生懸命働き、家族を養ってきたという自負があるんだろうなあ。オススメの作品です。
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January 22, 2009
今日は9日ぶりのお休み。本当は出かける予定があったのだが、朝、起きた時、どうも乗り気になれなかった。こういうことは滅多にないのだが、特別に誰かと約束をしていたわけでもないので、まあ、気分で行く行かないを決めてみるのもいいか。そう思っていたら、いつのまにか出かける時間を過ぎてしまった。
昨日から息子が風邪気味だと言って仕事を休んでいた。今朝はもう起きていたのだが、まだ本調子ではないと言う。せっかくなら一緒に汗を流しに行こうとヒーリングヴィラ印西に誘った。温泉だけでなくサウナと岩盤浴もあるので、そこで汗を出したら、体調もすっきりするのではないかなと思ったのだ。お互いに読みかけの本とペットボトルを持って、向こうに着いたら帰りの時間だけ決めておいて、それぞれ別行動。久しぶりに行ってたっぷり汗を出してきた。
帰ってきてから一緒に夕食を食べた。カマスの開きを焼いて、アボカドのサラダを作った。帰りに買い物をしてきたので、今日のサラダはちょっぴり豪華。アボカドとトマト、パプリカ、玉ねぎ、アーモンドの砕いたものを一緒にマヨネーズで和えて、ベビーリーフを散らした上に盛り付けた。
アボカドは青臭くてねっとりしているので、今まであまり好きではなかった。でもオレイン酸やリノール酸やリノレン酸、老化防止に役立つビタミンEやビタミンA,C、カリウム、マグネシウム、リンなどのミネラル分もたっぷり含まれた栄養価の高い果物なので、最近では意識して摂ろうと思うようになった。今でもそのまま食べるのは苦手なので、必ず何かと合わせるようにしている。特にマヨネーズやレモン汁とはとても相性がいいので、それらと組み合わせれば、美味しく食べられる。
あまり野菜が好きではない息子が珍しくサラダをたっぷり食べた。温泉に長い時間入っていたので、お腹が空いたようだ。これで明日は完全復活でまた仕事だと張り切っていた。出かける予定を変更したので、珍しく息子とほぼ一日一緒に過ごすことができた。休みの日が一緒で時間が合うなんてこと、滅多にないので、まあ、たまにはこういうお休みの日があってもいいかな。
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January 21, 2009
表に出して使っていた毎日の定食メニューを書く黒板がボロボロになってしまった。黒板だけを買い換えてもいいのだが、せっかくなら流木を使って看板とその足を作りたいと思っていた。流木が好きなので、海に行くといつも、可愛らしい形の流木を拾ってしまう。たくさんあるからもういいや・・・なんて思いつつ、いつの間にやら両手いっぱい抱えきれないほどの流木を持っている。
以前、大洗港からフェリーで北海道に行った時も、サロマ湖の近くで流木を拾い、そのままフェリーに乗せて帰ってきた。二等寝室だったので、入り口に立てかけておいたら、部屋に入るたびに、いろんな人が長い流木の束を見て驚いていた。
そんなこんなで店にはたくさんの流木が置いてある。昨日、木工の上手な友達が遊びに来てくれたので、夕方から一緒に作ることにした。まずボロボロになった黒板にベニア板を張り、麻布で覆って、その周りを流木で飾ってボードにした。さらに太い流木を三つ足の三角錐の形に組んで、そのボードをぶらさげられる台にした。もう一つは細い流木を不思議な形に組んで、オープン看板の足を作った。
麻布を貼ったボードに毎回、紙で定食のメニューを書くので、雨が降ったら、外に出しておけないが、ボードは取り外し可能なので、濡れそうな時はボードだけ中に入れられる。
夜の9時半頃までかかって、なんとも可愛らしい形のメニュー看板とオープン看板が出来上がった。流木の自然な形を生かした素朴な看板だ。作っているうちにどんどん創作意欲が湧いてきた。今度は流木を組んでスタンドを作ろうと思う。木や蔓を材料にしたナチュラルな小物たちって何て素敵なんだろう。
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January 20, 2009
この前、車に乗っている時、ラジオから「大根のミルフィーユがとても美味しくて・・・」という話を聞いた。ミルフィーユと言えば、パイ生地がいくつもの層になって、その間にクリームがサンドされた美味しいお菓子だ。フランス語では「ミル」が「千」を、「フイユ」が「葉」を意味しており、直訳すれば「千の葉っぱ」。でもミルフィーユと大根がどうしても結びつかない。
家に帰ってからネットで調べたら、野菜を薄切りにして間に肉や魚などをはさんだものを、野菜のミルフィーユ仕立てと呼んでいて、いくつもレシピがあることがわかった。私は勝手に千枚漬のような超薄切りのスライスをイメージしていたのだが、結局、どんんな野菜でもサンドしていけばいいようだ。ただ煮て上から具を乗せるだけよりも、何かを間に入れて煮込んだ方が見た目も楽しいし、同じものでもちょっと目先が変わる。
それで今日は大根のミルフィーユ仕立て?を作ることにした。と言ってもいくつもの層にしたら、食べにくいし、肉と違って脂肪分がないグルテンミートではうまく吸着しない。結局、薄切り大根の間にグルテンミートをはさんだ煮物を作ることにした。大根を1センチくらいの薄い輪切りにして、まず薄味で煮ておく。その後でグルテンミートに長ネギと生姜を入れて炒めたものをはさんで煮込む。でもこの時、グルテンミートがバラバラにならないようにつなぎに片栗粉を加え、トロ火で落し蓋をしてゆっくり煮ることにした。せっかくサンドした中味が汁の中に飛び出してしまってはもともこもない。
盛り付けた後、最後に別の鍋で作った醤油のあんをかけて、青味を散らして出来上がり。丁寧にゆっくり仕上げたので、形も崩れず可愛いはさみ煮になった。だけどどう転んでもミルフィーユなんて名前では呼べそうにないのだが・・・。
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January 19, 2009
佐原に土曜日だけ営業している自然食のお店がある。名前は「遊季」。行ってみたいと思いつつ中々土曜日は抜け出せないので、ずっと行けずにいた。この前の土曜日は、夜、遅くまで店を開けるので、午後から仕事に入ることにした。それでほんの短い時間だったが、サッと行って食事をしてこようと思い立ち、出かけることにした。
せっかく佐原まで行って食べられないと残念なので、一応、予約をしておいた。ランチは40食限定ということだった。小野川のすぐ近くに遊季はある。真新しい木の格子戸と店の前に生けてある生花が目印だ。ランチメニューは1種類しかなくて、1月のメニューである玄米の混ぜご飯や揚げだし豆腐の盛り合わせを美味しくいただいた。誰かが作ってくれたご飯って、それだけで嬉しい。
それにしても佐原の街はいい。オシャレなカフェや町屋作りや蔵のレストランなどがあちこちにある。それに雑貨屋さんや小間もの屋さんが点在していて、小江戸として人を呼ぶことができるのだ。たった一軒しかないお店にわざわざ行くのも一つの喜びではあるけれど、そういう店が何軒か周辺にあれば、歩いて回りたくなるし、出かけるなら、その方があちこち見られて楽しめる。とは言うものの、大急ぎで買い物をして店に戻らなければならず、結局、周辺を歩くこともなくトンボ帰りだったのだが。
ここ数年、佐原はとても人気のスポットになってきた。この前テレビでも特集をやっていたようで、お客様から録画したDVDを見せていただいたら、とても面白かった。成田から車で30分ちょっとでこんないい場所があるなんて、なんだか得した気分。
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January 18, 2009

昨日の煮物をヒデコちゃんに作ったもらったのはいいのだが、気がついたら、ものすごい量のもびきびを炊いていた。「すごい量だねえ~一体、何カップ炊いたの?」と聞いたら、「わかんない~適当に鍋の中に入れたから。炊き上がったらちょっと多いかなあと思ったんだけどね・・・」なんて笑っておしまい。里芋の上にかけるだけなら、1カップも炊けば充分だ。
「あのね~。国産の雑穀は100g当り、牛肉と同じくらい(それ以上?)に高いんだから、大事に炊いてね・・・」とヒデコちゃんのダイナミックさを私も苦笑するしかなかった?のだが・・・。昨今の原材料費の値上げに伴い、ともかく今、頭を悩ませているのは原価率の高さだ。材料を落とすことはしたくないので、今まで以上に素材を大事に使っていきたいと思う。
それで昨日炊いたもちきびが大量にあったので、今日はそれを何に使ったらいいだろうとずっと考えていた。それと昨日、グルテンミートのカツのトマトソースもかなり大量に作ったので、たくさん残っていた。もちきびとトマトソースを合わせてみよう・・・。結局、カブとブロッコリーを使ってグラタンを作ろうと思った。
グラタンと言っても乳製品を使ったものではない。でも使わない分だけ旨みを補うためにグルテンバーガーやニンニクを上手に利用しなくては。結局、茹でたカブとブロッコリーを天板の上に並べて、もちきびを柔らかく伸ばしたものとトマトソースとグルテンバーガーをかけて、パン粉をふりかけオーブンで焼いてラザニア風のグラタンにした。天板がずっしりと重たくなっていた。作っているそばからアリミちゃんが美味しそう~と焼き上がりを楽しみに待っていてくれた。もちろん本物のラザニアのようにはいかないけれど、動物性のものがなくても美味しいグラタンが焼き上がった。
今日から確定申告に向けての準備を始めることにした。イヤだイヤだと思って中々手につかなかったのだが、イヤなことほど早くやってしまった方がいい。一年分の領収書などの経費を課目ごとにわけてパソコンの中に入力していく。機械的な作業だが、とにかくこれを入力してしまわないと経費の分類と集計が終わらないから、ひたすらやるしかない。レシートの細かさと多さに憂鬱になりつつも、しばらく数字とにらめっこだ。
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January 17, 2009

千葉県有機農業推進連絡会(有機ネットちば)の方たちが、夕方、お食事をしに来て下さることになった。連絡は佐倉で有機農業をやっている林さんからだったが、きっとおかげさま農場の高柳さんも来て下さると思って楽しみにしていた。
3日ほど前にお電話いただき、今日の夕方、11名でお食事をしたいということだった。でも夜7時から別のグループの集まりも店で行われることになっていたので、4時半から6時半までと時間を決めて、やらせていただくことにした。
高柳さんの畑へ行きたい行きたいと思っていたのだが、昨年はとうとう行くことができなかった。久しぶりにお会いした高柳さんはお元気そうで自家焙煎の落花生を持ってきて下さった。他のメンバーが中々到着しなかったので、待ちきれなくなったのか?お隣りの喫茶店へコーヒーを飲みに行ってしまった。その間に皆さんが揃ったので、「乾杯しますよ~」とお隣りのお店まで呼びに行ったのに「まだ注文したコーヒーができてないから」と言うので、高柳さん不在のまま皆さんで乾杯をした。だけどせっかく風楽に来たのに、どうしてわざわざ隣りの店にコーヒーを飲みに行くんだろう?!いかにもマイペースな高柳さんらしいなぁ~。
「俺は玄米なんか食わんぞ!」と言っていたのに、今日はおとなしく?玄米を食べてくださった。高柳さんと知り合って以来、初めてのことだ。それに「お~。久しぶりに来たら飯が美味しくなってたよ。見違えるようだぞ。この玄米も旨かったよ」とお褒めの言葉をいただき感激してしまった。
高柳さんの落花生を砕いて、芋葛粉と合わせて落花生豆腐を作った。お味噌も高柳さんの大豆で作ったものだ。デザートの人参ケーキももちろん野菜は全部、おかげさま農場の野菜。それを食べていただけたのがとっても嬉しかった。
真面目に仕事している者がどうして報われない世の中なんだろうねえ・・・なんて時につぶやきながら、それでも真正直に生きている人がここにもいて、がんばっているんだなあと確認することが、お互いの明日からの力になっていく。少なくとも私にとって高柳さんはそういう人だ。
今日、来て下さった方たちは皆、美味しい美味しいとお食事をとても喜んで食べてくださった。6時半を過ぎ、その次の予定もあったので、慌しくお別れしてしまったが、今年は時間を作って高柳さんの畑にも行きたいなあと思った。
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January 16, 2009
第140回直木賞が天童荒太の「悼む人(文藝春秋)」に決まった。今年は山本兼一の「利休にたずねよ」と2作での受賞となる。ちょうど「悼む人」を読み終えたばかりだったので、今回の受賞がこの作品だと知ってとても感慨深かった。
天童荒太は「永遠の仔」を読んで以来忘れられない作家となった。親から虐待を受け、心に傷を持ちながらもひっそりと生きていこうとする主人公たちの愛と哀しみ。とても重たいテーマではあったが、最後に希望を見出すことができる素晴らしい作品だった。読み終えてからしばらくの間、ずっとその作品の余韻にひたっていた。
今回の作品は、同時多発テロの報復措置としてアメリカが軍事攻撃を始めたことが、創作のきっかけになったそうだ。「悲劇の連鎖を食い止める砦として、自分や愛した人のことを覚えていて、ただ悼む人がいてくれれば、という思いが生まれたのだと思います」。
主人公の静人は事故や病気で亡くなった知らない人たちの死を忘れないために、彼らが亡くなった場所に立ち、悼むという行為を旅をしながら続けている。何のために?と質問されてもその答えはわからない。ただ彼らが生きていたこと、その事実を心に刻んでいきたいのだという。誰に愛されていたのか、誰を愛していたのか、どんなことをして人に感謝されたことがあったのか・・・その3つを死者の回りの人たちに聞いて、その後、彼らが死を迎えた現場に祈りをこめて立つ。
静人の旅の途中、三流週刊誌の記者は反発しながらも彼の行為に惹かれていき、夫を殺した女性は死を悼むということで初めて愛というものを知り、またガンに侵された静人の母はひたすら彼の帰りを待ち続ける。悼むとはどういうことか、死とは何か、深く答えのない永遠のテーマを天童荒太は丁寧に探っていく。
人間の命の連なりと愛を、真正面から真摯に書こうとする作者の姿勢は、小説家というよりもまさに求道者のようだ。ベストセラー作家の中にこんな作家がいたなんて・・・。いや、そんな思いが根底に流れているからこそ人々に伝わって、彼の作品が多くの人に支持されていったのだろう。
表紙は「永遠の仔」の時と同じ、彫刻家舟越桂氏の作品を自ら撮影した写真を使用。その姿は作者の描く静人そのもののようだ。構想から7年という歳月をかけて、様々な思いを重ねながら生まれてきた作品は生と死、愛と受容・・・魂の深い部分で人々に共感をよぶことと思う。
それを宗教とか癒しとかいう言葉では決して括ることのできない天童荒太の世界観は、何かこれからの私たちのありようを示唆しているような気がする。
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January 15, 2009
今日は今年初めてのあいりん堂さんへのお弁当配達の日。今日のご注文は23個だったのでいつもよりも少ない。毎回、30個~40個とお作りさせていただいているうちに、いつのまにやらお弁当作りにも手が慣れてしまった。前日にある程度、下ごしらえをしておけば、当日、特別に構えなくても、定食の準備をしながら、普通にお弁当作りまでできるようになってきたのだ。いつもお弁当の時はスタッフにも早めに来てもらうのだが、今日は特に連絡をしなかった。
お正月も過ぎてしまうと、この時期はとても店がヒマになるので、お弁当や新年会などまとまったご予約が入るととても助かる。今日も冷たい北風が吹いていて、日中は人影もまばらだった。夕方はぐるっと千葉の取材。今回は今が旬の白菜とかぶがテーマだったので、白菜と豆腐の中華スープと、かぶのモチキビあんかけを作った。
今日はお店がヒマで時間があったので、あらかじめレシピを書いて仕上げておくことができた。いつも定食の支度をしながら、その日に撮影する料理を考えているので、本番の時はまだレシピが完成していないのだ。撮影が終わって試食がてら雑談している時、ようやく走り書きのようなレシピのメモを書いて、お渡ししているのが私の実態?だ。でも今日はレシピができていた分だけ、時間の流れがスムーズだったように思う。
今年は何事も早め早めに準備していくことを、ちょっと意識しながら行動してみようかな?そうすれば、もう少し落ち着きのある人間になれるかも・・・?!
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January 14, 2009
「其(そ)のにほひ 桃より白し 水仙花」と 松尾芭蕉にも詠まれた冬の代表的な花である水仙。今、店内は水仙のいい香りで充ちている。この前、伊豆に行った時、空き地に咲いていた水仙を何本かまとめて手折ってきた。もう1週間になるが、今も元気に咲いていてくれる。この時期はあまり自生している花がないのだが、下田では水仙が満開。道ばたや山道、畑の脇など、あちこちで水仙を見かけた。すくっと立っている水仙の花は清楚で美しく、控えめな優しい香りがとてもいい。
今日は佐倉市のある老人ホームのおばあちゃんたちがお食事に来て下さった。初詣やお花見の季節になると、車で宗吾霊堂まで足を伸ばし、境内でお散歩をした後、休憩がてらお食事に寄っていただいている。そんな遠足のような形で?毎年、何件かの老人ホームやグループホームの方たちが来てくださる。
ご飯が多すぎないように控え目によそったのだが、それでも多かったようで、おかずもかなり残っていた。お口に合わなかったのかもしれない。やっぱりあの年代は玄米よりも銀シャリかな?年を経ると新しいものよりも食べ慣れたものを好んで召し上がるのだと思う。お食事よりもお汁粉や和菓子などの方が喜ばれたかもしれない。お食事が終わってからも写真を撮ったりして、ゆっくり過ごしていただけたので、それだけはよかったと思うのだが。お店に飾ってある水仙の香りがおばあちゃんたちにも届いていたらいいなあ。
水仙の花言葉は思い出・記念。なんだか今日のような日にピッタリだ。
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January 13, 2009
宗吾霊堂へは毎年必ず元旦に新年のご挨拶に行っている。ただ私にとって宗吾霊堂は生活や仕事とあまりにも密着しているお寺なので、初詣は別の場所へ出向くようにしている。お参りももちろん大切な目的だが、仲見世通りを歩いたり、お寺に集まる人々を見たりすることで、遅ればせながらお正月気分を味わいたいからだ。
今日は隅田川の七福神めぐりに行ってきた。元旦から七草までがご開帳の期間なので、すでに七福神めぐりの時期は過ぎているのだが、別に自分で歩く分には全く問題はないので、境内に置いてあるスタンプを押しながら、各お寺(または神社)をご参拝した。宝船にご分体を一つ一つ集めて乗せていく方法や、ご集印帳に書いていただく方法もあるが、歩く順番や参拝の仕方は各人の自由だ。
七福神めぐりの習慣は江戸時代から庶民のお正月の楽しみとして、様々な祈願をかけながら今も続いている。全国各地でそれぞれ七福神の祀られた場所を参拝して歩く人たちがいるが、私が実際に回ったのは今回が初めて。七福神とは毘沙門天、寿老神、福禄寿尊、弁財天、布袋尊、大黒神、恵比寿神の七体。小さい頃からその名前は知っていたけれど、実は七福神の中で実在したのは布袋様だけで、彼は中国の禅僧で弥勒の化身と言われているということも今回、初めて知った。写真は布袋尊を祀る弘福寺。
午後からは隅田川を渡り、浅草寺へご参拝。松の内が開けてもまだまだ賑やかでたくさんの人たちが参拝に訪れていた。さすが浅草。庶民的で気ままで何でもアリ・・・。仲見世通りをきび団子や人形焼をつまみ食いしながら歩いたり、古い着物屋さんを覗いたりして過ごした。
どこへ行っても人々は、その年が家族と共に平安であることを祈り、様々な思いで手を合わせている。時代が変わってもそれは変わらない営みなのだと思う。幸せの形は人それぞれ違うが、幸せを願う気持ちはみな同じだ。ささやかな今に、どれだけ感謝することができるか・・・その繰り返しの中にきっと幸せってあるのだろうな。
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January 12, 2009
この前、松尾の友達の家まで玄米を取りに行った時、年末についた玄米もちと黒米もちを分けていただいた。彼の作っている無農薬玄米や黒米を使ってついた美味しいお餅だ。お正月ももう終わりなので量も少なめにしていただいたのだが、これがまた美味しくて美味しくて・・・。このところ毎日のように食べ続け、今日、いよいよ最後のお餅を食べ納めた。
特に黒米もちが最高だった。食べやすいように黒米を炊いたものを白米のお餅の中に加えて、一緒についているせいか、とても柔らかくてなめらかな黒米もちなのだ。量が多いのでつくのは機械だが、焼くと、とろ~りとなって、あんこやきな粉をつけたら餅菓子かな?と思うくらいの口当たり。とても食べやすいのだ。一方玄米もちの方も味が濃くて粘りがあって、とても美味しい。一般に玄米もちは普通のお餅よりものびにくいし重いのだが、彼の玄米もちは柔らかくてよくのびる。
あんまり美味しいので、今年の年末はお店用にも作っていただこうと思った。そしてお正月用は予約販売できるように計画しよう。食べやすくて美味しいので、ついつい食べ過ぎてますます体重が加速していく一方だが、しばらくは寒いので皮下脂肪を見方に寒さ対策?!。
今日は成人式。自分の成人式から早四半世紀が過ぎてしまったが、何年たっても懐かしい思い出だ。私の振袖は娘が着てくれた。まだ結婚もしていないのに、それを今度は自分の娘にも絶対に着せたいと娘は言っていた。その姿をこの目で確認することはできないかもしれないけれど、もし実現できたらやっぱり嬉しいな。
夕方、ちらっと振袖姿のお嬢さんを見かけた。だけど緑や赤のどぎつい原色の?振袖だった。最近ではそういう色が流行なのかもしれないが、なんだかちょっと濃すぎるような・・・。大変な時代に成人式を迎えることになったけれど、若い時は失敗なんてないのだから、恐れずに自分達の未来を切り拓いていってほしいと祈るばかりだ。彼らが私たちの年代になった時はどんな時代になっているのだろう。
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January 11, 2009
北風は昨日ほど強くはなかったけれど、相変わらず今日も気温が冷え込んで寒~い一日。はりきってたくさんお料理を作ったけれど、今日もそれほど忙しくはならなかった。今年は3が日がずっと快晴だったので、早めに初詣に行かれた方が多いのかもしれない。1月いっぱい日曜日の宗吾霊堂は比較的混み合うのに、今日の人出はそれほどでもなかった。景気の悪さも反映してか、初詣客も今年はかなり多かったと聞く。苦しい時の神頼みなのかな。こういう時こそお参りをして、良い年になるよう人々は願うのだろう。
易で今年の自分の年運を取った。澤 萃花さんの指導の元、細々と易を勉強しているが、面白くてすごい世界だなあと思う半面、難しすぎて全然身についていかない。64個の卦の名前もまだ全部、覚えられない。それでも月末には翌月の月運を取り、毎朝、その日の日運を取るようにしている。自分のことを占い、実際の出来事と照らし合わせて、データを取って行くのが、一番、易の上達につながると澤 萃花さんも言っている。
日運は一つだけだが、月運や年運となると占う項目(占的と言う)を毎回、決めておく。全体運、健康運、金銭運、仕事運、家庭運、恋愛運、不慮運(注意すべきことがら)、方針とだいたい8つの方面を占う。
今年の私の年運は風雷益の上九。これは積極的な行動が成果をあげる時であるが、あまり嵩にかかった行動は慎んだ方が賢明という意味。易は常に変化していくものなので、益はただ増えると解釈するのではなく、減ることの裏返しでもある。何かを得たことによって失われていく何か・・・。それが一体、自分の人生にどういう意味があるのかまだまだ未知数だが、とにかく無理をしすぎないこと、そして謙虚さを持つことが大切だと思う。
澤 萃花さんの2月の易と気功整体は1日と22日を予定。年運を占ってみませんか?
写真は今日のデザート。マクロ仕様のヒエ粉のプリン。甘酒とココナッツミルクの優しい味。
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January 10, 2009
北風がぴゅーぴゅーと吹く寒い一日。連休初日なので忙しくなりそう~と思っていたのだが、この寒さのせいかお店はとてもヒマだった。お昼過ぎに本の取材があった。野草社の「おいしいごはんの店~自然派レストラン全国ガイド~」の改訂版が春に出版されるという。かつて七つ森書店より出版された「シンプルレストランガイド」は自然食レストランのガイドブックとしては異例の人気があった本で、風楽も紹介していただき、うちの店だけでも70冊くらいは売れたと思う。
その後、野草社から全国版の「おいしいごはんの店」が出版され、秘かなロングセラーとして再版を重ねていた。本はすでに完売し、この春、225件だったお店を300件に広げ、新しい「おいしいごはんの店」として出版されることになったそうだ。この数年、マクロビオティックのブームにのって自然食レストランはかなりたくさんできたが、最近になって閉店されたお店も多いのは事実。その状況に合わせて、データを見直しながら、今回は大幅改定されるという。実際、数年前のガイドブックを頼りにお店に行っても(既にお店をやめていて)見つけられなかったということがよくある。
取材は「シンプルレストランガイド」の時にも来てくれたライターさん。何年ぶりかの対面となったが、多分、感覚が近い方なのだろう。懐かしくて、取材以外の話も弾んでしまった。この本の特徴は料理を写真ではなく手描きのイラストで紹介している点だ。そのイラストがまたとてもいい雰囲気で温かみがあるのだ。そして全国、どのお店にも「おいしいごはんの店探検隊」が一軒一軒足を運んで、実際にご飯を食べてから紹介記事を書いている点だろう。
今回もまずは定食の写真を撮影してから食べていただき、後日、イラスト担当の方が写真を見ながらイラストを描いていくのだそうだ。マクロビと限定せずに、スローフードや地産地消、ヘルシー、有機野菜などをキーワードに「美味しいご飯」のレストランを全国からセレクトしていったそうだ。それもチェーン店や高級なお店ではなく個人のお店としてがんばっている所を積極的に紹介していきたいとのこと。
ライターの方が「器も素敵で定食のトレイ全体が一つのアートみたいになっていて、とても美味しかったです」と感激してくださったことが素直に嬉しい。
4月頃出版予定。出版されたら風楽でも大々的に販売しますので、ぜひお手元に置いて全国の美味しいご飯の食べ歩きのお供にしてくださいね。巷のグルメ情報とは全く違った本当の意味でのグルメが味わえるはず?!私も楽しみにしていま~す!
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January 09, 2009
いつも定食には青菜をお付けしている。冬の間、白菜がある時は白菜の葉もさっと茹でて繊維に沿って千切りにし、青菜に加えると彩りも青と白になりとてもキレイなのだ。青菜はだいたいほうれん草と小松菜を使うことが多いが、今日はその2種類にさらにいろいろな菜っ葉を加えることにした。まずは白菜。それから赤カブのお漬物を作った時、赤カブについている赤紫色の葉が残っていたので、それを加えた。さらに下田で摘んできた野生の明日葉も茹でてから水にしばらくさらして一口大に切った。
結局、小松菜、ほうれん草、赤カブの葉、白菜、明日葉と5種類の菜っ葉が混ぜ合わさったことになる。微妙に少しずつ色が違っていて、菜っ葉オンパレード?という感じになった。八方出汁を溶きワサビを加えて和えた。明日葉のほろ苦い香りが加わると、いつもの青菜がより美味しくなった。明日葉は「今日、新芽を摘んでも、明日また新しい芽を出す」という旺盛な生命力のあることから命名されたセリ科の葉っぱ。ダイエットに効果的だったり、植物性有機ゲルマニウムやインターフェロンの生成に役立つ物質が含まれていることから、長寿に欠かせない健康野菜として最近、注目されている。千葉にも生えているが伊豆ほど多くない。近くにあればいつでも摘みに行くのになあ。
きのこ狩りや山菜摘みもそうなのだが、山の中に自生しているものを探して、山歩きしながら収穫できるととても嬉しくなる。ただ歩いているだけよりもキョロキョロしながら歩くので、時間がたつのも早いし、その分、思いのほかたくさん歩くことができる。そして帰ってからその食材を自分で料理して食べるというお楽しみまであるので、行った場所の思い出に浸りながら、しばし箸を動かす。
今日は久しぶりの雨。お湿り程度だったが、気温がぐっと下がりとても寒くなった。お客様も少なかったので、ミエコちゃんにも早めに帰ってもらい、店は3時半で閉めさせていただいた。
これからの季節、お店が空いている日は様子を見ながら3時で閉めさせていただくこともありますので、お食事の方はお早めにおいでください。
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January 08, 2009
January 05, 2009
お正月メニューが終わり、今日から通常メニューを再開させた。三が日が終わり、週明けの今日は今までとうって変わって、きっとヒマになるだろうなあと覚悟していた。だからおかずの量もそれほど多くならないように作った。ところが予想に反して?今日はまあまあ忙しい日になったのでビックリ。おかずもほぼなくなってしまった。
顔馴染みのお客様が次々に来て下さったのだが、厨房が忙しくて中々抜け出せず、ご挨拶もそこそこになってしまった。今日の定食はお味噌汁をけんちん汁にした。お正月メニューの間、毎日、作っていたけんちん汁だが、毎回、野菜の量がかなり多いので、汁の方が先になくなって、いつも具の方が残ってしまう。昨日もたっぷり作ったら、けんちん汁の最後の日だというのに、野菜が多く残ってしまったので、それを取っておいたのだ。それで出汁だけ別にひいて、後から野菜を加え、けんちん汁を作り直すことにした。
風楽では味噌汁にも重ね煮で作った野菜をたっぷりお入れしているが、けんちん汁はもっと野菜の量が多くなるので、別の美味しさがある。久しぶりにおかずの多い、いつもの定食に戻ったら、トレイの上が賑やかでとても美味しそうに見えた。今日のメニューはけんちん汁、グルテンミートカツのトマトソースがけ、カブなます、ヒジキサラダ、白菜と青菜と昆布の和え物、カボチャの粒ソバ煮、青大豆、お新香、黒米入り玄米ご飯。
店を閉めたらすぐ税務署と市役所に寄って確定申告に必要な書類を取りに行き、それから松尾の農家さんの家まで行って玄米90キロを仕入れ、野菜や食材の細々したものを買って家に戻ったら8時を過ぎていた。ふ~疲れた~!お正月中、連日、大忙しだった店の仕事が終わっても、こういう買出しの仕事は店をやっている以上、ずっと続くんだなあ・・・。
でも明日明後日はようやく私のお正月休み!今年は本当によく働いたなあと思う。さて何をしようか、どこに行こうか・・・。
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January 04, 2009
お正月休みの最後の一日。今日は忙しくなるのか混むのか全く予想できなかった。明日からはほとんどのお勤めが始る。お正月気分もいよいよ終わり、これから厳しい経済の中で新しい年が始る。連休の最終日だったせいか、参拝客も少なく、昨日までの忙しさがウソのように午前中はとても静かだった。お昼に向けて混雑するのではないかと心配だったが、買い物にも行きたかったので、ちょっとだけ店を抜け出すこともできたくらいだ。買い物から戻っても、店は相変わらずヒマだったので、クッキーやケーキを焼き始めたら急に忙しくなってしまった。ボールやフードプロセッサーを出しっぱなしの状態で、定食をご用意したので、とてもやりにくかった。でもランチタイム時なので、ケーキを作っているよりも、やっぱり定食のご用意をしている方がずっと嬉しい。写真は豆腐とココアと甘酒で作ったマクロ仕様の豆腐ショコラ。
夕方は移動させたテーブルやコーヒーメーカーやカップなどを元の位置に戻し、お正月メニューの貼り紙をはがし、厨房の床を水洗いしたり、トラップのゴミをすくい取ったり、お正月分のゴミをまとめたりしているうちに、これでお正月も終わりだなあという気持ちになっていった。お正月後の平日はしばらくお店もヒマになるので、私にとっては今の日本経済と同様の厳しい季節が始ることになる。でもまあ今までだってずっと大変な中を何とかやってきたのだから、何もこの期に及んで心配していても仕方ない。今までどおり、美味しいお野菜で美味しいご飯を作らせていただこう。
*1月いっぱいは宗吾霊堂の駐車場が有料になります(1回500円)。お店の前に詰めれば2台、何とか駐車できるので、そちらをご利用ください(先にお車が止まっている時はご了承ください)。
*年賀状をお送りくださった方、どうもありがとうございました。私自身、年賀状は昨年より書くのをやめたので、お返事を差し上げなくて申し訳ありません。この場をお借りして、今年もどうぞよろしくお願いしますという気持ちと、皆様のご多幸をお祈りしておりますということをお伝えさせてください。ありがとうございました。
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January 03, 2009
チエコさんの故郷は香川県だ。香川県のお雑煮は白味噌仕立ての汁の中にあんこ入りのお餅を入れて食べるそうだ。初めてそれを聞いた時、「え~っ?味噌汁の中にあんころ餅を入れるなんて!?」と驚いた。何とも不思議な取り合わせだなあと思った。今、千葉に住んでいるチエコさんの家で食べるお雑煮はもちろん香川式。今でも年末になると故郷から白味噌とあんこ入りのお餅とそら豆を煮た醤油豆というお正月に欠かせない食材が送られてくるそうだ。チエコさんはかれこれ一年以上、風楽に来てくれているので、昨年も私が香川のお雑煮を食べたいと言ったら、お正月に厨房で作ってご馳走してくれた。今年はどうなるのかなと思っていたら、みんなで相談して今日、集まろうということになったらしい。そのために今日のシフトに入っていないチエコさんはわざわざお雑煮の材料を持って風楽に来てくれた。ミエコちゃんが長野から送ってもらったお漬物を持ってきてくれて、ヒデコが松前漬と煮物を持ってきてくれて、チエコさんがお雑煮の材料とダンナさんの富山の実家から送ってもらった昆布かまぼこを持ってきてくれて、忙しい仕事の合間に、なんと全員揃って!お雑煮大会。まるで新年会のような賑やかさになってしまった。今日はお昼もすごく忙しかったので、かたや定食の支度をしつつ、フロアではたくさんのお客様がいらっしゃっているというのに、厨房はやけに賑やか。
チエコさんは香川の名にかけて?美味しいお雑煮をみんなに食べてもらうためだけに来てくれた。シフトに入っている時はお雑煮作りに気が散って集中できないから?だそうだ。実際、用意してくれたお雑煮は里芋や人参の重ね煮のお汁で一つ一つの野菜が煮崩れることなく、とてもキレイに仕上がっていた。白味噌も味噌溶きしながら丁寧に加え、その中でお餅を煮るのだが、お餅のとろけ具合もちょうどよかった。アツアツのお雑煮をふーふー言っていただいた。とても優しい味がする。お餅をかじると中からあんこがトロリと出てくるのがまた美味しいのだ。ヒデコちゃんは「チエちゃん、風楽に来て腕を上げたねえ~。来年もこのお雑煮を食べたいから風楽をやめないでねっ」なんて勝手なことを言っていた。
それにしてもランチタイム時の超忙しい時間に、よくまあ全員揃ってのんきにお雑煮を食べられたもんだ。さすが風楽のスタッフ。どんな時でも食べるための時間と場所を確保するのが上手?だ。今年、私は何もお節を作っていないので、ほんの短い時間だけでも、みんなと一緒にお正月気分を味わえてよかった。わいわいがやがや言いながらみんなで楽しくチエコさんの故郷のお雑煮を食べることが、早くも風楽のお正月の定番になってしまったようだ。今でも帰れる故郷があるって羨ましいな。チエコさんご馳走様でした!来年もよろしくね?!
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January 02, 2009
お正月の間は店が大変混み合うので、通常の玄米定食をご用意することができない。食器の数も足りなくなるし、手で洗っているので、洗いも間に合わない。それで定食の価格をお下げして、おかずの数を減らしている。その分、野菜をたっぷり入れて作るけんちん汁をお付けしている。寒い季節にはアツアツのお汁が何よりだし、おかげさま農場の根菜がとにかく美味しいので、お正月の間は毎朝、大鍋いっぱいにけんちん汁を仕込んでいる。
昨日はすごく忙しかった。元旦はどのご家庭にもご馳走がたくさんあるせいか、例年ではケーキセットとお汁粉が一番人気で、お食事をされる方は意外と少ない。でも今年は元旦から定食やカレーを注文される方が多かったので、お食事のオーダーが増えた分だけ厨房も大忙しだった。とにかくオーダーをご用意することと、食器洗いに明け暮れた一日となった。
昨日はとにかく午後から夕方まで全くお客様が途切れず、すごく忙しかったのだが、今日の人出は昨日ほどではなく、お店もすごく忙しくはならなかった。ヒデコちゃんが「満席のフロアでがんばって仕事しているところを写真に撮ってブログにのせようよ!」と朝から張り切っていたのだが、結局、撮り忘れてしまった。
いつもはオーダー伝票もつけないで記憶を頼りに?会計をしているが、お正月の間だけはさすがに、そうも言っていられず、伝票を頼りに会計をさせていただいている。そのせいか、満席になってもそれほどの混乱はなく、フロアはこの2日間、ほとんどミエコちゃんにお任せ。とてもしっかりやってくれたので助かった。
私がもしフロアをやってたら、厨房とフロアの段差が次第にきつくなり、夕方になったら足がもつれて転んでしまう?かもしれない。厨房は手と頭で回すけれど、混んでいる時のフロアは頭と足が勝負だ。その頭と足・・・両方とも老齢の身では自信がないなあ。記憶力もないから伝票があってもオーダーをしょっちゅう間違えて一人で混乱ちゃいそうだ。
家には何のおせち料理もないので、夜はお餅を焼いてけんちん汁の中に入れた即席雑煮。ふーふーしながらいただく。6日まで私のお正月休みはない。コンクリートの厨房は足元がとても冷えるので根菜を食べて体を温め、しっかりがんばろうっと!。
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January 01, 2009
新しい年の始まりはとても穏やかで温かな一日となった。朝、早くに宗吾霊堂へ初詣。昨年一年、無事にお店をやらせていただけたことを感謝しつつ、今年もまたこの場所で店をやらせていただきますので、どうぞ見守っていてくださいと手を合わせた。
昨年秋以降、本当に大変な時代になってしまった。社会全体が暗い雲に覆われてしまったかのように見える。小さな会社や店をやっている人たちにとっては大きな痛手の年となった。また安定した雇用が保障されていない人たちは次々に職を失っていった。経済の破綻が人々の生活に与える影響の大きさを改めて痛感した一年だった。誰もが幸せに自分らしい生き方をしたいと願っている。だけど働いて食べて寝る・・・という最低限の生活さえも維持できなくなってしまった人たちがいる。一体、どうやって明日へと命を紡いでいけばいいのだろう。
仕事とは何か、私はいつも考えている。生きていく糧を得るために必要なものではあるけれど、ただお金を得るためだけに働いているのでは決してない。
道元禅師をテーマにした映画ができたという。それに合わせて料理研究家の辰巳芳子さんがコメントを書かれていた。「食すことは、命への敬畏、食べ物を用意するとは、いのちへの祝福」「人という分際でありながら、命にかかわる、食べ心地を自由になしうるとは、思い仰げば、身にあまる光栄」と呼吸するかに、包丁を持ち火の前に立っているようです・・・と。道元が辰巳さんの人生に大きな影響を与えたことは間違いない。
日本の料理研究家の草分けとして、また食と命のかかわりへの深い洞察に基づいた言葉を発信する方として、私も辰巳さんをとても尊敬している。辰巳さんの食に対する姿勢はいつも真摯だ。ほんの小さな店であったとしても自ら食に携る仕事をさせていただいている者の一人として、その姿勢にはいつも襟を正される思いだ。
食べ物は命を生み出す。包丁を握り、調理をしていくことで、私は野菜たちの命をお客様にお届けしている。いわば命の橋渡しだ。
その仕事を通して、どれだけ自分を見つめ、律し、学ばせていただいたことか。食に携る者は何より自らの精神性を高め、その姿勢を問い続けていくことを忘れてはならない。辰巳さんの著作を読むたびにそう思う。
これからもっともっと厳しい時代になっていくだろう。そんな中で何を目的にお食事を作らせていただくのか。食べてくださった方の体に染みわたり、今日一日のご飯が明日への命を紡いでいく。その繰り返しの中でそれぞれの人が幸せになっていってくれることが私の願いだ。
年が明けたからと言って、急に大きな変化があるわけではない。当分、大変な時代が続くだろう。だけどその中にあっても、一人一人が自分らしく生きていけるよう、そして自らの命をちゃんと輝かすことができますように、そんな希望をもって、新しい年の始まりを祝いたい。
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