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January 01, 2009

あけましておめでとうございます!

Dscf3482新しい年の始まりはとても穏やかで温かな一日となった。朝、早くに宗吾霊堂へ初詣。昨年一年、無事にお店をやらせていただけたことを感謝しつつ、今年もまたこの場所で店をやらせていただきますので、どうぞ見守っていてくださいと手を合わせた。
昨年秋以降、本当に大変な時代になってしまった。社会全体が暗い雲に覆われてしまったかのように見える。小さな会社や店をやっている人たちにとっては大きな痛手の年となった。また安定した雇用が保障されていない人たちは次々に職を失っていった。経済の破綻が人々の生活に与える影響の大きさを改めて痛感した一年だった。誰もが幸せに自分らしい生き方をしたいと願っている。だけど働いて食べて寝る・・・という最低限の生活さえも維持できなくなってしまった人たちがいる。一体、どうやって明日へと命を紡いでいけばいいのだろう。
仕事とは何か、私はいつも考えている。生きていく糧を得るために必要なものではあるけれど、ただお金を得るためだけに働いているのでは決してない。
道元禅師をテーマにした映画ができたという。それに合わせて料理研究家の辰巳芳子さんがコメントを書かれていた。「食すことは、命への敬畏、食べ物を用意するとは、いのちへの祝福」「人という分際でありながら、命にかかわる、食べ心地を自由になしうるとは、思い仰げば、身にあまる光栄」と呼吸するかに、包丁を持ち火の前に立っているようです・・・と。道元が辰巳さんの人生に大きな影響を与えたことは間違いない。
日本の料理研究家の草分けとして、また食と命のかかわりへの深い洞察に基づいた言葉を発信する方として、私も辰巳さんをとても尊敬している。辰巳さんの食に対する姿勢はいつも真摯だ。ほんの小さな店であったとしても自ら食に携る仕事をさせていただいている者の一人として、その姿勢にはいつも襟を正される思いだ。
食べ物は命を生み出す。包丁を握り、調理をしていくことで、私は野菜たちの命をお客様にお届けしている。いわば命の橋渡しだ。
その仕事を通して、どれだけ自分を見つめ、律し、学ばせていただいたことか。食に携る者は何より自らの精神性を高め、その姿勢を問い続けていくことを忘れてはならない。辰巳さんの著作を読むたびにそう思う。
これからもっともっと厳しい時代になっていくだろう。そんな中で何を目的にお食事を作らせていただくのか。食べてくださった方の体に染みわたり、今日一日のご飯が明日への命を紡いでいく。その繰り返しの中でそれぞれの人が幸せになっていってくれることが私の願いだ。
年が明けたからと言って、急に大きな変化があるわけではない。当分、大変な時代が続くだろう。だけどその中にあっても、一人一人が自分らしく生きていけるよう、そして自らの命をちゃんと輝かすことができますように、そんな希望をもって、新しい年の始まりを祝いたい。

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Comments

くもりのち晴れさんありがとう。
おかげさまで昨日はお店がずっと忙しかったです。道路も渋滞ではなかったでしょうか?混み合う中を来て下さってどうもありがとうございました。定食はいつもに比べるとおかずが少ないので、ちょっと寂しいのですが、5日からは通常メニューに戻りますので、またよろしかったらお出かけくださいね。今年もよい年になりますように!

Posted by: 風楽 | January 02, 2009 at 07:26 PM

明けましておめでとうございます。
今日は、玄米定食をいただきました。とてもおいしかったです。
初詣に来た方達でお店も忙しそうでしたね。
調子が出ない時に、風楽さんのご飯をいただくと頑張ろうと言う気になります。
今年もたくさんお邪魔することになると思いますが、よろしくお願いします。

Posted by: くもりのち晴れ | January 01, 2009 at 09:38 PM

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