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July 02, 2010

スローメディスン~まるまる治るホリスティック健康論~

辻信一さんが監修している「ゆっくりノートブック」の中からタイトルに惹かれて読んだ一冊。とても面白かった。「ゆっくりノートブックはリメンバーのための覚え書き。リメンバーとは思い出すこと、覚えておくこと、RE・MEMBER。バラバラになったものをもう一度つなぎ合わせること」という思いのもとに刊行されているシリーズ本だ。
本書は自然治癒力を引き出す統合医療を提唱している医学博士アンドリューワイルの指定翻訳者であり、日本ホリスティック医学協会副会長でもある上野圭一さんと辻信一さんの対談集だ。最初に上野さんが大切にされている野口整体創始者である野口晴哉さんの「病は治るもの也 何かをしなくとも自ずから治るもの也 治らざるは 自分がやんでいるから也 自分が病まねば、病は自ら去る也 それが病むということ也」という言葉から始まる。そして辻さんはこの中で「治らざる自分」というのはつまり「バラバラな私」と言い換えることができるのではないかと投げかけている。
現代社会は「すること」に取り憑かれている。それはモノや金に取り憑かれることと同じだ。そして社会は「する」ことを強いるシステムが中心になっていて、「しない」や「できない」ことを認めにくい。でも病気になると「する」が制限されるので「いる」しかなくなる。その時人は初めて何のために生きているのかを振り返ることになる。つまり病とはすることに取り憑かれた状態から降りるチャンスに恵まれたことだとも言える。
ガンになった辻さんのお母様の最期は帯津三敬病院で亡くなったそうだ。本書の中で亡くなる前に辻さんの娘さんたちとお母様がベットで横になっている笑顔の写真が掲載されていた。死期を目前にしながら、何とも幸せそうな笑顔の写真を見て涙がこぼれた。本当に辻さんはご家族とも愛のある生活をしていらっしゃるのだなと思った。
また上野さんは地球の温暖化について、これは地球の病の症状であると語られている。そしてその地球に対して私たち人間が自分のいる場所の土、海、川をどうしていくかというのはローカルな治療法で、有機農法というのは地球への自然療法なのだと言う。
お二人の言葉はどこを切り取ってもなるほどとうなずくことばかりで、とても参考になった。今夏、公開される「ガイアシンフォニー7番」ではこのアンドリューワイルが登場するとのこと。とても楽しみだ。
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