カサブランカとの再会
昨年、お店が開店した時にたくさんの方たちからお花をいただいた。生涯こんなにたくさんのお花が集まったのは初めてというくらい(ず~っと昔にやった結婚式の時さえ、こんなにお花はなかった)、たくさんの花が土間の窓辺に並んだ。切り花や鉢植え、観葉植物・・・いろいろな種類のお花を皆さんが選んで下さった。
お花はカサブランカやバラなど華やかなものが多かった。その中に二つほどカサブランカの鉢植えがあった。しばらく甘い香りを漂わせながら美しい大輪の花を咲かせていてくれた。花が終わった後、茎を短く切って鉢植えをそのまま庭の隅に植えておいた。
もちろん寒い冬の間もそのまま。横にある畑を耕す時、鶏糞をまいたけれど、カサブランカの球根をどこに植えたかも忘れてしまったので、特にカサブランカだけを念入りに手入れしたというわけではない。
にも拘らず春過ぎから茎が伸びてきた。でもまさか花が咲くなんて思ってもいなかった。それが7月に入ると、つぼみがあちこちにできてきたので、もしかしたら咲くのかな?と淡い期待をしていた。その期待にこたえるかのように、昨日、初めての花が咲いた。しかもものすごく大きな花弁を青空に向けて!
鉢植えの時よりもはるかに背が高くなり大きな花を咲かせていた。さらに回りにはいくつものつぼみがいっぱいで今日もまた新しい花が咲いた。思わずカサブランカに駆け寄って写真を撮った。カサブランカが庭にたわわに咲いてる古民家ってちょっといいかも?!
この土地の寒い冬を健気に耐えて?夏に花を咲かせる準備をずっとしていてくれたんだなと思ったら、何ともいじらしくて可愛かった。梅雨が明けたさわやかな空の下、大輪のカサブランカが風に揺れている。あんまり花が大きくて、うつむき加減になっているけれど、それでもユリの女王の風格たっぷり!
昨年の今頃は古民家の修復工事をしていたので、今の私はことあるごとに一年前の出来事を思い出してしまう。まだ修復の見通しもなく、この先どうなるかわからない状態だったが、それでも炎天下の空の下、真黒になって毎日、汗を流していた。
今日、一年ぶりに店に来てくれた友達がいた。ちょうど古民家が見つかった時に彼女に会って、私はその先に広がる夢を話した。そして今日、一年後に会った私が本当に話していた通りの生活をしていたので、彼女はとても驚き、そして喜んでくれた。単なる表面的な現象だけを見るのではなく、自然界の中では目に見えない流れが用意されているということを知っている人だ。
店が忙しかったので、立ち話程度であまりゆっくり話すことはできなかったけれど、短い時間の中でもお互いの気持ちはすぐに伝わった。
庭のカサブランカは来年も咲いてくれるだろうか。そして私はカサブランカに再会した時、また愛おしいような気持ちでこれから始まる一年を思い出すことができるだろうか?今よりも大きな自分になっていられるだろうか?
カサブランカの花言葉は雄大な愛・・・。
The comments to this entry are closed.
Comments