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September 02, 2010

松丸本舗~丸善丸の内本店4階~

昨日、東京に行ったついでに丸の内の丸善4階にある「松丸本舗」で本を見てきた。昨年、松丸本舗ができたニュースを聞いて早く見たいなとずっと思っていた。主宰しているのは丸善だが、編集企画人は松岡正剛さん。東京大学の客員教授でもあり、インターネットで「ISIS」という編集学校を主催されている。以前ウェブサイトで「千夜千冊」という本の紹介をずっと続けていらして、その膨大な読書量と幅広い教養を目の当たりにし、私も「千夜千冊」の書評を参考に何冊も新しい本と出会うことができた。
3年前、丸善の社長に就任した小城武彦さんは不況続きの出版業界の中で書店を守りたいと、就任早々丸善のオンライン書店とAmazonとの事業提携を結んだ。元々通産省を飛び出し、「TSUTAYA」の平社員となりオンライン化を成功させ、産業再生機構からカネボウを再建させたという手腕の持ち主だ。小城さんいわく「本屋は驚きを持って本と出会う場所だ」と言う。その仕掛けとして形になったのがこの松丸本舗。
いわゆる図書館学の分類にとらわれない自由な発想で松岡氏が選んだ本たちが螺旋状の本箱にギッシリと並んでいる。全部で五万冊だが、その質といいジャンルといいものすごく独創的で面白いのだ。そして本の置き方も本が積み上げられていたり、横に重なっていたりと無造作で、まるで松岡氏の本箱の中をのぞいているかのような錯覚に陥ってしまう。
しかも厚くて大きな棚板には特集ごとに松岡氏の直筆で短いコメントが書かれているのだ。例えば「花が女で 男が蝶で ミトコンドリアとイヴがぼくたちの母」とか「桃太郎の母 ハムレットの父 かぐや姫の叔父 みんな妖しかった!」など、思わず笑って頷いてしまった。
また各界での本好きな人たちの書棚を再現しているコーナーもある。資生堂会長の福原義春、女優の山口智子町田康など、まさに「人は呼んだ本に編集される。みんな相互関係」。
もちろん本は読みものなのだが、松丸本舗にある本たちはなんだか息づいているみたいなのだ。自由に思い思いの格好でラクに寝っ転がっていると言う感じ。読んだ本を紙面の上ではなく空間上で再編集しているのだなと思った。本に精通した松岡氏ならではの知識に基づく本たちへの愛情と共感がそこにあるんだなと思った。だから本たちも安心して素顔のままで寝っころがっていられるのだろう。
私も本が大好きで、本によって人生を豊かにしてきたと言っても過言ではない。でも最近では街の本屋さんに行っても売っている本は決まっていて、読みたい本がなかなか見つからないのがとても悲しい。もっぱら小説は図書館専門だが、本屋さんに行ってじっくりと立ち読みをして、さて今日は何の本を買おうかなと選んでいる時の楽しさとわくわく感。インクの匂いがまだ残っている新しいページを開く喜び。
学生時代、学校の帰りには決まって本屋で立ち読みをしていた青春時代を過ごした私にとって丸善はとても思い出深い本屋さんだ。だからどれだけ電子書籍が増えていこうとも。私は多分、小説は紙媒体で読むだろう。今読んでいるページを開いている時、私の左手のひとさし指と親指は無意識に次のページをはさんでいるのだから、良質の本屋さんは絶対に生き残ってほしい。
本屋さんなのに図書館に行ったみたいな懐かしさのある松丸本舗。楽しい空間だった。こんな楽しい場所を書店の売り場の一角に企画して下さった丸善の小城社長と尊敬する松岡正剛さんに感謝したい。そして100年たってもずっと本屋さんがあるといいなと思う。
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