ヤマキ醸造御用蔵の見学と豆腐会席
今日は友達8人が集まってワゴン車で埼玉県児玉郡神川町にあるヤマキ醸造の御用蔵に行ってきた。家を出たのは6時半。トモちゃんの家に7時半に各々集合して車一台に乗って出発。3時間かけて本庄児玉インターから20分くらいの所にある目的地についた。
秩父古生層で1400年の時を経て湧き出てきた神泉水で仕込む醤油と味噌。共に材料となる大豆は自然農法で育てられた有機JAS認証を取得したものだ。国産有機栽培の大豆で仕込んだ味噌や醤油は本当に希少価値。大きな杉樽の中で約一年かけて熟成されるホンモノの醤油。工場の中はもろみの香りであふれていた。
以前、ミレーでライターの仕事をしている時も醤油工場や酢、味噌、加工品などの生産現場によく取材に行った。生産者さんのこだわりをお聞きし、作る過程を実際に見せていただくことで商品に対する理解も深まっていく。作っている人の顔が見えてくると、商品一つ一つにもストーリィと思いがあるということがわかる。そしてその思いがわかると、商品を大切に無駄にせずいただこうという気持ちになってくる。
だから私は生産現場に出向きお話をお聞きするのがとても好きだ。食文化に対する造詣を深めたいと思うし、何より調理する人間として、どのような背景で作られているのかを知ることで、素材と向き合う気持ちが変わってくると思うからだ。
大きなもろみ樽がたくさん並んでいるもろみ部屋を上から見下ろす眺めは壮観だった。こうやって一つ一つじっくり手の技と塩で仕込まれていく昔ながらの醸造技術は日本の食文化に欠かせないものだと改めて思った。どんなに機械化が進んでも微生物なしには発酵できない。素材の大豆が素晴らしいので、それで作られた醤油や味噌はとても深みとコクのある味わいで皇室献上品にもなっているそうだ。
見学の後は敷地内にある紫水庵で豆腐会席をいただいた。豆乳の味は素材の大豆で決まる。湯葉がとても美味しかった。また直売所には豆腐や漬物、醤油や味噌、豆腐のスィーツなどお土産ものがたくさん並んでいて、どれを買おうか迷ってしまった。
やっぱり大豆は日本の食文化の基本だ。それにしても国産有機大豆の国内使用率はなんと0、008%しかないとのこと。それに対して慣行栽培の輸入大豆の使用率は96%。日本の食文化の基本となる素材のほぼ全てを輸入に頼っているという悲しい現実。国産有機大豆の価格は慣行栽培の輸入大豆の12倍。それでも私は国産有機大豆を食べ続ける0,009%の中の一人でいたい。
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