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December 31, 2010

お節作り

大晦日の今日、午前中はハタキをかけながら部屋中に掃除機をかけて大掃除。午後からお節料理の準備に取りかかった。まずは黒豆を火にかけ、豚のモモ肉を煮てチャーシューを作り、野菜をバラバラに煮ながらお煮しめを作った。厨房は寒いので、調味料や鍋やボールなど必要なものを全部、キッチンの方に運び入れたが、こちらだとガス火が2口しかないので、鍋を交換しながら、あちこち動かしながら作った。その後、鮭のマリネ、紅白なます、酢蓮、田作り、昆布巻き、栗きんとん、伊達巻、きんぴらなどを作った。厨房に置いておくだけでそのまま冷蔵庫状態なので、明日になってから重箱に詰めよう。
夕方、娘が来た。今日は銀座でカウントダウンパーティ。その後、銚子に初日の出を見に行ってから家に来るというので、荷物と車を置いて出かけることになり、駅まで送っていった。若い子たちの年末は楽しいお祭りのようなものなのだろう。それにしても元気だ。
いよいよ今年も残すところあと数時間。うちにはテレビがないので、お節の支度が終わってしまうと私にはもういつも通りの静かな夜だ。
昨年、古民家を修復して移り住み、初めてのお正月を迎え、寒い寒い冬を越した。何と春の待ち遠しかったことか。この一年を通して古民家の四季をようやく一巡できた。そして懐かしい匂いのするこの場所でたくさんの方たちと出会い、共に過ごさせていただいた。
ここで暮らしていくのは大変なことも多いが、朝陽や夕陽の美しさに何度、息をのみ、ハッとさせられたことだろう。木々や花たちの季節ごとの移ろいの美しさにも驚くことばかり。そんな豊かな自然と静かな時間にどれだけ癒されてきたことだろう。
この一年、この家にふり注がれるまばゆい光と気持ちのいい風(今はひたすら冷たい隙間風に過ぎなくても?)を感じながら、楽しく満ち足りた時間を過ごせたことを心から嬉しく思う。
そして来年もまた実り多い一年になりますように。ご縁のあった皆さま、本当に一年間ありがとうございました。よいお年をお迎え下さい。
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December 30, 2010

実家へ

昨日の昼から実家に行き泊まってきた。弟が昨日からパラオにダイビングに行くというので家の車庫が空いたのだ。それで私は車で成田から渋谷へ行き、弟は逆に渋谷から成田へそれぞれ車で移動。家の車庫の前に車を横付けしておいてもけっこう見回りが多くて、一晩止めておくのは難しい。
弟は年末年始は必ず海外にダイビングに出かけるのだが、空港までは器材もあるので必ず車で行く。その間、家の車庫が空くので車で行くにはちょうどいい。おまけに年末休みに入った首都高はガラガラ。スイスイと走って家から1時間ちょっとで実家に着いてしまった。器材を積み込み、出発する弟を羨ましげに?見送ってから(ああ私もダイビングに行きたい!)家に入った。今回はこちらに運んでおきたい荷物などがちょっとあったのだ。
昨日はかなり冷え込んだので、成田にいたら相当寒かったと思うが、さすが都内は温かい。しかも普通の住宅は機密性が高いので、ちょっとの暖房でも室内はもうぽかぽか。誰もいない実家の温かいリビングで一晩DVDを観ながらのんびり過ごした。
今日は父の施設に寄ってから、いろいろお正月用の食材を買い出ししながら帰ってきた。一夜飾りにならないように、今日のうちに神棚のしめ縄やお飾り、お花なども買って、夕方はさっそくそれらを取り変えた。
お正月は子どもたちが来るので、お肉も今日は買った。チャーシューを作り、お煮しめにもトリ肉を入れるつもりだ。夕方、数の子を塩水につけ塩出しし、身欠きにしんを米の研ぎ汁に漬け、黒豆を重層と一緒に浸水させた。お正月料理はあれこれ作るとかなり材料費がかさむので大変だ。買った方が全然安いのだが、年に一度のことなので、お節の作り方を忘れないためにも手間ひまかけて作ろうと思う。明日は朝からいろいろお節の準備に追われることだろう。食べてくれる人たちがいると思うと、作るのにも張り合いが出る。
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December 28, 2010

見せる収納

昨日、以前の店のスタッフだったミヤちゃんがタッパーウエアを使わなくなったからと持ってきてくれた。私はタッパーウエア社のタッパーが大好きで、もう30年近く愛用している。うちの母も使っていたので、我が家のタッパーとの付き合いは相当長い。今ではプラスティックの収納容器を全てタッパーと気軽に呼んでいるけれど、その元祖が?タッパーウエア社だ。
その中でも一番気に入っているのが、「MM楕円シリーズ」と呼ばれるもの。同じ幅で5段階の高さ違いの容器がいろいろあって、重ねて収納できる。これがほしくて生まれたばかりの娘を背負ってタッパーレディをやっていたこともあるくらいだ。その時、赤いシール(フタ)のMMシリーズを4セット購入し、以来ずっと使っている。
タッパーウエア社のタッパーはとても丈夫で完全密閉できるので、湿気から乾物を守ってくれる。丈夫で長持ちするし、万が一亀裂やヒビが入ったら部品を交換してもらえるのだ。
今日はあいりん堂さんにお弁当とお届けした後、お店にランチのお客様もいらしたので、その合間を見ながら、タッパーの入れ替えを行った。私がかつてアジア雑貨の店をやっていた時に作った展示棚を今ではキッチンに置き、食材タッパーの棚として活用している。中の棚板には古材を使っている。棚の幅に合わせてタッパーの高さを組み合わせ、ピッタリ収納できるように並べ変えた。
お茶やコーヒー、豆、雑穀、スパイスや粉類など、全てタッパーの中に入れているので、さっと取り出せてとても便利だ。ミヤちゃんの持って来てくれたタッパーはブルーのシールなので、私の赤いシールのものと棚板を分けた。まるでパズルのようにあれこれ組み合わせながら、タッパーを並べていった。どこに何があるか一目でわかり、しかも取り出しやすいので、厨房仕事の強い味方。タッパーを使った見せる収納は私のお気に入りだ。スッキリと全てキレイに棚に収まってとてもいい気分!
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December 27, 2010

トゥガナンのダブルイカット

バリに行った最終日。12時にチェックアウトした後、次の日の明け方1時の飛行機で帰るので、ほぼ12時間、時間があった。ステイしているヴィラはウブドの郊外で周囲には何もない。出発までの時間をどう過ごすか考え、最後の日だけ車をチャーターすることにした。荷物を全て車に乗せてウブドから1時間半ほどの場所にあるトゥガナンという村に行った。
バリアガ族と呼ばれるバリの原住民たちの住んでいる昔ながらの村だ。バリヒンドゥーの中でも独自の戒律が残っており、未だにこの村人は他の村の人間と結婚してはいけないそうだ。古い石畳の坂の両脇に小さな家々が並んでいる。ここは「グリンシン」と呼ばれるダブルイカットが作られている村だ。
グリンシンとは「無病息災」を意味し、魔よけのために身に着ける長い布のことを言う。色彩は生成り、ベージュ、えんじ、茶色、こげ茶色をベースにマカデミアナッツやタマリンドウ、木の皮など自然界にあるもので染め上げられているのだが、一度では色が出ないため何度も何度も染め直しをするという。大昔は赤(えんじ)の色を出すのに人間の血で染めた時代もあったそうだ。魔よけの布なので、万が一体の具合が悪くなった時はグリンシンの糸を引き抜いて飲み込むとよくなるという言い伝えもある。
イカットとは経糸か横糸のどちらか一方のみを染めて織る絣だが、ダブルイカットは経横両方の糸を染めてから織ったものだ。経と横の柄を合わせながら織るので、ものすごく高度な技術を要し織るのにも時間がかかる。出来上がった布はほぼ裏表が同じ柄に仕上がり、何とも言えない風合いを持っている。
また専用の大きな織り機があるわけではなく、「いざり織り」と呼ばれる方法で経糸は織り子の座った体に巻きつけられている。そのため織り子の体の引き具合によって糸の張り方も変わってくる。今も家内工業的に生産されており、それぞれの一家に一人か二人の織り子がいて、毎日少しずつ織っているのだが、気の遠くなるような作業だ。
そのためダブルイカットは生産現場であるトゥガナンで買っても最低1m50ドルとかなり高価。でもこれが市内の店にでると倍以上の値段になってしまうので、買うならこの村がいい。
私は本物のダブルイカットが見たくて仕方なかった。アジア雑貨の仕事はもうやめてしまったけれど、元々織りや染めなど手仕事としてのテキスタイルが大好きなのだ。だから仕事を離れた今でも織りの生産現場にはとても興味がある。
いざ村に着いたらものすごく激しいスコールが降ってきた。足元も体もかなりぬれてしまったけれど、雨にけむった古い村の佇まいはものすごく風情があって、そこにある一本の木さえ絵になっていた。
雨の中、村にある店を回りながらダブルイカットの布を見せてもらったら、何と私もダブルイカットの布を持っていることがわかった。もう10年近く前にある方からバリのお土産にいただいたのだ。確かその方も「とても高価な珍しい布で、病気になったらこの布の糸を飲み込むようにと言われた」と話されていたのを思い出した。私の扱うアジア雑貨はタイやラオスが中心でバリはなかったので、ダブルイカットについては何も知らなかった。その価値もわからないまま、色がキレイだったので、ずっとスカーフとして愛用していた。
結局、トゥガナンで迷った末、一つだけダブルイカットを買った。そして家に帰ってからスカーフ入れの中から、かつていただいたダブルイカットを取り出して、アイロンをかけた。
そして買ってきたものと並べて布かけ棒に下げた。よおく見ると味わい深い布だなあと思う。生産現場に行って選んできたものは、作り手の思いがわかるだけに余計愛着がわく。
古民家の座敷にもよく似合う。いつか具合が悪くなった時は私もこの布の糸を一本引き抜いて飲み込むことにしよう。でもそんな日が来ることのないように願いながら、ずっとこの布を愛でていたい。部屋に布があるとほっとする。また一つお気に入りのスポットができた。
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December 26, 2010

仕事じまい

今年、予定していた営業日が今日で終わった。まだ少し年末気分になるには早いような気がするけれど、カレンダー上での金土日の営業予定で行くと今日が最後になる。ご予約さえあればできる限り対応させていただきたいと思っているけれど、一応、営業日としてお店を開けている日は今日が最後。
お客様の数は今日も多くなかったので、厨房の中の最後の大掃除をした。今日は特に道具に焦点を当てて、フードプロセッサーやコーヒーメーカー、オーブントースター、コーヒーミル、保温ジャーなどの調理道具をピカピカにした。歯ブラシを使って細かい溝に入ってしまった汚れを落とし、洗剤を付けスポンジでプラスティックの部分も磨いた。
圧力鍋のフタはクリームクレンザーと金タワシでゴシゴシこすってピッカピカにしたら新品かと見間違えるほど。磨きながら「一年間、ありがとう。よく働いてくれたね。ご苦労様」と活躍してくれた道具たちにお礼を言った。いくら手をまめに動かすとしても道具がなければ調理はできない。
日ごろ、随分と道具たちに助けてもらっているにも関わらず、最低限の部分だけを洗っておく程度で、細かい汚れについては目をつむっていた。
そうこうしているうちにいつのまにか汚くなってしまった。私はやらない時は全くやらないのだが、やるとなったら徹底してやる方?なので、今日一日だけでも随分とキレイになったなあと自負している。ああやっぱりピカピカって気持ちいい。
スタッフたちにもこのところ、ヒマなことが多かったので、時間さえあったら拭き掃除をお願いしていた。だから店がヒマだと店はどんどんキレイになっていく(忙しくてもキレイにしなさいって声が聞こえてきそうだが)。これで厨房と家のキッチンの大掃除はとりあえず一段落。
営業日は終わっていますが、年内のお食事やお弁当の配達などのご希望がありましたら、電話ください。私が居る時には対応させていただきます。
写真はバリで撮ったもの。今回は花の写真だけでかなりの数になった。バリはあちこち美しい花でいっぱいなので、何度も何度もレンズを向けてしまった。
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December 25, 2010

切干大根作り

クリスマス前後になると店は急にヒマになる。秋はたくさんのお客様に来ていただけるのだが、12月に入ると急にお客様が少なくなる。それに輪をかけてクリスマス近くになると店は閑散としてしまう。プレゼントを買いに行ったり、ちょっとオシャレなレストランまで足を伸ばしてディナーを食べに行ったり・・・。昨日の夕方、灯油や食材などの買い物があってあちこちを回ったのだが、イルミネーションはキレイだったが、人出はどこも今一つ。
もっともイブ当日の夕方だから、すでに買い物は終わっていたのかもしれないが。それぞれの友達や家族で集まってパーテイの準備に追われていて、これからちょうど楽しいクリスマスイブの食事が始まる時間なのかな・・・なんて思いつつ、私は一人で買い物をしていた。ちょっと前まではイブの夜はあちこちの店頭でケーキの箱を積み上げて販売していたけれど、今年はそういう賑わいがとても少なかったような気がする。やはり不況のせいなのだろうか。
この時期、手の空いている時間を生かしていろいろ保存食作りをしているのだが、空気が乾燥して風が出てきたので切干大根を干すのにぴったりの季節だ。大根も今、ちょうど旬なのであちこちから大根をいただいたり、家の畑のもやしっこ大根?が頭を出してきたりで、刻む大根には事欠かない。
まだほんの一部なのだが、大根を千切りにして西側の縁側にゴザを敷いて広げておいた。
こういう時、縁側があっていいなあとつくづく思う。特に冬の寒い季節は西日がとても温かくありがたい。縁側で何かを干している、その光景を見ているだけでも懐かしく嬉しい気持ちになってしまう。
お日様の光をたっぷり浴びて、どんどん甘く美味しくなっていく。でもこんなにいっぱい仕込んでも乾燥したらほんの一握り。その分、凝縮した栄養がたっぷりなのだと思うけれど、自分で作ってみて、市販の切干大根がいかに安いかよおくわかった。自分で作った切干大根を一袋200円もしない値段で売るなんて、とてもできそうにない。というよりも価格なんてつけられそうもない。
手をかけたらかけた分だけ、作ったものに愛着がわく。そしてできたものを愛おしく思う。そんな気持ちを忘れたくないから、何をやるにしても手間ひまを惜しまず食べ物に向かい合えるのだと思う。出来上がりがとても楽しみだ。
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December 24, 2010

柚子びしお

柚子は冬の食材として欠かせないものなので、毎日のように使っているけれど、「柚子びしお」という名前は聞いたことがなかった。そもそも醤(ひしお)とは、食品を麹と食塩で発酵させた調味料や食品のことを言うのだが、柚子と麹がどうしてもつながらなかった。
でも柚子びしおを作っておくと保存食としてとても重宝すると知り合いから聞いた。そしてその材料となる麹をちょうどいただいた。味噌を仕込むほどの量ではないので、何かお漬物か保存食用に生かすしかない。これを機会に初めてでよくわからないけれど、柚子びしおなるものを作ることにした。
材料は種を取り除きざく切りした柚子と醤油と砂糖と麹。これを鍋の中に入れて気長に練っていく。徐々に水分が蒸発して、濃厚な味噌のような状態になる。それを冷やしてから冷蔵庫に入れておくと長期保存できるそうだ。
食べた感じはどこか懐かしくて素朴な味がする。一言で表現するならば麹で作った柚子味噌?のようなものだ。
味噌を練って作る柚子味噌の隠し味にしたり、焼きおにぎりに乗せたりしたら美味しそうだ。少しずつ箸休めになればと定食のメインのお皿に添えてお出しすることにした。
以前、本物の柚餅子(ゆべし)を作った方からいただいたのだが、そのゆべしの味にも似ている。ゆべしはくるみゆべしに代表されるようにお茶受けになるお餅っぽいお菓子だとばかり思っていたのだが、本来のゆべしは柚子をくりぬき、中に味噌やクルミを入れて蒸し器で蒸して1カ月以上陰干してようやく完成する手間のかかった食べものだ。
できあがったゆべしを柚子ごと薄くスライスすると、柚子の皮の渋みも酸味もすっかりまろやかになって皮ごと全て食べられる。お菓子というよりも柚子の香りがきいた上品で落ち着いた味わい深い食べ物だ。柚子びしおはそのゆべしの味によく似ているのだ。
初めて柚子びしおを作ってみたけれど、こんな柚子の食べ方があったなんて新発見。一つ賢くなったようで?ちょっと嬉しい。
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December 23, 2010

梁の拭き掃除

ずっと土間の梁の上がずっと気になっていた。土間は土足のままでいられる場所だし、玄関代わりにもなっているので、一番土ホコリがたまりやすい。どのみち拭いても拭いてもキレイに保つことは難しいのだが、梁の掃除はかなり大変なので、お店が始まってからまだ一度もやったことがなかった。
昨年、改修工事が始まった時、一番最初にしたことがこの梁の掃除だった。何しろ何百年分?ものホコリが梁の上には積もっていたので、それを取り除き、拭き取るだけでも大仕事!。鼻の穴も耳の穴も顔も手も、全て真黒になりながらみんなでホコリを拭き取った。何度拭いても雑巾は真黒!最後まで「キレイ」にはならなかったけれど、とりあえず目に見えるホコリは取り除くことができた。
今日は店がヒマだったので、人手があるうちに何とかしようとジュンコさんに声をかけたら「私そういうの大好きよ。梁に上れるなんて!」と何とも頼もしいお返事。よ~しこうなったら徹底してやろう!と決意。
土間のテーブルと椅子を外に出し、この家にある一番長くて背の高い脚立を裏から土間に持ってくる。バケツの中に雑巾をたっぷりと用意し、脚立の先を梁に立てかけた。一番最初はジュンコさんが上って、梁の上に乗せてあったすだれを外す。少しずつ脚立をずらしながら私も上った。梁にまたがって、拭きながら移動しようと思っていたのだが、体を支えられる場所がないので、それはかなり危険だ。
結局、梁にまたがりながら、手を伸ばして届く範囲だけを拭き、終わったら少しずつ脚立を動かし、違う場所を拭いていった。二人がかりで梁を全て拭き終えたら、土間の地面はホコリだらけになっていた。
何度拭いてもやっぱりキレイと言う感じにはならなかったけれど、とりあえず去年の改修工事以来、積もっていたホコリを取り除くことができてほっとしたが、爪の中や手はもう真黒~!
梁掃除が終わった頃、空港にいる友達から電話がかかってきた。ちょうどマカオから帰ってきた所だという。空港からタクシーで店まで遊びに来てくれた。ポルトガルと中国の文化を両方合わせ持ったマカオは街が世界遺産になっているそうだ。地元で有名だというマカオタルトを食べながら、お茶を飲み、夕方までずっと旅の話を聞かせたもらった。世界各地を旅している人で私も彼からアジアの旅の楽しみ方を教えてもらった。大好きな旅を企画し、それを旅行会社に持ち込み、今はツアーコーディネーターとして仕事をしている。本当に人生を自分流に楽しんでいるなあといつも感心してしまう。ブータンやペルーの話を聞いているうちに、バリから帰ってきたばかりだというのに、またどこかに行きたくなってしまった。でも当分、どこにも行けそうにもないので、「余った米ドルを日本円に両替してくれない?」と頼んだら「相変わらず日本円がないの?その日暮らしだね~」と笑いながら安いレートで両替してくれた(でも銀行で再両替するよりはいいレート)。
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地産マルシェへ

無農薬野菜をインターネットで販売している会社ミレーの早川社長と一緒に一日視察に行ってきた。ネット販売だけではなく今後、実店舗での販売も計画しているので、その候補地を見学した後、「夢市場」の社長や「ファームドゥ」の社長および幹部の方たちと合流しお話させていただいた。
「夢市場」はオーガニックのスーパーマーケット「マザーズ」を実店舗で運営しており、神保町にはオーガニックのビュッフェレストランもあるので、私も以前、食事に行ったことがある。今日はその中の一つ横浜市にある藤が丘店のマーケットを見学させていただいた。広い店舗に無農薬野菜や精肉、鮮魚、エコ雑貨、オーガニック関連の本などがたくさん並べられており、私にとっては身近で愛用している商品ばかりが並んでいてとても嬉しかった。
その後、世田谷に出て、地産マルシェのお店を見学してきた。こちらはオーガニック野菜とは限らないけれど、群馬、埼玉方面の生産者5000人の野菜を都内に流通させ、ショップ展開している。同時に群馬県を中心に「食の駅」という形で地元の特産品や野菜、加工品などを扱うショップも展開している。以前、伊香保の温泉に行った帰りに「食の駅」に何気なく立ち寄ったのだが、地元の野菜の他、こんにゃく、うどん、お惣菜や豆など本当にたくさんの食材であふれていて、めいっぱい買い物をして帰ってきたことがある。
社長が農家さん出身の方なので、農家さんが価格をつけ、中間流通をなくし、毎日、収穫したての野菜を直接ショップに届けているのだという。だから同じ葉物でも生産者が違うと価格にばらつきがある。田舎で当たり前にある野菜を都会に流通させることによって、都会のお金を田舎に回していくシステムを作りたかったと話されていた。
つまり農家が主体となって「生産・流通・加工・販売」の一貫体制を構築し、付加価値と生産性を高めていこうとする地産地消の直売店なのである。
烏山店に実際に行ってみたのだが、広い店内は野菜でいっぱい。しかも種類が多く価格がとても安いのでどこの大人気らしい。中には有機JAS認証を取得した野菜もあって、その野菜もまたとてもお手頃価格である。都内でよくこれだけ野菜を安く供給できるなあと驚いた。そして売上高は驚異的な数字だ。
今、あちこちで野菜の直売所ができているが、これだけの品揃えは珍しいと。しかも毎日毎日、流通を起こしているので、届く野菜は新鮮で量もたっぷり。近くに大型スーパーがあろうと野菜の販売力においては決して引けを取らないのだそうだ。
朝から夜まで一日仕事になってしまったけれど、そんなお店を実際に見学し、経営のトップの方たちのお話をお聞きする機会を持つことができとてもよかった。どうすれば野菜が売れるのか、そしてオーガニック野菜が身近なものになっていくのか、考えるきっかけになった。
こんなお店が近くにあったら、きっと毎日買い物に行っちゃうだろうなあ。そしてできたら何か軽く食べられる場所が中にあったらもっと嬉しいなあと思った。
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December 21, 2010

青大豆 入荷しました!

喜多方に住んでいる友人タッコちゃんから毎年送ってもらっている青大豆が届いた。お母さんが高齢になり、毎年、もう来年は作れないかもしれないと言っているので、今年もまた無事に届いてほっとした。タッコちゃんの家は農家ではないのでこの青大豆は無農薬で自家用に栽培しているものだ。それをいつもお願いして送ってもらっている。
一晩水に浸すと3倍くらいに大きくなっているので、その浸した水ごとアクを取りながら20~30分ほど茹でると、ふっくらと美味しい青大豆ができあがる。まずは塩でそのまま食べるのが一番美味しい。お正月はこれに数の子を加えて浸し豆に。茹でたものをポテトサラダやカレーに入れたり、かき揚げにしても美味しい。とにかく甘くて味が濃くてひなびたお日さまの匂いがする豆だ。
一度食べたらもう忘れられないので、毎年買ってくださるファンも多い。さっそく店頭に並べ、茹でた青大豆に人参、椎茸、レンコン、ゴボウ、こんにゃく、油揚げなどを加えて、重ね煮の五目豆を作った。醤油を使うので、色は青ではなくなってしまうが、とても美味しかった。
もう10年以上、毎年分けていただいているので、私にとってすっかりこの青大豆は故郷の味?になってしまった。12月になると「今年はまだかな」と青大豆の到着をいつの間にか心待ちにしている。一時期、多い時は60キロ以上、店に送ってもらったこともあるけれど、今年はほんの少しだけなので、ご希望の方は数に限りがあるのでお早めにどうぞ。
なお年内の営業は23日(木)~26日(日)までとなっています。それ以降は(31日~3日までを除く)2日前までにお電話いただければ、お食事やお弁当の配達など対応できる日もあるのでお問い合わせください。年末の大掃除でお忙しい主婦の方に代わって美味しいお弁当をお届します。
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December 20, 2010

家出空間

面白いサイトを見つけた。都内に住んでいる小池龍之介住職が「出家」の反対の「家出」?をテーマに2003年に始めた「家出空間」。浄土真宗本願寺派僧侶。以前からこの住職のことは新聞や書評などで紹介されていたので気になってた。世田谷の住宅地の中にあるアパートを「月読寺」という活動拠点として開放し、坐禅などを行っている。書いている本も人気があり、坐禅会は予約でいっぱいだという。
考えない練習」という本はタイトルもさることながら、表紙に載っている力の抜けた感じの若い草食系?の著者の写真がとても印象に残っていた。そんな時、お客様から「煩悩リセット稽古帖」という本をいただいた。こういうシンクロはとても多い。いつも自分がその時に気になっているコトとモノがつながっていくのだ。
小池住職の4コママンガが各章ごとに載っていて親しみやすい仏教入門の本だった。煩悩には大きく分けて3種類ある。貧欲(欲望)、いかり(嫌悪感)、愚痴(迷妄)・・・これらはマイナスのエネルギーとなって心の安定を脅かしていく。煩悩とは「心が頭で作りだす幻のようなもの」。現実の目の前にあるリアルな感覚を離れて脳内で欲・怒・迷をクルクルと回転させる脳内自慰のようなものであると書く。
住職の仏教の紹介の仕方はまるで筋トレをするかのように段階を追って進んでいく。精神的なトレーニングを問答の中で展開させているかのようだ。言わば仏道入門のメソッド。でもその若い感覚が悩み多き現代人に受け入れやすいのだろう。「止」と「観」の二つを繰り返しながら行われていく「坐禅セッション」はとても人気がある?らしい。
「自分、我というものは、ここに存在すると思い込んでいるだけで、ほんとうはそんなものはどこにもない。すなわち『無我』と言うのが仏道の真髄中の真髄です」。
考えてみれば心も体も自分の思い通りにコントロールすることなどできるはずがないのだ。それを「自分の・・・自分が・・・」と自由にしたいと思うことで新たな苦しみが生まれてくるのだろう。執着を手放し、心を平安に保ちたいと・・・と誰もが思っているはずなのに。
一人の若い住職の仏道のスタイルが仏教を身近なものにしていった。お寺は特別な場所ではなく生活の中にこそあって初めて機能するのだと思う。悩み迷った末にたどり着いた独自のスタイルで説く小池流の仏道入門はとても面白い。
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December 19, 2010

ジャムゥ作り

ジャムではなくジャムゥ。これはインドネシアに昔から伝わる薬草ドリンク?のこと。バリの人たちは健康のため、または病気の治療薬として、どの家庭でも昔から伝わるレシピを元にハーブや薬草の生薬でできた健康飲料を作っているそうだ。
今回滞在したバグースジャティはヘルシー&ウェルビーイング(健康とより快適な暮らし)をコンセプトにしているので、ジャムゥの作り方のワークショップもあり参加してきた。今回はすりおろしたウコン、ハチミツ、塩、ライム、卵の黄身、水を加えて作るものだった。バリのウコンは色が黄色ではなく鮮やかなオレンジ色。材料を合わるだけなのだが、思ったよりも苦くなくて飲みやすかった。スポーツをやっている人はジャムゥを飲むと元気になるので、ドーパミンと間違えられるくらい?なんてスタッフの人が話していた。
本当にバリでは薬草が日常的に使われている。毎朝食事に出てくる野菜ジュースにもウコンやレモン、ジンジャー、ミントなどがたっぷり入っていたし、スパで出されるお茶もたいていはジンジャーティだ。そのおかげなのか、滞在中もずっと元気だった。
昨日の明け方の飛行機でデンパサールを発ち、朝8時半に成田に着いた。機内ではほとんど寝られなかったのだが、帰ってきたら荷物を下ろしてそのまま仕事。昨日は夕方にお食事のデリバリーもあったので、朝は定食の支度と一緒にその準備もしたので忙しかった。
さすがに今朝は8時半頃まで爆睡していたが、今日は昼過ぎから店が忙しく息つく間もなかった。開店時間中は厨房から一歩も出られなかった。12月に入ってからあまり忙しい日がなかったので、今日もそれほどではないのかもしれないとのんびり構えていたら?久しぶりにおかずが途中でなくなってしまって大慌て!予想外の大忙しとなった。でもそういう予想外だったらいつでも大歓迎だ。
バリのウコンほどパワーはないかもしれないけれど、ウコンだったらここでも手に入るので、私も時々ジャムゥを作って飲もうかな。とにかく「体に効きそう~」なジュースだった。
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December 18, 2010

ウブドの休日

ちょっと早い冬休みに大好きなバリ島に行ってきた。今回はあまり欲張ってあちこちに出かけたりせずに、お気に入りのホテルに滞在しながらのんびりと過ごせたらと思っていた。ただできたらバリの気持ちのいい自然の中でヨガをやりたいし、ダイビングも2本くらいは潜りたい。そう思ったので海辺のホテルとウブドの郊外にあるヒーリング系のヴィラを選んだ。
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バリは私の大好きな場所だ。いつかやってみたいことの一つにバリのロングステイがある。できることなら寒い冬の間中、温かなバリに滞在し、ヨガをしながらのんびりと過ごしたいと思っている。そんなこともあって、今回は出発前からあちこちのホテルを調べていた。バリはロケーションや環境の素晴らしいヴィラがたくさんある。その中から今回は少し高くても絶対にここに行きたいと思って選んだ。未だにバックパッカー的な旅をすることの多い私が決めたにしてはかなりいいホテルだ。
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ウブドから北東に進んだ標高800mほどの高地にある「バグース・ジャティ」。5へクタールの山の斜面を生かして広大な敷地にヴィラが点在しているのだが、かなり間隔があいているので、あるのは全体でもわずか18棟。自然たっぷりの場所を生かしてたくさんの野菜やハーブや花が栽培されており、食事には敷地内で採れた新鮮なオーガニック野菜が使われている。
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そしてヨガやメディテーションのためのヒーリングルームが敷地内にあり、毎朝、モーニングヨガとアフタヌーンメディテーションが行われている。緑に囲まれた傾斜面に建ったナチュラルな建物の窓をフルオープンし、マイナスイオンをたっぷり吸い込みながら行うアーサナはとても心地よい。滞在者はそこをいつでも自由に使うことができる。
明け方からたくさんの鳥たちのさえずりが聴こえてきて、ヴィラとつながっている広いベランダのソファに腰掛けて朝もやをみながらお茶を飲んだり、本を読んだり、散歩をしたり・・・。どこに行かなくとも、ただそこにいるだけで心と体がたっぷりの自然に中で癒されていく。Dsc08427

食事もヴェジタリアン向けのメニューがあったり、毎朝、フレッシュの無農薬野菜または果物のジュースが飲めたり、とにかく素材が新鮮なのでどれも美味しかった。またそれを食べるロケーションがオープンデッキのレストランだったり、プールサイドレストランだったり、ヴィラのバルコニーだったり、どこに座っても自然の光と風がたっぷりなので、より一層美味しく感じられるのだろう。
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あいにくこの時期、バリは雨季なのでほぼ毎日のようにスコールのような雨が降る。何度か停電もあった。でも雨に洗われた緑というのは特に色鮮やかで美しい。そんな雨や霧をバルコニーから眺めている時間も素敵だった。
夜になるとあたりは闇に包まれ、ヴィラの小道には小さな灯りが灯されて、それが斜面に点々と続いていてとても幻想的だった。テレビも時計もない。歩いて行ける場所にはお店もレストランもない。風の音や雨の音、そして虫や鳥の鳴き声だけが聴こえてくる静かな夜・・・。まるでキャンプ場のように自然と一体になって、あちこち点在している美しいデザインのヴィラ。
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若い頃にはひと所に3泊もする旅なんて考えられなかった。いつもあちこち移動しながら、慌ただしく名所を回って日々泊まる場所も変えていった。今回は海辺に2泊、山に3泊という組み合わせだったが、もっと居ても決して退屈することはなかっただろう。Dsc08389

ウブドの街を歩いたり、ダイビングをしたり、ダブルイカットが作られている古い村まで足を伸ばしたり・・・。もちろん出かけたことも楽しかったけれど、何の予定も立てず、滞在しているヴィラで一日のんびりと過ごせた日もすごくよかった。そんな時間がとても贅沢なんだなあと思った。
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December 11, 2010

柚子仕事

そろそろ柚子仕事も終わりになりそうだ。柚子は何と言っても香りの王様?なので、この香りを少しでも長く楽しみたい。庭に柚子の古木があったので、実を時々もいでは料理に使っている。でももう低い枝の柚子は終わってしまい、残っているのは高い枝先のものばかり。
柚子には鋭利な棘があって、枝と枝をかき分けて実を採るのがとても大変だ。低い場所にある実でさえ、採る時は手が傷だらけになってしまう。だからもう枝からもぐのはやめて自然に落ちてくるのを待つことにした。ただ寒くなって木から落ちた柚子は霜にあたって傷むのがとても早いのだ。だから落ちたらすぐ拾えるよう毎日のように木の近くを見て歩き、使えそうな柚子を集めている。
皮はむいて千切りにし冷凍する。中の実は手絞って果汁をビンに入れて酢のものやドレッシングに。そして種と薄皮だけを集めて焼酎漬けにしている。柚子の種が持っている柚子ペクチンには天然の保湿成分があり、ハンドクリーム代わりに使えるのだ。私は焼酎が強いと顔の肌が負けてしまうで、顔には塗れないが手足に塗るといつもしっとり。水仕事ばかりしているので乾燥しがちでガサガサの私の手だが、残りものを再利用。再利用どころか柚子化粧水が作りたくて種だけ集めている人もいるくらいなので、柚子の種を残りものだなんて言ったら柚子に怒られそう?だ。
お客様や友人も私がよく柚子を料理に使うのを知っているので、この時期は柚子をいただくことが多い。どの柚子も同じように皮と汁と種をそれぞれ分けて、無駄にすることなく使わせていただいている。ついでに絞り終わった後は柚子湯にしてもまだまだいい香りが楽しめるので、柚子の実って本当に無駄なしだ。
今日も8個ほど柚子を拾った。でもかなり傷んでいて丸ごと全部は使えない。それでも種は健在なので、半分に切って種を取り出し焼酎に漬け込んだ。そろそろ柚子も終わりなので今年の柚子仕事も終わりに近い。来年の冬まで持つくらいたっぷりの柚子の皮がストックできた。これさえあれば、いつもあのさわやかな香りが名脇役になってくれる。
今日は朝からパウンドケーキを作ったりデザートのケーキを焼いたり、タレを作ったり、いろいろストックを仕込み続け、気になっていた柚子仕事もほぼ一段落。
忙しかった1週間も今日で終わり。明日から1週間ほど留守にしますのでブログお休みさせていただきます。店は金土日祝日と変わらずに営業していますのでぜひお出かけください。12月に入ってからはあまり混まなくなったので、ゆっくりお食事をお召し上がりいただけます。
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December 10, 2010

料理教室~新そば粉を使って~

今日は料理教室。新そば粉ができたので、そば粉と粒そばを使ったお料理をテーマにメニューを考えた。多古町産の無農薬そば粉をウイさんに分けていただいたので、挽きたての新そば粉を使うことができた。
粒そばの重ね煮和風リゾット、粒そばのソーセージ、そば団子の揚げボール、そば粉のクレープ豆腐クリーム巻きの4種類を実習した。リゾットはきのこや根菜など7種類の野菜を重ね煮して、最後に粒そばを加え、味噌で味を調え三つ葉を散らした。
粒そばを炊く前に香ばしくなるようにフライパンでカラ炒りするのだが、ちょうど流しのコンロがふさがっていたので、ストーブの上でじっくり炒ることにした。ストーブの上で調理している料理教室なんて風楽くらい?かもしれない。
今日は料理教室が始まる時から終わりまでトモちゃんにアシスタントをお願いすることにしたので、とても助かった。何しろ今日はホットプレートやフードプロセッサーなどを使ったり、揚げものもあったりで、配膳もそうだが、その後の片付けなどがとても多かった。
ストーブの写真以降は、手が空かなくて作業風景の写真を撮れなかったのだが、今日も楽しい雰囲気の中で美味しいお食事を皆さんといただくことができた。
来年からは昼の部と夜の部の料理教室を毎月2回開催します。昼の部は1月19日(水)10時半から。基本編として八方出汁の作り方や玄米の炊き方、重ね煮のお味噌汁、出汁のひき方、八方出汁を使った煮物などを実習します。
夜の部は21日(金)3時から根菜と雑穀を合わせた料理を数品実習します。昼と夜は毎回違う内容で行うので、よろしければぜひご参加ください。
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December 09, 2010

パン教室~その他諸々

なんだかとっても忙しい一日だった。今日はパン教室。毎年12月はクリスマスの焼き菓子であるシュトーレンを作っている。今日は珍しく参加される方が少なくてちょっと寂しかったが、シュトーレンはとても美味しく焼き上がった。サイトを作ってくれた友人が昼から店に来てくれることになって、急きょサイトにアップする新しい定食の写真とむらさき芋のタルトの写真を撮影することになった。
パン教室の時は定食の準備はしていないので、大急ぎで定食のメニューを考えて作っていたら、飛び込みのお客様が3人でいらした。いつもならご予約なしの方はお断りしているのだが、たまたま定食の用意をしていたところだったので奥座敷にお通しした。
パン教室のランチをご用意したり、お客さまに定食をご用意したり、撮影用に定食の支度とタルトを焼いたり・・・と一人であっちもこっちもと駆け回っていた。2時からはミレーの早川さんが来て、地元の業者さんをお引き合わせすることになっていたので、その席もご用意しなければならない。器の片付けもあるしもう手が回らない~って思っていた所にトモちゃんがニャンコの様子を見に来てくれたので、その後の片づけをお願いしてとても助かった。
予定をちょっとすぎてしまったが、2時からは私の友人も交えて早川さんと業者さんとオーガニックマーケット構想の話し合いをした。どうやら私には人と人とをおひき合わせするお役目があるらしい。今までは「場創り」というものが自分のお役目の中心にあったのだが、最近さらにそれが進化して、もっと具体的に「人と人とをつなげる」という働きが加わってきたような気がする。
特にこの頃、毎日のようにたくさんの方たちにお会いしていろいろなことをお話している。その中で自分の立場とか役割のようなものがなんとなく変わってきたのを感じている。
自分の知り合いや友達が、また新たなネットワークを広げていくために、新たな人たちと出会っていく。そしてその出会いをきっかけに新しい何かが始まっていく。そんな可能性をイメージしていくと、いつのまにかそれが形になっていく。
いつも思うのだが本当に必要なことは必ず起こる。そして必ずできる。宇宙の流れって本当に仕組まれたかのようによくできているのだなあと思う。その中で自分は何をさせていただいたらいいのだろう・・・いつもそのことを自分自身に問いかけていきたい。
忙しすぎてブログの写真を撮るヒマもなく、ようやく9時頃になって写した今日のシュトーレン。
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たくさんの人たちとの楽しいひととき

今日は一日中、よく食べよく笑いよくしゃべった。
私が学生時代、ずっとかかわっていたYMCAのボランティアリーダー時代のリーダー仲間が遊びに来てくれたのだ。連れて来てくれたのは当時、リーダーの指導者であった横山さん。ブログを読んで古民家の修復の時にもわざわざ横浜からお手伝いに来て下さったり、店がオープンしてからも何度か食事に来てくださったり、横山さんにはリーダーを卒業した今も昔と同じように何かと世話になっている。
定食をご用意してから私も奥座敷に座ってご飯を食べながら一緒に話した。私と元夫はリーダー同志で結婚したので当時の仲間は当然、二人のことをよく知っている。だから離婚の話が出てからは元夫のことも知っているリーダー仲間とは会うのを避けてきたしほとんど連絡を取っていなかった。
5年ほど前に開かれたOB会の時、自分の中の気持ちがようやく整理できて、久しぶりにみんなに会ってみたいなと思った。そしてその時集まったメンバーとまた少しずつ交流が始まった。私の青春時代。こんなにキラキラと輝いていた楽しい時代があったのだということをいつもみんなと会うたびに再確認できる。本当にたからものだ。
都会育ちだった私は子どもの頃、野原を駆け回ったという経験があまりない。大学生になった時初めて野外のキャンプに行き、沢の水を汲んでご飯を作ったり、闇夜の中を歩いたり、雨にあたってずぶぬれになったり、川に飛び込んだり、火を焚いて夜どうし語りあったりという体験をした。子ども時代にできなかった自然との戯れを遅ればせながら追体験することができた時間。それは私の中の原体験となり、緑たっぷりの田舎の古民家で暮らしたいという気持ちの源流になっているのだと思う。
いつまでも話は尽きなかったけれど、帰る時間も迫ってきたのでやむなく皆さんをお見送り。たっぷり笑っていろいろ話し、楽しい時間を過ごすことができた。またみんなに会えたらいいな。
夕方からは買い物に行こうと思っていたのだが、お客様のミネさんから「あん肝が美味しくできたし、ブリ大根も煮えたからご飯食べにいらっしゃいよ」とお電話をいただいた。突然のことでどうしようと思ったのだが、買い物は明日に回せばいいし、電話口からあんまり美味しそうな匂いがしてきたので?トモちゃんを誘って急きょ、お宅に伺わせていただくことにした。
玄関を開けるとブリ大根のいい匂い。そして濃厚なあん肝を切り分けて器に盛り、たっぷりのわけぎを降りかけたら、もうたまらない。ほどよく漬かった糠漬けと春菊の胡麻和え、松前漬などと一緒にパクパクいただいた。
年齢を感じさせないお元気さと明るさはミネさんのトレードマーク。お食事の間中、ずーっと楽しいお話をして下さるので私もトモちゃんも笑いっぱなし!人の作ってくれたご飯をいただくのはなんて嬉しくありがたいのだろう?
「なんかミネさんってお母さんみたいだね」・・・な~んて言ったら怒られそうだけど、でも気持ち的には実家でご飯を食べているみたいに寛がせていただき、ついつい長居をしてしまった。もう心もお腹も今日は幸せで満杯!
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December 07, 2010

お節料理の講習会

今日は親しい友達7人で成東に住んでいる知り合いのお宅に伺い、おせち料理の料理講習会をしていただいた。その後、皆さんとできたお料理でお食事会。そのお宅の方はいつも愛用している無水鍋を使いこなしながら、栗きんとんや田作り、お煮しめ、伊達巻、黒豆などとても簡単な方法であっという間に9種類のメニューを作って下さった。
それを皆さんと一緒におしゃべりしながらいただいて、お腹はいっぱい。とても楽しく過ごしてくることができた。外で食べるご飯も美味しいけれど、家でのホームパーテイもまたとてもいいものだ。気の置けない人たちと美味しいものを一緒に食べる時間はとてもハッピイだ。
食事をいただきながら、今年のお正月は何を作ろうかなと考えていたら、夕方東京にいる息子から電話がかかってきた。お正月のお節料理が会社の取引先の会社から手頃な値段で買えるとのこと。写真で見たらかなり豪華で美味しそうなので、自分が買って差し入れするから今年は何も作らなくていいよ・・・だって。
お金もないのに、お米を送ってといつも言ってくるのに、いつのまにかお正月にみんなで食べるもののことを考えてくれるようになったのかと、ちょっと嬉しかった。
でも普通に売っているお節料理は見かけはいいけれど何を使っているかわからないし、あまり美味しいとは思えないから、ママが作るよ。どうせお金をかけるなら、お刺身やカニを買ってパーっとやった方がいいんじゃない?と言ったのだが、せっかくの提案を却下されて本人はちょっと不服そう?!
そんなことを思ってくれたという気持ちだけで母は充分なのだよ。高いお金を他所に払うくらいなら、それを少しでも自分の生活費の足しにするか、少しでも貯金に回すか(全くないのだから!)してほしいな。
な~んて断った手前、見栄えがしてボリュームたっぷりで美味しいお節料理を私は作らなければならなくなったぞ。ま、今から何を作るか心積もりをしておいて、年末はがんばりますか!
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December 06, 2010

大多喜「蔵精」~紅葉狩りへ

大多喜に昨年オープンした和食の玄米野菜料理の店「蔵精」に行ってきた。無農薬有機玄米を土鍋で炊いたご飯や、地元産の無農薬の野菜を中心とした体に優しい伝統的な和食の店だ。素材にも厳選し、小さなカウンター10席だけのお店だけれど、作り手の気持ちのわかる美味しいお食事を作っている。

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今日はお店のお客様であるフナバシさんとたまには一緒にランチを食べがてらドライブに行こうと1カ月ほど前から計画していた。ちょうど房総の紅葉も見頃なので食事の後はあちこち回ろうと話していたのだが、お互いあまり行き先の下調べをおらず、「行き当たりばったりでいいね」と言いながら、ナビも地図もないというのに、あちこち行きたいと思っていた所にはみんな行けて、ちゃんと回ってくることができた。

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ランチの後は鴨川に出て、細い山道を登ってようやくたどり着いた天然酵母のパン屋さん「かまどの火」でパンを買い、周囲の山々の景色に見惚れながら深呼吸。あたりに落ちている夏ミカンを拾い集めた。すぐそばにあったアーティストたちの情報発信のためのフリースペース「アートガーデン金束」の森の家も見学させていただいた。

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その後、千倉まで足を伸ばし、紅葉で有名な小松寺で初冬の紅葉風景を堪能し、再び北上し海沿いの「エビヤカフェ」でティータイム。あたりはすっかり日が落ちてしまったので、普通だったらここで帰路に着くのだろうけれど、養老渓谷の紅葉のライトアップも見て帰ろうということになり、そこからさらに1時間以上かけて養老渓谷へ。
「めっちゃめっちゃ濃い一日だったねえ~」と話しながら、車中はいつも楽しい話題で笑いっぱなし。同世代の気さくさで、初めてご一緒に出かけたというのに前からの友達のように打ち解けて過ごさせていただいた。
帰りはフナバシさんのご実家が茂原にあるので立ち寄らせていただいた。お母様が野菜やお花などたくさんのお土産を用意しておいて下さったのだ。もう感激!段ボールいっぱいの野菜とお花、そして楽しかった今日一日の思い出を車にしっかり詰め込んで夜10時頃に帰宅。
おそらくこれで今年の紅葉も見納めになるのだろう。最後の紅葉をたっぷり楽しめた貴重な休日だった。

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December 05, 2010

ガーデンシクラメン

師走に入ったとたん、気ぜわしくなるものなのだろうか。年末だからと言って特別に大掃除をしたり・・・というようなことのない私は、一般的な年末の忙しさとは無縁だ。でも今週は金土日の3日間ともお店はのんびりとヒマだった。あの強風と大雨に見舞われた金曜日は仕方ないにしても、お天気がとてもよかったこの土日まで人出が少なかったのにはちょっとがっくり。
でも気を取り直して、こういう時こそちょっとはお掃除に励もう?!と、みんなで雑巾を片手にあちこち拭き掃除。ついでにウレタンシートをカットして厨房の窓の下半分に張り付け少しずつ防寒対策の準備をした。
今朝の霜は今年一番だったような気がする。冷え込み自体はそれほど感じなかったのだが、朝、起きてトイレに行って窓を開けたら、北側の庭一面が真っ白。見事に霜が降りていた。
花壇の花たちも軒並み霜にやられて、もうぐったり。色とりどりに咲いていた花たちもビオラやいくつか耐寒性のある花だけが残り、あとは茶色くなってしまった。花壇がすっかり寂しくなってしまったと思っていたら、遊びに来た友人がガーデンシクラメンを買って来てくれた。
私の感覚ではシクラメンは暮れの鉢植えで室内で観賞するものだとばかり思っていたのだが、今は耐寒性のあるミニシクラメンもあり庭に直植えできるらしい。しかもうまくいけば夏頃まで次々と咲き続けるものもあるとか。丈夫になったのはいいけれど、シクラメンの季節感がだんだん遠のいていくようだ。
ちょっと暗くなってしまった花壇にガーデンシクラメンの赤やピンクの色がとても鮮やか。花の少なくなる時期にあると嬉しい。
遅ればせながら村上春樹の「1Q84」を夢中になって読んでいる。ようやく今はBOOK3に入った。今回の作品はとても神話的だ。村上春樹はもう突き抜けしまった人なのだと思う。今の時間の流れで営まれているこの世界と、ふとしたきっかけで向こう側に行ってしまって、そこで流れているもう一つの「あったかもしれない」世界。
天吾と青豆という互いに惹かれ合いながらも、大人になってから交わったことのない二つの魂が、それぞれの物語を共有しながらもう一つの世界で交差していく。不思議なストーリイだが、でもなぜかとてもよくわかるような気がする。
村上春樹がここまでずっと書き続けていられるのは文壇やマスコミと適度な距離を置き、書き続けるために必要な自分らしいライフスタイルを自らの意思で確立しているからだと思う。それを貫くのは容易なことではないだろう。いい意味での個人主義・・・。
自分が快適に自分らしくいられるために、周囲と心地よいと思う程度の距離を置き、自分の場を気持ちよくキープすること。周囲の状況がどうであっても、それに煩わされたり惑わされたりしないでいられる自分でいること。長く一つのことを続けていくためにとても大事なことだと思う。ただ日本で普通に暮らしながら、それをすることはとても大変だろうなあと思う。
でもこの作家のそうした生き方、作家魂、着眼点、そしてストーリイ展開を含めて、私はやはり村上春樹が好きだ。面白い。きっと彼は世界の中でも後世に残る作家になることだろう(既になっているけれど)。ああ早く続きが読みたい!
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December 03, 2010

マクロ美クッキングの会 料理教室

朝方からの大雨と大風はすごかった。すりガラスはガタガタとなり続けるので、4時頃から目が覚めてしまい寝られなくなってしまった。雨はやんで日が射してきたけれど、一日中、風が強くいろいろなものが吹っ飛んでしまった。
今日はあいりん堂さんが事務局になっている「マクロ美クッキングの会」の料理教室で夕方から中央公民館に行ってきた。今日も13名とたくさんの方が参加して下さった。前回、作りたいもののリクエストをお聞きしたので、今日のメニューはグルテンミートのメンチカツ、ひよこ豆のトマト煮、キャベツとリンゴのフレンチサラダ、長いもの揚げ煮。
今日はあいりん堂さんの方からのリクエストで玄米をマスタークックの土鍋で炊いてほしいというご要望があった。玄米との付き合いはもう20年以上になるけれど、いつも圧力鍋を使っているので、土鍋で玄米を美味しく炊く自信がなかった。それで先週、あいりん堂さんからマスタークックを借りてきて、家で予行練習をした。まず玄米をいつものように一晩浸水させてから、中火で加熱して20分、その後、フタの穴をふさいでホタル火で40分、フタを開けた時にはたくさんの蟹の穴ができていてちょっと感動してしまった。たきあがりはとてもふっくら。
料理教室の時は人数が多かったので、鍋は6合炊きだったのだが、足りないと困るなと思い、ちょっと多めにお米を入れた。そのせいかやや表面の炊きあがりが固めになってしまったけれど、何とか美味しく炊けたので一安心。
今回の進行は私が皆さんの前でデモをやらないで、説明だけしてすぐに作っていただいたので、8時前にお食事を始めることができた。進行がちょっと早かったのだが、片付けも含めて9時には会場を出なければならないので、時間配分がギリギリなのだ。でも今日は何とか閉館時間にも間にあってよかった。
来年から店と公民館の料理教室は、日中にも開催することになったので、ご都合が合えばぜひご参加ください。
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December 02, 2010

ハンドヒーリングの体験会

お客様で薬剤師をされているニシザワさんが「ヒーリングタッチ」のワークショップに参加されてきた。それがとてもよかったので、参加したメンバーと一緒に勉強会を兼ねて集まりたいとご予約をいただいた。ランチの後は希望者にハンドヒーリングを体験してもらえる時間を取っていただけるとのこと。あまりお声をかける時間がなかったのだが、午後からの体験者は私を含めて5人。いろいろなシンクロのあった楽しい一日だった。
ヒーリングタッチはNASAの科学者であり「光の手」の著者でもあるバーバラ・アン・ブレナン(バーバラブレナン)が構築したバーバラブレナン式ヒーリングを基本としている。アメリカでは「Healing Touch International 」という組織もあり、看護師たちがヒーリングタッチのスキルを身につけ、医療現場にも取り入れてられているそうだ。ヒーリングタッチを紹介し日本にも広めて行こうとワークショップなどを開催しているのが「Healing touch Tokyo」だ。今日はその活動をしている島村真木さんも来て下さった。
奥座敷にホットカーペットを敷き、座布団を並べたり、マットレスを敷いたりして、4人ほどが横になれるスペースを作り、お部屋を暖かくして、一人あたり小一時間ほどヒーリングタッチを体験させていただいた。どのように感じるかは人それぞれだが体が温かくなったり、ピリピリきたり、ゆるんだりして、心地いい時間を過ごすことができるようだ。それが高じて愁訴の緩和にもつながっていくようだ。私は横になっている間中、リラックスした半覚醒状態になっていたので、脳にもアルファー波がたっぷり出ていたような気がする。
終わった後、皆さんト一緒にむらさき芋タルトと、庭から摘んできたフレッシュハーブでお茶を飲みながらティータイム。個人的にはいろいろお話できたこの時間が一番楽しかった。お引き合わせした方同士にもいろいろなつながりがあって、いい場だったなあと思う。偶然に集まった人たちが、その場で何かに気づき、そこで出会った人たちとまたつながっていく・・・それが場創りの面白さだと思う。
こじんまりとしたいい集まりだった。この古民家は何か人をほっとさせ和ませてくれる静かなエネルギーに満ちている。そのせいかヒーリング関係の集いにはとてもふさわしい場になってきたような気がする。これからも心と体が元気になるワークショップなどの会場としてご利用いただけたら嬉しい。ご希望の方はいつでもご相談くださいね。
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December 01, 2010

「レオニー」

今日のご予約は夜からだったので、昼間の時間を生かして「レオニー」を観てきた。100年前に異国の日本に母子で渡り、天才彫刻家イサム・ノグチを育てた母親レオニーギルモアの波乱に満ちた生涯を描いた映画だ。
監督の松井久子さんは64歳。50歳で映画監督になり「ユキエ」や「折り梅」を撮影。同作品は全国に自主上映で広がり観客動員数は200万人を越えたという。「レオニー」の構想は7年。そのうち6年間は映画作りの資金を集めに奔走していたそうだ。そんな中、松井さんに映画をぜひ撮ってほしいというファンたちが「マイレオニー」という支える会を結成し製作費13億円を集め、何度も何度も脚本を書き直し、ようやく作品が完成した。
名門女子大出身で自我の強い自立した女性レオニーはニューヨークで活躍していた詩人野口米次郎の編集者となり恋に落ちる。ところがレオニーが妊娠した頃、日露戦争が始まり米次郎は帰国。その後、レオニーはイサムを産むが、アメリカで排日機運が高まったため、レオニーと共に日本に行くことを決意。日本で米次郎に再会するが彼には妻がいた。英語の教師をしながら貧しい中でイサムを育てるレオニー。あの時代に言葉も通じない異国でシングルマザーとして混血の子どもを育てていくことがどれほど大変だったことか。
でもレオニーはイサムに大きな愛を注ぎながら芸術家としての彼の資質を早くから見抜く。「あなたの芸術は武器、あなたの芸術は声、芸術家には限界がなく国境も存在しない」と語るレオニー。戦争という時代に翻弄されながらも強くて潔いレオニーの生き方にとても共感した。そして随所に見られる美しい四季折々の風景。レオニー役のエミリーモーティマーが長身の体にロングドレスを身にまとい颯爽と歩いている姿が印象的。
松井久子監督は語る。「生きることそのものが仕事。人生そのものがハードな遊び。ちょっと勇気を持てば結構すごいことができる。そのためにはあきらめないこと。そして途中で投げ出さないこと」。さらに「人生の本当の喜びは困難を乗り越えた先にこそある」。
イサムノグチは有名だが、彼を育てた母親のことはあまり知られていない。でもそんな一人の女性に光をあて、長い年月をかけて作品を作りあげ、伝えたかったメッセージはまさにそこにある。とても勇気を与えてもらった素晴らしい作品だと思う。千葉での上映はシネプレックス幕張TOHOシネマズ流山おおたかの森のみ。
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