旧岩崎邸庭園
一カ月ぶりに父の所に行ってきた。行く時は都内に出るついでに行きたかった美術展やギャラリーなどを回ったり、ランチを食べたりと、いくつか予定を立てるようにしている。今日はちょっと人に会う用事があったので上野に出て食事をし、アメ横で買い物をし、その後、旧岩崎邸庭園を見てきた。上野には何度も行っているというのに、この場所は知らなかった。
明治29年、三菱創設者である岩崎弥太郎の息子久弥が岩崎家本邸として建てた家で、イギリス人の建築家ジョサイア・コンドルによって設計されたもの。17世紀のジャコピアン様式を基調に、ルネッサンスやイスラム風のモチーフが取り入れられた素晴らしい建物で、重要文化財にもなっている。今残っているのは洋館と和館、ビリヤード室の3棟。
都会の喧騒の中にあるのに、一歩建物の中に入ると、そこだけ時間が止まってしまったかのようだ。ジョサイア・コンドルは鹿鳴館やニコライ堂なども設計し、本格的な西洋建築を日本に取り入れていった。ここに住んでいた岩崎家の人たちも西洋の文化を生活の中に取り込んでいったのだろう。どんな衣装を着て、どんな食事をしたのだろうと想像しながら館内を歩いた。赤い絨毯の敷きつめられた階段を上がり、バルコニーに出た時、彼らはどんな風景を見ていたのだろう。古い建物の中にいるとなんだかタイムスリップしているかのような気持ちになって面白い。
庭園にはイスとパラソルが置いてあり、自由に休憩できるので、しばらくそこで本を読んでいた。東京で育ったのに、都内にはまだまだ知らない所がいっぱいある。少しずつそういう場所を探して見て歩こうと思った。
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