ご縁玉プロジェクト~響き合う魂(こころ)~
「いのちの授業」を実践してきた元養護教諭「山ちゃん」こと山田泉さんが乳がんで亡くなったという記事を2年前の新聞で読んだ。ガンと闘病しながら仕事を続け、自らの体験を語ってきたが、ガンが再発したため退職。その後も毎週一回、自宅を「町の保健室」として開放し、元教え子たちと命の話をし続けていたという。
ガンの再発後、元気なうちに憧れのパリへと家族旅行をした山ちゃん。そこで知人に紹介されチェリストのエリック・マリア・クチュリエさんと出会う。乳がんが再発した山ちゃんをチェロの力で元気付けたいと、今度はエリックさんが来日。山ちゃんの家に泊まりながら、一緒にホスピスや養護施設にチェロを持って訪問。
そんな二人の交流が「ご縁玉」というドキュメンタリー映画になった。山ちゃんの著書を読んで感動した一人の女性がその上映会を千葉で企画したという。場所は大網にある不動産会社「大里綜合管理」のホール。会場となるこのホールもまた地域のコミュニテイとしていろいろな活動をしているので、近々行こうと思っているところだった。
今日の夕方から行われた上映会に行ってきたのだが、会場は150人ほどの人でびっしり。上映の後、挿入曲でもあるバッハの無伴奏チェロ組曲1番と2番をエリックさんが演奏してくれた。上映会のためにパリから江口方康監督とエリックさんが駆けつけてくれたのだ。
今回のこの上映会は「ご縁玉プロジェクト」の一貫として行われ、収益の一部を使って、映画のサントラ盤と山田さんの著書『「いのちの授業」をもう一度』と『いのちの恩返し』の2冊をセットにして、全国の公共図書館に寄贈する計画があるそうだ。
山田さんは亡くなる12時間前にもホスピスのベットで「生きることは人のために尽くすこと。これで終わります!」と意識のないまま突然しゃべり、そこに寄りそった家族や医師たちが拍手をすると、微笑んで亡くなったという。まさに最期までいのちの授業を実践していた人だ。
自らの死を覚悟しながらも、決して取り乱すことなく、最後まで人のために何ができるかと命をかけて生きて来た山ちゃん。ご自身はかなりしんどい状況だったはずなのに、映画の中の山ちゃんの姿はとても明るくさりげない。気どらずありのままに生きていて、困っている人をほおっておくことのできない世話好きのおばちゃんという感じだ。その生きる姿にたくさんの人が勇気を与えられた。だから山ちゃんが亡くなった後も、山ちゃんの結んだご縁がさらにあちこちで結ばれていく。
誰も皆、出会うべくして出会う人がいる。山ちゃんとエリックさんとの出会いも偶然だった。だけど、それは出会った瞬間から必然に変わっていく・・・。不思議なえにし。
ご縁の中で生かされている私たちは、ご縁の力をもっと信じてもいいなじゃないかな。必要なことの答えは、皆ご縁の中に用意されているような気がする。
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Comments
感想別に書いていただくこと、お願いしてもよろしいですか。ぜひお伺いさえていただきたいです。よろしくお願いいたします!
Posted by: Tomoko Kawashima | February 21, 2011 12:12 PM
Tomoko Kawashimaさんありがとう。
先日はご縁玉上映会、お疲れ様でした。まさに山ちゃんの書いていた通り川島さん「一人から」始まって皆さんに飛び火していったイベントでしたね。
たとえ大変だったとしても、何かをやるたびに人のつながりを実感し、新しい自分に出会っていくことができるのだなあと思います。
ブログにはあまり個人的な感想を書いていませんでしたが、それでよろしければどうぞお使い下さい。また必要でしたら、感想を別に書いてもかまいませんのでご連絡くださいね。
Posted by: 風楽 | February 18, 2011 09:20 PM
ご縁玉〜響きあう魂(こころ)にお越しいただいてくださったのですね。早速ブログにも書いていただき、とても嬉しいです。この企画をさせていただいた川島です。手作りのイベントで十分なおもてなしができなかったことが多々あったと思います。もしご快諾いただければ、イベント用に作成したHPの参加者からの声に載せさせていただきたいのですが。。。江口監督、エリックマリアも皆さまの声を聞くのをとても楽しみにしています。
またお会いできる日まで。
Posted by: Tomoko Kawashima | February 17, 2011 09:04 PM