March 31, 2011
私の大好きな本の一つ「食堂かたつむり」をもう一度読み直した。何度読んでも心がほっと温かくなる本だ。小川糸の作品は以来、ずっと読んでいるけれど、あっという間に私の好きな作家のひとりになってしまった。
ある日、仕事から帰った倫子の部屋はもぬけの殻。一緒に住んでいたインド人の恋人が何もかも持って出て行ってしまったのだ。残されたものは祖母から受け継いだ糠床だけ。ショックで声を失った倫子は何年ぶりかで故郷に帰ることにした。
ハチャメチャに生きている母とは折り合いが悪かったが、敷地内の物置小屋を改装して小さな食堂を始めることにした。お客は一日一組だけ。メニューはない。
倫子が料理をする前には儀式がある。食材を両手でくるんで抱くのだ。そして彼らの声に耳を傾けて、どう調理してほしか語りかけてくれるのを待つ。その後、料理の神さまにお祈りをしてから仕事に取りかかる・・・。
やがてできあがった食堂で、倫子の作ったご飯を食べた人たちは、なぜか皆、願いが叶って幸せな気持ちになるという噂が流れる・・・。
映画にもなったので、昨日DVDで観た。原作がちょっとお茶らけた感じになっていたが、食堂かたつむりの内装と料理をしている時の倫子のしぐさは、原作のイメージ通りだった。
DVDを観た後、また原作が読みたくなって一晩かけて読んだ。やっぱりよかった。母の亡き後、意気消沈した倫子は食堂を再開できない。でも家に飛び込んできた山鳩を焼いてその肉を食べた時、「美味しい」と自然に声が出た。
その時、倫子は気が付いた。
「料理を、捨ててはいけない
心からそう思った。
だからまた一から料理を作りはじめよう、と。
身近な人に、喜んでもらえる料理を作ろう。
食べた人が、やさしい気持ちになれる料理を作ろう。
たとえちっぽけな幸福でも、食べた後、幸せになる料理を、これからもずっと、作り続けていこう。
ここ、食堂かたつむりの、世界にひとつしかない厨房で。」
この言葉がこの本の最後だ。食べることは愛することであり、生きることである。そんな仕事を私もまたこの小さな厨房で続けていこうと思う。

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March 30, 2011
古民家の屋根裏にはいろんな住人がいる。私がここに移り住むまで8年間も空き家だったし、あちこちに隙間が開いていたので、小動物たちが自由に侵入し雨風を凌ぐお宿になっていたのだろう。私が来てからも、侵入路は残っていたようで、初めてその足音を聞いた時、一人で寝ていたので泥棒が入ってきたのかと体が震えた。
以来、ほぼ毎晩のように天井から足音が聞こえてくる。夕方から夜にかけて活動を開始するようだ。その姿は見たことがないけれど、どうやら四つ足らしいとわかってひとまず安心?したが、それにしても夜一人でいる時に、ドスドス~という音が聞こえてくるのは決して気持ちのいいものではない。
地震以来、危機感を感じているのか避難してくるのか?徐々に足音の数が増えているようで、かなり音がうるさくなってきた。たまたま土曜日に泊まりに来たカキピーに話したら、ちょうど今月いっぱいは陶芸教室もお休みしていて、今なら時間があると言うのでぜひお願い!と頼み込んでしまった。
ただ板を切って打ち付けるだけなら私にもできるのだが、屋根と壁の隙間に板を張るのはちょっと難しそう。カキピーは古民家に住んでいたこともあるし、モノ作りの専門家?なので、そういうことはザックリと臨機応変で対応できる。古民家の修復の時に使っていた端材を積んでさっそく午前中から作業を開始してくれた。
私の方は友達親子が2組でランチに来てくれることになったので、その支度があり、午前中はずっとカキピー一人で作業。お昼までにほぼ外側の隙間に板を張り付けてくれた。
片付けの後、私も手伝いながら縁側の梁と屋根の隙間を埋めることにしたのだが、お互いマイペース同志?なので、どうもチームプレイができない。結局、私は「あそこやって」とか「ここもあいてる」とか口を出すだけで、別の場所をほんの数か所張っただけ。ちょっとしか動いていないのに、上からいろんなものが落ちてきてすごく汚れてしまった。
それでも何とか夕方にはほぼ作業が終わり、大きな隙間のある所はほぼ板張りができた。ただ緑に囲まれた古民家に住んでいる以上、野生動物とは縁が切れそうにない。それに古民家の宿命で、入ろうと思えばどこからもで入れるので、まだまだ安心はできないけれど、カキピーのおかげで助かった。ありがとうカキピー!



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March 29, 2011
思わず「スゴ~イ!」と歓声をあげてしまった。自分のすぐ後ろに孔雀がいて、しかもいきなり羽を大きく広げたのだから驚いた。なんと鮮かな色なんだろう?何歩か歩けば手で触れられるくらいの至近距離で孔雀に会えるなんて思ってもいなかった。しかも柵がないので、彼は自由に優雅に、そしてのんびりと歩いているだ。
昨日行った雨引観音の境内で飼われている孔雀だ。しかもカメラ目線に慣れているのか?羽を広げたまま孔雀君はゆっくりとその場でぐるりと回って後ろ姿まで見せてくれた。まるでシャッターチャンスを与えてくれているかのようにしっかりとしたカメラ目線。
近頃、サカリなのか羽を広げて自分をアピールすることが多いとのこと。つがいで飼っているので、すでに妻帯者だというのになんて奴だ?!
でもその美しさに惚れ惚れしながら夢中で写真を撮り続けた。鮮やかなコバルトブルーがしっかりと目に焼き付いてしまった。それにしても後ろ姿までこんな近くで見られるなんて・・・。
今日はものすごく早起きをしたので、朝陽が昇るのをずっと見ていた。朝陽のエネルギーを久しぶりに体感することができた。午前中に用事があったので、お客さまのお宅へ伺ったら、お昼をご馳走になってしまった。他の人が作って下さるご飯をいただくってとても幸せな気分。午後は選挙に向けてのハガキ書きのお手伝い。地震で選挙どころではないというのが市民の本音だと思うけれど、とにもかくにも統一地方選はやってくる。本当に市民の声を代弁してくれる人を応援したい。



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March 28, 2011
昨日の日曜日は久しぶりにお客様が何組が来てくださって、営業時間中は休むヒマなく仕事をすることができた。ガソリンの供給が落ち着いてきたせいか、決して無駄にはできないけれど、少しずつ車で出かけられるようになってきたようだ。
先週までは、朝、「今日は営業していますか?」とお電話をかけて確認してからいらっしゃる方がほとんどだったのだが、日曜日はそういうお電話はほとんどなかった。だからもしかしたら今日もお客様は少ないのかなと思っていたのだが、フタを開けてみたら大忙しというわけではなかったけれど、かなりお客様は来て下さった。少なめではあったが、ご用意した定食のおかずも全てなくなり、お作りしたものを食べていただけてとてもうれしかった。
地震の直後はあちこち閉まっている店が多く、私も不安や弱気になって、今月いっぱい思い切ってお店をお休みさせてしまおうかと思ったりもした。結局、一回だけ祝日を臨時休業しただけで、それ以外の日は一人で対応させていただきながら営業を続けてきた。たしかにじんどい状況ではある。目に見えない放射能はこうしている間にもじわじわと汚染地帯を広げて行く。
でもそんな中でも自分にできる仕事があるというのはありがたいことだ。雨風凌げる場所があって、暖をとり、ご飯を食べられるというだけで、とても幸せなのだと思う。
これから先のことはわからないけれど、今、私は自分の持ち場で自分にできることを精いっぱいやらせていただこうと思っている。
筑波神社と桜川市(旧大川村)にある雨引観音に行ってきた。お参りをするたび、何か自分の襟を正していただけるような気持ちになれるので、私は神社仏閣へと足を運ぶのが好きだ。境内で深く呼吸をし、手を合わせ、ただただ「自分の為すべきことをやらせてください」と頭を下げる。
お花見などできると思ってもみなかったのだが、雨引観音の境内にはたくさんの河津桜が植樹されていて、満開に咲いていた。今年の桜ほど人々の心に染みいる花はないだろう。観音さまの優しい気配に満ちた、花いっぱいの美しい山寺だった。とても穏やかな気持ちになって帰ってくることができた。


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March 26, 2011
いつも間違えてしまうのだが、野菜の大根の花ではなく、花ダイコンという名前のアブラナ科の花。花の形が大根の花に似ているからそう呼ばれているようだ。そして面白いことに大根の菜花は黄色ではなく白い色。
最近、ブログにアップする写真に花が多い。花は静かにそこに咲いているだけなのに、見る者の気持ちをほっとさせてくれるし、何よりもお部屋の中がぱっとライトをつけたように明るくなる。まだ庭には春の花がほとんど咲いていないので、とりあえず今は切り花として飾ってあるものを写すしかないのだが。
レンズをのぞきながら花の姿をじ~っと見ていると、小さな花の一つ一つの作りがなんて美しいのだろうと感動してしまう。この地球上で一体何種類の花があるのだろう。人の心を解きほぐすために神様が至る所で見られるようにたっぷり創って下さったのだろう。でもそんなこと知ってか知らずか花は勝手に咲いている。
ジュンコさんが持って来てくれた水仙をお食事に来て下さった方に少しずつ束ねてお帰りの時、お渡ししていった。受け取って下さるお客様の顔がパッと明るくなって喜んでいただけるのが嬉しい。
ジュンコさんいわく、「こんなの実家の庭に行けば、捨てるほど生えているよ」。ある所にはあっても、そういう環境にいない人は、どこかでもらうか、わざわざ花屋さんで買うしかない。
ほんの一輪の花が人の心を明るくしてくれることもある。だから生花を絶えず飾っておきたいなと思う。地震以来、久しぶりにジュンコさんと仕事。地震の後も筍はまだかとしょっちゅう実家の竹林に偵察?に行っているそうだ。相変わらず元気で逞しい人だ。
花ダイコンもご実家の庭から手折って来てくれた。

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March 25, 2011
このところ一人で店に立つことが多い。お客様が少ないこの時期は、一人も仕方ないかなと思う。厨房仕事に入る前に軽く掃除機をかけて、お部屋を整える。その後、仕込みに入る。仕込み自体は一人でもできるのだが、お客様がいらしてご注文をいただき、作って盛り付けて運ぶというのを一人でやるのはなかなか大変だ。
今日は一組にお出ししたら、すぐ次の一組、その後もすぐ・・・という感じで結局、4組のお客様が続けて来て下さった。もしかしたら今日は一人もいないかも?なんてちょっと心配していたのだが、こういう時にこんな遠くまで4組も来てくださって本当にありがたい。お食事をご用意し、お席に運んでデザートをお出ししてコーヒーを作って食器を洗って・・・と一人なので、とにかくテキパキと動かなければならない。これがけっこう緊張するのだが、凝縮したランチタイムが過ごせて嬉しい限り。
お昼過ぎに、ジュンコさんが知り合いから馬糞をもらったので軽トラのダンプに積んでもって来てくれた。いい匂いがするのか?トラがよりにもよって、まだ出たばかりの?馬糞の山に乗って寝っ転がっている。も~っ今日は抱っこしてやんないぞ~!しばらく寝かせておくといい堆肥になりそうだ。
実家に咲いている日本水仙も摘んで来てくれた。甘くて優しい香りが馬糞の匂いを忘れさせてくれる?みたい。水仙の花はざっくりとたわわに生けるととても素敵だ。これで花嫁さんのブーケを作ったら可愛らしいだろうなあ。また古民家中を花で埋め尽くせるような結婚パーティの依頼があるといいけれど・・・。
*サイトの方に4月の教室案内をアップしましたのでご覧ください!
こんな状況で4月に教室ができるのだろうかと迷ったのですが、何も企画しないで終わってしまうより、たとえ少人数でも来て下さった方たちと楽しい時間を過ごせたらいいなと思いました。
特におススメは4月11日(月)ヨガのYKOちゃんと一緒に行う「古民家でゆったりヨーガとオーガニックランチ」。
春風に吹かれながら座敷でヨガを楽しんだ後、ワンプレートのオーガニックランチをお話しながら皆さんでいただきましょう!縮こまりがちだった体にスペシャルな時間をどうぞ!
それと4月20日(水)の料理教室ではご要望の多かった基本編をもう一度。玄米の炊き方から八方出汁の作り方までじっくりお教えします。ふだん中々お話できないので、教室の時は私も皆さんとお食事をご一緒しながらいろいろお話できたらと思っています。お申込みはお早めに!

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March 24, 2011
ようやくガソリンの供給が落ち着いたようだし、地震前に借りた図書館の本も返却期限を過ぎていたので(いつもなら全部読み切れずにもう一度借りるのだが、今回はなんと完読!)今日は久しぶりに街中まで出かけてきた。今まで県庁まで届けなければならなかった支援物資が、成田市役所でも受け付けてくれるようになった。おむつやカイロなど物資は限定されているが、募金以外にもできることがあればと思っていたので赤ちゃん用の紙おむつとカイロを買って持っていった。
また成田市ではサウンドハウススポーツセンター(成田市体育館)で原発から避難された方の受け入れを始めた。現在、20数名の方がいるが食事は付かない。できたらお弁当をお届したいと市役所の窓口で聞いてみたのだが、今の段階では個別の差し入れは受け付けていないそうだ。最大400人まで受け入れるので、その時までに食事のボランティアなど体制が整ったら連絡してほしいと電話番号を書いてきた。
図書館、銀行、市役所、スーパーなど、あちこち回ってきたが、どこも照明や暖房を落として節電をしている。それでも不便さは特に感じることがないので、これを機会にずっとライトダウンを続けてほしい。地震が起こるまでいかにふんだんに電気を無駄遣いしていたことだろう。
原発は危険だからいらないと言いながら、かたや電気の恩恵をたっぷり受けて快適な暮らしを望むのはいいとこ取りというもの。
地震以来、ガソリンを使いたくなかったので、ほとんど家にこもっていた。仕事もなかったので、たっぷりある時間は本を読んだり、ネットでニュースを見たり、今回の地震や原発事故についてのコメントを読んでいた。東京電力に対する怒りや原発事故の補償問題、これから先の不安などが多い。そんな中で今、何ができるのだろうとずっと考えている。
久しぶりに「木を植えた人」(こぐま社)を読んだ。以前から大好きな一冊で何度も何度も読み返している本だ。子供と妻に先立たれた孤高の男が南プロヴァンスの荒れ果てた土地を蘇らせようと、ただひたすら黙々とドングリと苗を植え続け、忍耐強く育て、30年後に豊かな森を作り上げたという話だ。
「たった一人の男が、自分の肉体と精神力だけで、荒れ地から豊饒の山に変えたことを思うと、様々なことがあるにせよ、人間に与えられている力は、たいしたものだ」という本文と、この本の最後に書かれている訳者の原みち子さんの言葉がとてもいいのだ。
「本当に世の中を変えるのは、権力や富ではなく、また、数と力を頼む行動や、声高な主張でもなく、静かな、持続する意志に支えられた、力(りき)まず、目立たず、おのれを頼まず、速攻(早さ)を求めず、粘り強く、無私な行為です」。
何気なく開いた書物の中から、その時の自分に必要な言葉と出会うことがある。
起きてしまった事故はもうどうすることもできない。その時、自分がどうそれと向き合うか・・・。
声高に何かに反対するとか、強く意志を表明するとか、権力と闘い続けるとか・・・そういうことをもう私はやりたいとは思わない(もちろんやっている人たちを批判しているわけではありません)。
必要以上にコトを荒立てたり不安をあおるような発言をしないこと、電気だけでなくエネルギー資源を今まで以上に大切に使うこと、無理なくできる小さな支援を続けていくこと、そして一番大切なことはマイナスの波動に巻き込まれないよう穏やかで安定した心を持ち続ける努力をしていくこと・・・そういう小さな一人一人の行動の積み重ねがこれからの社会を作っていくのだと信じている。

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March 23, 2011
今日はパン教室の日。寺田本家の発芽玄米酒「むすひ」の酒粕を使ってパンを作った。酒粕で酵母を起こすパンの作り方には関心のある方がとても多いようで、今回の申し込みは15名近くになってしまった。でもその後、地震が起こり、地震の後に申し込みをされた方も余震が続いたり、ガソリンが手に入りにくかったりでキャンセルが続いた。講師の高田さんからは「こういう時にやらせてもらって大丈夫なの?」とメールが来たけれど、「高田さんさえ、こちらに来てくれるのであれば、もちろんやりますよ」と返事。
結局、当日キャンセルもあって人数はガタンと減って6名になってしまったけれど、美味しい酒粕あんパンとヨモギあんパンと食パンができた。やはり寺田本家の酒粕はいい環境の中で育っているせいかとても元気がよくて発酵力も強いと高田さんも驚いていた。ほんのりとした酸味と酒粕の風味があって、個人的にはプレーンの食パンが一番美味しかった。
ただ厨房で使っているコンベックがいよいよ寿命のようだ。ファンが回らなくなった。そして温度があまり上がらなくなってきたので、今日はパンを焼くのにえらく時間がかかってしまった。しかも端っこに置いたパンは焦げてしまった。
もともとこちらへ移転する時、厨房機器を買うお金がなくて、オーブンはネットで見つけたジャンク品の20年前のコンベックをだましだまし使っていたのだ。「今は何とか動いているけれど、いつどうなるかわからない」と出品者からもお墨付き?。新しいオーブンを買いたいけれど、今月はとても厳しいので、またジャンク品でも探すかな。
今日は近くの小学校の先生からお弁当の御注文も入って、久しぶりに厨房でいろんなものを作った。やっぱり私は何を作ろうかなと思い浮かべている時間と、いろいろな調理の段取りを考えながら手を動かしている時間がとても好きだ。そして知った顔の皆さんと再会できると、何かそれだけでとてもうれしい気持ちになる。
昨日あたりからガソリンの供給が回るようになり、ようやく給油渋滞から解放された。ガソリンが入っている車でいつでも出かけられるという当たり前のこともまたとてもうれしい。

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March 22, 2011
友達がキューバから帰ってきた。ちょうど出発が地震の直後だったので、飛行機は飛んでいるものの、成田空港へ行く足が京成もJRも運休。仕方なく、都内から同行する友達を車で拾って、車をここに止めて、その後、空港へは私の車で送っていった。「帰って来たら日本はどうなっているんだろうね」と心配していたが、日本にいるよりかえって安心かもしれないねと言いながら出発していった。
ちょうど気候もよく凌ぎやすかったらしく、久しぶりに冷え込んだ日本が寒い寒いと言っていた。お土産にキューバで有名なハバナクラブというラム酒、チョコレート、エスプレッソコーヒー、そして「ソン」と呼ばれるラテン音楽のCDを2枚買ってきてくれた。
キューバと言えば、「ブエナビスタソシアルクラブ」がすぐ思い浮かぶ。私のあの映画を見た後、CDを買って、初めてキューバ音楽を身近に感じた。彼もあの映画を見た後、キューバに興味を持ったようだ。街中、どこに行っても音楽が身近にあり、レストランでもCDショップでも至る所で、ラテン系の音楽が流れており、国民は時間さえあればいつも踊っているそうだ。
さっそくエスプレッソのコーヒーを入れ(キューバではベトナムコーヒーのように練乳を入れずにたっぷりの砂糖とミルクで飲むそうだ)チョコレートをほおばりながら、CDを流してキューバの話を聞かせてもらった。底抜けに明るいラテン音楽は、ともすれば沈みがちになってしまう今の気分を払拭させてくれるようだった。
かのヘミングウェイも晩年ハバナで暮らしていたという。旧市街はスペインの植民地だったこともあり、世界遺産としても登録されている美しい街だそうだ。20年間、彼が暮らした家があり、ここからコヒマールという郊外の港に向かい、カジキ釣りを楽しんでいたという。そしてその小さな漁村は「老人と海」の舞台ともなった。
またキューバ革命という大きな歴史を刻んだチェ・ゲバラの存在や、ソ連崩壊とアメリカによる経済封鎖の中で国をあげて、有機農業へと転換した施策や、高度医療や教育の無償化を実践しているなど、音楽だけでなくキューバの取り組みにはとても関心がある。その持続可能な国をあげての「キューバしのぎ」は、日本の今後を考えていく上でとても参考になると思う。
ただ社会主義国家なので、国民は配給に従い自由に農産物を購入することはできず、実際に行ってみると、旅行者との間にはかなりの隔たりがあると話していた。
国全体が有機農業に取り組んでいるなんて、どれだけ豊かな土壌なのだろう。いつか旅行というよりも視察に行ってみたい国の一つだ。

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March 20, 2011
地震以来、お客様が少ない。だからこの3連休全てをお休みしようかと思っていたのだが、できることなら私は仕事をしたい。結局、いろいろ考えた末、この土日はスタッフに来てもらうのをやめて、私一人でやることにした。
古民家の場合、カウンターもないし、お座敷まで運ぶのに時間がかかるので、一人で厨房で作って、お客様のお席に運ぶのはかなり大変。ご飯とお味噌汁が冷めてしまわないように早く運びたいのだが、お膳は一つづつしか運べない。でもおそらくお客様の数は多くないから、一人でできることをやらせていただこうと思って、2日間一人でやってみた。
昨日は2組、今日は4組のお客様が来て下さった。たいていは「今日、やってますか?」というお電話があってからご来店されるので、あらかじめ一人でやっていることを告げて、できたら到着の予定時間とご注文をお聞きして、一人でやっても混乱ないように準備しながら対応させていただいた。
でも今日はそのうち2組の方は突然のご来店。市街地からかなり離れたこんな場所まで来ていただいて、お休みだとわかったらさぞがっかりされることだろう。一人でもやってよかったと思った。
ガソリンも中々買えないというのに、こんな時にわざわざお食事に来て下さるなんて本当にありがたい。地震以来、来て下さった方がお帰りになる時、玄米のおむすびを作ってお渡ししている。万が一計画停電になったり、余震が来た時に梅干し入りのおむすびがあったらほんの少しでも腹ごしらえになるかなと思うので。
夕方、友達がお寿司をご馳走してくれるというので、成田の参道まで行ってきた。カウンターに座って板さんと話ながらお寿司を握ってもらった。地震の次の日のお客様は昼に一人夜に一人だけだったそうだ。もちろんその後も、客足は激減。今夜もとてもヒマそうだった。おかげでゆっくりと美味しいお寿司をいただくことができたけれど、経営的には厳しいだろう。駅から近くて人気のあるお寿司屋さんでさえそうなのだ。飲食店はどこだってこの時期、大変なんだなと痛感した。
明日は祝日なので、申し訳ありませんが臨時休業させていただきます。来週以降のことはまた状況を見ながらお知らせさせていただきます。

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March 19, 2011
キンセンカの花が元気に咲いている。この前南房総に行った時、お花畑から摘んできた。それより前にジュンコさんが摘んで来てくれたキンセンカもまだ咲いている。かれこれ一カ月になろうとしている。ちょっと花が下を向いてきたら、水の中で茎を切り、しばらくそのままにしておいてあげると、むくむくと頭を持ち上げ、オレンジ色の明るい笑顔をまた向けてくれるようになる。太くてしっかりとしたキンセンカの茎は生命力の強さを物語っている。決して好きな花ではないのだが、この花の逞しさと明るさに塞ぎがちな心がどれだけ慰められたことだろう。キンセンカの花言葉は「悲嘆」「別れの悲しみ」「慈愛」。
地震の後、いろいろなものがすっかり変わってしまった。人々は行き場のない哀しみを抱え、不安と動揺の中にいる。私もわけのわからない灰色のベールに包まれてしまったような気がする。
もう限界だと地球が悲鳴をあげてしまった。そしてこの天地異変を通して、もがきながら地球は生まれ変わろうとしているのだと思う。
こんな話を聞いた。
大地は人間を通してエネルギーを解放している。だから人間が内なる欠乏感から色々なものを溜め込み、パイプが詰まってしまうと大地のエネルギーは解放されなくなる。解放されずに溜まったエネルギーが臨界点を超えると、それが地震となって現れるのだと。
実際に起きている現実というものは、内なるエネルギーの反映だ。だから宇宙の生命活動に反する私たちのマイナスの想念と行動が今回の出来事を引き寄せてしまったと言っても過言ではないだろう。
その時、私たちはどうしたらいいのか。人間の命と大地とのバランスの取れたエネルギー循環をもう一度思い出してみること。一人一人の思いが地球を再生させる力になるということを信じること。そして不安や悲しみに焦点を合わせるのではなく、愛と光に焦点をあてながら祈るしかないと思う。
祈ることと希望を持ち続けることでしか、今の現実を変えていくことはできない。折しも今夜は満月の夜。暗闇の中、誰の元へも月は等しく光を降り注ぐ。月の光から慈悲に満ちたエネルギーをいただきながら、自分の命というフィルターを通して、今度はそれを愛と勇気へと変換させていきたい。
今、そんな静かな時間を持つことが何よりも大切なことだと思う。

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March 18, 2011
今日は料理教室の日。でも今週予定されていた仕事は全て中止になってしまったので、今回もまたできないかもしれないなあと内心思っていて、中々準備を進められなかった。自ずと全てが縮小モードになっているのだ。午前中は私一人で、トモちゃんには12時から来てもらったが、お客様がいらっしゃらなかったので、日中は北側の畑を耕していた。
古民家の中は寒かったが、鍬をふるっているうちに汗をかいてきた。温かな昼下がり、土を耕していると、今、日本には何の問題もなくて、いつもどおりの平和な時間が流れている・・・そんな気持ちになってきた。地震以来、そんなふうに思ったのは初めてのこと。
あまりにつらく悲しいニュースばかりが続いているので、いつのまにか心も灰色に染まってしまったようだ。でもそういう感情に支配される必要はないのだ。今の私にできることは今日の料理教室を楽しい時間にしていくこと。参加される方が何人であったとしても美味しいお食事を一緒に作り皆さんといただくことなのだと思った。
とても全部は耕せないので、途中で鍬をおろし、厨房に戻って料理教室の準備を始めた。そのうちお二人の方が来て下さり、その後、またお二人。結局、今回の参加者は4人だった。いつもに比べたらとても少ない人数だが、ダイニングテーブルがちょうど4人がけのせいか、こじんまりとまとまっていた。
重ね煮のけんちん汁、高野豆腐の梅じそフライ、切干大根の中華サラダ、蒸し野菜と丸麦のサラダ、うぐいす餅を実習した。お食事も人数が少なかったので、一つの座卓を囲んで皆さんとあれこれ楽しくお話しながらご一緒した。けんちん汁を一口飲んで「ああ美味しい」・・・。
地震以来、ストック品の買い出しに追われたり、停電に対応したり、いつもの日常ではない状態が続いている。気ばかり急かされ落ち着かず先の見えない不安な日々を誰もが過ごしている。食事もインスタントのものや簡単なものになってしまいがち。
心をこめて作られた料理は人の心を解きほぐしてくれる不思議な力を持っている。今日、来て下さった方はいつも以上にそのことを感じて下さったような気がする。こういう時だからこそ、気持ちのこもったご飯をいただくと、それまで包まれていた重たいものがスーッと軽くなっていく体の変化を感じられるのだ。それが食べ物が持っているパワーをいただくということなのだろう。
「今日は本当に来てよかったです。とても癒されたし、原点に還れたような気がします」。
その一言を聞くために私の今日一日はあったのかもしれないなと思った。こちらこそ、こんな非常事態に、遠くまでわざわざ来てくださってどうもありがとうございますと感謝の気持ちでいっぱいになった。


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March 17, 2011
昼間、国道を走った。ガソリンの供給不足を懸念しているのか、車の数はとても少なかった。でもガソリンスタンドのある所は相変わらずその手前から大渋滞。途中、計画停電の時間と重なって、ガソリンの在庫はあるのに、給油を一時、中止しているというスタンドもあった。久しぶりにショッピングセンターを覗いた。パン屋さんのパンが食べたくていくつか買ってきた。でもまだ夕方には早い時間だというのにトレイに並んでいるパンは少なかった。
明日は金曜日なので店を開ける。結局、今週は全てのご予約がキャンセルとなったので、久しぶりに厨房に立つ。3時からは料理教室も予定している。
今回、料理教室を行うかどうかかなり迷ったのだが、もし来て下さるという方がいたら、たとえお一人でもやらせていただこうと思っている。夜の部の料理教室は毎回10人の方が来てくださっているのだが、今回はガソリン不足や余震が心配で・・・とキャンセルされた方もいらした。こういう状況では当然のことだと思う。人数はいつもより少なくなりそうだが、何人であったとしても来て下さった方たちと一緒に有意義な時間を過ごせたらと思っている。
*21日祝日は、臨時定休日とさせていただきますのでご了承ください。
今後も状況に合わせて臨時休業日を設けるかもしれませんが、それについては随時お知らせしていきます。

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March 16, 2011
明日の勉強会が中止になったので、あいりん堂さんのお弁当の仕事もなくなった。結局、今週の月曜日から木曜日までは全ての仕事がキャンセルとなった。家で過ごす仕事のない時間がとても長い。仕事がお休みの息子が泊っていったので、日中は一緒に買い物に行った。ジョイフルに灯油を買いに行ったのだが、2缶分だけ買うことができた。お店の人に聞いたら昨日は11時で売り切れたそうだ。並ばずに買えてよかった。
4月に予定していたヤワタホームのオーガニックマーケットも中止にすることになったと連絡を受けた。茨城の現場の被害が激しいため、その修復に今、社員総出で取り組んでいるそうだ。企画の段階からかかわり、出店者にも声をかけをしてきて、私自身、とても楽しみにしていたマーケットなのだが、こういう状況なので、残念だが中止もやむを得ないと思う。
福島原発事故の影響も深刻だし、ブログを書いている今も余震で揺れた。本当に先の見えない不安に誰しもが押しつぶされてしまいそうな毎日だ。
今週は仕事がないことで自分の時間が増えた。静かに一人で過ごす時間に被災された方のことを思うと心が傷む。明日は冷え込みが厳しくなるという。灯油もガソリンもない避難所で過ごす夜はどれほど凍えることだろう。古民家は寒いけれど、それでも何とか灯油も確保できているし、雨風がしのげる。お茶も飲めるし食べるものもある。そんな当たり前の生活ができることがなんと幸せなことなのかと改めて思う。あまりに悲しくむごい大地震だが、唯一よかったことと言えば、それだと思う。
そして誰もが電気や灯油やガソリンのありがたさに気付き、自主的に無駄のないよう大切に使っている。その余剰分をどうか少しでも早く被災地に届けてほしい。

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March 15, 2011
ようやく圏外だったケータイがつながるようになった。これでケータイからの通話もメールもできるようになってほっとした。それと今日、これもようやくガソリンを入れることができた。この3日間、ほとんど出なかったのは車に入っているガソリンが残りわずかだったからだ。スタンドに電話してあるかどうか確認しようかと思ったのだが、電話がつながらない。
でも並んで入れられるものだったら並べばいいので、とりあえず行ってみようとイオンの近くのセルフのスタンドに行ったら、もうその手前からず~っと渋滞。でも待つ覚悟で行ったので、本を車内に持ち込み、車が止まっている間は本を読みながらひたすら進むのを待った。
片道10分のスタンドだが、ガソリンを満タンにして帰ってくるだけで3時間。帰りにイオンに寄ってみようかと思ったけれど、あまりの渋滞に諦めた。とりあえずこれでガソリンが確保できたので一安心。この場所に住んでいてガソリンがなかったら、もう動けないも同然だ。
今日の夕方、地震後、初めて娘と息子が家に来ることになった。娘は地震の後、すぐに私に電話をしたのだが、ケータイも家電もつながらなかったので、会社から泣きそうになりながら何度も何度もリダイヤルしたと話していた。
冷蔵庫に入っているものを並べて、ご飯を食べながら、それぞれが暮らしている地域での道路の様子や被害状況などをいろいろ話した。皆、一人暮らしなので、予期せぬ出来事に遇った時は私も含めて心細いものだ。特に若い女の子の一人暮らしで仕事も年度末で休めず、大渋滞と道路状況の悪さの中での通勤、娘はさぞ大変だったのだろう。ずいぶんと疲れている様子だった。
ここ数日、コンビニやスーパーにはほとんど食べるものがなかったので、「久しぶりに野菜をたっぷり食べられた」と喜んでいた。息子は久しぶりにビールが飲めて大満足の様子。家族が揃うっていいなあと思った。やっぱり顔を見て元気でいてくれると思うと安心する。
被災地の方たちも早くご家族の安否を確認でき、一人でも多くの方が再会できるよう祈るばかりだ。

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March 14, 2011
昨日のニュースで計画停電を今日から実施すると報道された。成田市内の時間帯を調べても、大室の中でもいくつかのグループに分かれていて正確な時間がわからない。でも電気が供給されないということは、電気でくみ上げている水も出ないということなので、お風呂の湯船に水を汲み、やかんや大鍋に水を汲みおきしておいた。
また灯油ランタンに灯油を入れ、電気なしでも使えるストーブに灯油を満タンにした。
計画停電が決まったことにより、今日はJRも京成も運休。今日からキューバに行く友達から電話があり、飛行機は定刻通り飛んでいるが、空港まで行く足がないということだった。結局、都内に住んでいる同行者を車で拾いながら家に来て、一休みしてから家に車を置いて、私が空港まで送っていくことになった。昨夜はその情報収集に追われて徹夜だったそうだ。こんな状況だったらもしかしたら日本を脱出した方がラクなのかもしれないが、行くまでがまた一苦労だ。
空港の帰りにガソリンを入れたくてスタンドに寄り、乾電池がほしかったのでコンビニに寄ったのだが、ガソリンは入れられず、乾電池は売り切れ。食品棚もすっからかん。この土日どこにも出なかったので、その状況を目の当たりにして驚いた。
15日に予定していたヤワタホームでのヨガ&オーガニックランチ、16日に予定していた昼間の料理教室は参加できない方が増えたので、中止にすることにしました。金曜日3時からの料理教室は行う予定です。

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March 13, 2011
今日も店を開けたけれど、来て下さった方は少なかった。でもいつお客様がいらしてもいいように、たとえ無駄になったとしてもとにかく定食の支度だけはきちんとしておこうと思った。そしてこんな時に来て下さった方には、お帰りの時、おむすびをお渡ししようと決めていた。
昼過ぎに親しくさせていただいているお客様が来て下さった。ちょっと遅れてしまったけれど、誕生日プレゼントと言ってチューリップの花束とマカロンの詰め合わせをいただいた。毎年、誕生日にお花を下さってとてもうれしい。
地震の時、都内にいたのだが、車で香取のご自宅に戻ったのは朝。しかもようやくたどり着いた家は停電と断水。今も水は出ないとのことだった。
旭市や佐原周辺の被害状況もお聞きした。こんな近い場所でも大きな被害があるので、東北で津波に見舞われた地域はいかばかりかと胸が痛む。
そんな中、親しいお客様や友達と再会できるとほっとする。
地震の直前にこの集落にも地デジ対応の共同アンテナが引かれた。よってテレビのない我が家だったけれど、地デジ対応用のパソコンでテレビ番組を見られるようになった。もっともパソコンの画面なので、日常的に見ることはまずないのだが。
それにしても引いたばかりのアンテナで見ているのは地震関係のニュースばかり。夜になると被災地の映像を見ているのだが、本当にこんなことが起きているということが今も信じられない。
私のケータイは相変わらず「圏外」。家の中にいる間はずっと不通だが、家の回りを歩きまわると少しアンテナが立つ場所があり、今日になって、サーバーに届いていたメールが確認できた。安否確認のメールを下さった方、ありがとうございます。個別にお返事お出しできませんが、こちらは無事で店も通常通り営業しております。
いただいたチューリップを見て久しぶりに気持ちが和んだ。


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March 12, 2011
福島第1原発の事故が心配だ。1号機で爆発が起こり、周囲に放射能が漏れているという。周囲20キロ圏内の住民の方たちは避難を始めているそうだ。夕方7時の地点の情報では原子炉の爆発ではないとしているが、まだはっきりしたことはわからない。イヤでもチェルノブイリ原発事故のことが思い出される。風向きによって関東地方に見えない灰が届くのは時間の問題だ。可能な限り外出を控え素肌が大気に触れないようにしたいがそれも限度がある。
周囲は停電している所が多いようだが、今のところこの周辺は電気が使える状態だ。でもケータイ電話は相変わらず不通。相手方が送信できたメールでもこちらがずっと「圏外」状態なので、受信できない。停電になったら店の電話も使えなくなるので、外部との連絡は不通になるし、地下水は電気で汲みあげているので、水も使えなくなる。
地震が発生してから、時間がたつにつれ被害が大きくなっていくようだ。今日はこういう状況だったが調理をするには差し支えないので、私一人で店を開けた。でもさすがにお客様はゼロ。スープを仕込んだり、人参ケーキやチーズケーキを焼いて過ごした。コンビニやスーパーではお弁当やパンなどが売り切れているようだ。買占めなどが起こり、食べるものを手に入れられなくなる人が増えないといいのだが。
今のところライフラインが無事で、こちらでは不便を感じていないので、食べるものが足りない所にお届けしたいのだが、この交通事情では動きようがない。悲惨なニュースが続くのをただ見ているしかないのが、とてもつらい。
明日もお店は開ける予定です。お水の足りない方、どうぞ容器をお持ち下さい。ケータイなどの充電もどうぞ。何かお困りのことで私にできることがあったらお手伝いしますので、お声をかけてください。

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March 11, 2011
ちょうどエリート情報の方が取材にいらしている時だった。4月号の「LOCOL」は美味しい野菜の店の特集。今回は読者の方にモデルになっていただいて、実際にランチを食べている写真が紹介されると言う。その撮影の最中だった。奥座敷には赤ちゃん連れの若いママさんたちが4人でランチの後のコーヒータイムを楽しまれていた。
ちょっと揺れているだけかなと思っているうちにどんどん揺れが大きくなり、そのうち食器棚からグラスが落ちて割れたり、タッパーウエアやトレイなどが落ちてきたり・・・。今にも棚が倒れそうだったのでガス栓を閉め、ストーブを消した後は、ずっと棚を抑えていた。
店内にいた方は全員、お庭へ。ケータイから地震速報を見て、宮城で大きな地震が起きたことを知る。でも安否確認の通話が集中したため,あっという間にケータイは不通に。
おさまったかとと思うと、また揺れ始め、一体何回くらい続いたのだろう。でも明後日のお蔵フェスタの準備をするために、夕方は買いものに出た。落ちてきたものを片付け、車に乗って成田ニュータウンにある生活クラブのお店デポーに向かったのだが、軒並み大渋滞。
関東地方の高速道路が閉鎖されたため、一般道に降りてきた車でいっぱいになっていた。2時間近くかけてデポーに着いたが、すでにデポーは閉まっていた。電気がついていたので、裏からそっと回って予約していた生おからだけを買ってきた。
こちらに戻ってきた時はイオンショッピングセンターでさえも全部閉まっていてビックリ。停電や断水、ガスが止まってしまった所もあるようだ。
家にようやく戻ってきたら男性が一人で立っていた。よく見るとミレーの早川社長!
地震で多古町周辺は停電し、パソコンが使えず、地下水も止まってしまったそうだ。出荷用に詰め終わった野菜の段ボールはヤマト便のコンピューターが対応できなくなり、そのままミレーに残っている。帰ろうと思ったけれど大渋滞で車も動かず、仕方なく家に来たということだった。明日も早朝に会社に出るとのことなので、家に泊まっていってもらうことにした。
一緒に夕飯を食べたら、地震の対応で疲れたと言って早々に早川さんは眠ってしまった。電車も泊まり、大渋滞で車も動かないため、今夜は家に帰れなくなった人がどれだけ溢れているのだろう。娘も幕張なので、会社の前の道路は全く動かない状態で、会社に泊まることになるかもと連絡があった。
ニュースを聴いているうちに、今回の地震の恐ろしさを知り驚いている。
今の所、この周辺は停電もなく、ライフラインは無事なのでほっとしているが、まだまだ余震が続いているので、安心はできない。
それと13日のお蔵フェスタはこういう状況なので中止にすることにしたと連絡が入りました。出店に向けて準備をしていたのでとても残念ですが仕方ありませんね。
被災された方に心よりお見舞い申し上げます。どうかこれ以上の地震がありせんように。

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March 10, 2011
トモちゃんとジュンコさんの3人で南房総へドライブに行ってきた。目的は「休日のカフェめぐり」やその他の本に載っているカフェに行って食べ歩くこと。3人のスケジュールが合って行けると決まった月曜日に早くもジュンコさんから「お天気のことは心配しないで」というメール。どこに行くにも晴れ女だから・・・ということだった。
その晴れ女が同行してくれたおかげで今日はとってもいいお天気。海岸線を走っている間中、見渡す海は真っ青に澄みきっていた。海はお天気によって表情が変わる。今日はやや気温は低かったけれど、最高の陽射しで海がキラキラと輝いていた。
カフェはいろいろあっても一日のうちに行ける場所はせいぜい3軒くらいだろう。でも南房総のカフェは平日にお休みする所が多いので、行きたかったカフェも定休日と重なってしまった所があって残念だった。最初はパエリアが自慢のカフェに行き、その後は天草から作った寒天のあるカフェに入り、最後はギャラリーを併設した古民家のカフェを回ってきた。
最初の2件は味はまあまあだったけれど、空間としてのカフェはあまり面白いものではなかった。最後のギャラリーは古民家を改築したセンスのいい素敵な空間だったけれど、あくまでギャラリーなので、お茶は飲まずに失礼した。
千倉のお花畑で花摘みをしたり、最後に冬の大山千枚田を回り、近くでクレソン摘みと夏みかん拾いをして帰ってきた。まだまだ気になるカフェはあるので、定休日と私の休みをすり合わせながらまた行く日を作ろうと思う。南房総はただ走っているだけでも楽しい場所だ。



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March 09, 2011
新しい免許証が交付された。今回は珍しく違反がなかったので?講習区分も優良講習ということで地元の警察署で更新でき、国際文化会館でほんの30分の講習を受けるだけですんだ。しかも初めてのゴールド免許!5年も更新しなくていいなんてラッキーだ。
ICカードとなった新しい免許証の裏側には臓器提供の意思表示欄が設けられていた(22年の7月より)。以前から臓器提供の意思をどこかに表示しておきたいと思っていたので、さっそく今日の日付で自筆の署名を入れておいた。何かあった場合、この体でお役に立てる臓器があったら、何でも使っていただきたい。その瞬間に自分の言葉でそれを伝えることができたら一番いいのだが、必ずしもそうできるとは限らないので、いつも携帯している免許証に記しておけたら安心だ。
昼すぎから、ずっとほっぽりぱなしにしておいた畑を鍬でうなった。月末にはジャガイモの植え付けをするので、今から鶏糞と石灰を入れてしばらく寝かせておかなければ。まだまだ寒いというのに、けっこう根深く雑草たちが生えていて、それをよけながらなので、思っている以上に時間がかかってしまい、夕方までやっても北側の畑までできなかった。
去年との一番の違いは、私が耕している横で、トラとミーが遊んでいること。日中はどこかに遊びに行っていないことも多いのだが、私が外にいると嬉しいのか、その近くを二人で走りまわっている。畑の上で寝っ転がったり、一緒に穴を掘ったり?ミャ~と呼びにきたり?そんな無邪気な姿を見ていると一番キツイ鍬ふるいの仕事も和みながらやれる。
昨日の夜はあいりん堂さんと一緒にTAVERNAにご飯を食べに行ってきた。週1回以上は顔を合わすのだが、めずらしく2週間近く会わずにいたら話すことがたまって?しまった。自然食の分野で私益を出していくのは大変だということがお互いよくわかっているので、いつも最後は「これからもがんばろうね」で終わる。同じ方向の仕事をやっていく同志が近くにいてくれることが何ともありがたい。


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March 08, 2011
朝、ドサドサッというすごい音で目が覚めた。何かと思って外に出てみたら、屋根の勾配から落ちてくる雪の音だった。これだけの大きさの古民家なので屋根の上の雪もかなりの量になる。昨夜から雨になり、今日は晴れたので根雪にならずに助かったが、このあたりは4~5センチ積もっただろうか。昨日の夜に帰って来た時、庭が真っ白になっていた。
昨日の帰り道、八街の花屋さんでシクラメンを買ってきた。「まだまだ咲くんだけど、これからシクラメンを買うお客さんはいないから」と大幅に値下げされていた。かなり安かったので、まとめて8鉢、全部買ってきた。
寒さが厳しい時期は室内でも溶けてしまいそう。実際、家の中にある観葉植物でさえ寒くて全て葉を落としてしまうのだから。でもこれからの季節なら何とか持ちこたえられるだろう。だから古民家にとってはようやくシクラメンが飾れる季節?になってきた。
大きな素焼の鉢2つに、それぞれのシクラメンを組み合わせて並べてみた。実際はポットカバーを付けたままなので、寄せ植えではないけれど、色とりどりのシクラメンの寄せ植えみたいで可愛らしかった。今日はお天気がよかったので、さっそく縁側と西側の座敷に置いて光をたっぷりあげた。
今日は「休日のカフェめぐり」の本をお持ちになって千葉からご予約でお食事の方が来て下さった。この本を片手に来店されるお客さまがとても多い。私もその一人だがカフェ好きが増えているのだろう。4月には新たな出版社から「素敵なカフェ千葉」が刊行される予定だ。こちらにも掲載していただく予定なので、出版が楽しみ。


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March 07, 2011
昨日はさすがにぐったりと疲れ、今日のお休みはゆっくり起きた。朝、起きた時はそれほど感じなかったのだが、気温が徐々に下がっていったようだ。そして雨はいつのまにかみぞれに、やがて雪へと変わっていった。にゃんこたちも今日は寒いせいかネコ小屋から出てこない。
10時頃、銀行に行こうと運転していたら、51号沿いに設置されている温度計は3度となっていた。三寒四温どころか、気温のアップダウンが激しすぎだ。何も考えず薄着のまま出かけてしまったことをちょっと後悔。走っているうちに雪が積もり始めあちこち白くなっていった。でも中古のスタットレスに履き替えて以来、雪が降ってもちょっとは安心できるようになった。
銀行などの降り込みの用事を済ませて、東金で友達と会ってから、その後、八街に住んでいる別の友達の家に寄ってきた。彼女の息子とうちに末の息子が同級生で小さい頃、よく遊んだのだ。ちょうど、その息子が帰ってきたので、久しぶりに会ったら「あっカワバタさんだ」とすぐに挨拶してくれて嬉しかった。
「おばちゃんおばちゃん」とママがいない時には抱っこをせがんだ甘えん坊が今ではヒゲの生えてる立派な大人に。近々彼女との結婚も考えているとのこと。
しみじみと子供たちが大きくなったんだなあと驚く私。自分の子供を見ているよりも友達の子供を見ている方が客観視できるせいか、そういう状況がよくわかる。でも考えてみればあれから20年。それだけ年をとったということか・・・。
つぼみをつけかけている桜の枝に雪が水滴のように積もっていて、雪の花?を咲かせているみたいでとてもキレイだった。それにしても寒かった~。

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March 06, 2011
この土日、お天気がよかったこともあって、お店が大忙しとなった。ところが今、他の仕事と重なったり、別の用事ができたりで、今まで仕事をしてきたスタッフがあまりたくさんシフトに入れない状況になっている。それで一カ月のシフトを埋めるのも一苦労。日曜日だけは絶対に3人体制にしたいのに、人手がなくて、二人の時もある。
昨日はジュンコさんと二人でもう大忙しだった。タフであまり動じないジュンコさんでさえ「この洗いものどうしよ~!?」と驚くくらい。
そして今日も誰も入れる人がいなくて、この前、家のお食事会の時に遊びに来てくれたユキコちゃんにお願いすることにした。初めてお手伝いをしてもらうというのに、いきなり日曜日。しかも二人だけ。お掃除のことやオーダーの受け方など、説明しなければならないことがいろいろあるのに、私一人しかいない。
だから昨日の夕方、遅くまで下ごしらえをし、今朝の仕込み仕事が少しでも減らせたらと準備をしておいた。そこまではよかったのだが、その後が大変。初めてのユキコちゃんが一人でフロアをやってくれたのはいいが、今日も満席に近い状態が続き、もう目の回るような忙しさ!
幸いユキコちゃんは居酒屋で働いた経験があったので、フロアを回すことには慣れていたが、それでもいきなりこんな忙しい時に入ってもらうなんて・・・。
しかも今日は夜もお食事のご予約が入っているし、「こつなぎ」の上映会の日でもあった。映画自体は実行委員会の試写会で見せていただいたので、今日、見られなくてもいいのだが、受付と会場のセッティングのお手伝いをすることになっていた。
4時頃、店の片付けは終わっていなかったが、そのまま会場である下総公民館へ。会議室に椅子を並べて、映画が始まるまで受付のお手伝いをし、大急ぎで店に戻ってきた。それから夜のお食事の準備をし、8名様にお食事をお出ししている間に、残っていた厨房の片付け。もう目の回る忙しさだった。
ようやく全ての片づけが終わったのが夜10時。嬉しいけれどなんと忙しい一日だったこと。さすがの私も珍しく「ああ疲れた~」としばらく座り込んでしまった。2月は特にお客様が少なかったのでのんびり構えていたけれど、春は躍動の季節。いろんなものが動き出す。それに合わせてお客様も増えていく。いつでもきちんと対応できるように準備を整えておかなければと痛感した。
写真は今日のこつなぎ上映会の受付の様子。おかげさまで成田会場、下総会場共に大盛況だった。

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March 04, 2011
この前出雲に行った最後の夜は松江で夕ご飯を食べた。松江城があるくらいしか知らなかったけれど、松江は古い建物が残る落ち付いた街で、すっかり気に入ってしまった。京都、金沢に次ぐ茶の湯の盛んな地域でもあり、あちこちにお茶室がある。そしてお茶席で使われている美味しい和菓子を売っている店が実に多い。
また宍道湖の特産品である鰻、しじみ、白魚、ワカサギ、モロゲエビ、鯉、スズキを宍道湖七珍と呼び、料亭だけでなく居酒屋などでもいただくことができる。雑誌に紹介されていた記事を頼りに探して入った「てれすこ」という居酒屋は大当たり。カウンターにずらりとおつまみが並んでいるのだが、説明を聞いているうちにあれもこれも食べたくなってしまう(写真)。宍道湖と日本海の魚をたっぷりいただいてきた。
ワカサギは松江ではアマサギと呼ばれ、こちらのものよりも大きい。特に1月から3月の産卵期が旬で美味しくなるという。天ぷらでいただいたのだが、あの味が忘れられなくて急にワカサギが食べたくなった。夕方、スーパーにワカサギを買いに行った。あるにはあったのだが、あまりに小さくて「もしかして白魚?」というくらい。当たり前だが松江のワカサギとは大違いで、ちょっとガッカリ。
小さかったので、まとめて揚げて南蛮漬けに。私の体内暦ではワカサギは早春に食べるもの。今日も風が強かったけれど、春はもうすぐそこに!


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March 03, 2011
昨日の夜から急に冷え込んできた。明け方からずっとガラス戸がガタガタと揺れ続け、朝になったらもっと強い北風になってとても寒かった。トイレの窓を開けて北側の庭を見ると一面に霜柱が広がっていた。刺すような冷たい風が吹き荒れていたけれど、あまりに見事な霜柱なので長靴をはき、カメラを持って外へ出た。
所々に光があたってキラキラとしていて、とてもキレイだ。しかも霜柱は5センチ以上に伸びあがっていて、まるで氷の花が咲いているみたい。ピーンとした光あふれる透明感をどうやって写したらいいのだろう。わからないまま何度もシャッターを切った。写真を写した後、サクサクと霜柱を踏んでいった。今日の霜柱は踏みごたえがあるぞ~!。この前遊びに来た都会に住んでいる友人が霜柱なんて踏んだのは久しぶりだと話していた。アスファルトの多い都会では見られない光景なのだろう(それにこんなに寒くないし)。
今日はお世話になっている方の事務所開きだったので、7時頃からお惣菜を作って大皿に盛り付け、パウンドケーキを焼いて、差し入れにお持ちした。殺風景な事務所が少しでも春の気配に満ちたらと、庭の梅の枝と菜の花も花器に挿しこみ、器ごと車に乗せた。女性の方だったので、ひな祭りに合わせておめでたいスタートを切るなんて・・・かなり寒かったけど日和としてはピッタリだ。
荷物を下ろして私も皆さんと合流し、一緒にお食事をいただいた。差し入れが多く、いちごやお赤飯、お漬物、卵を巻いた太巻き、お菓子などがいろいろ机に並んでいたけれど、お惣菜になるものがなかったので、お持ちしたものは美味しい美味しいとたくさん食べていただいた。初対面の方もいらしたが、同じものを食べていると、食べ物を通して会話が弾む。古民家へ移ってからというもの、毎度のように大皿が大活躍。作った料理をデーンと大きなお皿に盛り付けると実に爽快だ。しかも美味しそうに見えるというおまけ付き!かなり器でポイント稼いでるかも・・・?!



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March 02, 2011
父の所に行きがてら、相田みつを美術館で開催されている星野富弘展を見に行ってきた。以前にも作品展を見たことがあるのだが、今回開催されているのは東京国際フォーラムの中にある相田みつを美術館の特別企画展「星野富弘・相田みつを 花の詩画と書の世界」。体育の教師として赴任した2か月後に体操部で宙返りをして失敗、脊髄を損傷し肩から下の機能がマヒしてしまった富弘さん。お母さまの献身的な看護で9年に及ぶ入院生活を送り、その間、キリスト教の洗礼を受け、口に筆をくわえながら水彩画を描くようになった。
今回の二人展では富弘さんの新刊「種蒔きもせず」の作品を中心に展示されている。モノクロの書と水彩画。栃木県と群馬県という近い場所に住みながらみつをの生前には交流することがなかったという。表現方法は違っても人間を見つめる二人の視線の根底には同じ優しさが流れている。
その作品の温かさは多くの人たちに感動を与え、出版された詩画集や著作は20冊にも及ぶ。その中でも特に私は大好きな作家三浦綾子氏との対談がとても心に残っている。体が自由に動かせないという大きな病に見舞われても神への感謝を忘れず、周囲の人たちに神の愛を伝えていく・・・二人とも神に選ばれた人なのだと思う。
心がささくれ立った時、疲れて不平不満ばかり言ってしまう時、私は彼の詩画集を開く。筆で丁寧に一字一句書かれた詩を読んでいるうちに、心が穏やかになっていく。そしていつのまにか感謝の気持ちを忘れていたことに気が付き、反省する。
故郷に建てられた星野富弘美術館は、今年開館20周年を迎えると言う。全国から訪れる人が後を絶たず、昨年来場者は600万人を超えたそうだ。今もなお、筆をくわえ花をみつめ愛のある言葉と絵を描き続けている富弘さんの作品にどれだけの人が励まされたことだろう。会期は3月6日まで。
写真のランチは日比谷シャンテの中にあるチャヤマクロビオティックにて。心もお腹も幸せに満たされた一日だった。


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March 01, 2011
春まであと一歩。寒い寒いと思っているうちにカレンダーがまた一枚めくれて今日から3月になった。弥生という響きが聞こえてくると、春がもうすぐそこまで来ていることを実感する。
にも拘らず今日も冷たい雨が降っていた。この時期、佐原では「さわら雛めぐり」と題して、それぞれのお店やお宅で大切に保存されてきたお雛様が展示されている。中には江戸時代から飾られていた古いお雛様もあると言う。
たまたま立ち寄った和紙の店で展示されていたのは、その店らしい和紙のひな人形。遠目では何かわからなかったのだが、近くで見たら、一つ一つ和紙で作られたふっくらとしたお雛様だった。
人形作家の方が和紙でぜひ作ってみたいと、自ら越前和紙の作業場に出向き、一枚一枚、お雛様の素材に使えるような和紙を注文しながら漉いてもらったそうだ。お顔も和紙をまん丸に丸め、髪の毛には縮れ和紙を使用。とても素朴で可愛らしいお雛様だった。
友達のお宅に伺うので、庭の梅の枝を手折って持っていった。体の具合が悪く、外へ出る機会が減っているので、小さな春の訪れをとても喜んでくれた。さっそく長い筒型の花入れに生けて飾らせていただいた。
ほんの小さな一本の枝であっても、その花があるだけで優しい気持ちになれることがある。見ているだけで幸せになれる、そんな花たちをいつも身近に感じていたいと思う。

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