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March 24, 2011

木を植えた人

ようやくガソリンの供給が落ち着いたようだし、地震前に借りた図書館の本も返却期限を過ぎていたので(いつもなら全部読み切れずにもう一度借りるのだが、今回はなんと完読!)今日は久しぶりに街中まで出かけてきた。今まで県庁まで届けなければならなかった支援物資が、成田市役所でも受け付けてくれるようになった。おむつやカイロなど物資は限定されているが、募金以外にもできることがあればと思っていたので赤ちゃん用の紙おむつとカイロを買って持っていった。
また成田市ではサウンドハウススポーツセンター(成田市体育館)で原発から避難された方の受け入れを始めた。現在、20数名の方がいるが食事は付かない。できたらお弁当をお届したいと市役所の窓口で聞いてみたのだが、今の段階では個別の差し入れは受け付けていないそうだ。最大400人まで受け入れるので、その時までに食事のボランティアなど体制が整ったら連絡してほしいと電話番号を書いてきた。
図書館、銀行、市役所、スーパーなど、あちこち回ってきたが、どこも照明や暖房を落として節電をしている。それでも不便さは特に感じることがないので、これを機会にずっとライトダウンを続けてほしい。地震が起こるまでいかにふんだんに電気を無駄遣いしていたことだろう。
原発は危険だからいらないと言いながら、かたや電気の恩恵をたっぷり受けて快適な暮らしを望むのはいいとこ取りというもの。
地震以来、ガソリンを使いたくなかったので、ほとんど家にこもっていた。仕事もなかったので、たっぷりある時間は本を読んだり、ネットでニュースを見たり、今回の地震や原発事故についてのコメントを読んでいた。東京電力に対する怒りや原発事故の補償問題、これから先の不安などが多い。そんな中で今、何ができるのだろうとずっと考えている。
久しぶりに「木を植えた人」(こぐま社)を読んだ。以前から大好きな一冊で何度も何度も読み返している本だ。子供と妻に先立たれた孤高の男が南プロヴァンスの荒れ果てた土地を蘇らせようと、ただひたすら黙々とドングリと苗を植え続け、忍耐強く育て、30年後に豊かな森を作り上げたという話だ。
「たった一人の男が、自分の肉体と精神力だけで、荒れ地から豊饒の山に変えたことを思うと、様々なことがあるにせよ、人間に与えられている力は、たいしたものだ」という本文と、この本の最後に書かれている訳者の原みち子さんの言葉がとてもいいのだ。
「本当に世の中を変えるのは、権力や富ではなく、また、数と力を頼む行動や、声高な主張でもなく、静かな、持続する意志に支えられた、力(りき)まず、目立たず、おのれを頼まず、速攻(早さ)を求めず、粘り強く、無私な行為です」。
何気なく開いた書物の中から、その時の自分に必要な言葉と出会うことがある。
起きてしまった事故はもうどうすることもできない。その時、自分がどうそれと向き合うか・・・。
声高に何かに反対するとか、強く意志を表明するとか、権力と闘い続けるとか・・・そういうことをもう私はやりたいとは思わない(もちろんやっている人たちを批判しているわけではありません)。
必要以上にコトを荒立てたり不安をあおるような発言をしないこと、電気だけでなくエネルギー資源を今まで以上に大切に使うこと、無理なくできる小さな支援を続けていくこと、そして一番大切なことはマイナスの波動に巻き込まれないよう穏やかで安定した心を持ち続ける努力をしていくこと・・・そういう小さな一人一人の行動の積み重ねがこれからの社会を作っていくのだと信じている。
Dsc09217


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