雨引観音
昨日の日曜日は久しぶりにお客様が何組が来てくださって、営業時間中は休むヒマなく仕事をすることができた。ガソリンの供給が落ち着いてきたせいか、決して無駄にはできないけれど、少しずつ車で出かけられるようになってきたようだ。
先週までは、朝、「今日は営業していますか?」とお電話をかけて確認してからいらっしゃる方がほとんどだったのだが、日曜日はそういうお電話はほとんどなかった。だからもしかしたら今日もお客様は少ないのかなと思っていたのだが、フタを開けてみたら大忙しというわけではなかったけれど、かなりお客様は来て下さった。少なめではあったが、ご用意した定食のおかずも全てなくなり、お作りしたものを食べていただけてとてもうれしかった。
地震の直後はあちこち閉まっている店が多く、私も不安や弱気になって、今月いっぱい思い切ってお店をお休みさせてしまおうかと思ったりもした。結局、一回だけ祝日を臨時休業しただけで、それ以外の日は一人で対応させていただきながら営業を続けてきた。たしかにじんどい状況ではある。目に見えない放射能はこうしている間にもじわじわと汚染地帯を広げて行く。
でもそんな中でも自分にできる仕事があるというのはありがたいことだ。雨風凌げる場所があって、暖をとり、ご飯を食べられるというだけで、とても幸せなのだと思う。
これから先のことはわからないけれど、今、私は自分の持ち場で自分にできることを精いっぱいやらせていただこうと思っている。
筑波神社と桜川市(旧大川村)にある雨引観音に行ってきた。お参りをするたび、何か自分の襟を正していただけるような気持ちになれるので、私は神社仏閣へと足を運ぶのが好きだ。境内で深く呼吸をし、手を合わせ、ただただ「自分の為すべきことをやらせてください」と頭を下げる。
お花見などできると思ってもみなかったのだが、雨引観音の境内にはたくさんの河津桜が植樹されていて、満開に咲いていた。今年の桜ほど人々の心に染みいる花はないだろう。観音さまの優しい気配に満ちた、花いっぱいの美しい山寺だった。とても穏やかな気持ちになって帰ってくることができた。
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