今日から4月
一生忘れらない2011年の3月が終わった。今日から4月。暦が変わっただけなのに、どこか新しい季節が始まるような気がする一日。神棚の榊と水、お米、塩を取り変える。榊はいつも北側の庭から手折ってくるのだが、葉と葉の間に小さな白い花が咲いているのに気が付いた。榊にも花が咲くということを初めて知った。
今日は顔見知りのお客様が次々に来てくださって久々に大忙し。エデラちゃんとも地震以来、初めて再会。あの地震の時は一緒に厨房で片づけをしていた。仕事の時間が終わっても「こんな状態でエイコさんを一人残しては帰れないよ」なんて言いながらしばらく一緒にいてくれた。その後は仕事もお休みしてもらっていたので、2週間ぶりだ。お誕生日に渡せなかった雲南桜草の鉢をプレゼント。見た瞬間、なんて可愛らしい花なんだろうって一目惚れ。その名のとおり中国の雲南省原産で「報春花」とも呼ばれており優しい香りで春の訪れを告げてくれる。
被災地の復興はまだまだだけど、何か少しずつ流れが変わってきたような気がする。じっと立ち止まっていた人たちが動き始めている。少しずつ普通の生活に戻ってきたという感じなのだ。朝、起きてご飯を食べて、その日にやるべきことをして、家族が集い、食卓を囲み、夜になったら静かに眠りに着く・・・当たり前の生活の営みが続けられることは決して当たり前ではない。
今回の地震ではそんな毎日の暮らしがいかに幸せだったかということに誰もが気付かされた。そして私は自分に与えられた仕事に感謝しながら、今、できることを一生懸命やり続けていこうと思った。そういう気持ちが心にストンと落ちた時から何かが回り始めた。
たくさんの友達やお客様と再会し、互いの無事を確認し、ご挨拶もそこそこに、厨房で忙しく定食のご用意をしていたら、嬉しくて泣きそうになった。
もうじき桜も咲くだろう。人々は様々な思いを胸に卯月という月日を重ねていく。新しいカレンダーのページは開かれたばかりだ。
去年、ジュンコさんから球根を分けてもらったシラーの花が初めて咲いた。
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