小鉢のお料理
なんて肌寒い一日だったのだろう。風も強く一日窓を開けることができなかった。のれんを夏用に取り変え、厨房とキッチンの間のガラス戸を外して網戸に取り変えたばかりだというのに隙間風が冷たくて仕方ない。6台置いてあったストーブも2台だけ残し、今週は片付けるつもりでいたのだが、今、私の部屋ではしっかりストーブをつけている。
今日はお休み。昨年の秋にできた和食の店「茶々」にランチを食べに行ってきた。茶室のにじり口のように引き戸を引いてかがんで中に入る。入口からは中の様子が全く見えないので、どんな店なんだろうってちょっと心配だった。
決して広くはないのだが、茶室をイメージした落ち着いた店だった。一人だったので、カウンターに座り、味彩膳をいただいた。小さな小鉢が黒いお弁当箱の中に並んで彩りもキレイ。どれも一口大のお惣菜が9種類。それにご飯とお汁のランチだ。京風の薄味で、ちゃんと出汁をひいて板さんが作っていることがわかる手作りのお食事だった。
嬉しかったのはデザート。大学芋にアイスクリームがかかっている甘味に抹茶が添えらていた。食後に抹茶をいただけるなんて、ちょっと贅沢な気分。
でも日吉台はなぜかあまり店が定着しない地域だ。せっかくきちんとしたお料理を作っているのに場所がもったいないような気がした。でもどこに店を出そうと、その場所を選んだということは、その土地と何らかのご縁があるということだ。
今は安くて出来合いのものがたくさんあるので、手をかけてお食事を作った方が手間もかかるしコストもかかるという悲しい現実がある。でも本当に美味しいものを作るには手間がかかるのは当然のこと。たとえ料理の分野は違っても、きちんと手をかけてお食事を作っているお店に行くとほっとする。そんなお店が地域の中で定着していったらいいなと思う。
板さんの所作に刺激されたのか?夜、急に料理を作りたくなって野菜をたくさん刻んでラタトゥユをたっぷり作った。
The comments to this entry are closed.
Comments