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July 26, 2011

空海と密教美術展~

今日は介護施設に入所している父に会いに行く前に東京国立博物館の平成館で開催されている「空海と密教美術展」を見てきた。空海は延暦23年(804年)、密教を求めて唐に渡り、2年という短期間でその奥儀を極め、帰国後、ご本尊さまである大日如来を中心に寺院を建立し、仏像を作り、著述活動をするなどして真言密教を広めていく。
大日如来は宇宙の真理を仏の形にしたものと言われているが、その意味はわからない所が多い。そのため空海は難解な密教を少しでも理解できるように曼荼羅や美術品などを積極的に教えの中で取り入れて行ったという。今回、圧巻なのは京都の東寺(教王護国寺)に空海の構想の元、安置されている仏像のうち大日如来など八体が一堂に介していることだろう。
曼荼羅とはお経の内容を仏の絵にして表したものだが、これもまたとても難解だ。その曼荼羅を仏像そのもので表現している立体仏像曼荼羅が会場の最後のコーナーに出現しているのだ。
しかも展示作品約100点のうち98,9%が国宝・重要文化財から構成されているという近代まれにみるスケールの美術展。会期が始まったばかりだったこともあるが、会場にはたくさんの人であふれ、とてもゆっくり見られるという感じではなかった。そして会場全体が空海の密教パワーであふれていた。
また現存する空海の直筆の書も展示されており、時空を越えて、現代に生きる私たちにまで空海からのご真言が届けられているかのようだ。空海は今、私たちに何を告げようとしているのだろう?それが何かはわからないけれど、とても大きなエネルギーを感じたのは確かだ。
私はどちらかというと神社は古神道系のものに、仏教は密教系のものに強く惹かれる。それは権威や象徴、形式を重んじるよりも、もっと土着的な匂いがそこにあり、自然を畏れ敬い、自然と一体となった祈りが感じられるからだと思う。
今年は高野山や四国、室生寺などに行く機会をいただき、なぜか今までよりもずっと真言密教というものを身近に感じている。そして遥か昔に、あちこちを行脚し修行を重ねてきた空海という人物に計り知れない魅力を感じる。
その教えが1200年たった今もこうして受け継がれ、高野山や東寺という聖地として残っていることはまさに奇跡だ。祈りの力なのだと思う。
素晴らしい美術展です。9月25日まで開催していますので、お時間のある方はぜひ見に行って下さいね。
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