半農半X道場の集い
自然や地域とつながる生き方、働き方へ将来的にシフトしたいと考えている都市生活者を応援する学びの場を提供している「アースカラー」主催の「半農半X道場」がこの土日に行われ、土曜日の夜のお食事から宿泊、日曜日の午後のまとめの会までの会場として風楽を使っていただくことになった。
土曜日は午前中に佐原に集合し、有機JAS認証・無農薬栽培の古代米を栽培されている増田さんの田んぼで農作業の実習、その後、カーニバルヒルズの温泉に入り7時過ぎに風楽に到着。暑い中での農作業で多分、クタクタになっているんじゃないかなと思い、到着と同時にすぐに乾杯し、お食事できるように早めに準備をしておいた。
とうもろこしと梅肉入りの玄米ご飯、ジャガイモと丸麦の煮物、トマトとヒエのサラダ、茄子のカレー炒め、グルテンミートのシソ巻き揚げ、春雨のピリ辛サラダなどをたっぷり作って大皿に盛り付け、夕食から私も同席させていただいた。
参加された方はスタッフを入れて全部で16人。そのうち現地コーディネーターのスッシー以外は皆、風楽にいらっしゃるのが初めて。ご飯を美味しい美味しいと言って食べて下さり、古民家の風情を楽しんでいただけたようだ。
食事を始めて間もなく、ちょうど茶の間の真正面の竹やぶから月が昇ってくるのが見えた。あまりのベストタイミングで、まるでディナータイムを演出してくれたかのよう?!
一人で静かに見る月もキレイだが、大勢の方と一緒にワイワイ飲みながら見上げる月もまた素敵。私のとても好きな光景の一つだ。特にこのところ、空が澄んで雲がないせいか、月がものすごく美しく月灯りもビックリするくらい明るいのだ。
とりあえずお腹がいっぱいになった後、会場を一度片付け、茶の間で車座になって、自己紹介方がてら皆さんの夢を語っていただいた。私は夕食からの合流で、参加者の背景がわからなかったので、いろいろ質問したりしているうちに、あっという間に12時になってしまった。
食事をしている時はセミナーの参加者にすぎなかった人たちが、個人的な声を聴くことで、食や農や日本の将来に深く関心を寄せている一個人なんだなということを実感した。半農半X道場に参加したことが今後、どんなふうに彼らの人生に影響を与えていくのだろう?
オルタナティブな生き方を模索している人たちが、これからの時代を創っていくのだろうなと思っているので、特に若い世代の今後の選択についてはとても興味がある。参加者の中には移住を考えていたり、古民家で暮らしたいと思っている方や、食に関するお店を作りたいという方たちもいらした。
生活を変えるのは並大抵のことではない。まして都会から田舎へ移るというのは、未だにどこかドロップアウトしてしまうような感覚を持つ方もいるだろう。でも大変なのは生活を変えることではなく価値観を変えていくことだと思う。
自分の中の固定概念やこうあらねばならないという思いこみ、そして経済の不安など、できない要因を羅列すればキリがない。こういうセミナーなどで学ぶことができるのはネットワーク作りと情報入手、そして不安要因を払拭できるような実践例を見ていくことだろう。でもそこから先はあくまで個人の選択。
要は何を大切にしどんなふうに生きていきたいかということだろう。
このセミナーは内閣府の地域社会雇用創造事業「農村六起」の研修の一環として行われているのだが、アースカラーでは今後、対象範囲を広げて企業などの研修にも着手していきたいとのこと。
時代の流れを敏感に受け留め、実際、自らも居心地のいい生き方にシフトしていった若者たちが、単にそれだけに充足してしまうのではなく、新しい働き方暮らし方生き方の提案をしようとしているのは素晴らしい。
これから本当にこういう若者たちが時代を担っていくのだろうな。古民家という空間が志を持っている人たちに開かれ、そこで飲み明かし語る場として利用していただきながら、それぞれの明日を探すきっかけになっていったら嬉しい。こういう集いは仕事としてというよりも地域の活動の場として位置づけながら、これからもできることをお手伝いしていきたい。
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