盆フェスタin佐原2011
千葉の小江戸と言われる水郷佐原。重要伝統的建造物群の保存地区の指定を受け、古い商家や河岸問屋などの街並みが今も残っている。商工会議所や観光協会、そして地元で積極的に活動しているNPO小野川と佐原の町並みを考える会などが連携し合って、街おこしのためにいろいろなイベントを仕掛けている。
その成果もあって、ここ10年で、古い建造物を利用した素敵なお店が次々にオープン。近くには香取神宮もあるので、ご参拝がてらランチに行ったり、遠くから来た友達を案内したりと私も佐原に行くことはとても多い。
今回、全国展開支援事業の一貫として、8月13日から15日まで行われるお盆フェスタ2011へのモニターツアーがあった。佐原の街おこしの活動については前から興味があったので、いつも車でさっと行くだけの街並みをゆっくり歩いてみようと思って申し込んだ。
あいにくお盆期間中のツアーだったので参加者はとても少なかったが、できたばかりの町屋カフェ河岸日和で地元の特産品であるいちぢくを使ったケーキを試食したり、小野川の舟めぐりを体験したり、灯籠を作って小野川に流したりと、いつも佐原に来ていてもできない体験をいろいろさせていただいた。
3月に起きた東日本大震災では佐原も液状化による被害がとても大きく、重要伝統的建造物の保存地区では瓦が落ちた建物も多く、小野川の土手もかなり崩れかけている。被害にあわれた方のご冥福を祈り、被災地でもある佐原の復興を願って、灯籠にメッセージを書いた。また落ちた瓦にホワイトペンで応援メッセージを書いて張り出した。灯りと応援の言葉を通して明日への希望を見出していこうという願いが込められている。
今回の仕掛け人は「佐原おかみさん会」。地元佐原で商店を営む奥さんたちの集まりだ。お盆フェスタの中でも特に「ゆかたで楽しく灯りと音」をテーマに世話人さんたちは全員ゆかた姿。街角で行っているクラシックコンサートの出演者もゆかたで演奏し、最後にキャンドルを並べてライトアップした浄土寺の本堂の前でライブを行ったソプラノ歌手のひらやすかつこさんまでステージ衣装はゆかただった。
昼から集合し、夜までの長丁場のモニターツアー。プログラムとプログラムの間の自由時間は佐原の街並みを歩くしかないのだが、この炎天下の中、とにかく暑かった。
暗くなるのを待って願いを書いた灯籠に灯をつけた。一人一人灯籠を舟の舳先から小野川に流した。その灯りが柳の木の間をゆらゆらと下っていく様子はまるで精霊流しのようでとてもキレイだった。
暑い中をかなりあちこち歩き続けたので、ちょっと疲れたけれど、でも最後の灯籠流しとライトアップした浄土寺でのコンサートは灯りの力に導かれ、とても心温まるものだった。
一軒の店では決してできないことが、それぞれの仕事は違っても同じ街を愛し、同じ志を持った者同士が集まれば、手作りでこんなに素敵なお祭りができるんだなと思った。いろいろな意味でとても参考になったモニターツアーだった。
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