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September 24, 2011

くるみの木

昨日、大勢の方に来ていただいて、何もかもなくなってしまったので、今朝は6時頃から厨房に入り、大きな冬瓜を丸々一つ使って冬瓜のポンチを作り、カボチャを2個乱切りにし、カレーを仕込み、ケーキを焼き・・・それから定食の支度をした。定食の量も通常の2倍は仕込んだので、野菜を切るのがかなりの量となり、左手の人差し指の根本に今日だけで包丁ダコ?ができてしまった。
何とか開店時間ギリギリにようやく仕込みが終了。連休の中日だったので、出足はゆっくりだったが、今日もたくさんの方に来ていただいて忙しかった。外は久しぶりに美しい青空が広がり、本当にすがすがしい一日。でも夜になったら急に冷え込んで来たので、重ね着をして首にもスカーフを巻いた。
ジュンコさんが10月に京都に行くとのこと。「東寺の骨董市を見て、奈良のくるみの木に行くんだ~」と話したので、「私、この前行ってきたよ!」と言ったら「え~行ってきたの!?」と逆に驚かれた。そして「ほらレシピ本もあるんだよ」と家から持ってきて見せてくれた。
前回は仏像や寺社を見て歩くのが中心だったので「くるみの木」のことはブログには書かなかったし、ジュンコさんにも話す機会がなかったのに、つながってしまった。
私はネットでお店情報を調べただけなので、オーナーの石村由起子さんがいろいろな本を出していることまで知らなかった。しかも2004年にはレストランとギャラリー、ゲストハウスを併設した「秋篠の森」をオープンしたらしい。行ったこともないのにジュンコさんが私より詳しかったので笑ってしまった。
「くるみの木」というのは84年にオープンした奈良市法蓮町にあるカフェ&雑貨の店。そのセンスの良さに惹かれて開店前より行列ができる店としてとても人気があるようだ。
いつも旅先では食事はどの店に入ろうかと事前に調べてから行くのだが、予約制でない限り、どう動いてもいいように特に予定は決めないでおく。でも奈良の友達も私が好きそうな店だからと、偶然にも「くるみの木」に案内してくれた。
ナチュラルティストに統一された店内は白を基調にしたとてもオシャレな雰囲気。でも決して堅苦しくて気どった感じではなく、素朴で明るい雰囲気だった。残念ながら名物のランチプレートは終わっていたので(なんと一日80食分用意するそうだ)単品メニューを注文したが、シンプルな美味しさだった。
一番、思ったのはここのオーナーってどんな人なんだろう?ということ。センスが隅々に行きわたっていて、女性の経営者だなとわかる店内だった。「くるみの木」の本の中にあるちょっとしたエッセイとレシピをめくっているうちにオーナーの石村由起子さんの感覚が伝わってきた。
「自分たちの仕事を見つめ直すとき、ひときわ胸に染みるのが、女性の目と手の仕事、その細やかさです。(中略)その何気ない動作の裏に女性たちがえんえんとくり返してきた暮らしの細部があるのです。それは決して声高なものではなく、地味で、さりげなく、でも心に留まるもの、料理も同じです」。
そう。ただブームに乗ったとか、オシャレとか内装が素敵とか・・・そう言ったうわべだけを取り繕った店は決して長くは続かないだろう。根底に流れている精神がきちんと確立されている店、店主の息(生き方)がかよっている店こそ続いていくのだと思った。
もしお店に行ってないとしても、この本を開くだけで「くるみの木」の気配は充分に伝わってくる。いつか私もこんな本を出せたらいいな。
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