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September 25, 2011

連休が終わって

暑さ寒さも彼岸まで―。台風の後、青空が広がってとてもすがすがしい日が続いている。連休前まで素足で過ごしていたのに、急に靴下を履くようになった。夜もシャワーでは物足りなくて湯船にお湯を張っている。日中は凌ぎやすいのだが、日が落ちるとやけに肌寒くなる。夜は長袖を引っ張り出して着込むようになったが秋は一番好きな季節なので、少しでも長くこの時期が続いてくれたらと思う。
忙しかった連休がようやく終わった。連日、早朝から仕込みをしないと間に合わないので、毎日のように早起きしていた。今日は忙しかったけれどお客様が少しずつ分散して来て下さったので、厨房にもかなりゆとりがあった。その分、トモちゃん、ユウコさん、まーちゃんと4人が揃ったので、口を動かすのも大忙し!厨房では冗談ばかり飛び交ってずっと笑いっぱなしだった。
土間でチャネリングをしていた大花さんが「笑いながらお食事の支度ができるっていいわねえ~」と言っていた。私たちの場合、笑い声を通り越して、ちょっとうるさいんじゃないかと反省しつつ、でも怒鳴り合いながら作るご飯よりも笑いながら作るご飯の方がずっといい。
ちょっと前にランチに行った店でのこと。予約を受けたのに、誰かのミスでそれがわからなくなってしまったらしい。その件に関して厨房でスタッフ同士が険悪な雰囲気で言い合っているのが聞こえてきた。私は注文した食事を待っていたので、言い合いをしながらもきっとお食事の用意は進行しているのだろう。そんな会話の中で作られたご飯なんて、食べたくないなあと思ってしまった。
料理をする時の定説がある。イライラしたり、怒りながら作ったご飯はしょっぱくなるのだ。逆に「人参さんありがとう。今日もあなたの命をいただいきます。どうか甘く美味しく煮えてね」というように食材に感謝の言葉をかけながら優しい気持ちで作るご飯は美味しくなるのだ。これは本当のことだと思う。
料理には作り手の想念がそのまま反映されるので、素材選びももちろんだが、どんな気持ちで作ったかということはとっても大切な要素だ。
調理の仕事を始めた当初はそんなこともわからずに、ただ気の向くままに包丁を握っていた。きっと味も今とは違っていたと思う。でも仕事を通していろいろなことを感じるようになり、人の思いというものなくしては何もできないのだなということに自ずと気がつかされていった。
若い頃は喜怒哀楽がもっとはっきりしていたので、短気でイライラすることも多かった私だが、調理の仕事をしてから、以前よりも気持ちがずっと安定してきたように思う。心をこめて作った温かいご飯は人の心を何よりもほっとさせてくれるものなので、本当にそんなご飯を作れる人になりたいといつもいつも思いながら厨房に立っている。
そしてどんな職業につくにせよ、最後に試されるのはその人の精神性だ。何を大切に生きているか、自分に何ができるのか、謙虚に己に問い続けて行くこと。まだまだ彼岸までの道のりは長い。
Dsc00352

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