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September 13, 2011

奈良 その2 飛鳥へ

二日目は友達の車に乗せてもらいながら飛鳥周辺を回ってきた。一番最初に行ったのは聖林寺。ここにも会いたかった観音様がいた。御本尊は可愛らしい石仏子安延命地蔵。その奥にある観音堂に国宝の十一面観音がすっとお立ちになっているのだ。
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この観音様は天平彫刻の傑作と言われており、かつては昨夜行った大神神社にある神宮寺、三輪山の大御輪寺の御本尊だったそうだが、神仏分離令を受けた際に聖林寺に移されたと言う。とても威厳のあるお姿で堂々としている観音像だった。小さなお寺なので山門から本堂までのアプローチがほとんどない。でもいったん本堂に入ると渡り廊下からは三輪山や大和平野が広がっているのを見渡すことができ、しばし時を忘れそうになった。静かないいお寺だった。
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その後、車は甘樫丘を抜けて飛鳥へ。先日観た「朱花の月」の撮影現場にもなった稲渕の棚田飛鳥の飛石飛鳥川上坐宇須多伎比売命神社を回り、日本初の本格的な寺院飛鳥寺へ。聖徳太子のこともこの目で見つめてきたという1400歳にもなる日本で一番古い飛鳥大仏と対面してきた。ずっと同じ場所に鎮座し、この世の変遷を見守ってきた飛鳥大仏。威厳というよりもひいおじいちゃんのような?親しみを感じる大仏さまだった。
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最後は帰り道にたまたま通りかかった岡寺へ。西国巡礼第七番の札所で日本で最も古い厄除け霊場だ。境内に入ってすぐ鐘楼を突き厄払いをした。その後、本堂に入ると大きな仏様があったので何だろうと思ったら、如意輪観音だった。土で作った仏像としては日本で一番大きくて古いそうだ。弘法大師が中国とインド、日本の三国の土で造られたと言われている。
岡寺はお参りするつもりはなかったので何の下調べもしていなかった。でも今回の旅は如意輪観音に始まり、偶然にも最後にまた如意輪観音に出会ってしまった。大きくてどっしりとしている土でできた観音様なので、中宮寺のような繊細な美しさはないのだが、その大きな懐で人々を厄から守って下さっているような温かい感じのする御本尊だった。
如意輪とは物事を自分の意のごとく叶えていただけるという意味。自分の意とは果たしてどこにあるのだろう。結局のところ、それも大いなる方のご意思から、降りてくる流れなのではないかなと思う。だとするならば、天とつながって流れや気配というものを敏感に察知しながら、それに添える生き方をしていれば、自ずと道は拓けていくのではないだろうか。
思っていたよりもずっと暑くて9月とは思えないお天気だったが、空がとにかく青く澄んでいて美しかった。その空の下に広がる大和の懐かしい自然の風景とたくさんの観音様に出会うことができた。ここを国の始まりの地にしようと選ばれた場所、奈良は行けば行くほど好きになっていく。
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