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September 17, 2011

飛鳥の蘇

生まれて初めて古代のチーズを食べた。この前奈良に行った時、奈良の友達が帰りにお土産に持たせてくれたのが、この「飛鳥の蘇」だった。赤くて小さな箱に入っていた。「蘇」という不思議な名前で「ソ」と読み仮名がふってある。
万葉の時代、日本の首都として発展していた飛鳥地方。当時の人々は牛や馬をすでに食べていたそうだ。
中央アジアからシルクロードを通って飛鳥の都に伝わってきた蘇。牛乳を煮詰めて作るのだが、超高級食材なので、当時、庶民には高嶺の花でとても食べられなかったそうだ。
30リットルの生乳をゆっくりとかき混ぜながら約7時間煮詰めてようやく約4キロの蘇ができる。作るのに時間がかかるわりに原料の8分の1程度のものしかできない。しかも賞味期限はほんの1週間。とても一般市場に流通できるような食材ではない。だから小さいけれど、とても高価だ。高タンパクで滋養に富み、美容にもよいと言われている。
当時の味を再現しているのは西井牧場にあるみるく工房飛鳥と言う会社だ。おそらく採算的にはあまり期待できないとは思うけれど、古代の味を再現し作り続けていくことに価値を見出しているのだろう。そういう仕事は大切に守りたい。
沖縄にもミキというお米を原料にした発酵飲料がある。どぶろく?のようなものだが、とても飲みやすいのだ。古代チーズと聞いた時、昔ながらの発酵食品というものを連想し、最初に浮かんだのはこのミキのことだった。でも蘇は古代チーズと呼ばれてはいるものの、発酵していないようだ。
赤い箱のフタを取って、紙に包まれたかたまりを取りだす。包みを開くと茶色い石鹸のようなものが出てきた。どんな味だか全く想像できなかった。薄くスライスして少しずつ味わいながらいただいた。これがちょうど最後の3切れになってしまった。
ほんのりとした塩味とほのかな甘み。でも触感はねっとりというよりもさっくりしている。とてもこれがチーズだとは思えないけれど、何とも懐かしくて素朴な味が口に広がった。当時の貴族はこういうものを食べていたのだな思ったら、なんだか急に飛鳥が近しいものに感じられた。
Dsc00615


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