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October 30, 2011

半農半X道場 宿泊研修の朝

アースカラーの半農半X道場の宿泊が昨日の夜からあった。昨日は横芝光町で映画「アンダンテ~稲の旋律」の上映会と、その主題歌を歌っている新妻聖子さんのコンサートが行われた。横芝光町を舞台に撮影された映画なので、参加した研修生たちはそのイベントのお手伝いをするという実習だったそうだ。その後、温泉に入り7時半過ぎに風楽に到着。すぐにお食事のご用意をし、私も支度が終わったら皆さんと一緒にお話しながら一緒に過ごした。
今年最後になる半農半X道場の研修の参加者は5名。コーディネーターが気心知れたスッシーなので、研修生たちともすぐに打ち解け、トラとミーも同席しながら夜は楽しくおしゃべりさせていただいた。
今日は古代米の稲刈りを体験するのだが、朝食後の自由時間を利用してスッシーがファシリテーターを務めてTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を考えるレクチャーを行うことになった。私も一緒に参加したかったので、早めに起きて朝食のおむすびを作りながら、今日の定食の支度も早めに取りかかった。
TPPに加盟することで関税が撤廃され海外から安い食品が大量に輸入されることになる。その国の利益や生活、産業を守るためにどこに関税をかけるかというのはものすごく大切なことだ。それを経済状況や地場産業を無視して一律に取り払ってしまおうというのはとても危険な発想だ。
安くてある程度の品質が確保された輸入米や野菜が国内に出回ることで、日本のお米農家さんは膨大な打撃を受ける。それらについてスッシーはデータを交えて説明してくれたので、とてもわかりやすかった。古来から米を作ってきた日本人にとって稲作というのは日本の文化でもあり、谷津田は日本の里山の原風景だと私は思っている。お米を作らなくなったら日本という国自体が滅びてしまうだろう。
でもどんなに反対しても今回の協定はアメリカの思惑通りに進められてしまうかもしれない。その時、私たちはどうするか?
そんなことを今朝の話題にした。やはりそこでも何を選ぶか(消費するか)ということが私たちに問われてくるのだと思う。目先の安さ、お手軽さだけで輸入農産物を選ぶのか、長い目で見て日本の農業を守るという願いのもとに国産の農産物を選ぶのか。小さな規模の集まりではあったけれど、少人数だからこそ、そこに集う人たちとそんなことを一緒に考えられるよい時間となった。
私もこのところTPPには大きな懸念を抱いていて、自分なりに調べているのだが、知れ知るほど日本にとってはリスクの大きな協定だと思う。農産物の価格崩壊も当然のことだが、でももっと恐ろしいのは自由貿易という名のもとに外国の企業が参入しにくくなる(商売しづらくなる)条件や法律などの規制が全て「非関税障壁」とみなされ撤廃しなければならないこと。
TPPに加盟することでアメリカは自国の商品を売りやすくするため日本に様々な規制をなくすよう圧力をかけてくるだろう。例えば遺伝子組み換え食品の表示義務。そんなものがあったら遺伝子組み換え食品が売りづらくなるからだ。健康保険もしかり。健康保険制度でさえ、日本の市場をターゲットにしたいアメリカにとっては非関税障壁になると言いだし兼ねない。それが言える協定だからだ。
自由貿易でそれぞれの国が繁栄するというのはまやかしで、先進国だけにメリットがあり、発展途上国は今以上に自分たちの経済を他国に牛耳られてしまうだろう。そしてその国で甘い汁を吸う大企業にとってはとても都合がよく、一般の市民には何のメリットもない協定だ。だから今回の加入に経団連の面々はえらく積極的なのだろう。
短絡的に見たら安い農産物が手に入るという側面があるが、でも同時にそれは日本の農産物の衰退と同じことなので決して喜ぶべきことではない。
いよいよ来月、ハワイで行われるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で参加交渉が始まるが、これからの動向に目が離せない。
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