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October 07, 2011

奈良で食べた美味しいもの

2泊3日で奈良に行って来た。紅葉にはまだ早かったが、一日目は吉野に行き、金峯山寺をお参りしてきた。金峯山寺は1300年以上前に役行者が開いた修験道の根本道場。吉野~大峯山一体は古代から山岳信仰の聖地。高野山熊野三山、そして霊場と霊場を結ぶ巡礼の山道一帯は「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産にも登録されている。御本尊である蔵王権現を祀ってある蔵王堂はとても大きく柱が太くてずっしりとしていた。全てのスケールが大きく迫力ある強いお寺の気配は吉野の山桜全てを御神木にしているからだろうか。山号は国軸山と呼ばれ「宇宙の中心の山」という意味があるそうだ。
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今回はいろいろと美味しいものを食べてきた。以前、ご紹介した「くるみの木」の石村由起子さんが秋篠の森の中に作った大和野菜を中心とした創作料理のレストラン「食の円居 なず菜」にも行った。ランチは2部制になっており完全予約制でメニューは2種類のコースのみ。ラッキーにも予約が取れたが遠方からたくさんの人が訪れる人気の店なので満席になることが多いそうだ。明るい窓からたっぷりと光が差し込むナチュラルなフロアで、センス良く選び抜かれた器と共に一つづつ出していただくランチは何とも美味しく大満足。
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食事をしながら店に置いてあった石村さんの著作「私は夢中で夢をみた」を読んだ。カフェのノウハウもまるで知らない一人の主婦が「こんなところでお茶を飲めたらいいな」と思って始めた店が今や奈良だけではなく全国的にも有名になった。料理の腕だけではなく、そのセンスと感性を生かしながら、同時に多角経営の視点も持ちつつ、決して立ち止まらず一歩ずつ歩いてきた人の経験から出てくる言葉はとても共感できた。というより私がいつも話したり書いたりしていることと、全く同じことがたくさん書かれていて、共感というよりも全く同感!我が意を得たり!という感じだった。石村さんは豊かに楽しく夢を追いかけることができる人なのだと思う。そして私もそうありたいなと思っている。あと10年仕事を続けたら、あんなふうになれるかな。
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夜はホテル日航奈良の和処「よしの」で食べた懐石料理がとても美味しかった。私が料理の中で懐石が一番好きなのは味だけでなく器や盛り付けなど見た目も楽しめるからだ。運ばれてきた料理の器のフタを開ける時の楽しみ、そして盛り付けの美しさを見てうっとり。一つ一つ丁寧に作られたお料理はお箸をつけるのがもったいなくなるほど。さらに口に入れた時の味わい深さを感じて、やはり和懐石って本当に素晴らしいなと思った。
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日本料理を食の世界遺産に登録しようと申請の準備をしているらしいが、何本もの包丁を使い分けながら素材を切り、丁寧に出汁をひき、同じ調味料を何種類も用意して味をつけ、季節感あふれた素材を趣のある器に盛り付けていく。まさに日本の懐石料理は手の技の世界だと思う。
美味しい食事をいただくと心がほっこりと優しい気持ちになる。ただお腹がいっぱいになるだけではなく、心が満たされる幸せ。食事にはそんな力がある。あんまり美味しかったので、帰りがけに厨房にいる板さんに「ご馳走さまでした。とても美味しかったです」と伝えたくてこっそり調理場の方へ入っていったくらいだ。
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食の仕事に携わる者の一人として、そんな食事をいただくと、私がいつも作っている「野菜たっぷりの普段着のごはん」の中でもまだまだやれることはあるんじゃないかなと思えてくる。本当に料理は奥が深い。素材に向き合い、できることは手間ひま惜しまないこと。誰に言われたわけでもない自分との約束だ。
今回もまた奈良で仏像やお寺や神社からたくさんのエネルギーをいただいてきた。たっぷり充電した後はまた仕事をがんばろうっと。
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Comments

田中さんありがとうございます。
本当におっしゃっている通りの時間を友達と一緒に楽しく過ごさせていただくことができました。どうもありがとうございます。
今日は年内にスタートする次の店についてスタッフと初顔合わせのミーティングをしました。まさに食という字は人を良くしてくれるものですね。食というつながりの中でスタッフたちと共に学び合い、よりよい食を、心の温まる食をお作りしていきたいと改めて思いました。
私も自分の持ち場を生かして研鑽に励みたいと思っています。

Posted by: 風楽 | October 12, 2011 at 10:06 PM

 ありがとう御座います。
 私のスタイルは・・・
  和食=話食 お客様に料理を提供させて頂いた時
 その料理により、会話がはずみ、楽しい時が過ごして頂ける料理の提供。と
 食は・・・人を良くすると書きます
  目で見て、舌で味わい、心にしに染み渡り、そして
   幸せを感じる、そんな料理を提供できるよう精進いたします。
 今回の縁に感謝致します・・
  本当にありがとうございました。

ホテル日航奈良 和処 よしの
      調理長  田中 準二


 

Posted by: | October 11, 2011 at 10:58 PM

田中準二さん
ありがとうございます。まさかお読みになっていらっしゃるなんて思ってもいなかったので驚いています(笑)。
先日のお食事は本当に美味しくいただきました。ご馳走さまでした。とても感動したので、失礼を承知ながらどんな方がお作りになっていらっしゃるのかなと、ちょっとだけ厨房を覗かせていただき失礼致しました。
大きなホテルでいただくお食事は、見かけがよくても期待外れのことが多いのですが、どれも美しい盛り付けでとても美味しかったです。
一緒に行った友達と本当に美味しく楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございます。
勤務時間が長く、仕込みの量も多く、とても大変なお仕事だと思います。お体に気をつけてこれからも美味しいお食事をお作りになって下さいね。

Posted by: 風楽 | October 11, 2011 at 10:01 PM

 この度は、ご利用いただきましてありがとう御座いました。
又、奈良にお越しの際は、ぜひお立ちより下さい。
 スタッフ一同 心より、お待ちしています。

  ホテル日航奈良 和処 よしの
      調理長  田中 準二

Posted by: 田中 準二 | October 11, 2011 at 01:20 PM

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