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November 12, 2011

マネジメントって何だろう?

最近、ずっと考えていることの一つに「マネジメント」というものがある。単純に訳せば管理ということだが、どうもこの言葉は日本語にならない深い意味を持っているようだ。
新しい店が一か月後にはオープンするだろう。それに向けて厨房機器や器を揃えたり、メニューやスタッフの働き方を決めたりとやらなければならないことはいろいろある。
でもそれよりも今の自分に一番必要なのはもう一つの視点を持つということなのではないかなと思う。今まで私は自分で仕事を作ってきた。一番最初の店は全く一人からのスタートだった。3年目に飲食業も始めた時から、スタッフに手伝ってもらうようになった。でもどちからというと私が中心になって動き、スタッフには補助的な仕事をお願いしてきた。でも自分一人でやれる仕事には限界があるし、そのクオリティを末長く保つことは難しい。もちろん好きな仕事をやらせていただいているので、それが喜びであり、お客様には気の通った美味しいご飯を食べて心も体も元気になっていただけたら嬉しいなといつも思っている。
でも体が一つしかないのに店は2件になるので、どこかで誰かに任せなければならない。全てを一人でやることなんて不可能だ。だから新しい店のスタッフたちには私がいなくても動けるようになってもらわなくてはならない。幸いとてもいい人材に恵まれたので、彼女たちをどう育てていくかが私の課題でもある。
これからは単に自分一人で働く「労働者」から、ドラッカーの言うところの「知識労働者」になることが求められている。もっと言うならば「知識労働者」から「知識経営者」にならなければならない。その時に必要なのがマネジメント力なのだろう。
このところ経営に関する本ばかり読んでいる。正直なところあまり得意な分野ではないので、楽しみながら読むというよりも必要に迫られて読んでいるという感じだが。
ドラッカーによるとマネジメントには3つの役割があると言う。
①自らの組織に特有の使命や目的を果たすこと
②仕事を通して働く人たちを生かすこと
③自らが社会に与える影響を処理すると共に、社会の問題について貢献する
私は好きな料理ができて、美味しいものを食べて喜んでいただければそれで充分なので、経営学なんか本当のことを言ってしまえばどうでもいいのだ。でも2店舗目を始めると決めた時から、それだけではない経営者的な発想が必要になってくるのだなということを、オープンが近付くにつれひしひしと感じるようになってきた。
自分の会社をつくるということ」(ダイアモンド社)という本を読んだ。著者はトレンダーズ女性起業塾代表取締役経沢香保子さん。女性にとって自分の会社を持つことは人生を自分で創り出していく生き方だと語る。そのために必要なのは「経営者の脳」。参加する側から主宰する側に回る。巻き込まれる側から巻き込む側になる。エンターテイメントされる側からエンターテイメントする側に回る。「経営者脳」それは「視点」「立ち位置」が鏡の向こうとこちらで入れ替わるような感覚・・・らしい。この表現は自分でも経験したことなので、とてもよくわかる。
また経沢さんによると会社経営は創業から最終ゴールまで5つのステージがあるという。まず事業ドメインを明確にすること。事業として確立すること。リスクを分散し顧客を創造し続けること。組織を構築すること。最後に社会に必要な存在となること。
表現方法は違うけれど、これもまさにドラッカーの言うところの「企業の目的は利益の追求ではなく顧客の創造にある」と言う有名な言葉に通じている。
それを実践するために必要な要素がマネジメント力なのだろう。今までの私に全く欠落していたもの。そしてこれから必要とされるもの。もしマネジメント力を身につけることで、より社会に貢献できる仕事をさせていただけることにつながるのであれば、とてもいい機会なので少しずつ勉強していこうと思っている。
Dsc01177

今日、親しくしているお客様からいただいた花。花束ができるくらいたっぷりあったので、どんなふうに生けようかと花たちを見ながらずっとにんまり。

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