January 31, 2012
あいりん堂さんが手続きをしてくれたので、店内がSoft BankのWI-FIスポットになった。息子からもぜひ設置した方がいいよと言われていたのだが、あまりメリットがわからない私はそのままにしておいた。しょせん無線LANとWI-FIとの違いもよくわからないのだ。だから私はiphoneを携帯しながらも悲しいことに何が便利になったのか全く理解できない。
とりあえず「WI-FIスポット」のシールを貼っておいてねと言われたのだが、あまり店内に張り紙をしたくないので、思いっきり隅っこの目立たない所に貼ったら、あいりん堂さんから「これじゃ意味ないよ~」と言われてしまった。でもこれでSoft Bankに関しては通信環境がよくなったということらしい。
もう一つ、こちらも目立たない場所だけど、「チャイルドシートあります」のシールも貼ってある。これは店内というよりも、トイレに行く途中に見えればいいかなと、あいりん堂さんとの境目にある扉の横とトイレの扉に貼った。トイレでおむつを替えたり、お母さんが入る時にお子さんを座らせられるシートがあるトイレですという意味だ。
実はオープンした時にはそこまで気が回らず、おむつ替えシートの設備はなかった。お客様から聞かれて、恥ずかしながら初めてなかったことに気が付いた。それで当面の間、何かの台の上に赤ちゃんを寝かせられるようなカゴを置いて使っていただこうかと考えていた。
ちょうどその時、お食事にいらした八幡社長にその話をしたら、すぐにカタログを取り寄せ、折り畳み式のおむつ替えシートとチャイルドシートをトイレに設置して下さると即決。しかも早い方がいいからと年内のうちに取りつけ工事も終わらせて下さった。ヤワタホームさんのこういうご配慮は本当にありがたい。
おむつ替えシートができたこともいつかお知らせしようと思っていたのだが、他の話題に埋もれてすっかり遅くなってしまった。今回、シールの話に合わせてちょうどいい機会なのでブログに書くことにしました。
なお赤ちゃんのミルクのお湯や離乳食を温めることもできますので、必要な方はどうぞお声をかけてください。


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January 30, 2012
今日はお休みだったので、午前中は明るい光の中で久しぶりに自分の部屋を掃除した。すりガラスの引き戸と書院作りの格子ガラスの所には防寒のため厚手のキルティング布を貼っている。そのため冬の間は、私の部屋にほとんど光が入らない。灯りも蛍光灯ではないので、薄暗いためホコリが積もっても目立たない。それをいいことに掃除の回数を減らしているのだが、いざ布をめくって光が入るともう大変。午後から保健所の食品衛生の講習会があったので参加しなければならなかったが、でかける5分前まで掃除機をかけ続けることになり、慌てて着替えて家を出た。
終わってからも家には戻らず夕方は買いものをしてビオンに寄り、7時から八幡社長夫妻とあいりん堂さんの4人で打ち合わせを兼ねてポルチェリーノで夕食をご一緒した。
ポルチェリーノは有機野菜を使ったイタリアンのお店。夕食はコース料理のみになっているが、8種類の前菜を盛り合わせたプレートはとても美味しかった。
今年は大勢の出店者で賑やかに楽しむオーガニックマーケットを5月と8月と10月に行い、今月の連休に行ったような形で展示場内をゆっくり見ていただくオープンハウスのイベントを、ゴールデンウィークとお盆にも行う予定。また夏の神栖展示場での新モデルハウスのお披露目の際にはあいりん堂さんと一緒に成田からオーガニックの風を届けるべく?出店しようかと相談している。
そしてイベントの際には、いらしたお客様がヤワタホームの展示場、あいりん堂さんと風楽、それぞれを回遊できるような仕掛けを共通で考えていこうということになった。カフェの方もドリンクなどメニューを限定して、ショールーム内の多目的ホールでお出ししてみるのも面白いのではないかなと思う。
美味しい料理を食べながら、話があちこち横道にそれて笑ってばかりの楽しい打ち合わせ?だった。

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January 29, 2012
先週の日曜日もそうだったが、今日もユウコさんと二人だけなのに開店するやいなやお客様が次々に来て下さって大忙し!1月は毎週金曜日がガラガラで日曜日が大忙しという両極端な混み具合となった。今は2件の店を回すのにスタッフの数がギリギリなので、古民家の方もずっと二人体制だ。
こちらはビオン風楽と違って器の数が多く厨房と座敷が離れているので、満席になると3人でやっても回せないほどだ。今日もいっときほぼ満席状態に。「うわ~どうしよう!?」とちょっと焦ってしまったけれど、ビオン風楽の方が便利な場所にあるのに、こんなに遠くて寒い古民家までお食事にいらして下さるお客様がこんなにいるなんて、本当にありがたいこと。まずは美味しい定食をお作りすること、そしてその合間に目の前にある仕事を手早く片付けることを最優先。今、何からやるべきなのかを瞬時に判断するのは、けっこういい頭の体操?になるかも。
夕方、こちらで作ったカレーやストック品、食材やお米など必要なものをどっさりと車に積み込んでビオン風楽へ。とにかく道路がどこを通っても大渋滞で1時間以上もかかってしまった。トモちゃんと簡単な打ち合わせをして、買い物をしてから家に帰ったらもう8時。
昨日から仕掛けておいたモチキビとタカキビの甘酒がそろそろ発酵26時間を過ぎでき上がったようだ。一度鍋に移し入れ火入れをして発酵止めをした。一口食べてモチキビ甘酒の優しい甘さにほっとして、タカキビ甘酒の甘さに驚いた。何と自然で味わい深い甘さなんだろう。
甘酒にはブドウ糖が20%以上含まれており、ビタミンも豊富。穀物の表面のたんぱく質に麹菌が繁殖するとたんぱく質分解酵素を出して分解しアミノ酸に変えていく。だから甘酒には天然の必須アミノ酸がたっぷり。また乳酸菌は腸内の善玉菌の働きをよくしてくれるなどいいこと尽くめ。まさに東洋のヨーグルトだ。
甘酒の美味しさに魅せられて、もう何度も玄米甘酒を作ってきたけれど、このタカキビ甘酒の甘さにはとてもかなわない。むせるほど?の甘さなのだ。これには本当に驚いた。
雑穀甘酒を何とか安定した状態で完成できるようにして、お店でもお出しできたらいいなと思っている。そしてこのタカキビ甘酒を使って美味しいスィーツもいっぱい作りたい。手作り酵素と甘酒と酒粕を毎日食べていれば健康になること間違いなしかも!?

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January 28, 2012
このところ毎日のように甘酒と酒粕、塩麹を食べている。甘酒は玄米をお粥にしてから麹を加え一晩保温して作った玄米甘酒。一度にたっぷり作って冷凍し、一食分ずつ解凍し、夕飯の時に温めて飲んでいる。酒粕の方は何かしら店の料理の中に一品は取り入れるようにしている。
一人の時の簡単な夕飯には、さっと済ませたいので寺田本家の発芽玄米酒粕「にぎり酒」を胡麻油で軽く炒め、ジャコを加えてお醤油をジュッと一回し。それを茹でた菜っ葉や蒸し野菜の上に乗せている。こんなに手軽に食べられる栄養たっぷりの食材がいつも身近にあるなんてとても幸せだ。冷蔵庫の中に酒粕が入っていない食生活なんてもう考えられない。
今日は天ぷらをする時、衣の中に酒粕をほぐして加えた。人参とフクノトウの天ぷら。揚げたてに塩を振って食べたら、ほんのりとした酒粕の香りがふわっと広がってとても美味しかった。また今日、焼いたマクロケーキの中にも甘酒や塩麹を加えてみた。生地がとてもしっとりとしていて美味しかった。パンやピザの生地の中にも加えられるので、やってみようっと。
今日の夕方は雑穀のタカキビともちきびを水を多めにして炊いた。それぞれ麹と混ぜ合わせ、保温ジャーの中でただ今発酵中。明日のお昼頃には雑穀で作ったタカキビ甘酒ともちきび甘酒が出来上がる予定だ。雑穀の甘酒は初めて作るので、出来上がりがとても楽しみ。

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January 27, 2012
古民家に住んで3回目の冬となるけれど、今日は冷え込みが今までの中で一番厳しかったような気がする。朝起きた時、水道と給湯器のお湯が出ないのはもう当たり前だが、今日は何とトイレの水も出なかったのだ。1度目はタンクに貯めてあった水があったので流せたが、2度目は全く水が出ないのでトイレが流せない。仕方なく台所でお湯を沸かして蛇口を温め、水道の水が出るようになってから、バケツに水を汲んでトイレを往復し手動水洗?!
ジュンコさんが来た時は「おはよう」より前に「スゴイよ~。今日はトイレの水も凍って出なくなった!」と言ったら、「もう~この古民家、どこまで冷え込むの~?ここは北海道じゃなくて千葉なんだけど!?」って笑ってた。ジュンコさんはダウンジャケットを着たまま、私はお客さまからいただいたキルティングの作務衣を着て、水の出ない厨房で凍えながら仕込みをしているのだが、どう見ても二人とも調理人の服装ではない。
野菜を洗ったり、鍋に水を入れたりするたびにキッチンの水道に行かなければならないので何とも効率が悪い。「お客さんがトイレに入る度にバケツで水を流すなんて・・・そんな店ある?」と言いながらジュンコさんは早くもトイレの前に水を汲んだバケツをセッティング。
仕込みが終わって、一組目のお客様に定食をお出ししてからトイレに入ったらようやく水が出てきた。「やった~!出たよ!ジュンコさん!」って嬉しくなって叫びながら厨房に戻った。
「でもさ~。普通、トイレから出てきて、「出た!」って喜ぶのは違うものだよね!?」なんて二人で言いながら大笑い!ともあれお客様が入る前に溶けてくれてよかった。
一方、熱湯をかけても厨房の水道はビクともせず、結局、水が出たのは1時近くになってから。本当にガチンガチンに凍結していたのだろう。
お座敷に生けてある花の花瓶の水もバリンバリンに凍っていた。
調理台の上においてあった大根も勝手に凍み大根?になっていたし・・・なんだか今日の凍り方はいつも以上だ。
お昼頃、外はポカポカと晴れてきて今日は風もなく温かくなったと言うのに、水の出ない厨房で厚着をした私たちは鍋の取っ手を持っては「冷たい!」、人参を切っては「冷たい!」、器を持っては「冷たい!」を繰り返しながら、合間にストーブで真っ赤になった手を温めた。
トイレの水が凍って出なくなったり、厨房の水道が昼過ぎても出ないのはさすがに初めてだ。しばらく寒気が留まるようで、こんな朝がまた続くのかと思うとゾッとしてしまう。でも夕方、買い物途中に見た夕陽は空気が澄んでいるだけに何とも美しく、車から降りて思わず見入ってしまったほど。これだけキレイな夕陽を近くで見られるほど山の中に住んでいるってことなんだなって思った。せいぜいあと1カ月の辛抱だ。
お昼過ぎに焼いたキャラメルナッツタルト。くるみとアーモンドとカシューナッツをたっぷり入れて作った。今日は焼き色もキレイで美味しそう。型ごとお皿に乗せ写真に写す。

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January 26, 2012
今日は2冊の掲載雑誌のご紹介。
昨秋、古民家の方に取材に来ていただいた「早春ぴあ」(首都圏版)は12月末にすでに発売されていたが、掲載誌が今頃になってようやく届いた。首都圏版はその対象となるエリアが都内から日帰りで行ける距離なので、かなり広範囲。
2012年のスタートを飾るのは「開運&日帰り温泉」特集ということで、高尾山、川越、成田山、江の島、箱根、勝沼などが紹介されている。成田山のお参りを兼ねて、立ち寄れるお食事スポットとして古民家の風楽を掲載していただいた。若者たちをターゲットに有名な観光スポットやレジャー施設が軒並み紹介されている中で、風楽のような地味でローカルな店?が混ざっているなんてちょっと不思議だ。
また昨年の12月、ガーデンビオン風楽がオープンして間もない頃、取材に来ていただいた「ぐるっと千葉」(2月号)は発売されたばかり。特集は「目指せ!春一番乗り おいでよ!南房総」。こちらは特集とは関係なく新店情報のコーナーで掲載していただいた。
4年間に及ぶ「野菜(やさ)しいレシピ」の連載で「ぐるっと千葉」はすっかりおなじみで私にとっても愛着のある千葉県内の情報誌だ。本当に地道に千葉県内のイベントをすくい集め、紹介している硬派の雑誌だと思う。若者だけでなく、子供たちやご家族連れで参加できるイベントの情報や特集が盛りだくさんだ。風楽でも一体何度、イベント案内や広告などを出させていただいたことだろう。
私の本箱には「ぐるっと千葉」のファイルが2冊ある。1冊は連載していた野菜レシピのカラーページの切り抜き、さらにもう一冊は千葉県内の温泉やお蕎麦屋さん、カフェ、紅葉スポットなど特集の切り抜きだ。何かあるたびに引っ張り出してはファイルのページをめくっている。
今回、初めてビオンでの取材をしていただいたが、これからも何かイベントがあるたびに「ぐるっと千葉」にはお世話になることだろう。新しくガーデンビオン風楽のファイルも作らなければ・・・。
今日はまーちゃんの仕事復帰第一日目。火曜日に一度、様子を見に来てくれたけれど、9時から5時のフルタイムで仕事をするのは今日が初めて。体調が心配だったけれど、「ドキドキしますね~」と言いながら、一生懸命仕事をしてくれた。
「疲れない?」と聞いたら「エイコさんのご飯を食べたから大丈夫です」なんて可愛いことを言うゆとり?まであったからきっと大丈夫?なのだろう。「楽しかったで~す!」と言いながら元気に帰っていく姿を見てほっとした。まーちゃんの食べた玄米がまーちゃんの体の自然治癒力を引き出し、本来の生命力が活性化していきますように!そしてこれからも楽しく一緒に仕事をしていけますように!


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January 25, 2012
今日の古民家でのパン教室は高田さんが新しいパンのこね方を紹介してくれた。「湯だね」と言って強力粉に熱湯を加えてよくこねたものを使う方法だ。熱湯で小麦粉を溶いて湯だねを作り、生地の中に入れて一緒にこねることによって、でんぷんの甘さが引き出されるという。またほんのりと甘く、もっちりと柔らかい食感。しかも長くこねる必要がないので、湯だねさえ作ってしまえばかえって簡単に焼けてしまう。
今日はその湯だね方式で塩麹と甘酒を生地の中に加えたパンを作った。ゴマをまぶしたり、クロワッサンのような形に仕上げたり、出来上がりの形はいろいろだが、どれも塩の代わりに塩麹を、砂糖の代わりに甘酒を使っている。
焼き上がりはそれぞれ本当にふっくらとした柔らかいパンだった。残念ながら焼いてしまうとほとんど麹の匂いが残らないので、麹好きにはもう少し甘酒を増やした方がいいかもしれない。
私はパン教室用のお食事をご用意しながら、ビオン店に持っていくスープや人参ケーキ、オレンジケーキなどを焼いていた。
夕方、車のタイヤをスタットレスに履き替えるため、お休みだったトモちゃんが来てくれた。ジャッキアップしてタイヤを交換するのを待っていたら、おかげさま農場に行けなくなってしまうので、やってもらっている時間を利用して、私はトモちゃんの車で野菜を買いに行った。トモちゃんは車やバイクにとても詳しいので、車のメカにも弱い私にとっては大助かり。
帰ってきた頃には4本のタイヤが全部交換し終わっていた。すっかり暗くなってしまったけれど、レモネードを入れ、スープを温め、パン教室で作ったパンや店のケーキなどを並べて、ゆっくりとお茶を飲んだ。一緒に仕事をしていても中々こういう時間は取れないので、ホッとするひとときだった。
ちなみに2月のパン教室は29日(水)。寺田本家の酒粕を使って酒粕パン(ブール)を焼きますので、よかったらぜひどうぞ!


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January 24, 2012
初雪ってとてもキレイな言葉だけれど、いざ降られてしまったら「参ったなあ…」とオロオロするばかり。天気予報通り、昨日は夜のうちに早くも雪が降り始めた。この調子で降ったら明日の朝はビオンに行けないなあと心配になった。万が一、行くのが遅くなった場合のことも考えて、昨日の夕方のうちにスープやコロッケなどある程度仕込んでおいた。
朝7時頃には雪はすっかりやんで日がさしてきたけれど、ちょっと用心して少し遅れて出かけることにした。この周辺の道路はあまり日が当らないし、交通量も少ないので凍結が心配だった。
途中の道には縁石に乗り上げてしまった車や乗り捨てられた車もあって、ハンドルを持つ手にも力が入ってしまった。結局、1時間ちょっと遅れてビオンに到着。
今日は病後初めて、まーちゃんも慣らしを兼ねてお手伝いに来てくれた。みんなで選んだ黒のエプロンとキャップが誰よりもよく似合っていた。このエプロンを着るのをどんなに待ち望んでいたことだろう。これから少しずつシフトにも入ってもらうつもりだ。
一足早く店に来たトモちゃんに厨房を任せ、私は入口のウッドデッキとアプローチの雪かき。既に凍っているところがあったので、厨房からバケツで何度もお湯を運びながら流し、箒とチリトリで氷を片付けていった。家から長靴とシャベルを持ってくればよかったと後悔。
雪と氷を全部取り除き、水気を雑巾で吸い取ったので、開店する頃にはすっかりウッドデッキも乾き、靴をぬいだお客様の足元が濡れないでよかった。
こんなお天気だからどうかなと思っていたけれど、お昼頃にはカウンター以外の席が全て埋まり、一時大忙しになった。親しくさせていただいているお客様が開店祝いのお花を持って来て下さった。トラのお墓にとトラ用のお花も持って来て下さった。今日は初めてトラのことを泣かずにお話できた。でも夕方になって別のお客様から電話をいただき「トラちゃんのこと聞いたわ。トラちゃんって優しくて人懐こくて天使のようなネコで、ちょっと特別だったから私も寂しいわ」と言いながら泣いている声を聞いているうちに私も電話口でまたもやすすり泣き。
捨て猫だったトラだが、古民家で暮らしながら、いろんな方に可愛がられる優しくて穏やかなネコに育っていった。私が思っているよりもずっと皆さんから愛されていたんだなあ・・・。
今日は引けも早く、ランチタイムを過ぎた頃には店も空いたので、トモちゃんと二人でケーキを焼いたり、サクレを焼いたりと、ゆっくり仕込みをすることができた。営業時間内にオーブンに火をつけて焼き菓子が作れるのは珍しいことだ。
サクレがキレイに焼けたので、明日は店頭で販売する予定。まだまだ知名度の低いサクレ(野菜たっぷりの塩味のケーキ)なので、メニューに取り上げてもわからない方が多いようだ。でも実物を見れば「美味しそう~!」って思っていただけるんじゃないかな。


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January 23, 2012
今日は久々にビオン。先週は配達に行ったりはしたけれど、厨房での仕事はしなかった。ミホちゃんに二つほど新しいお料理を仕込みがてら教えた。あいにくのお天気だというのに朝から次々にお客様がいらして日曜日以上に大忙し!1時過ぎにはランチが全てなくなってしまった。中には早くも新しいお客様でリピーターになって下さった方もいらして嬉しい限り。
昨日、注文したショップカードがようやく届いた。あいりん堂さんからも古民家にいらっしゃるお客様からもガーデンビオン風楽の住所や電話番号が書いてあるカードはないの?と何度も聞かれ、そのたびに「ただ今作成中です。しばらくお待ちください」なんてありきたり?のお返事をしていた。
開店にあたって風楽の方で広告を出したり、チラシを撒いたりはしていない。ただヤワタホームの新春オープンハウスのチラシの中であいりん堂さんと風楽を大きく紹介していただいた。新聞の折り込みでかなり広範囲に配布されたので効果は大きかったと思う。1月の連休のイベントには本当にたくさんの方が来て下さった。
でもまだまだ連絡先などは浸透していないので、お店を伝える手立てとしてやはりショップカードは必要だ。できる限りガーデンビオン風楽の雰囲気が伝わるようにと写真を何度か撮り直し、必要事項を加えてデザインをお願いした。校正したつもりでも見落としがあって、一文字だけ抜けてしまった所があるのだが(さてどこでしょう?)、とりあえず1刷り目はご愛嬌?でこのまま使っていくつもり(なんだか抜けている所があるなんて、いかにも風楽っぽい!?)
これからこのショップカードがたくさんの方のお手元に届きますように。そしてご来店のきっかけとなりますように。
残る気がかりは風楽のサイトの再構築だ。今の古民家のサイトとビオン風楽を同時に反映できるようなページを早急に作りたいと思っている。Webデザインの得意な方、どなたかいらっしゃいませんか?

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January 22, 2012
昨日の夕方、閉館直前の図書館に飛び込み、リクエストしてあった「魯山人と星岡茶寮の料理」(柴田書店)を受け取った。新聞の広告で見つけて読んでみたいなあと思っていた本だ。
魯山人は元々は篆刻作家であり書家としても活動していた。自ら器を焼き、料理を作り、美食家と呼ばれていた。星岡茶寮は千代田区の日枝神社の土地の一部を買い上げ、明治から大正にかけて上流階級の社交場としてお茶会や食事会などに利用されていた場所。
関東大震災後、残った建物を魯山人が借り受け、美食倶楽部として会員制の料亭となったが、最後は彼の素行が原因で経営者から解雇を言い渡され、茶寮を追放されてしまう。
この本は当時、魯山人が腕をふるって作った料理を現代の料理人が再現したもの、さらに魯山人の器に盛り付けた料理などが紹介されている。料理は今もなお魯山人の器や調度品を愛用しながら、料理を作り続けている料亭の方たちが担当。
表紙の写真は大正12年に「主婦の友」に寄せた「手軽で気の利いた家庭的客膳」の中の一品「白汁魚王」。「鯛の頭を半割にして酒だけで蒸し、酢醤油で。白濁した汁をちりれんげですくって食べれば中華風」というコメント付き。
私が一番印象に残ったのは紀尾井町にある「福田屋」の前料理長牧内淳治氏の作ったお料理(写真下)。魯山人の30センチ角の絵瀬戸四角鉢に並べた口代り(酒の肴として何種類かのお料理を少しずつ一皿に並べたもの)。
川鱒木の芽焼き、筍寿司、蕗のトウの揚げ田楽、青串差し(アンコウ煮凍り、巻海老、ウド紅梅煮、ちしゃのトウ西京漬)、黒豆千代呂松葉差しなど本当に美しい。
言いたいことを相手かまわずズケズケと言い、奔放で放蕩な人生だったかもしれないが、魯山人の器は独創的でありながら、料理を盛り付けた時、器の我が邪魔にならない。そして料理がしっとりと落ち着き美しく見える。今まで魯山人の器を単なる陶芸作品として見てきたけれど、料理との組み合わせてこんなに生きたものになっていくなんて。
手の込んだ懐石料理を盛り付けた魯山人の器はため息が出るほど美しい。懐石料理は本当に奥が深く日本の手仕事であり芸術だと思う。料理も器も見ているだけで楽しい写真集。
それにしても大正時代から料理を追求し、器を焼き、レシピを雑誌に発表するなんて、やっぱり魯山人は破天荒だけど時代の先を歩いていたのだと思う。まだまだ魯山人について知らないことばかりだけど、もっと彼の作品を見てみたくなった。


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January 21, 2012
最近、小豆を煮るのに凝っている。使っている小豆は北海道産の大納言小豆。粒が大きくて糖度が高くふっくらと美味しい小豆だ。かつての将軍たちの中で大納言以上の位のある人は抜刀しても切腹しないですむと言われていた。そのことから、煮た時、腹の割れない豆として大納言の名前が付けられたそうだ。
そこに岩手県産のもちきびをふっくらと炊いて丸めお餅の代わりに入れた。砂糖は普通のあんこと比べて控えめだが、粗製糖のコクが生きている。仕上げに黒糖をほんの少々加えることが美味しいあんこを煮る時のコツだ。お客さまからも「美味しいあんこですねえ」とよく言っていただく。
かつて宗吾霊堂前で店をやっていた時、冬の一番人気は白玉入りのお汁粉だった。お正月になると毎日のように2キロ近い小豆を煮ていた頃が懐かしい。
今日は久しぶりの雨。これで乾燥が少しは和らぎそう。あいにくのお天気だったので、今日は一日、仕込みかなと思っていたら、開店早々に10人ものお客様がいらして大慌て。落ち着いた頃を見計らって小豆を煮たり、リンゴケーキを焼いたり、スープを煮込んだり・・・。店が終わってからビオン風楽の方にケーキとスープを配達しに行ってきた。
ブログでトラが死んだことを知って、お客様がお花を持って来て下さった。ずっと元気に仕事をしていたのに、トラの思い出話をしているうちにまた泣けてきた。このところ涙腺が緩みっぱなしで困る。
可愛らしい黄色いスィートピーの花束をトラのお墓の上に備えた。たくさんのお客様に可愛がっていただいて幸せな奴だ。縁側に置いてある私の読書椅子がトラのお気に入り。私が座るよりもずっと長い時間を占領していたっけ。
まーちゃんとトモちゃんから「虹の橋」のことを聞いた。ネットで調べたら、いろんな方が「虹の橋」の詩を紹介していた。もしかしたらトラは虹の橋でもトカゲを追いかけまわしているのかもしれない。あんまり夢中になって迷子になるなよ~っ!
「虹の橋」
天国の、ほんの少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。
この地上にいる誰かと愛しあっていた動物たちは、死ぬと『虹の橋』へ行くのです。
そこには草地や丘があり、彼らはみんなで走り回って遊ぶのです。
たっぷりの食べ物と水、そして日の光に恵まれ、彼らは暖かく快適に過ごしているのです。
病気だった子も年老いていた子も、みんな元気を取り戻し、
傷ついていたり不自由なからだになっていた子も、元のからだを取り戻すのです。
まるで過ぎた日の夢のように。
みんな幸せで満ち足りているけれど、ひとつだけ不満があるのです。
それは自分にとっての特別な誰かさん、残してきてしまった誰かさんがここにいない寂しさを感じているのです。
動物たちは、みんな一緒に走り回って遊んでいます。
でも、ある日その中の1匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。
その瞳はきらきら輝き、からだは喜びに小刻みに震えはじめます。
突然その子はみんなから離れ、緑の草の上を走りはじめます。
速く、それは速く、飛ぶように。あなたを見つけたのです。
あなたとあなたの友は、再会の喜びに固く抱きあいます。
そしてもう二度と離れたりはしないのです。
幸福のキスがあなたの顔に降りそそぎ、あなたの両手は愛する動物を優しく愛撫します。
そしてあなたは、信頼にあふれる友の瞳をもう一度のぞき込むのです。
あなたの人生から長い間失われていたけれど、その心からは一日たりとも消えたことのなかったその瞳を。
それからあなたたちは、一緒に「虹の橋」を渡っていくのです。


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January 20, 2012
「発酵の里」を通じた町作りに取り組んでいる神崎町を、外国プレスの東京特派員(外国記者登録証保持者)の方たちに見ていただこうと言うプレスツアーが行われた。寺田本家やこうざき自然塾、月のとうふ、鍋店、福ちゃんのパン工房などを視察しながら回る。その際の昼食を風楽で取っていただくことになった。昨年から何度か窓口となっている千葉県庁国際課の方とも打ち合わせを重ね、主宰する公益財団法人フォーリン・プレスセンターの方も交えて下見に来ていただいた。
せっかくの視察ツアーなので、寺田本家やこうざき自然塾と関わりのある食材を用いること、また「発酵」をテーマにしたランチをというご希望があったので、寺田本家の酒粕やこうざき自然塾で作られている黒大豆味噌、月のとうふの豆腐などを使わせていただいた。
メニューはおからと酒粕のコロッケ、甘酒ドレッシングのサラダ、酒粕チーズケーキなど発酵食品をたっぷり使った。参加された方はカナダや中国などからいらした特派員の方とスタッフ合わせて14名。
食事の後、メニューの説明や神崎町との関わり、古民家についてなど、かいつまんでお話させていただいた。プレス関係の方は全員男性だったこともあって、その後の質問は料理に関することよりも古民家の構造や修復について、またこのあたりの農村地帯の文化についてなどが多かった。かつての関東大震災や昨年の震災の時もこの建物は無事だったとお話したら、「ふるいニッポンのタテモノはショウソウインとおなじね?」と言われた。
場所がわかりにくかったせいか、バスの到着が遅れ滞在時間が減ってしまい質問が終わる前に出発時間となったが、皆さん和やかにお帰りになり、また神崎の視察へと戻って行かれた。
今日は料理教室もあったが、ランチが遅れた分、片付けもずれ込んでしまい、料理教室直前まで材料の準備が終わらず、息つく間もなく教室の時間となってしまった。始まってからもその後ろでジュンコさんは食後の洗いものに追われていた。
一日中、バタバタだったが、久しぶりにまーちゃんが体慣らしを兼ねて手伝いに来てくれたので助かった。来週はビオンの方にも様子を見ながら来てくれるそうだ。まだ本調子ではないようなので疲れない程度に手伝ってもらおうと思う。やっぱり馴染みのスタッフが来てくれると嬉しいので、今日はいつもより賑やかに仕事ができた。
写真はツアーの方たちのお食事風景と、料理教室で作った甘酒ソースに漬け込んで焼いたグリル野菜。


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January 19, 2012
オーガニックワインの専門店「マヴィ」では店の片隅にテーブルを置き、食べ物が作れるキッチンが用意されている。単なる酒屋さんではなく、自然食サロンを目指しているそうだ。ワインに合う美味しいオーガニックのお料理やパンやチーズなど、健康的なワインのある暮らしをトータルで楽しんでいただきたいという店主久保千尋さんの願いが込められている。
「マヴィ」の名前だけはずっと前から知っていたけれど、中々行く機会がなかった。でも今日はいつも土日に開催されている料理教室が初めて平日に行われることになったので参加することができた。講師はクシガーデンでスィーツ作りを担当している奈良ゆう子さん。デモンストレーション形式の教室で、最後にランチがてら皆さんと一緒にできたものをいただいた。
私のナチュラルスィーツはどちらかというとざっくりと混ぜて作る簡単なものばかり。元々あまり細かい芸当ができないので、お菓子作りよりも料理の方が好きだけど、プロのパテシエの作るスィーツを目の前で見せていただいたので、とても参考になった。
今日のスィーツはカボチャプリンと洋ナシのロールケーキ。どちらもとても美味しかった。カボチャプリンはメイプルで作るカラメルソースもあったのでかなり甘かったけれど、これならマクロビアンでない人が食べても絶対に美味しい!と満足してもらえるだろう。
豆腐クリームは一晩かけて完全に水切りをして、寒天も加えて作るので、水っぽくならずにとてもクリーミイだった。奈良さんはとても丁寧にゆっくりとお菓子を作る方だった。あのクシガーデンのケーキのショーケースを一つ一つ手作りのナチュラルスィーツでいっぱいにしていくのはとても大変だろうなあと思った。
このほか、アーモンドとポテトのスープ、甘酒ドレッシングのサラダ、豆腐のオムレツ手作りケチャップ添えなど、お食事もとても美味しかった。甘いリキュールのグラスワインも出していただいたのだが、駅まで車で行ったので、飲めずに残念。
店主の久保さんとも少しお話させていただいた。風楽のお料理と一緒にワインを試飲しながらお話を聞くオーガニックワイン講座などをいつか開けたら面白そうだ。私はお酒があまり強くないので、ワインの銘柄もよくわからない。久保さんは実際にフランスの生産者を回りながら美味しいワインをリストアップしたそうなので、生産現場でのお話を聞かせていただくのも楽しそうだ。こだわって作られたモノには全てストーリィがある。それをご紹介していくことで、お客さまとモノとの関係が近付いていく。そんな機会を作るのも私たちの仕事の一つだろう。
久保さんとは初めてお会いしたけれど、思っていらっしゃる方向性のようなものはすぐに理解できた。いつかご一緒に仕事ができたらいいな。


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January 18, 2012
大好きだったトラが死んだ。土曜日から時々吐いていたのだが、たまにそういうこともあるのかとあまり心配もしていなかった。日曜日の夕方から出かける予定だったので、今回は寒くないようにと、トモちゃんにペットホテルに連れて行ってくれるようにお願いした。
トラは男の子のせいか気まぐれだった。時々ふらりとどこかへ出かけてしばらく帰ってこないこともあった。夜、家の中にいてもお腹がいっぱいになると窓のところに行って出たそうなそぶりをし、窓を開けるとそのまま飛び出してしまうのだ。
日曜日の朝も一回吐いて、朝ご飯を食べなかった。朝は縁側にいたので、すぐに戻ってくると思っていたのだが、私が出かける時には姿が見えなくなっていた。結局、迎えに来てくれたトモちゃんもトラのことを見つけられずにペットホテルには行けなかった。
朝も吐いたし、あんなに食欲旺盛なトラが食べに戻ってこないので心配になったが、ネコは具合が悪くなるとどこかへ行き、うずくまって体が回復するまでじっとしていると聞いたので、きっとトラもどこかに行って体を休めているのだろうなと思うことにした。それに本人がいなければどうすることもできない。
私はその後、出かけたが、なんとなくイヤな予感がして昨日の夕方は早めに帰ってきた。縁側に用意していおいたネコ用のベットの中でトラは寝ていた。
私が車で帰ってくるといつも出迎えに来てくれるので、おかしいなと思って近づいて行った時にはもう死んでいた。まるで眠っているみたいだったので、トラトラって体を揺すりながら何度も声をかけたのだけど、あの可愛らしい声でもう鳴いてはくれなかった。
トラを抱っこしながら自分でもビックリするくらい大泣きしてしまった。一体どうして?外で自由に遊んでいるので、どこかでヘンなものを食べてしまったのだろうか。もうトラのバカっ!金曜日まであんなに元気でご飯もいっぱい食べていたのに。トラはすごく苦しかったのかもしれない。最後の最後に家に帰ってきたのに一緒にいてあげられなくてごめんね。
真っ暗になった庭に泣きながら穴を掘り、トラのお墓を作った。もう涙が止まらなかった。
今日はこちらでビオン店用の仕込みをし、神崎で買い物する予定だった。ケーキを焼いたり、小豆を煮たり、豆を煮たりしながら、縁側をふり返る度にトラがそこにいるような気がした。そしてもう会えないんだとわかるとまた泣けてきた。
人懐こくて穏やかなトラは本当に可愛かった。外でチョウチョやバッタを追いかけている時は野生のネコっぽく?なったけど、普段はいつもまったりとしていてすぐにすり寄ってきた。エサをあげる時、いつもミーが先に好きな方を取った。トラはいつも残った方を食べていた。
自分が帰ってくると「ニャオ~ン」と可愛らしい声で鳴き、中に入れてくれと言う。でもすぐにまた遊びに行きたいと言って窓の所へ走っていった。
私が畑仕事をしている時はいつも近くにいた。ゴミを出しに行く時はついてきた。私はトラとミーが土の上でじゃれ合っているのを見るのが好きだった。二人はとても仲良しでいつも駆けっこをし、じゃれ合いなめ合い一緒に丸まって寝ていた。
そんなトラの姿がもう見られなくなるのかと思うと淋しくて仕方ない。トラとミーは私が初めて飼ったネコだった。ネコのことを何も知らない私でも飼えるような手のかからないネコだった。
私が夜遅く帰って来た時も車の音がすると遠くから鈴をならしながら駆け寄ってきた。あの「おかえりなさい」と迎えてくれる二人の姿にどんなに慰められたことか・・・。私は出かけるのが好きだからお留守番することが多かったけど、いつも二人で待っていてくれたっけ。帰ってきたばかりの時はちょっぴり拗ねて知らんぷりをすることもあったけど、呼べば嬉しそうに膝に飛び乗り抱っこをするとすぐにゴロゴロと喉をならした。思い出すのは可愛い姿ばかり。抱いている時のあの温かいぬくもりと柔らかい毛並み。シマシマのしっぽが美しいネコだった。
これからミーも淋しくなるだろうなあ。まだしばらくはトラのことを思い出しては泣いてしまいそうだけど、短い人生だったけど、きっとトラは幸せだったんだろうなあと信じたい。
自由に野山を駆け回り、たくさんの人たちに可愛がられて、美味しいものをいっぱい食べ、普通のネコの一生分をほんの2年ほどで味わい尽くしてしまったのかもしれない。トラは私に幸せな時間をくれた。ありがとうトラ。トラからもらった楽しい思い出をママはずっと忘れないからね!ミーのこと天国から守ってあげてね。




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January 17, 2012
「あ」という言葉の語源は始まりを、「わ」という言葉は調和を表す。それを組み合わせ「粟(あわ)」という名前が付けられた。古民家で大和伝統野菜たっぷりのランチが食べられる人気の店「粟 ならまち店」。その母体となるのが郊外にある「清澄の里 粟」だ。

「粟」では大和伝統野菜や海外の伝統野菜を100種類ほど栽培、保存する地域のNPO「清澄の村」と提携し、店で使う野菜を始め、雑穀、豆、米などほとんどの食材の自給しているという。

まさに私が理想とするところの第六次産業をみごとに実践している飲食店だ。しかも地元の農家さんたちの集まりである「五ケ谷営農協議会」との関わりも深い。
第六次産業とは生産(第一次産業)、食品加工(第二次産 業)、流通、販売(第三次産業)を合わせたもの(1+2+3=6)で、生産から流通までをトータルで一つの産業にしていこうというプロジェクトだ。
農業者が主体的かつ総合的に関わることによっ て、加工賃や流通マージンなど、今まで他次産業に流れていた経済の動きを生産者そのものに還元し、農業や農村を活性化させていこうと農水省も推奨している。

二日間のお休みを利用し、奈良へ足を伸ばし、四季折々の風景を見ながらゆったりと食事ができる農家レストラン「清澄の里 粟」に行ってきた。一日20組。予約のみのランチだ。清酒発祥の地正暦寺に隣接する奈良市高樋町は万葉集でも「清澄の里」と詠まれ、今でものどかな田園風景が広がっている。高台にあるログハウスのような木の建物には大きな窓があり、大和盆地が目の前に広がる。飼っているヤギくんたちも時々、窓のところにやってくる。足を投げ出し本を読んだり、壁に寄りかかったり、ヤギくんにご飯をあげたり、食事の後ものんびりゆったりとくつろげる。

食材に使われる大和野菜や雑穀が店内のあちこちに飾られている。テーブルの上にもその日に使われる色とりどりの野菜たちがオブジェのように並んでいる。どれも本当に可愛らしく絵になる。
その野菜たちをふんだんに使って、少しずつお料理が運ばれてくる。一つ一つの野菜の名前を確かめながら、ゆっくりゆっくり味わいながらいただく。一回のランチで50種類ほどの野菜が使われているそうだ。
素材やコンセプトは同じでも、こちらののんびりした雰囲気とは異なり、奈良町の方の「粟」は観光エリアの中にあり、昼から夜まで営業。人の出入りも多くアンテナショップ的な役割を果たしている。どちらで食事をしたいか、お客様が選べばいい。それぞれのスタイルが求められてるのだろうなと、私も2件の店をやりながら同じことを考えている。

お料理は素材の色や味を生かすためか味付けは意外とシンプルで素朴なものが多かった。でもどれにも手がかかっている。何よりも野菜の色が美しかった。野菜を愛しているのだなということが伝わってくる。
帰りがけに代表の三浦さんとほんの少しだけお話することができた。力まず自然体で自分たちのこうありたいというライフスタイルをそのまま事業に投影している人だなと思った。そのコンセプトや思いは風楽と通じるものがあるので、ものすごくよくわかる。でも私はまだまだ形にできていないことがたくさんある。
店舗の経営の他、店のスタッフと一緒に自らも畑を耕しているという。これからの働き方、暮らし方の一つのモデルケースになっていくことだろう。創り手が自然と共に生きている場所には気持ちのいいエネルギーが満ちている。とてものんびりと豊かで贅沢な時間を過ごさせていただいた。
野菜そのものがここでは一番のアーティスト。野菜の力をもっともっと信じていいんだなと思った。そして風楽でもまだまだできることがあると改めて思った。
入口にある田の神様はほほ笑みながら、この里と粟を訪れる人たちの幸せを静かに見守ってくれているかのようだ。

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January 14, 2012
今日一番最後にランチを食べていただいたカップルのお客様から結婚式をしたいというご相談を受けた。式は別の所で挙げ、別の日に友達を集めて会費制の披露宴のようなスタイルにしたいとのこと。日程は5月中にどこかの日曜日でというご希望だった。
結婚式となると貸し切りで一日仕事となるので、他のお客様にも早めに告知しなければならないし、お料理やお花、式の内容や進行など打ち合わせが必要なので、今日一日で全てが決められるわけではない。でももし本当いやっていただけることが決まったら、その日が二人のお披露目と門出にふさわしい最高の一日になるよう心をこめてお手伝いさせていただこうと思う。
お二人は誰かに紹介されたわけではなく、たまたまサイトで見つけて風楽にいらっしゃった。でもお話をしているうちに農家さんや友達など何人も共通の知り合いがいることが分かり、とてもビックリされていた。ダンナさんの方は子供の頃、古民家に住んでいたことがあるので、古民家への郷愁があり、いつか自分たちも古民家に住んでみたいし、こういう場所で結婚パーティを開けたらいいなと思っていたそうだ。
結婚式の仕事はとても楽しい。お二人の新たな人生の門出に立ち合わせていただけるということだけでも幸せだ。縁側の窓を全部外して、お庭にもテーブルを置いて、古民家をお花でいっぱいに飾って、美味しいお料理を大皿にたっぷり並べて・・・いつもとちょっと違った古民家での時間が創れたらいいなと思う。
ホテルのような規制は何もないので、この場所を一日自由に使っていただけたら嬉しい。まだ先の話なので、どうなるかわからないけれど、おそらく招待される方にも私の知り合いがたくさんいそうで、なんだかわくわくする。
今まで2回ほど結婚式の会場として風楽を使っていただいたことがあるけれど、どちらも思い出深く、忘れられない仕事になっている。一昨年の春の結婚式の時はスタッフ全員着物姿。ユウコさんに着せてもらって、似合うと煽てられ?その気になっていたのはいいけれど、いざ仕事を始めてしまうと、机を運んだり、ビールケースを持ちあげたり・・・いつも通りに激しく?動いてしまった。その結果、襟元と裾がどんどん崩れていき、その度にユウコさんから「エイコさんちょっと来て!」と呼び止められ、お直しをしてもらう始末。
慣れない着物で動いてヘトヘトになってしまったけれど、新郎新婦の笑顔とたくさんの祝福を間近にみることができ、こちらまで幸せになる一日だった。そんな宴のひとときをまた体験させていただけるなんて…とても楽しみだ。
写真は結婚式に合わせて数え切れないほど作ったフラワーアレンジメントの一つ。

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January 13, 2012
朝、ジュンコさんが「初ものですよ~」と持って来てくれたものは小さな蕗のとうたち。今朝は冷え込みが一段と厳しく、厨房の水道も給湯器のお湯も全く出ない寒い朝だったというのに、地面の下では春を迎える準備が着々と進んでいるようだ。
収穫作業の大好きなジュンコさんは季節を先取りするのが得意。確か去年も1月中に蕗のとうを摘んで持って来てくれた。日当たりのいい南側の土手にかすかに頭が出ているそうだ。目を凝らしてそれを探し、草をかき分け摘みとっていく。春の使者なのに、こんなに寒い冬のうちからウズウズと地表に飛び出してしまった気の早い子たち。まさか見つかるとは思ってもみなかっただろうに?ジュンコさんにかかったらお手上げだ。
まだほんの小さな蕗のとうなので写真に写しても芽キャベツのよう?だが、れっきとした蕗のとうだ。さっそく天ぷらにして、かなり早い春のほろ苦さを楽しませていただいた。
今日の古民家はヒマだったのでジュンコさんが実家から捥いできてくれた夏みかんの皮をむき、果肉を取り出して、ママレードを作った。厨房中、夏みかんの甘酸っぱいいい香りが充満していた。この時期ならではの季節の仕事だ。
去年の晩秋から軒下に吊るしておいた干し柿も完成したので、全部、取り外した。今までも少しずつ出来上がったものから取っていったのだが、ようやく全部、キレイに干し上がったので片付けることにした。渋柿がお日様の光と風によって、乾燥し甘くて美味しい干し柿になる。渋さの原因となる水溶性のタンニンが干すことによって不溶性に代わって渋抜きされる。何と糖度は生柿の4倍にもなるという。ビタミンCなどは抜けてしまうが、その分、食物繊維やカロチンなどは干すことによってかなり増えていく。
見かけはあまり美人ではないけれど、一口食べてその甘さにビックリ。古民家の軒先に干し柿がぶら下がっているのは何とも風情があるし、吊るしておくだけであの渋柿がこんなに甘くなるのだから、来年はもっといっぱい作ろうっと。
野山にあるものを収穫し、ちょっと手を加えて保存できるものにしていく。そんな季節の仕事ができるのも身近な場所に材料がたくさんある田舎に住んでいるからこそ。確かに手間はかかるけれど、自分で手塩にかけたものは何でも美味しく感じられるし、何よりも季節の恵みを暮らしの中で感じられるという楽しみがある。
仕事が終わってから、できあがったばかりの玄米甘酒を飲みながら、ジュンコさんは「来年は私も干し柿作りたいから、軒先貸してね!」。



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January 12, 2012
私の机の上のパソコンの前にちょこんと座っているマイiPhone。ソフトバンクのケータイの契約満了に伴い、昨日、機種変更をした。代理店に行っている時間がなかったので、息子に頼んで全て面倒な手続きをしてきてもらった。プランやサービス内容など何を聞いても、基本的なことがわかっていない私は内容があまり理解できない。なので、代理店で働いている息子に任せることにした。
息子に仕事が終わってから家に寄ってもらい、新しいiPhoneを受け取った。ケータイの電話番号やメールアドレスなどデータの移行や基本的な登録などもショップに行かなかったので、私のパソコンを通してやってもらった。その後、電話のかけかた、ケータイメール、パソコンメールの送受信など基本的な操作を教えてもらった。
今までのケータイではインターネットができなかったので、出先でもネットで調べ物ができたり、パソコンメールの送受信ができたらいいなと思っていた。私はゲームや遊びにケータイを使うわけではないので、必要際限のことができたらそれでいいのだが、何しろ、iPhoneには様々な機能が付いているのだ。
それを活用すればいろいろなことができそうだが、メカやITに弱い私は基本操作だけでも覚えるのが精いっぱい。星座の名前がわかるソフトと辞書だけはほしかったので息子に頼んで入れてもらったが、後は多分、宝の持ち腐れ?でほとんど使わない(使えない?)だろうなあ。
昨日の夜は12時過ぎまでマンツーマンの実演取り説?を聞いたのだが、今日になってメールを送信するのに、さてどこを開くんだったっけ?とわからなくなり、同じ機種を持っているあいりん堂さんの所へ行って教えてもらった。何しろiPhoneには紙媒体の説明書が付いておらず、マニュアルは全てネット上なのだ。それこそ「わからないことを調べる方法さえわからない」状態の人がきっと多いんだろうな(私だけか?!)。
それにあのタッチパネルがどうにもやりにくい。タッチしたつもりの文字がズレていたりして、何度も入力し直し。ただでさえ遅いケータイの文字入力がよけいに遅くなってしまった。
若い子たちはなんと軽快にiPhoneを使いこなしていることか・・・。使いこなせるまでまだまだ時間がかかりそうだが、家にはテレビもないので、ちょっとは文明の利器とも仲良くしなくっちゃ。

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January 11, 2012
最近、酒粕や甘酒を料理に使うのが面白くて仕方ない。本屋さんに立ち寄ったら、塩麹や甘酒、酒粕関係の本が料理本の中でもかなり増えていた。マクロビオティックという枠を超えて、発酵食品を積極的に摂りたいと思う人たちが随分と増えてきたようだ。寺田本家の蔵人なかじクンの新刊「酒粕のおいしいレシピ」もあったので、さっそく買ってきた。
昨日からまた玄米甘酒を仕込んでいる。今回は黒米を入れず玄米だけの甘酒にした。麹を加える時にほんの少々塩を入れることで、酸味が少し抑えられるかもしれないとある人から聞いたので、今回はそれでやってみた。幾分まろやかに仕上がったような気もするけれど、塩のせいか麹の量を増やしたからなのか、よくわからない。
発酵の世界は奥が深いので、まだまだ勉強することがいっぱいあるし、料理をしていても新しい発見があってとても楽しい。何より甘酒を毎日飲むことは腸内環境にもいいので、手作り酵素と合わせて、忙しい自分の健康管理には欠かせない。家の台所のいつも手が届く所に滋養のある飲みものがあるというのは嬉しいものだ。
なかじクンの本をめくっていたら久しぶりに家で料理をしたくなった。このパスタはホワイトソースを牛乳とバターを使わず、豆乳と寺田本家の酒粕(醍醐のしずく)で作ったもの。レンコンと玉ねぎ、小松菜など冷蔵庫にあるものを加えた。ほんのりとした酸味が旨みにつながっていく。そして何より発酵していることでアミノ酸やブドウ糖たっぷりの栄養豊かな食材に変化しているので、酒「カス」なんて言ったら申し訳ないなあと思う。
玄米を常食していても乳製品も好きな私だが、酒粕をうまく活用すれば、乳製品を使わないでグラタンを作っても満足できるかも?しれない。

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January 10, 2012
3日間連続のイベントが終わって一夜明けた今日はまるで嵐が去った後のような静かな一日だった。ヤワタホームの方も今日はお休みだったので、ガーデンビオンもひっそり。
お客様も少なかったので、今朝はいつもより入念に掃除をした。お祝いのお花を片付けたり、ガラス窓を拭いたり、床についたシミや汚れのようなものを雑巾で拭き取った。またトモちゃんにスリッパの裏側や椅子の足を拭いてもらったのだが、ほんの1カ月でもこんなに汚れるのだなとビックリ。
土足にしないでもこれだけ汚れるのだから、もし靴のままお店に入っていただいていたら、もっと土埃などで汚れていただろう。お客様にはちょっとご不便をおかけしているけれど、スリッパで入っていただくお店にしてよかったなあと思った。
毎回、メニューをお渡しする度に「サクレって何ですか?」と聞かれることが多いので、写真をメニューにお付けしようと思い、今日、スープとサクレのセットの写真を撮影した。サクレ(またはサレ)とは塩味で野菜の入ったケーキのことを言うのだが、まだその名前が一般的に浸透しておらず、説明してもわかりにくいので、写真の力を借りることにした。
写真は私の趣味でもあるけれど、特に料理の写真は撮るのが好きなので、撮り始めるとつい夢中になって何枚も撮ってしまう。このサクレはかなり写真写りのいい?料理だなあと思う。むらさき芋の存在がきいている。自分で育てたむらさき芋やさつま芋たちが今、風楽のご飯で大活躍してくれているので、ますます出来上がった料理たちが愛おしくなる。
来年はもっとたくさん植えよう・・・と思いつつ、こんなに忙しくなってしまって、春から畑仕事ができるのだろうかとちょっと心配。
掃除をたっぷりし、ケーキを焼いて、今日はトモちゃんと二人で「たまには早く帰ろう」と5時ちょうどに店を出た。早く帰れるって、なんだか嬉しい。

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January 09, 2012
ガーデンビオンのイベントの最終会。今日はにわとり広場の湯浅さんによる玄米餅の餅つきが行われた。以前、宗吾霊堂前でお店をやっている時も節分や収穫祭の時には臼と杵、かまどなどを持参して玄米餅の餅つきをしていただいた。湯浅さんが作る無農薬の玄米とみどり米を使って臼と杵でつく玄米餅はとても美味しく、貴重なものだ。
私はお餅を入れるけんちん汁を店にある一番大きな寸胴で昨日から煮込んでおいた。満杯に作ると汁がこぼれて車に乗せられないので、6分目ほどを作って、店についてから分量を増やした。今日はけんちん汁をふるまう時に私が厨房を離れるので、以前のスタッフだったミヤちゃんにも助っ人をお願いした。
お餅が付き上がる頃にはいつのまにか人が集まってきた。餅つきは午前と午後、2回あるので、午後の分が足りなくなっては大変と思い、午前中はちょっと控えめにけんちん汁をよそったら、午後の部のお汁は具だくさんになってしまった。プラスティックの使い捨て容器は使いたくなかったので、店や家中のお椀をかきあつめ何とか50椀揃え、足りなくなったら洗いに走ろうと思っていたが、なんとか間に合った。
風も強くならず陽射しも温かかったので餅つきにはちょうどよかった。久しぶりにいただいた湯浅さんの玄米餅はどっしりとしていて密度が濃く、とても美味しかった。調子にのって最後に残ったお餅を4個も食べてしまったら、お腹がいっぱいになって帰ってからも夕飯は抜き。
連休最後の日だったので、お客様の引けは早く、午後の餅つきの後は、厨房の片付けに入った。この3日間、本当にたくさんの方に来ていただき、厨房は大忙しで嬉しい悲鳴をあげっぱなしだった。開店早々から、こんなにたくさんの方に来ていただけるカフェも珍しいだろう。なんて恵まれた条件の中で仕事をやらせていただけるのだろうと八幡さんには感謝の気持ちでいっぱいだ。願わくばオーガニックという価値観が食から衣へ、そして住へとつながり広がっていきますように。ここには未知の可能性があるので、この場所からこれからもいろいろなことを発信していけたらと思う。
古民家の方も合わせて営業しつつ、仕込みを2店舗で連携させながら、スタッフとも協力し合い、ビオン風楽での初めてのイベントが無事に終わってほっとした。お祭りが終わり、明日からはまた静かな日常に戻る。お正月明けの1月と寒くなる2月は飲食店にとって最も厳しい時期だけど、がんばらなくては。
*最後の写真は午後の餅つきが始まる前にこっそりとボールで味見?をしているところをスッシーに写されてしまった。



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January 08, 2012
今日、私は古民家の方で仕事。ガーデンビオンはイベントの中日。気になって仕方がないけれど、こちらで仕事しながら向こうの分の仕込みもしなければならないので、ビオン店の方はスッシーとミホちゃんに任せることにした。大変だとは思うけれど、厨房を回すのは習うより慣れろで行くしかないので、これもいい経験になるかと思う。
6日に寒の入りして以来、晴れてはいるけれど寒い日が続いている。特に今朝の冷え込みは厳しかった。今冬初めて室内の水道が凍結した。古民家生活3回目の冬ともなると、水道の蛇口にできたつららを見ても驚かなくなった。和室に置いてあるにゃんこたちの飲み水入れもバリバリに凍っていた。ストーブを付けてもその前だけは温かいけれど、部屋は全く温まらないので、しばらくストーブの前から離れられなかった。
でも今日はこちらでもやることが山積みなので、汲みおきしてあったやかんの水を沸かし水道管にかけて早々に仕事を開始した。
ビオン風楽の方はフロアだけでなく厨房の中も温かい。多分、23~25度くらいはあるだろう。でも夜、古民家に帰って来る時はたいてい3度から5度あればいい方だ。移動の時間はあるものの、日々20度の温度差の中を行ったり来たりしていることになる。温かい場所に体が慣れてしまうと、帰ってからの寒さが妙に身に染みるが、極寒生活?をしていると自分の中のホメオスタシスが活発になっていくようだ。
寒いことには変わりがないのだが、いざ仕事を始めると寒さも気にならなくなっていく。にんにくや生姜、玉ねぎを刻んでスパイスを計り、カレーを火にかけて煮込み始めてから定食の支度に取りかかった。
昨日は古民家の方も忙しかったようで、あっちもこっちも何にもない状態。定食の支度の合間を見てケーキを焼いたり、明日のふるまい用のけんちん汁を煮込んだり、甘酢漬けを漬けたりと忙しかった。
今日もビオン風楽は大忙しだったようだ。スッシーから何回か電話があった。自分の判断でどこまで決めていいのか・・・自分のことであれば、即答できるのに、私に聞かなければならないなんてやりにくいだろう。人に任せる時の仕事の方法というのは、まだ私にとっても未知の分野なので、これから話し合いながら方法を模索していくしかない。
明日はビオンのイベント最終日。私は終日ビオンにいます。風楽の店頭では高田さんの米粉パンの販売が、11時と3時には「にわとりひろば」の湯浅さんによる玄米餅の餅つきがあります。有機野菜で作ったけんちん汁と一緒に合わせてお召し上がりください。
*写真は今日の定食。夏みかんとキャベツのサラダが美味しかった。

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January 07, 2012
今日から3日間、ヤワタホームガーデンビオンで、あいりん堂さんと風楽がオープンしたことを記念するイベントが開催される。2店舗が大きく紹介されたキレイなカラーチラシを作ってかなり広範囲にわたって新聞折り込みをして下さった。期間中、ヤワタホームの方ではモデルハウスの見学会を行っている。
今日はその第一日目。今日と明後日は私がビオンの方を担当する。朝一番で、昨日、摘んだ野草やカブや大根の葉をさっと茹でて、じっくりと焚いておいた玄米粥に加え七草粥を仕上げた。何とも優しい味のお粥になった。口にした瞬間、体にスーッと溶け込んでいく滋味のあるお粥だった。ゴマ塩との相性もピッタリ。玄米をぐつぐつと煮て手間はかかったけれど、それだけのことはあった。
今日のランチプレートの玄米は全て七草粥にした。早めに行って準備をしたのだが、10時半頃からランチのお客様がいらして、その後も次々にお客様が来て下さり、もう大忙し!
ほとんどの方が七草粥のランチプレートをご注文下さり、たっぷり作ったランチは全て完売。スッシーと3時半頃、ようやく有り合わせの物でご飯を食べた。改めてお粥の美味しさに二人で感動しながら味わった。大鍋で煮たのにほんの少ししか残らなかったが、たくさんの方に食べていただくことができとても嬉しかった。
それにしても今日のお客様の数はオープン以来最大となり、スッシーと二人で驚きの声をあげたほどだ。これを二人でやったなんてスゴイ!ただ、回していくことに精いっぱいで、あまりに忙しすぎてお客様とほとんどお話できなかったのが残念だが。
易占の沢さんとも久しぶりにお会いすることができたが、会場が風楽の中ではなく、ビオンの多目的ホールの方だったので、私は忙しくて抜け出せず今年の年運を見てもらうどころではなかった。
明日は房総祭り寿司の体験が11時と3時に多目的ホールの方で行われる。今回は梅の花の巻き寿司を作るので、私も参加したいが、明日は古民家の方でご飯を作るのでここから離れられない。お時間のある方、ぜひご参加ください。なお定員に限りがありますのでご希望の方はお電話でご予約ください。

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January 06, 2012
今年最初の金曜日なので今日から古民家の営業が始まった。12月からガーデンビオン風楽と古民家の方を行ったりきたりしているけれど、初日の今日は古民家の方を担当することになった。休み明けは毎度のことながら何もないので、仕込みが忙しい。
ケーキを3種類焼いたり、玄米のお粥を焚いたり、昨夜から玄米甘酒をしかけたり、明日から始まるガーデンビオンでのイベントに合わせて、準備するものもいろいろあって、お客様は少なかったけれどやることは山積みだった。
明日は正月の7日なので七草粥の日に当たる。玄米の七草粥をお出しするので、昨日の帰りに七草のセットを見本代わりに一パックだけ買ってきた。
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、仏の座、スズナ、スズシロ・・・春の七草の名前は頭に入っているけれど、パックの中の七草を並べ改めてどんな草か確かめてみた。スズナはかぶ、スズシロは大根の葉のことなので、これはおかげさま農場のものを使える。
ジュンコさんと七草を見ながら、ナズナはペンペン草、ゴギョウは母子草だったんだね~と納得。店を早めに片付け、二人で庭に出て、小さな七草たちを探し歩くことにした。ペンペン草はほんの2センチほどの短いモノが何本か、母子草も小さい芽が数本あっただけ。春になったら群生するほど生えるのに、さすがにこの時期はまだ少なかった。でもハコベラ(ハコベ)はよく見るとあちこちに自生していた。
朝は真っ白に霜が降りるので、この時期、庭には使える草なんてないかなと思っていたが、こんなに寒い中でもハコベは元気に育っていた。
3時頃になると西日が差し込み裏の畑はとてもキレイだ。子供の頃、よくこうやって草を摘みながら遊んだよね~、改めて七草を探してみるのもいいもんだね・・・なんてジュンコさんと話しながらのんひりと若菜摘み。久しぶりに昼間の古民家で過ごし、キラキラとした陽射しの中に身を置いているだけでも気持ちよかった。
七草には仏の座の名前があったので、まだ花の咲いてない仏の座の若芽もたっぷり摘んだ。でもパックの中には仏の座らしき葉が入っていなかったので、おかしいなと思って後から調べてみたら、七草に入れるのは私たちが摘んだ仏の座(シソ科)とは違うもので、コオニタビラコと呼ばれるキク科の草だということがわかった。
七草のこと、知っているようで案外知らないものだ。でもこうして寒さの中でも元気に育った身近な野草たちをじっくりと時間をかけて作ったお粥の中に入れて滋養をとるなんて、昔の人たちがやってきたことはなんだかとても豊かで理にかなっている。
今は野菜でも何でも、あまりにもいろいろなものがお金さえ出せば季節を問わず簡単に手に入るので、足元にある野草たちに目を向けることも少なくなってしまった。でも撒いたわけでもないのに、勝手に種を落とし、肥料をあげたわけでもないのにぐんぐんと成長し、何代も自生しているや野草たちの力をもう少し見直してみてもいいかもしれない。ふだん見向きもしない雑草たちで七草粥ができるなんてスバラシイ!
明日のランチプレートは七草粥をお付けします。お正月料理で疲れた胃腸をちょっと労わってあげられるといいですね。
なお明日は10時から5時まで宗吾霊堂の店の時に易占を何度もやって下さった澤 萃花(たく すいか)さんが久しぶりに易鑑定をやりに来て下さいます。私も一時期、易を勉強したくて澤 さんに習っていましたが、易はあまりに奥が深く難しい世界なので、こんな忙しい状況ではとても習いきれないと諦めてしまいました。でも易はマクロビオティック同様、陰陽を基本にして宇宙の真実を知る一つの道しるべとなることは確かなので、現実に即したよいアドバイスが得られることと思います。よかったら今年の運勢を占ってみませんか?(30分3000円・ガーデンビオン多目的ホールにて)。
風楽では七草粥のランチの他、先ほどようやく出来上がった黒米と玄米で作った甘酒もご用意しています。
この連休はどうぞガーデンビオンにお出かけください。

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January 05, 2012
今日は北風が冷たくて寒かった~!そのせいかお客様は少なく開店以来最低記録。でも久しぶりに仕事はスッシーと二人のシフト。掃除を早々に済ませ厨房の仕込みを手伝ってくれた。3月までに風楽の料理をある程度一人でも作れるようになりたいという目標があるそうだ。若い男の子が美味しい料理を作ってくれるカフェは素敵なので、これからどんどんスッシーを鍛えなくては?!特にこの1月から夜の営業はスッシーが中心になってやっていくので、彼なりにあれこれメニューを考えているようで楽しみだ。
仕事の合間にもたくさん話した。スッシーとは話し始めるとあまりにも共通キーワードが多いので、話が止まらなくなってしまう。娘と同じ年の若者がこんなにも自分の将来のことを、ビジネスのことを、日本の農業のことを考えているなんて・・・話す度にいつも感動してしまう。
今週末の7~9日はヤワタホームの新春イベント。スッシーの紹介で8日は房総太巻き寿司の講習会が行われるのだが、今日はその講師の方が下見を兼ねてお昼を食べに来て下さった。美味しい多古米で梅の花の卵太巻きを一本作ってお持ち帰りできる楽しい講習会で参加費は1000円。11時と3時の2回開催。定員に限りがありますので、ご希望の方はご予約ください。カットした太巻き寿司は風楽の店内でも販売する予定です。
このほか、7日限定で七草玄米がゆ、手作りの玄米甘酒もご用意しています。9日は玄米餅の餅つきをし、有機野菜で作ったけんちん汁にお餅を入れたふるまいもありますので、どうぞ皆さん、遊びにいらして下さい。なお今週末の金土日は夜の10時まで営業しています(ラストオーダーは9時)。
写真は厨房で仕事をしているスッシーの姿を客席から写したもの。なかなかいい感じ・・・?

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January 04, 2012
あけましておめでとうございます。
年末からお正月にかけて大好きな沖縄で過ごしてきた。特に去年の12月は新しいお店の開店直前に父が亡くなり、慌ただしい中で見送り、そして開店という忙しい日々が続いたので、時間に追われずパソコンやケータイとも無縁の気ままな休日を過ごせてほっとした。
私のことをとても可愛がってくれたけれど、父はとても厳しい人だった。だから私にとって父は絶対的な存在だった。私とは住む世界や価値観があまりにも違うので、長い間、気持ちが通じ合えないもどかしさを感じてはいたけれど、でもふり返れば私は父にいつも守られてきたような気がする。
だから新しいお店ができることも父は深い意識の底でずっと見守ってくれていたのではないかなと思う。誰かが誰かを思う時、そこに祈りが生まれる。その祈りは決して目には見えないけれど、優しい光となって相手を包みこむ。守られていること、愛されていること・・・誰かが自分をそうやって支えていてくれるからこそ、人は生きていられるのではないかな。
もう安心して逝けると思った瞬間を見計らって父は旅立っていったのだろう。でもだからと言って見守ることが終わってしまったわけではなく、形を変えて新たな祈りがまた始まっていく。だから私は大丈夫。父から受け継いだ命(祈り)の連なりの中で生きていける・・・見送りの時、そう確信できた。
沖縄は女神の島だ。
久高島にアマミキヨが降り立ち、琉球と言う国創りを始めた。久高島は斎場御嶽の東に位置し、ニライカナイ(海のかなたの理想郷)につながる聖地だ。何かの建物があるわけではないけれど、御嶽(うたき)という形で森の中に様々な拝所(うがんじゅ)が今も残っている。太陽や海や木や風の精霊と共に人々は祈り生きてきた。私はそんな御嶽を巡るのが好きだ。
今回で3度目の久高島。この場所でどれだけのノロ(祝女)が手を合わせ祈りを捧げてきたのだろう。祈りは言霊となって辺りを包み、御嶽は今もなお神秘的な気配に満ちている。
沖縄でも魂はニライカナイからやってきて、肉体が滅びた後、再びニライカナイに還り、守護神になると言われている。カトリックではそれを天国と呼び、永遠の命を授けられると言う。道順や道標は違っても目指す方向は同じなのだと思う。ちょうど2011年の大みそかに久高島に行けたことも決して偶然ではないのだろう。
深い原生林のような山や海辺の御嶽を回りながら、私自身の中に何か新しいエネルギーが生まれてきたような気がした。
それを新しい年に向けてどう生かしていけるのだろうか。何気ないことに対する愛や祈り、そして日々の暮らしへの感謝の気持ち・・・そうしたものを忘れずにいる一年にしたい。
いつまでも青い空を眺めていたかったけれど、旅先で幸せな時間を過ごせるのは、今、自分の置かれている毎日を大切に過ごしているからこそだ。私は旅が大好きだ。だから旅を現実逃避の場にすることなく、現実へのよりよい循環となるような機会にしたいといつも思う。
いよいよ今日から仕事始め。休み明けの一日目はやることが山積みで忙しい。お店の方もゆっくりと少しずつ途切れることなくお客様がいらしてくださって、お正月明けの初日だというのにランチプレートは完売。いいスタートだった。
この一年が皆さまにとっても良い年になりますように。どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
*写真は帰りの飛行機の中から写した雲の上の夕陽。まるで龍のよう。

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