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January 17, 2012

「粟(あわ)」~大和野菜でおもてなし~

「あ」という言葉の語源は始まりを、「わ」という言葉は調和を表す。それを組み合わせ「粟(あわ)」という名前が付けられた。古民家で大和伝統野菜たっぷりのランチが食べられる人気の店「粟 ならまち店」。その母体となるのが郊外にある「清澄の里 粟」だ。
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「粟」では大和伝統野菜や海外の伝統野菜を100種類ほど栽培、保存する地域のNPO「清澄の村」と提携し、店で使う野菜を始め、雑穀、豆、米などほとんどの食材の自給しているという。
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まさに私が理想とするところの第六次産業をみごとに実践している飲食店だ。しかも地元の農家さんたちの集まりである「五ケ谷営農協議会」との関わりも深い。
第六次産業とは生産(第一次産業)、食品加工(第二次産 業)、流通、販売(第三次産業)を合わせたもの(1+2+3=6)で、生産から流通までをトータルで一つの産業にしていこうというプロジェクトだ。
農業者が主体的かつ総合的に関わることによっ て、加工賃や流通マージンなど、今まで他次産業に流れていた経済の動きを生産者そのものに還元し、農業や農村を活性化させていこうと農水省も推奨している。
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二日間のお休みを利用し、奈良へ足を伸ばし、四季折々の風景を見ながらゆったりと食事ができる農家レストラン「清澄の里 粟」に行ってきた。一日20組。予約のみのランチだ。清酒発祥の地正暦寺に隣接する奈良市高樋町は万葉集でも「清澄の里」と詠まれ、今でものどかな田園風景が広がっている。高台にあるログハウスのような木の建物には大きな窓があり、大和盆地が目の前に広がる。飼っているヤギくんたちも時々、窓のところにやってくる。足を投げ出し本を読んだり、壁に寄りかかったり、ヤギくんにご飯をあげたり、食事の後ものんびりゆったりとくつろげる。
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食材に使われる大和野菜や雑穀が店内のあちこちに飾られている。テーブルの上にもその日に使われる色とりどりの野菜たちがオブジェのように並んでいる。どれも本当に可愛らしく絵になる。
その野菜たちをふんだんに使って、少しずつお料理が運ばれてくる。一つ一つの野菜の名前を確かめながら、ゆっくりゆっくり味わいながらいただく。一回のランチで50種類ほどの野菜が使われているそうだ。
素材やコンセプトは同じでも、こちらののんびりした雰囲気とは異なり、奈良町の方の「粟」は観光エリアの中にあり、昼から夜まで営業。人の出入りも多くアンテナショップ的な役割を果たしている。どちらで食事をしたいか、お客様が選べばいい。それぞれのスタイルが求められてるのだろうなと、私も2件の店をやりながら同じことを考えている。

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お料理は素材の色や味を生かすためか味付けは意外とシンプルで素朴なものが多かった。でもどれにも手がかかっている。何よりも野菜の色が美しかった。野菜を愛しているのだなということが伝わってくる。
帰りがけに代表の三浦さんとほんの少しだけお話することができた。力まず自然体で自分たちのこうありたいというライフスタイルをそのまま事業に投影している人だなと思った。そのコンセプトや思いは風楽と通じるものがあるので、ものすごくよくわかる。でも私はまだまだ形にできていないことがたくさんある。
店舗の経営の他、店のスタッフと一緒に自らも畑を耕しているという。これからの働き方、暮らし方の一つのモデルケースになっていくことだろう。創り手が自然と共に生きている場所には気持ちのいいエネルギーが満ちている。とてものんびりと豊かで贅沢な時間を過ごさせていただいた。
野菜そのものがここでは一番のアーティスト。野菜の力をもっともっと信じていいんだなと思った。そして風楽でもまだまだできることがあると改めて思った。
入口にある田の神様はほほ笑みながら、この里と粟を訪れる人たちの幸せを静かに見守ってくれているかのようだ。


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