« もちきびぜんざい | Main | ショップカード完成 »

January 22, 2012

魯山人と星岡茶寮の料理

昨日の夕方、閉館直前の図書館に飛び込み、リクエストしてあった「魯山人と星岡茶寮の料理」(柴田書店)を受け取った。新聞の広告で見つけて読んでみたいなあと思っていた本だ。
魯山人は元々は篆刻作家であり書家としても活動していた。自ら器を焼き、料理を作り、美食家と呼ばれていた。星岡茶寮は千代田区の日枝神社の土地の一部を買い上げ、明治から大正にかけて上流階級の社交場としてお茶会や食事会などに利用されていた場所。
関東大震災後、残った建物を魯山人が借り受け、美食倶楽部として会員制の料亭となったが、最後は彼の素行が原因で経営者から解雇を言い渡され、茶寮を追放されてしまう。
この本は当時、魯山人が腕をふるって作った料理を現代の料理人が再現したもの、さらに魯山人の器に盛り付けた料理などが紹介されている。料理は今もなお魯山人の器や調度品を愛用しながら、料理を作り続けている料亭の方たちが担当。
表紙の写真は大正12年に「主婦の友」に寄せた「手軽で気の利いた家庭的客膳」の中の一品「白汁魚王」。「鯛の頭を半割にして酒だけで蒸し、酢醤油で。白濁した汁をちりれんげですくって食べれば中華風」というコメント付き。
私が一番印象に残ったのは紀尾井町にある「福田屋」の前料理長牧内淳治氏の作ったお料理(写真下)。魯山人の30センチ角の絵瀬戸四角鉢に並べた口代り(酒の肴として何種類かのお料理を少しずつ一皿に並べたもの)。
川鱒木の芽焼き、筍寿司、蕗のトウの揚げ田楽、青串差し(アンコウ煮凍り、巻海老、ウド紅梅煮、ちしゃのトウ西京漬)、黒豆千代呂松葉差しなど本当に美しい。
言いたいことを相手かまわずズケズケと言い、奔放で放蕩な人生だったかもしれないが、魯山人の器は独創的でありながら、料理を盛り付けた時、器の我が邪魔にならない。そして料理がしっとりと落ち着き美しく見える。今まで魯山人の器を単なる陶芸作品として見てきたけれど、料理との組み合わせてこんなに生きたものになっていくなんて。
手の込んだ懐石料理を盛り付けた魯山人の器はため息が出るほど美しい。懐石料理は本当に奥が深く日本の手仕事であり芸術だと思う。料理も器も見ているだけで楽しい写真集。
それにしても大正時代から料理を追求し、器を焼き、レシピを雑誌に発表するなんて、やっぱり魯山人は破天荒だけど時代の先を歩いていたのだと思う。まだまだ魯山人について知らないことばかりだけど、もっと彼の作品を見てみたくなった。
Dscf7768_2

Dscf7769

|

« もちきびぜんざい | Main | ショップカード完成 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/78167/53800522

Listed below are links to weblogs that reference 魯山人と星岡茶寮の料理:

« もちきびぜんざい | Main | ショップカード完成 »