カフェ・ラ・ファミールと春風萬里荘
昨日の夕方から水戸の友達の家に泊まりがけで行ってきた。20年来の友人で毎年一回はお互いの家を行ったり来たりしている。昨年の震災の時、彼女の住む地域は震度6を記録し、かなり大きく揺れたらしい。3年ほど前に建てた家が地震によってやや傾いたそうだ。
お互い仕事をしているので、泊まりに行っても次の日の朝は慌ただしく仕事に向かうことが多いのだが、今日は彼女も休みを取ったので、お花見がてらゆっくりドライブすることにした。
まずはずっと行きたいと思っていた結城市の「カフェ・ラ・ファミール」へ。11時半の開店時間のちょっと前に到着したのだが、すでに車が何台か止まっていた。ドアを開けて中に入った瞬間、白いペンキで統一されたフランスの片田舎風の店内の雰囲気に惹き付けられた。何とも可愛らしいのだ。その中にアンティーク風の木の椅子やテーブルが並んでいる。メニューを見ている間も次々に入ってくる人がいて、あっという間に席が埋まってしまった。キッシュとスープのセットプレートとそば粉のガレットのランチをそれぞれ注文し、シェアして食べた。
以前、風楽を取材して下さったカメラマンの方が「カフェ・ラ・ファミールさんの世界観は本当に統一されてますよ」と話していた。実際、ランプや椅子やちょっとした小物に至るまで、バラバラなものが集まっているのだが、どれも店内の雰囲気にピッタリでとてもオシャレ。お向かいの雑貨屋さんもお隣りにある美容院も同じイメージで作られており、普通の住宅地の一角に一つの世界が出来上がっていた。
途中、笠間にも立ち寄り、笠間稲荷にお参りをし、春風萬里荘へ。北大路魯山人が星岡窯の母屋として住居兼アトリエに使っていた江戸時代の萱ぶき屋根の古民家を北鎌倉より移築したものだ。周辺には洋画家や彫刻家、陶芸家などのアーティストが移住しており、芸術村と呼ばれている。
居間や座敷などは魯山人が住んでいたままに残されており、彼のコレクションと共に展示されている。また魯山人自ら設計し、安息所として使用していたと言われる茶室「夢境庵」も残されており、障子を開くと庭園が茶室から見えるようになっていた。「美的空間で日常座臥を満たさねば、美しいものを生み出せない」という魯山人の声が建物のどこからか聞こえてきそうなこだわりのある和室だった。
美しく整えられた庭園の花たちはまさに開花寸前。それほど広くはないけれど、枯山水の石庭や山門など、古いものが丁寧に再現された静かで落ち着ける場所だった。古い和風住宅は何て趣があるんだろう。
雨が降って残念だったが、友達とあれこれおしゃべりしながら車を走らせ、楽しい一日を過ごすことができた。
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