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August 10, 2012

五條~白浜~那智勝浦へ

お休みを利用して大好き奈良から和歌山へ行ってきた。
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奈良の五條市の一角に江戸時代の面影が残っている街並みがある。その中には建築年代がわかる民家で最も古いと言われる栗山家の住宅(1607年築)があり、国の重要文化財に指定されている。そんな五條を愛し町おこしを続けている有志が会社を立ち上げ、古い町屋をリノベーションし、宿泊施設とレストランを経営していると知り、いつか訪れてみたいなと思っていた。
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今回宿泊したのは大正時代の数寄屋建築の離れと蔵のある「やなせ屋」。古いものが大好きな私にとって、時を経たものが、今もなお生活の中に溶け込んでいる姿を見るのは喜びだ。雪見障子や書院造り、欄間、天井板など一つ一つにぬくもりを感じる。とても美しく再生された建物で落ちつく空間になっていた。
歪んだ窓ガラスからは吉野川や熊野へと続く山並みが見える。天河弁財天十津川村高野山、吉野、熊野・・・と世界遺産に登録された紀伊山地の霊場と参詣道へと足を伸ばす拠点としても便利な立地だ。その周辺には何度か行っているけれど、私にとっては何度も行きたくなる特別な場所だ。
五條の古い街並みを散歩し、次の日は空海の母が晩年住んでいたと言われる女人高野慈尊院と、高野山の守護神である丹生都比売(にうつひめ)神社へご参拝。空海が高野山を開祖する時、一番最初に守護神として丹生都大神と高野御子大神を祀る社を建てたという。これが日本における仏教と神道との習合の始まりと言われている。

丹生都比売の「丹」は丹砂の鉱石から採れる朱を意味し、古来、朱には魔よけの意味があったそうだ。丹生都比売は丹砂を支配する一族の氏神でもあった。また高野御子大神の化身が黒と白の犬を連れた狩人となり、空海を高野山へを導いたと伝えられている。そんな謂れを読んでいたので、高野山に行く前にお参りしたいと思った。
その後、高野山を抜け、白浜、那智勝浦へ。Dsc04560


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勝浦温泉に宿泊してから次の日は那智の滝(飛瀧神社)と熊野那智大社へご参拝。大社のご神体である荘厳な滝の気配を間近で感じ、心洗われる思いがした。前回歩かなかった滝から大社への石畳の道を上ってご参拝へ。大社から三重の塔と那智の滝が並んでよく見える。自然の造形美一つ一つも全て計算した上で、この聖地が構成されているのではないかと思えてくる。
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山と海両方に囲まれたこの美しい土地を神さまは選んで降りて来られた。一体どれだけの人たちが、どれだけの思いを持って、この険しい場所まで歩いてきたのだろう。豊富に湧き出るお湯に体を沈めて休み、澄んだ湧き水で喉をうるおしながら、この山道を歩いてやってきた。
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その古道の石畳に苔が生え、木々は天に向かって枝を伸ばしていた。山は深く緑が迫ってくるようだ。昔の人たちもきっと同じものを見て、この場所に何か感じるものがあったのだろう。時を越えて同じ思いを共有できることの喜び。なぜだかわからないけれど、私もまた古い神社仏閣を見て回ることがとても好きだ。そして特にこの周辺の場所にはとても惹かれる。
今回もまたとてもいい時間だった。古来の土地からパワーをいただき、自分の中にうまくそれを取り入れながら、また元気な毎日をおくりたい。
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