阿羅こんしんさんの行脚展
先日の満月瞑想会に参加して下さった書表現作家の阿羅こんしんさんの作品展が11日まで芝山にある花と緑の農芸財団の「和い処」で開催されている。
私も筆を持って字を書くことが好きなので、気に入った詩や言葉を自由に書いては楽しんでいる。その時の感覚にそって選んだ何気ない「言葉」を、自ら筆を持ち思いをこめながら「書」で表現する。それを自分の近くに置くと、とても温かい気持ちになる。うまい下手ではなく、その時の自分自身がそこに投影されているので、一つ一つの作品がとても愛おしいのだ。
そんな思いで書をマイペースで楽しんでいる私は、他の方の作品をみせていただくことも大好きだ。
瞑想会の時、こんしんさんとほんの少しお話させていただいた。お坊さんのような方だなと思った。そしてきっとこの方が書かれた作品は優しさにあふれているのだろうなと思った。
今日は以前のスタッフだったアリミちゃんとレイコちゃんと一緒に古民家でランチをしようと約束していた。お天気がよかったので、庭のウッドテーブルに食事を並べて、ランチをしていたら、ちょうどヒーリングの大花さんが来た。以前、スタッフ同士で大花さんとヒーリングアートのワークショップを何回かやっているので、急きょ大花さんもランチに加わった。
「今、目の前にイヤだなと思う相手がいたとしたら、それはまさに自分自身の投影なんだよね」という話をした。そのことからいろいろな話に広がっていき、結局最後は愛の話になり、みんなで泣いてしまった。いつもそうなのだ。誰かが道をちょっとだけ見失っていたとしても、魂の深い交わりのある人たちと話をすることで、不思議と会話の中にその時必要なメッセージが出てくるのだ。今日集まったのもそのことをみんなで確認するためだったのだろう。
生きていくために必要なヒントはいつも自分のすぐそばにある・・・。
そんな話をしたので、みんなが帰ってからこんしんさんの作品を見に行きたいと思った。こんしんさんは毎年、「ことばと書」行脚展と題し、全国を旅して回っているそうだ。そしてその年の一番最後に、自分にとってゆかりのある芝山の花の里で行脚展を締めくくる。
作品は筆を持ってその時に思いたった言葉を絵と一緒に書く留めていくそうだ。ほんわかと優しい気持ちにさせてくれる作品だった。特に母と子の愛が作品の中心となっている。
こんしんさんは大友慶次というご本名で「善き<隣人>へのオマージュ」(樹心社)という本も書かれている。高校を休学して施設で障がいのある人たちと一緒に暮らしたことがあるという。大学卒業後は障がい者の施設で働きながら様々なボランティア活動やチェルノブイリへの支援などに関わり、大学で教鞭をとっていたこともあるそうだ。
ネットで大友慶次さんの著作を検索していたら、「大友氏の根底にあるのは『“少数者”こそ、未来を切り劈(ひら)く人々である』という思想だ」。そして「少数者とは、障害者はもちろん、老人、病人などの社会的弱者である」という言葉に出会った。
「だれでもいつの日か、他人の助けなくして生活していけなくなる。そのとき味わう悲しみと辛さを一番知っている少数者こそ、人間の不幸を救済できる唯一の友人である」そして「現在“強い者”として生きる人たちが、将来“少数者”の悲しみを味あわぬために、少数者を大切にする若い世代を育成しなければならない」と。
この言葉を読んだ時、こんしんさんの作品の根底に流れている愛と優しさが、どこからくるのちょっとだけかわかったような気がした。
花の里のお座敷で作品を見ながらお茶をいただき、いろいろお話させていただいた。いつもニコニコとした優しい笑顔の方だ。置いてある作品は自由に写真に写してかまわないとのこと。
さっそく花の里を背景に、一番気に入っている作品を写させていただいた。「こころの畑に花を播く」素敵な言葉だ。今日はいっぱい種まきができた日だ。
こんしんさんの作品展は11日まで。こんしんさんは期間中、会場にずっといらっしゃるそうですのでぜひお話して下さいね。
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