« 古民家雪化粧 | Main | 料理教室 »

January 17, 2013

橿原神宮

久しぶりに奈良に行った。初代天皇であると言われている神武天皇を祀るために明治天皇が創建した橿原神宮をご参拝した。周囲は橿原公苑として緑が多く残る広大な敷地。いつ訪れても静謐で美しく整った神社だ。大きな丸太杉の鳥居をくぐり、白玉砂利を歩いて畝傍山に抱かれた本殿へと向かう。本殿は京都御所から移築されたそうだ。
左右に回廊が長く伸びた広い外拝殿は檜皮葺きで素木造り。初詣客は春日大社を抜いて奈良県でもNo.1だと言う。それだけ多くの人が訪れても俗世の垢や埃とは無縁の清らかな気配を保つことができるのは、何十万本という樹木に囲まれた深い緑がご神域として残っているからだろう。
年末に古事記を読んで伊勢神宮に無性に行くたくなった。何度かご参拝しているが、何かの折にふと行きたくなるのだ。泊まる支度をして家を出たのだが、大和の地に足を伸ばし、そのまま留まって橿原神宮をご参拝することになった。
お参りした後、隣接している深田池のベンチに腰を下ろし、水鳥たちを眺めながら、夕方、翳り行く前の陽の光をゆっくりと浴びた。穏やかで静かな時間だった。その瞬間、今回は伊勢神宮ではなく、ここに呼ばれたのだなと思った。いつもご参拝する時は、はっきりとどこの神社を回るとは決めていない。でも結果的に自然な流れに任せて行った場所が、後になって一番よかったということがよくある。
伊勢神宮の荘厳な気配とは違って、広大でありながら静かで落ち着いた気配の橿原神宮が今回の私にはきっと合っていたのだと思う。
奈良町を歩き、半世紀にわたって大和の写真を撮り続けてきた写真家入江泰吉の美術館にも行った。明日香川や大和三山など万葉集の舞台になった場所と私が実際に歩いた場所とがつながって、一瞬、私も太古の時代に引き戻された。古代の人たちが見たであろう夕陽や月の光、吹かれたであろう風の匂いを感じた。彼らの息づかいが聞こえてくるような写真だった。
始まりの地、始まりの社。ここで生まれ育った入江泰吉が大和にこだわってレンズを向け続けてきた気持ちが少しだけわかったような気がした。やっぱり奈良は私にとって特別な場所だ。

Img_0568


Img_0567


Img_0566


Img_0569

|

« 古民家雪化粧 | Main | 料理教室 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/78167/56572984

Listed below are links to weblogs that reference 橿原神宮:

« 古民家雪化粧 | Main | 料理教室 »