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February 28, 2013

カフェで瞑想会

一昨日古民家での瞑想会が終わった後、大橋住職が「明日、千葉のカフェでも瞑想会をやるんだけど、一緒に行かない?」と誘ってくれた。Facebookで古民家での瞑想会を知った方から千葉でもやってほしいと頼まれたそうだ。
いつも古民家の瞑想会に来てくれるノリちゃんも行くという。なんだか面白そう。不思議な組み合わせの?3人組が住職の車に乗って出かけてきた。
場所は千葉の駅近くにあるainowaというカフェだ。都市型のカフェの店内でどんな感じの瞑想会になるんだろうとわくわくしながら古民家から月輪観のパネルと座布団を持参して参加。
店内に入るとすぐ正面にケーキの並んでいるショーケースがあり、なんとなく可愛らしい雰囲気のカフェだったので、ここで瞑想会?と最初はピンとこなかった。でも椅子を動かし、月輪観のパネルを掲げて参加する人たちが座り始めると、だんだんと会場らしくなっていった。人数は10人ちょっとだったけれど、驚いたのは集まっているメンバーがとても若かったこと。中にはお勤め帰りなのか背広姿の方もいた。
メンバーがどうあれ、会場がどうあれ、時間になると大橋住職はいつもと変わりなくゆっくりと月輪観について話し始め、光明真言の解説をし数息観へと導入。そして店内の灯りを落として瞑想に入っていけるよう声かけをしていった。
今回、私は主催者ではなく純粋に参加者の一人だったので、いつもより瞑想に集中しやすかった。お座敷ではないのでソファの上に半結跏跌坐をし、店の入り口のガラス戸からは時折車のヘッドライトの光が差し込んでくる。それでも始まってしまえば、そんなこともいっさい気にならなくなった。
終わった後、参加した人たちの自己紹介を兼ねて感想をシェアし合った。自分を見つめ静かな時間を持ちたいと瞑想に関心を持っている人たちがここにもたくさんいた。
私が一番思ったことは、どんな場所であってもどんな形であっても、自分自身の中心軸をきちんと持っていれば、いつでも静かな世界へと入っていくことができるんだなということ。基本的な方法さえわかれば、瞑想を通して誰でも自分を見つめることはできるし、自分と向き合うことはできるのだと思った。
また場所というのは、そこを預かる人の思いによっていかようにも変化していくのだなと思った。使い方によって本当にいろいろな可能性が出てくる。そういう意味では結局、何をやるにしても人次第ということなのだろう。
カフェに限らず、どこであっても何であっても「こうであらねばならない」という固定概念を持たずにまっさらな気持ちで向き合うと、無限の可能性が広がり、そこに必要なものがふっと降りてくる。それは場所に限らず、人が自分自身に向き合う時も同じこと。どこにいても気づきというものはあるのだから。
終わった後に皆さんとお話したり、深夜のファミレスに行ったり・・・。久しぶりに明け方に帰宅。楽しいひとときだった。
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February 26, 2013

満月瞑想会

2月の古民家は寒いから満月瞑想会は温かくなるまでお休みしようかと思っていたのだが、大橋住職がお休みせずにやりましょうと言ってくれたので、開催することにした。だけど寒いので、きっと参加する人は数人でこじんまりとした集まりになるんじゃないかなと思っていた。
でも全部で16人となり、しかもこんな寒い中、東京や市原から電車で来て下さる方もいてもうびっくり。予想外の人数になり用意したおむすびもちょっと足りなかったほどだ。
今日はパラパラと遅れてくる方もいらしたので、住職が時間になっても月輪観を始めず、講話をしながら全員揃うのを待っていた。だから瞑想自体の時間はちょっと短かくなってしまったけれど、集まったメンバーは瞑想に関心のある人が多く、とても深くて濃い集まりになった。
瞑想後の交流会が始まる前に住職が突然、ギターを弾き出し、「ハッピバスデートゥユー♪」とみんなで歌って一日遅れの誕生日をサプライズでお祝いしてくれた。そしてプレゼントの小包をくれたので、「何?もしかして婚約指輪だったりして〜?」なんて笑って受け取ったのだが、開いてみたら「空海コレクション」(ちくま学芸文庫)の1巻と2巻。
「風楽に置いておけばいつでも読みたい人に読んでもらえるね」と言ったら、「ダメダメ。それはエイコさんが毎日手元に置いて読む本だよ。一生かかっても理解できるような本じゃないんだからね。それでいいと思ったら、その本を買って読んでとみんなにすすめて」と住職。
弘法大師から私へのプレゼントはこの本にしなさいとお告げを受けた?とのこと。
その後は自己紹介を兼ねて、それぞれの体験をシェアし合うのだが、皆さんとても熱心な方ばかりだったので、いい体験ができたようだ。
9時過ぎに一度、お開きにした後は、それぞれの人が必要な人と必要な話をした・・・という感じになって、あちこちで話が盛り上がって?いた。この瞑想会そのものがいい出会いの場になっていったらいいなといつも思っているが、回を重ねるごとに、本当にそんな成熟した場になってきたのでそれがとても嬉しい。
全員が帰った後も住職とお茶を飲みながら反省会。12時過ぎまで話し込んでしまった。それぞれ立場は違うけれど、来てくれた人たちに何か少しでも「来てよかった」と思ってもらえるような会にしたいと、お互い仕事抜きでやっているので、話が尽きないのだろう。
3月は27日が満月です。興味のある方、ぜひご参加くださいね!

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February 25, 2013

誕生日によせて

今日で53歳になった。私を生み育ててくれた人はもういなくなってしまったけれど、でも二人の命は私に受け継がれ、今ここに私と共に生きている。年を重ねるに従い、どれだけ愛情を込めて育ててもらったか、その愛の深さが痛いほどわかるようになってきた。
50代に入り、ようやく今まで見えなかった景色が少しだけ見えてきた。60代になったら、もっと違うものがまた見えてくるのだろう。年を取るのは素敵なことだと今、素直に思える。若い頃に抱えていた人生に対する葛藤や失望感のようなものも年を重ねるに従い、いつのまにか消えてしまった。どこか生きづらさを感じながら生きてきたところもあったけれど、それさえも今は遠い過去の記憶だ。
人生はいろいろなことがある・・・という何気ない言葉を聞くたび本当にそうだなと思いつつ、そこに多くの真理が込められていることもわかるようになった。
社会心理学者のエーリッヒ・フロムは代表作「愛するということ」(紀伊國屋書店)の中で「愛とは、孤独な人間が孤独を癒そうとする営みであり、愛こそが現実の社会の中で、より幸福に生きるための最高の技術である」と言っている。
様々な角度から愛を検証していく素晴らしい本だが、その中で一番、ハッとさせられた言葉は幼稚な愛と成熟した愛の違いについてだ。
幼稚な愛は「愛されているから愛する」という原則にしたがい、成熟した愛は「愛するから愛される」という原則にしたがうというというもの。
あなたが必要だからあなたを愛するというのは、いわば自己中心的な愛だ。では愛されていなければ愛せないのだろうか?相手はどうあれ、まず自分から結果を求めず無償の愛を注ぐこと。それが最終的には愛されることにつながっていくということなのだろう。
今、育ててくれた人のことをこんなふうに思い出すことができるのも、彼らが私を無条件で愛してくれたからだ。だからこそ、私はいつのまにか自然な形で親を愛することができるようになった。
今日、こうして誕生日を迎えられた私にできることは、自らの命を最大限輝かせて幸せに生きること。それが親に対して最高の親孝行なのだと思う。
今年もまた無事に一つ年をとれたことに感謝しながら、この一年、愛と笑顔と感謝の気持ちを忘れずに、より楽しく充実したものにしていきたいと思っている。
たくさんのメッセージありがとうございました。
さあ、明日からまた新しい自分の一日が始まっていく。


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February 24, 2013

酒粕バナナショコラ

みなみさんの「酒粕おやつ」(農文協)の本のレシピをベースに、バナナを加えてアレンジした酒粕バナナショコラケーキを作った。かかっているのも酒粕豆腐クリーム。なんだか最近、酒粕スィーツ作りにすっぽりとハマってしまい、2〜3日に一回は酒粕で焼き菓子を作っている。酒粕は使い方によって本当にいろいろな味に変化していき、しかも美味しいので、それが面白くて仕方ない。でもできあがったものを試食ばかりしているので、ちょっと体も重たくなってきたみたい?!
今日の日曜日は月末だったので忙しくなるかとセンちゃんと星庵さんにお願いしていたけれど、強い風のため?いつもより暇だった。窓やふすま、障子など閉められるものは全部閉めているというのに、古民家の中は風がすーすーと吹き込んできてかなり寒かった。
今年は特に寒いので、体を冷やさないようかなり気をつけている。厨房には足場板を敷き詰め、その上からお下がりのじゅうたんを2重に敷き詰めている。今まで一枚しかはいていなかったスパッツは2枚重ねにし、靴下も2重から3重へ。もちろん足首にもウォーマー、襟元にはスカーフを欠かさない。
寝室のセンターラグの上にはこたつの敷き布団とキルティングの布を重ね、そこに布団を敷いているし、寝る前に甘酒と酵素を飲み、足下とお腹の上に湯たんぽ、目にはホットパックを乗せて寝る。おかげで夜中に寒くて目を覚ますことはなくなった。古民家生活3年目の冬ともなると、かなり寒さ対策も本格的?になってきた。
そんな中で梅の花のつぼみがふっくらとしてきた。昨年、植えた水仙も芽が出て来た。寒い寒いと言いながらも少しずつ春が近づいているので楽しみだ。

*明後日の26日は満月。寒いので予定はしていなかったのですが、ご希望の方もいらっしゃるので満月瞑想会を行うことにしました。今回は人数が少なくこじんまりとした瞑想会になりそうです。初めての方、よろしければぜひご参加ください。6時半からです(5時半からヨガの片鼻呼吸などをいらした方とやっていますのでご希望の方はどうぞ早めにおいでください)。
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February 23, 2013

ミレニアムカフェの夢マップ

私も会員になっているNPOミレニアムシティのメンバーが5人でランチに来て下さった。毎年、2月に何人かで店にいらっしゃるので、食事の後、私の活動や食などについて小一時間ほどお話させていただいている。「住む人の発想で市民が都市をまるごとつくる」がコンセプトのミレニアムシティでは毎月、ワークショップを開催しているが、2月は寒くて参加者が少ないので、理事のメンバーが店に遊びに来がてらお話をするという気軽な集まりになっている。
古民家移転までのあらましや、料理のデモンストレーション、ビオン店オープンへのいきさつなど、すでに何度かお話させていただいているので、今回はさて、どんなことを話そうか?と迷っていたのだが、あさひミレニアムシティでも来年を目処にカフェを作るので、その夢をシェアしましょうということになった。
あさひミレニアムシティは造成の時に行っただけで完成してからはまだ行ったことがない。海が見える高台に建ち、月がとても美しく見えるそうだ。自然たっぷりの環境が素晴らしく、見学者が多くワークショップなどもたびたび開催されるので、キーステーションとなるカフェを作りたいと考えているそうだ。そこでぜひ一緒にやりませんかとお声をかけていただいた。
ミレニアムシティではコミュニティ作りに力を入れている。自ずとカフェも従来のカフェとは異なり、より多くの人たちが自由な発想で関わっていくものになるだろう。私が11年に及ぶカフェ経営の中で経験したことをお話し、それがミレニアムのカフェとどうリンクできるのか投げかけながら、カフェ作りのコンセプトとなるキーワードを夢マップに落とし込んでいった。
来年オープンに向けて、半年前から関わるメンバーの心と体を整えスキルアップしていくために、これからカフェでも展開したいワークショップを事前に体験しながら、カフェオープンへの機運を高めていこうと話していった(これこそフランチャイズではなく、風楽ンチャイズ?だねと皆で大笑い!)。
すでに建物は完成しているから、企画を具体化していくことはそう難しいことではないだろう。
あさひミレニアムシティで来た人たちに感じてほしいものは、海の色、波の音、風の音、風のにおい、のぼりくる月と太陽・・・。それらを体感するためにどんなことができるのだろう?そして受け皿としての私たちが学ばなければならないものは・・・?
既成概念を取り払って思いつくままにやりたいことを羅列していった。宿泊型ワークショップ、自然療法、アーユルヴェーダ、サンライズヨガ、瞑想、内観、コミュニケーション理論、オーガニック料理、オーガニック農場etc。
そして、いつのまにやら1年後の2014年2月の満月の夜にオープニングパーティをやろう!というところまで話が盛り上がっていった。名付けて「ムーンライトディナーパーティ」。その日に向けて、ワークショップをしながらカフェオープンへの準備をすすめていくことを「月の道プロジェクト」と呼び、これから具体的なワークショップを企画していくことにした。
最後に、小野理事がキーワードを集めた夢マップを掲げて、みんなで話すとこんなにアイディアがわき、漠然としていた夢が具体的な形になって見えてくるんだねえ〜!と拍手。
ミレニアムシティが建築と都市のパラダイムシフト(ライフスタイルの転換)ならば、今回のカフェ作りはまさにカフェのパラダイムシフトだ。
ミレニアムのメンバーたちは、夢を言語化したならば、次にはそれを形にしていってしまう。これまでそうしていくつもの夢が形になってきた。だからあさひミレニアムシティにも来年はカフェがオープンすることになるだろう。さてどんなカフェができるだろう?話しているうちにとってもわくわくしてきた。

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February 22, 2013

ヘッセ「シッダールタ」

高校生の頃、ヘッセが好きだった。「車輪の下」から始まり、「春の嵐」「湖畔のアトリエ」「知と愛」「郷愁」「デミアン」・・・次々にヘッセの世界に惹かれていった。大人になってからは晩年のエッセイをいくつか読んだくらいで、しばらく遠ざかっていた。今回、久しぶりにヘッセと再会し、その深い言葉に触れ、感動と共に静かな余韻に浸っている。
シッダールタ」(草思社)を初めて読んだ。最初、タイトルから仏陀の生涯の物語かと思った。でも同じ名前を持つ一人のインドの青年が真理(真我)を求めて彷徨い、一切を愛し受け容れ悟りの境地に至るまでの過程が描かれた物語だ。それはヘッセ自らの宗教体験の告白でもあり、その魂の成長とも重なり合うものだと思う。

ヘッセがこれを書いたのは1922年。第一次世界大戦に異を唱えていたヘッセはナチスから裏切り者とされ、国内では紙の割当も禁止されていたそうだ。苦悩の中、スイスに渡り執筆。精神を病む中、妻子と別れユングに出会ったとされる。
プロテスタントの宣教師の父に育てられ、思うように生きられなかったことから自殺も試みた。仕事も長く続かなかった。感受性が鋭かった故に生きづらさを内包していた。そんなヘッセが晩年、精神的な安定を求め、傾聴や東洋思想、瞑想の中に安らぎを見出そうとしたのは自然な流れなのだろう。

シッダールタは高貴なバラモンの子として成長するが、父の教えだけにとどまらず、より大変な苦行を強いる沙門に自ら入る。全てを捨て瞑想による心の安定をはかるが自我が捨てきれない。その後、仏陀とも出会うが、悟りを開いた時に心に起こったことを言葉や教えには決してできないのではないかと疑問を投げかけ、自分は別の道を歩こうとする。
やがて娼婦との暮らしに溺れ、お金儲けのためビジネスで頭角を表し、世俗的な生活へどっぷりと浸かる。しかしその後、また全てを捨てて川のほとりに辿り着く。
深く傾聴できる舟渡しの老人ヴァーステデーヴァと出会い、シッダールタは川のほとりで暮らしながら、目の前を流れる川に耳をすまして聴くようになる。ユングを彷彿させるかのようなこの成熟した老人ヴァーステデーヴァとヘッセの分身でもあるシッダールタとのやりとりが私はとても好きだ。
川は全てを受け容れ、ただただそこにある。過去への執着や未来への希望ではなく、時間を超越した「今」そのものとして・・・。

最後に幼なじみであり親友であり今は仏陀の弟子の高僧となったゴーヴィンダと川で再会する。ゴーヴィンダは高僧になってもまだ迷い続けている。そんな友に語りかけるシッダールタの言葉がまたとても素晴らしいのだ。

「目標を求めて追うあまり、あなたの目の前にある多くのものが見えない」
「知識を伝えることはできるけれど、叡智は伝えることができない。それを見いだすことはできるし、それを生きることはできる。それに支えられることはできる。それによって奇跡を行うことはできる。けれどそれを言葉にして人に教えることはできないのだ」
「あらゆる真理は、その正反対も同様に真理である」
「世界そのものは、私たちのまわりと私たちの心の中に存在するものは、決して一面的なものではない」
「時は実在しない。時間が実在しないとするならば現世と永遠、苦悩と歓喜、悪と善とのあいだにあるように見える隔たりもまた一つの迷いに過ぎないのだ」
「私にとって大事なことはただ一つ、それは世界を愛することができること、世界を軽蔑しないこと、世界と自分自身を憎まないこと、世界と自分、そしてあらゆる存在を、愛と感嘆と畏敬の心を持ってみることができることだ」

どの言葉もヘッセが葛藤しながら悟りの境地に近づき、自らつかみ取ったものなのだと思う。あまりにも深い言葉がそこに並んでいて、何度も何度も読み返してしまった。
文章は読みやすく平易な言葉で綴られているけれど、これは寓話の形をかりた一つの哲学書だと思う。真理とは何か、魂の求道とは何か、改めて考えさせられる素晴らしい本だなと思った。
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February 21, 2013

オペラ座の怪人

来週、誕生日なので自分への誕生日プレゼントにミュージカルを観に行ってきた。「オペラ座の人」。ちょうどクレジットカードの優待があったので、チケットを買う苦労もなく手軽な価格で行くことができた(そうでなければ多分行かないだろう)。これほど日本中で話題になっているというのに劇団四季の舞台を観たのは初めてだ。場所は新橋にある電通四季劇場「海」。久しぶりに汐留周辺を歩いたら、もうすっかり新しいお店だらけになっていて驚いた。
なんと「オペラ座の怪人」は1988年の開幕以来、2月3日に6000回公演を達成したそうだ。これは四季の中でも「ライオンキング」と「キャッツ」のみが果たした上演記録とのこと。総入場者は605万人に及び、多くの日本人に愛されてきたミュージカルになっている。名作曲家アンドリュー・ロイド・ウェーバーの最高傑作の調べがスケールの大きな舞台に響き、気分はすっかり19世紀のパリのオペラ座へ。
舞台装置から大道具、小道具まで度肝を抜く仕掛けの数々、照明、そして衣装の豪華さに圧倒され、あっという間に2時間10分の上演時間が終わってしまった。
もちろん出演者の歌唱力や踊り、演技など全てパーフェクト。完成されたパフォーマンスだ。なんだかスゴイ!としか言いようのない舞台だった。これほど日本人の心をつかんでロングランを続けている劇団四季って巨大な怪物?みたい。
もちろんすごいなあと思いながら観ていたのだが、でもそれは単にショーとしての素晴らしさなのだなと思う。もちろん観る機会があるなら観た方がいいけれど、心に響いたかどうか・・・という意味においてはなんだか私にとっては違うような気がした。
これは私の好みなのかもしれないけれど、華やかなものやショービジネス的なものには素直に感動できないところがあって、私はきっとどこかで一線をひいてしまうのだろう。なんとなく入りきれず居心地が悪いのだ。もちろん楽しかったことは楽しかったのだが・・・まあそんなことも含めて初めての劇団四季、体験できてよかった。

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February 20, 2013

味噌作り

今日は風楽で使う味噌を仕込んだ。材料はこうざき自然塾の無農薬大豆と無農薬米で作った発芽玄米麹。今日の朝から大豆を煮るのではとても終わらないので、昨日のうちから大半の大豆を煮て準備しておいた。ビオンのスタッフのトモちゃんとナミちゃんが10時頃、手伝いに来てくれることになっていたので、それまでに大豆を全部、煮ておこうと朝から3つの鍋を火にかけた。
ナミちゃんはNPOトージバで大豆を作ったり、味噌作りの会を何度も開いているので、味噌作りは大ベテラン。初めて仕込むトモちゃんにいろいろ教えながら味噌作りを進めていった。トモちゃんとナミちゃんがフードプロセッサーで大豆をつぶしている間に、私はつぶした大豆の重さを量りながら2つの樽に分けていった。量が多くとても一回で大豆と麹と塩を合わせられないので、大きな金たらいを使って、2回に分けて混ぜることにした。混ぜるところは3人の手を使って。できあがり量が1斗(54キロ)ともなると混ぜ合わせる作業も肉体労働並み?だ。
仕込み自体はとてもスムーズにできたので、大豆の茹で時間を除けば、2時間ちょっとで終了。片付けている間に私が新子餅入りの呉汁と混ぜご飯とサラダを作って3人でランチ。仕事抜きで3人が集まり、一緒にランチを食べられることはめったにないので、あれこれ話しながら美味しく楽しい時間だった。
食後はトモちゃんが美味しいオーガニックコーヒーの豆を持って来てくれたので、コーヒーを入れて、私が試作に作ったマクロスィーツの盛り合わせと一緒にティータイム。料理の本を開いては、「今度、これ作ろう!」なんて言いながら、新しいスィーツやサラダの話をした。美味しいものを作りたいという気持ちをみんな持っていてくれるので、食べものの話はいつだって盛り上がる。
無農薬大豆と無農薬のお米で作った発芽玄米麹で仕込んだ手前味噌。そんなぜいたくなお味噌が秋になったら風楽の食卓に登場します!作った私たちもどんな味噌ができるかとても楽しみ!
3人で作る味噌作りが楽しかったので、トモちゃんとナミちゃんは3月にビオンで味噌作りの会をやろうと計画中。みんなで仕込んだ味噌を2キロほどお持ち帰りできるような講習会を開くとはりきってます。今月中には詳細お知らせしますね!興味のある方、ぜひご参加ください。

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February 19, 2013

パン教室〜酒粕あんパン

今日のパン教室は寺田本家の発芽玄米の酒粕を使ってあんパンを作った。できあがりの生地はほんのりと酒粕の香りがしてとても美味しかった。あんパンはあんことカボチャあんの2種類。ゆっくり発酵する酒粕だったので、ちょっと時間がかかったが、酒粕酵母の生地とあんこはとてもよく似合う組み合わせだ。
パン教室をやっている間、私は大豆を煮るのに追われていた。明日は古民家で店用の味噌の仕込みをする。昨日、ビオンの帰りにこうざき自然塾の鈴木さんのお宅に伺い、無農薬大豆と発芽玄米麹を大量に分けていただいた。大量の大豆はとても一日で煮ることができないので、昨日から水につけておいて、今日のうちにある程度、煮ておくことにした。
圧力鍋や大きな深鍋など4個をコンロにかけ、ザル、仕込み樽、ボールなどがいろいろ並んで、厨房は足の踏み場もなし。味噌作りの準備と言えども本番並みに?忙しかった。その合間にパン教室用のお食事を作り、それ以外に定食を食べに来て下さるお客様もいらしたので、もう厨房の中は道具や食べるものや大豆でいっぱいになって、私は一人でバタバタと動き回っていた。
大豆の茹で汁はとても甘いので、にんじん、大根、ごぼうの呉汁に。野菜を重ね煮でコトコトにて、仕上げに酒粕と味噌を加え、ネギを散らして今日の汁ものとしてお出しした。皆さん、「あまくて美味しい〜』ととても喜んで下さった。
3時頃に片付けが終わったので、飛び出すように家を出て、3時15分からのヨガクラスへ。7時頃から大豆を煮始め、ずっとバタバタ仕事をしていたので、その後、すぐヨガに行ったら、忙しさを引きずってしまうのではないかと心配だったが、最初の腹式呼吸からす〜っと静かな世界に入り込めた。特別に意識したわけでもないのに、自然と呼吸によって導かれていったようだ。なんだかそれがとても嬉しかった。Img_0734

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February 18, 2013

高野悦子さんさようなら

岩波ホールの総支配人として埋もれた映画を発掘し、上映し続けてきた高野悦子さんが9日に亡くなられた。岩波ホールは私の一番好きなミニシアターだ。30代の頃は毎回、岩波で上映される映画を観に行っていた。地下鉄神保町の駅の階段を上り、エレベーターに乗って岩波ホールの中に入って座席に座ると、さあ今回はどんな映画が始まるんだろうという期待でわくわくした。小さいけれど、岩波ホールは高野さんの思いが伝わってくる居心地のいい映画館だった。
岩波ホールがオープンして総支配人に就任した後、74年からは「エキプ・ド・シネマ」(フランス語で映画の仲間という意味)の活動をスタートさせた。商業ベースにはなりづらい良質の映画や数少ないアジア・アフリカ・中南米などの作品、女性監督の作品、大手興行会社が上映しない作品、名画など、確かな目で選ばれた作品を上映し続けてきた。
中国映画「芙蓉鎮」「入泉村の子」「宋家の三姉妹」「山の郵便配達」や、インドネシアを舞台にした「青空がぼくの家」、アイルランドの「フィオナの海」、93歳のリリアン・ギッシュと79歳のベティ・デイビスが出演した静かな作品「八月の鯨」、羽田澄子監督の「早池峰の賦」「痴呆性老人の世界」「安心して老いるために」、小栗康平監督の「眠る男」、ポーランドのアンジェイ・ワイダ監督やインドのサタジット・レイ監督作品など、岩波で上映してもらえなければ、私は決して観ることのなかった映画たちだ。
高野さんがプロデューサーを務めた「東京国際女性映画祭」に行った時はミーハーだけど握手していただいた。かつて大学で映画を学び、東宝に入社。その後女性監督をめざし、パリの映画学校に留学。映画がまだ男性中心につくられている時代にあって、自らその道を開拓しようとした。60年も昔にそんなことにチャレンジした日本女性がいたなんて、それだけで勇気がもらえる。
岩波ホールで上映された作品全てをとても観ることはできないけれど、「私のシネマライフ」(主婦と生活社)「私のシネマ宣言」(朝日新聞社)などのエッセイを通し、映画の面白さを教えていただいた。その生き方にとても共感できたし、文化としての映画を心から愛し、少しでも浸透させていくことにいかに熱心な人だったかがわかった。
最近は映画をほとんど見なくなってしまったけれど、高野さんの訃報を読んで、一つのことを生涯ずっと追求し続けていき、たくさんの方たちに感動を与えてくださったその活動に対して、本当にお疲れさまでしたと思った。
生涯、独身を通し、映画に恋をし続けてきた人生、きっとお幸せだったことだろう。たくさんの映画を紹介して下さってありがとうございます。天国では時間を気にせずたっぷり映画をご覧になって下さいね!
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February 16, 2013

LOCOLレシピ取材

北風が冷た〜い!古民家はすきまだらけだから、閉め切っていても風の強い日は、室内に風が吹き抜けていく。今日は本当に寒かった。陽射しが明るかったので、温かそうに見えるのだが、思いのほか冷え込みがきつかった。明日の朝はまたお湯が出なくなりそうだ。水道の水をチョロチョロと流しっぱなしにしておかなくては。
2時頃からエリート情報「LOCOL」に掲載していただくレシピの撮影。先日、食と健康をテーマにLOCOLの座談会の取材があったが、そのページの中で家庭で出来る簡単なお料理ということで、3品ほどレシピを書かせていただく。
座談会の中でも玄米や雑穀などの穀類を中心とした食事を心がけ、発酵食品や野菜を積極的に食べるようおすすめしている。だから作るお料理は、発酵食として納豆に麹を加えて作る「麹納豆」、炊いたモチキビをかぶにかけたかぶの「もちきびあんかけ」そして昨日の料理教室でも人気だった「にんじんとリンゴのサラダ」を選んだ。どれも家庭で作れる簡単なものばかり。カラー見開きの2ページなので、きっとお料理も美味しそうに見える?だろう。
撮影の後、担当の編集者の方に試食がてら食べていただいたのだが、とても美味しかったと喜んで下さった。単に仕事だからというのではなく、本当に栄養学には関心を持っていらっしゃるようで、キャベツ一個に含まれるビタミンの量や、一日の野菜摂取量の目安などをちゃんと何グラムと数字で即答されたので驚いてしまった。
そう・・・食は生きていく上でもっとも基本的なことなのに、あまりにも食に関心のない人が多い。何を食べてきたかでその人の体がつくられていく。私の尊敬する料理家の一人船越康弘さんは「食べものを変えれば人生が変わる」と仰っている。それはある一面で真実だと私も思う。
人は誰でもどんなふうに生きるかということを、日々考え、選択しながら生きている。食べものもしかり。何を食べるかも選んでいく。与えていただいた命を生かすために、命をいただき、私たちは生きていくのだ。口にするものは私たちの血や肉や骨となりエネルギーへとなっていく。生きるための道具である「体」というものは食べものでつくられていくのだ。
であるならば、体にとって負担のないもの、気持ちよく食べられるもの、作り手の思いが伝わってくるもの、環境にやさしいもの、いいエネルギーに満ちたもの・・・を選んで自分の体を作っていきたい。それが結局はどう生きるかという生き方にもつながっていくような気がする。
食べることがあまりに当たり前の日常になっているから、そこまで意識することは少ないかもしれないが、料理をしてもしなくても、男であっても女であっても、食べものと体(生き方)との関係は変わらないのだ。自分の体を感じるように、口にするものにもちょっとだけ気持ちを向けてみると、今まで見えなかったものが見えてくるかもしれない。美味しくって心と体が元気になるご飯を通して、そんなことを少しずつお伝えしていきたい。
そして基本はやっぱり「おいしく たのしく ありがたく」。心をこめてつくった美味しいものを、感謝しながら、楽しい会話とともにいただくことは人間にとって何よりの幸せだ。


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February 15, 2013

娘も参加した料理教室

冬の間、古民家での料理教室は参加される方が少なくて、かなりこじんまりとしている。今日も予定は3人だけだった。夕方、娘から電話があって会社を早退したとのこと。妊娠中の体調が不安定のようで、最近、仕事を休むことが多い。そういう時は家に来て、日頃の野菜不足を補充するかのように?ご飯をいっぱい食べて帰っていく。「寝ても寝ても眠い」「食べても食べてもお腹がすいて仕方ない」とすっかり妊婦の体感覚?になっている。
今日も突然、来るというので、それなら人数が少ないから料理教室にも一緒に参加したら?と誘った。今日の料理は長芋と豆腐の酒粕グラタン、にんじんとリンゴのサラダ、里芋と丸麦と板麩の煮物、里芋のトリュフ。全てマクロビのお食事とデザートだ。娘にとっては食べ慣れない味が多いので、大丈夫かなと思ったけれど、食事の時になったら、「美味しい!」と言いながら喜んで食べていた。
里芋のトリュフはいろいろ試作してようやくできたレシピ。娘は「食べるまで勇気がいるね」なんて言っていたわりに?口に入れた瞬間「ホントにチョコレートみたい!美味しい!」と感激。あまり好きではないにんじんも喜んで食べていた。
娘は妊娠を機に、自分の体に注意を向け始め、自ずと食生活にも今まで以上に関心を持つようになってきたようだ。会っている時も食べ物が話題の中心だ。教室が終わった後も簡単にできるブロッコリーのスープを作りながらスープ作りのコツや妊娠中の体の変化や仕事との兼ね合いについて、いつまでも話していた。
実は私が離婚する時に家を出たので、中学生の後半から娘とは一緒に暮らしていない。だから「母から娘へと伝える味」というものを私は毎日の暮らしの中で伝えられずにきてしまった。
そんな時間を娘の妊娠を機に、今頃になって追体験させていただいているのだなと思う。いつからだって始めるのに遅すぎるということはない。ささやかながら自分なりに積み上げてきた料理の知識や経験を、これからもできる限り娘へと伝えていきたいなあと、今日、改めて思った。
出産後もフルタイムの仕事は続けるつもりでいるので、そうそうタイミングよく参加できるかどうかわからないけれど、また料理教室にも来てくれたらいいな。
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February 14, 2013

自選 谷川俊太郎詩集

昨日、東京で会った友達が帰りに神保町東京堂書店で「自選 谷川俊太郎詩集」(岩波文庫)を買ってプレゼントしてくれた。今年に入って出たばかりなのだが、人気があるのかすでに3刷目だ。
谷川俊太郎さんと言えば、60年数年にわたって詩を書き続けている日本で最も有名な詩人であると同時に、日本にはほとんどいない詩作で生計を立てているホンモノの?詩人だ。私も何冊か詩集を持っているし、好きな詩もいくつかある。
自選詩集は1968年以来で、すでに2千篇を越えた膨大な詩の中から、世間の評価とは関係なく、有名は詩だけに偏らないように自分の目線で詩を選び173篇を集めたという。
今日、午前中に林農園さんに地粉で作ったクッキーを持って行き、今後の打ち合わせをした。林さんは毎週土日に川村美術館の一角で有機野菜を売っているので、3月末からはクッキーも一緒に販売していただく予定だ。文庫本を持って歩いていたので帰りにカフェに立ち寄り、久しぶりに俊太郎さんの世界を堪能した。
言葉遊びの詩は黙読するより音読する方が面白い。教科書に何篇も詩が載っているけれど、子供の心をとらえて離さないリズム感ある言葉のマジック。いつまでも少年の心を持った多面的な人なのだろう。
だが少年の心とは裏はらに深い孤独も抱き合わせている人だ。詩の中には俊太郎さんの孤独と苦悩、愛を渇望する叫びのようなものも潜んでいる。
それがふっと孤独な読者に伝わった時、詩の言葉は真綿のような優しいベールに変身していく。言葉の持つ力。やはり私たちは言葉の世界の中で傷つきながらも、言葉によって癒され、言葉によって思考を育んでいく生き物なのだと思う。
詩の一部だけを切り取ることは作者の意図に反することかもしれませんが、その世界の一部をご紹介したいので、ほんの数行ですが作品を抜粋します。

「静けさはいくつものかすかな命の響き合うところから聞こえる
虻の羽音 遠くのせせらぎ 草の葉を小さく揺らす風・・・
いくら耳をすませても沈黙を聞くことは出来ないが
静けさは聞こうと思わなくとも聞こえてくる
ぼくらを取り囲む濃密な大気を伝わって
沈黙は宇宙の無限の希薄に属していて
静けさはこの地球に根ざしている」(夕立の前)

「詩はなんというか夜の稲光りにでもたとえるしかなくて
そのほんの一瞬ぼくは見て聞いて嗅ぐ
意識のほころびを通してその向こうにひろがる世界を
それは無意識とちがって明るく輝いている
夢ともちがってどんな解釈も受けつけない
言葉で書くしかないものだが詩は言葉そのものではない
それを言葉にしようとするのはさもしいと思うことがある
そんな時ぼくは黙って詩をやり過ごす
すると今度はなんだか損をしたような気がしてくる」(理想的な詩の初歩的な説明)

「目を覚ました娘が隣に座った青年にほほえみかえた
そのほほえみを支える物語をぼくは知らないが
口をつぐんでお互いの目の中をのぞきこむ時のあのやすらぎ
その一瞬のためにこそ人は語りつづけるのだとしたら
この今がぼくらの共に過ごした年月と釣り合っていることを
あなたも認めてくれるにちがいない
そのために費やされた言葉をすっかり忘れてしまったとしても
それらの言葉のもたらした感情は哀しみも喜びも怒りもひとつに
この束の間を永遠に変える力をもっている」(TGV a Marselle)

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February 13, 2013

ごぼうとジャコの炊き込みご飯

ごぼうを細めの千切りにして炊き込みご飯の中に入れるのが好きだ。独特の風味と歯ごたえはごぼうならでは。連休中はずっと友達が来ていたので、いろいろご飯を作ったが、その中でも特に美味しいと喜んでもらえたのがこのごぼうとジャコの炊き込みご飯。昆布出汁に醤油とみりん、塩少々、ごぼうとジャコを加えて一緒に炊いた。
さらに炊きたてご飯の上にはちりめん山椒をたっぷりとふりかけた。九州に行った時、どっさり買って帰り冷凍しておいたもの。ほどよい山椒の香りがご飯をより美味しくしてくれた。とてもピッタリな組み合わせに食が進んだ。
今日は生活クラブ生協の本選びの会の会議で朝から新宿に出かけた。帰りに友達に会って神保町に出て古書街を少し歩いた。久しぶりに古本屋たちを見て、吸い込まれそうになったけれど、見ていたらあっという間に時間がたってしまうので、ぐっとこらえて?素通り。
以前はしょっちゅう歩いていた場所も、滅多に行かなくなったので、方向がわからなくなってしまった。最近、会議のおかげで東京に毎月のように出かけるようになったけれど、やっぱり私にとって東京はとても遠い場所になってしまった。
朝、家を出る時は雨が降っていたので、車に乗り降りするだけでもブーツのかかとに泥がたくさん付いてしまった。でも東京に着いたらすっかり雨はやみ、いいお天気に。千葉ではそれほど違和感のなかった靴の泥が、都会のアスファルトではなんだかとても目立ってしまった。

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February 12, 2013

連休が終わって

1月2月はお客様が一年の中でも一番少ないので、店の経営としてはとても大変な時期だ。でも今回10日11日の連休はお天気がよかったこともあり、久しぶりにものすごく忙しかった。まだ超大忙し!という日を経験していない新しいスタッッフのヨウコさんの他、センちゃんと星庵さんの力も借りて、どうにか乗り越えることができたが、あまりの忙しさに目が回ってしまうほど。
この連休中は友達が泊まりに来ていたので、最初の日の晩は私の友達も含めて全部で5人で宴会をした。黒米で作った手作りのどぶろくはちょっと発酵が進んで酸味が出ていたけれど、まるでヨーグルトみたいに美味しかった。
店が終わって、みんなが揃ってから大急ぎで夕飯の支度をした。みんなで笑って「美味しいね」と言いなが食卓を囲んで食べるご飯は最高だ。喜んで食べてくれる人たちの顔を思い浮かべながらご飯を作れるって本当に幸せ。
この連休は食事を作って、ゆっくり食べる時間を大事にしたかったので、パソコンも全く開かず、ブログもお休みさせていただいた。
今日はお休みだったで、寒かったけれど早起きして朝ヨガに行き、この連休中、忙しく動き回ってくれた体をじっくり伸ばしてきた。それにしてもあんな温かい日があった後だけに、やけに冷え込みがきつく感じた一日だった。

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February 09, 2013

サラダ好きのシェフが考えたサラダ好きのための131のサラダ

久しぶりにいいなあと思う料理の本を見つけた。「サラダ好きシェフの考えたサラダ好きのための131のサラダ」(柴田書店)。フレンチをベースにした宇都宮にあるレストラン「Otowa」のシェフ音羽和紀さん昨年出した本だ。
マクロビ食ではないけれど、とにかく写真がキレイな本だ。作り手が本当に野菜を愛しているということが伝わってくる。野菜たちが一番美味しくなるようにちょっと手をかしてあげている・・・だから野菜がみずみずしくて元気でとっても美味しそう!これならた〜っぷり食べたいなって思う。宇都宮に行く機会があったら「Otowa」にも行ってみたい。
何より嬉しいのは、フレンチのシェフの本なのに、特別なソースやスパイスを使った家庭では作れないような本格的なサラダ?ではなく、身近な材料でできるサラダのオンパレードだということ。
ドレッシングさえ美味しく作れれば、サラダってどんな組み合わせでもOKだ。だから私も発想を自由にして、いつもサラダでは冒険している。音羽シェフのサラダは本当にバラエティに富んでいる。自由な組み合わせを楽しんでいるうちに色とりどりの美味しいサラダができあがっていった・・・そんな感じなのだ。サラダってこんなにいろいろアレンジできて楽しめるんだなって思わせてくれる美しいサラダが満載。
見ているうちにいろいろなサラダが作りたくなってきた。私にとって、料理欲をそそられる?レシピ本はいい本だという定義がある。まさにこの本はそそられっぱなしの一冊。
久しぶりに生野菜のサラダを作った。昨日は寒かったけれど、立春以降、少しだけ寒さがゆるんだような気がするので、だんだんと生野菜が食べたくなってくる。
ドレッシングは風楽でも人気のにんじんドレッシング。玉ねぎとにんじんをすりおろしてフレンチドレッシングの中に加えるのだが、それだけでフレンチドレッシングが一段と美味しくなる。
刻んだ野菜の中に庭の畑にこぼれ種で出てきたルッコラを摘んで入れた。今の時期はまだ茎まで柔らかくて食べやすい。
春になったら筍やクレソン、新キャベツなどもたっぷり使えそう。早く春野菜のサラダが食べたいな。

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February 08, 2013

沢知恵がうたう人権の詩

東京都人権啓発センターが人権問題都民講座の一環として沢知恵さんのコンサートを開催した。今日は冷たい北風が一日吹いていたので、夜に出かけるのはちょっとめげそうになったが、大好きな歌手沢知恵さんの歌がたっぷり聴けるコンサートなので、仕事が終わってから思いきって出かけてきた。
沢さんはピースボートでのコンサートだけでなく、元ハンセン病の詩人塔和子さんの詩に曲を付けたり、茨木のり子さんや金子みすゞの詩に曲を付けたりと、平和、人権などの社会活動にも積極的に関わっている。2001年から毎年ハンセン病療養所大島青松園で無料コンサートを行ったり、被災地や少年院などのコンサートも行っている。
韓国人の牧師の母と、日本人牧師の父の元に生まれ、日本、韓国、アメリカと3つの国で育ったことから、インターナショナルな感覚を持ちつつ、美しい日本語というものにとてもこだわって歌を歌っている人だ。祖父は北原白秋にも高く評価され、「朝鮮詩集」(岩波文庫)などを残した韓国人の詩人金素雲(キム・ソウン)。祖父が日本語に訳した韓国語の詩に曲を付けた「こころ」は私も大好きな曲で、アン・サリーなど多くの歌手がカヴァーしている。
今回は特に人権がテーマだったので、人権にまつわる曲やお話を中心にとてもメッセージ性のある温かいライブだった。茨木のり子さんの「わたしが一番きれいだったとき」や塔和子さんの「かかわらなければ」、谷川俊太郎さんの「死んだ男の残したものは」などを熱唱。どれも好きな詩ばかりなので、歌を聴きながらたっぷりと詩の世界を味わうことができた。この他にも「言葉」というものにこだって選曲した今日のプログラムは名曲ばかりで、どれも聴きごたえたっぷり。
沢さんは歌唱力や表現力がすばらしいので、いつも聴いているうちに曲にぐーっと吸い込まれてしまう。もう何度も彼女のライブには行っているが、決してメジャーではないけれど、地道に本当にいい曲を歌う素晴らしい歌手だと私は思う。ピアノを弾きながらとにかく心に響く歌を美しい歌声で聴かせてくれる歌うたいなのだ。
新宿まで行ったのですっかり帰りが遅くなってしまったが、何曲も素晴らしい歌を聴けたので、すっかり心はぽかぽか。やっぱり行ってよかった〜。
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February 07, 2013

クッキーいろいろ

林農園さんから送っていただいた中力粉でクッキーを5種類ほど試作した。黒ごま黒糖クッキー、きな粉と白ごまのクッキー、落花生クッキー、きな粉のマクロクッキー、きな粉と全粒粉のクッキー。
中力粉を製粉する時に出たふすま(外皮)も一緒に送っていただいたので、中力粉の中に最大3割ほど入れてみた。100%全粒粉にすると、かなりまとまりにくくなるので、それは断念。ふすまを入れることで粉の風味がよく出ている。素朴で美味しいクッキーだと思う。個人的に一番、気に入っているのjは落花生クッキー。
ただ今回はむいた落花生を送っていただいたので、それを砕くだけでよかったけれど、殻付きの落花生だったら、殻を一つ一つむいていかなければならない。それにかなり手間がかかりそうなので一度にたくさんは作れないだろう。来週にはこれを持って林さんとどんなものがいいかご相談してみよう。
昨日はかなりj冷え込んでいたので、また大雪になるんじゃないかと覚悟していたのだが、朝起きてほっ。それどころか気温はぐんぐん上がり15度近くになって春の陽気そのもの。南向きの強い風は春一番だとラジオで言っていた。雪の予報から一夜にして春一番なんて、随分と変わり身の早い天気だこと!
庭の梅もほころぶ準備を始めている。少しずつでも春の気配が感じられる日があると嬉しい。
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February 05, 2013

ペスカトーレ

有機菜園ダイニング「タベルナ」の姉妹店「ペスカトーレ」が2月1日にオープンした。三里塚ワンパック野菜の石井さんの息子さんがやっているお店だ。3年ほど前に「タベルナ」をオープンしたばかりなのに、もう姉妹店を出すなんて、若いのに本当にがんばっている。
ご実家が有機農家なので、「タベルナ」はとにかく野菜が新鮮で美味しいのが特徴だ。自分が料理に使いたい野菜をご両親が作って下さるなんて本当にうらやましい限り。地元でもすっかり浸透している人気の店でランチはいつも混んでいる。
今度の姉妹店のコンセプトは地中海の魚介料理が美味しいお店だとか。1500円のランチにはベジタブルバイキングがセットになっていて、美味しい野菜が好きなだけ食べられる。私は大皿にたっぷり盛りつけてバクバクいただいた。注文したのはパエリア。魚介類がたっぷり入っていてとても美味しかった。そのうちこの店も酒々井で人気のレストランになることだろう。「タベルナ」は3月までお休みして、石井シェフはしばらく「ペスカトーレ」に専念するそうだ。
帰りは久しぶりに図書館に寄った。最近、本選びの会の本を読むことに追われているので、図書館で本を借りてもほとんど読む時間がない。だからしばらく行ってなかったのだが、やっぱり私は図書館が好きだ。
見ているうちに次々に読みたい本が出て来て困った(実際にはそれほど読めないので)。
今日はとても温かい一日だったが、明け方からまた雪が降るという予報。出られなくなることを見越して、必要なものを今のうちに買っておこうと買い物をしてから帰った。
この前の大雪では本当に缶詰になってしまったので、万が一数日間、出られなくなっても大丈夫なように、灯油と食料とネコのエサだけは絶対にストックが必要だ。特に灯油はいつもなくなってから、慌てて買いに行っていたので早め早めに買わなければ。
夕方は林農園さんの材料を使っていくつかクッキーの試作。

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February 04, 2013

サーランバ・シルシャーサナ

ヨガをやることは今の私にとって生活の一部だ。でも時々ものすごく間が開いてしまい、全くやらないという時期もある。久しぶりにアーサナを再開すると体が固まってしまって、思うように動けない時も多い。前は普通にできていたポーズができなくなっていることに気づき愕然としてしまう。それをまたできるように戻すまでが一苦労。一度、できたからと言って、やらなければすぐにできなくる。50代にもなると意識しないと体は衰えていく一方なので、細く長く日々の積み重ねが大切だなあと痛感している。
最近、ちょっと嬉しかったことがある。それは今まで苦手だからと敬遠していたサーランバ・シルシャーサナ(逆転のポーズ)ができるようになったのだ。ヘッドスタンディングとも呼ばれてるように、頭をつけて腕で支える逆立ちだ。まだ後ろに何もない所でやるのは気持ち的にちょっと不安だけれど、3分くらいは支えなしでキープすることができるようになった。
今までこのポーズがレッスンの中に入ってくると、壁があるにも関わらず恐怖が先だち、体が緊張してしまい安定できなかった。それがなぜか急にヒョイっと足が自然に上に上がり、キープできるようになったので、自分でも驚いてしまった。以来、毎日、3分ずつ1〜2回はやるようになった。
長くやってはいてもまだできないポーズはいくつもある。苦手なポーズも多い。でも一つ、苦手だったものがクリアできたことで、小さな自信が生まれた。逆さまになることで脳を休めることができ、背骨を強化することで姿勢がただされ更年期障害(私は無縁だが)の症状も緩和するらしい。アンチエイジングの効果も高いと言われている。
なんだか私くらいの年代の女性の方にはぜひオススメしたいポーズだなあ。
これを機に苦手だと思い込んでいる?ポーズを少しずつでもいいから、続けていこうと思った。継続は変化なり?でいつかこのポーズみたいに、ある日突然、できちゃうってことがあるかもしれないので。
一つのポーズができたことに派生して、今までできなかったポーズについても、時間はかかるかもしれないけれど、自然な形で道が通じていくような気がしている。体の変化って不思議だ。自分の意識を超えた所で少しずつ動いているのだ。
でもそれは必ずしもいい方向ばかりに改善されていくというわけではなく、退化という方向にも同時に動いているということだ。大切なのはそこで体の声(変化)に耳を傾けるということなのだろう。
恥ずかしいんだけど、せっかくできた記念に?一枚くらい写真に残しておこうと写してもらった。

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February 03, 2013

酒粕ティラミス

節分の今日は寒さがまた戻ると聞いていたけれど、営業時間中は今日も温かく、春のような陽気だった。そのせいかお客様も多く、そこそこに店は忙しかった。今日は節分で明日は立春。暦の上では新しい季節の始まりだ。お正月もおめでたいけれど、節分は新旧に大きく暦が動く時期なので、私は2月3日という節目の日がとても好きだ。
九星気学で読み解くと私の本命星は四緑木星。今年は南東の巽宮に回座し、とても順調な年になる。人生には確かに追い風の時と向かい風の時があると思う。星回りを意識しながら暮らすようになって、大きな動きをする時にはそのあたりのバイオリズムも参考にしている。でも運気が停滞していると思われる時も決してそれを否定的にとらえず、むしろ春への準備・・・今は根を張る時期だ思って、足元を見つめ内観を促すようにしている。いずれにしても春の来ない冬はないのだし、いつまでも春が続くということなどないのだから。
昨日、寺田本家の酒粕でリンゴペーストを作り、それを元にした酒粕豆腐クリームを作った。いつも豆腐とレモン、メイプルシロップで作る豆腐クリームよりも濃厚で風味があった。酒粕パンケーキを焼いて、穀物コーヒーのシロップをかけ、その上から酒粕豆腐クリームを乗せ酒粕ティラミスを作った。まさに酒粕ずくしのスィーツだ。酒粕ティラミスは初めてだったので、昨年末に出版されたみなみ屋さんの「酒粕おやつ」(農文協)のレシピで作ったらとても美味しかった。
酒粕を豆腐クリームに入れると本当にチーズのような濃厚でコクのあるクリームになる。こんな使い方ができるなんて面白いなあ。
ティラミスを写そうと思ったのだが、スプーンですくうので形がキマらない。昨日も今日も店が終わってからまだ明るく温かかったので、それだけでちょっと嬉しくなった。お庭のウッドテーブルにティラミスを並べて夕暮れ時のティータイム。


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February 02, 2013

林農園からの届け物

なんて温かい一日だったのだろう。朝から一度もストーブを点けず、夕方になっても寒さがゆるんだままなので久しぶりに体が楽だ。昨日が全く暇だった分、今日はお店も忙しかった。
午前着の宅急便で林農園さんから届け物があった。自家採種を中心に80年代から佐倉市で有機農業をやっていらっしゃる。もう20年以上前のことだが、子育て中に重孝さんをお呼びして農薬や添加物のお話をしていただいたことがきっかけでお知り合いになった。
ご家族みんなが仲良く、とても感じのいい方たちで、一家で有機農業に取り組み、研修生なども多く受け入れていらっしゃる。以前、風楽でアルバイトに来てくれた女の子も林農園の研修生だった。それまで体調が悪かったが、研修しながら美味しい野菜を食べ、土に触れているうちにみるみる健康を回復していったそうだ。
段ボールの中には地粉(農林61号)、白ごま、黒ごま、落花生、きな粉、ふすま、有精卵が入っていた。全て無農薬で作られたものだ。林さんの所で収穫された材料を使って何かクッキーを焼いてもらえないだろうかとお話をいただいた。もちろん私の技術でいいのだったら喜んでやらせていただくつもりだ。
何回か電話で打ち合わせをして、今回は試作がてらにこれらの材料を使って3種類のクッキーを作る予定。国産小麦や無農薬の大豆から作ったきな粉・・・おかげさま農場でも作っているけれど、本当に手間のかかる仕事だ。どれ一つとっても無駄にすることはできない。大切に使わせていただこう。丁寧に育てられた作物たちをより美味しいものへと加工して皆さんにお届けする。
そんなお手伝いができるなんて幸せだ。私はパテシエではないので、あまりしゃれたお菓子は作れない。願わくば素材の味を生かせるようにできるだけシンプルなレシピを考えよう。粉の風味やきな粉の香り、ゴマの香ばしさが口に入れた瞬間、ふわ〜っと広がるような、そんな優しい味のクッキーができたらいいな。

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February 01, 2013

きな粉のスコーン

最近、時間があるので、焼き菓子をいろいろ焼いている。中でもマイブームはスコーン。今までスコーンと言えば、バターをサイコロ状にして粉の中に刻みながら混ぜて作るタイプのものだった。もちろん卵、バター、牛乳、砂糖なども使っていた。
でも最近、美味しいなと思うのは全粒粉を使い、動物性のものは入れずに作るマクロビオティック仕様のスコーンだ。かわりにドライフルーツやきな粉や寺田本家の酒粕などを入れていてほんのりとした塩味に仕上げる。
今日、焼いたのはおかげさま農場の高柳さんが作った大豆を原料にしたきな粉を入れて焼いたスコーン。無農薬大豆で作ったきな粉はほんのりと甘くて、とてもいい香りがする。大豆の甘さがあるので砂糖はてん菜糖をほんの少々入れただけで充分。
毎月、月初はビオンのスタッフのお給料日なので、今日の夕方はビオンへ。毎月、みんなのお給料が払い終わるとほっとする。ビオンに並べてもらおうとできあがったスコーンを持って行ったらトモちゃんもまーちゃんが食べたいというので、ちょっと試食タイム。
二人から「美味しい!」と言ってもらえた。また明日も何かスコーンのバリエーションを考えようっと。
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