巨木と巨岩
自然界の中に存在する大きな古い木や岩や石などがとても好きだ。どこに行っても惹き寄せられるようだ。何の情報も持たず、特別そこに行く予定がなくても、たまたま看板を目にしたり、何かでその存在を知ったりすることが多い。偶然とは言え、かなり近くを通っていることが多いので、ちょっと足を伸ばして探せば、たいていのものは見つけることができる。ようやく探し当てて嬉しい対面をする。出会えるものには出会っていけるということなのだろう。
今回、奈良で出会えた樫の巨木。光仁天皇の父施基親王(春日宮天皇)が病気療養のために隠居していた奈良山春日離宮に建立された奈良豆比古(ならつひこ)神社の境内にある楠で樹齢1000年。地上30mも枝を高く伸ばし、大きなほこらもできていた。
苔むした木肌には風格があり、思わず手を添え頬を寄せてしまった。雨上がりの後だったので、たっぷりの落ち葉からできた腐葉土の上を蚊がたくさん飛んでいて、あっという間に何カ所も刺されてしまった。でも蚊にめげず?両手を広げてゆっくり深呼吸をしたら、お腹の奥深い所までいい空気が入っていった。
もう一つで会えたものは巨岩。柳生の里近くの天乃石立神社(あめのいわたてじんじゃ)の中に四つの巨大な石が寄り添うように並んでいた。
高天原で手力雄命が天岩戸を引き開けた時、力余ってその扉石が虚空を飛来し、この地に落ちたという伝説がある。どうやら飛んで行った岩は戸隠神社だけではなかったようだ。
こちらも全面を苔に覆われ、しめ縄が回されており、この岩自体がご神殿になっている。小さな神社だったけれど、自然の気がとても強く残っていた。かつて柳生家の剣の修行場だったそうで、神社の奥には柳生十兵衛が刀で割った跡だと言われている大きな亀裂が残る一刀石も鎮座していた。あまり訪れる人もいないようで、古代からそのまま時間が止まっているような聖域だった。
両方ともいいエネルギーに溢れた場所だったので、たっぷりとパワーチャージできとても気持ちよかった。体の中の細胞たちも喜んでいるみたい。それにしても長い時間をかけて自然と共に存在してきたものたちのなんと力強く美しいことか。その存在には無条件で敬服してしまう。
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