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October 31, 2013

再決断カウンセリングワークショップ

今年もまた再決断カウンセリングのメンバーの方が古民家をワークショップの会場として使って下さった。今日はそのワークショップの日。基本的には毎年、春と秋に行っているので、もう勝手知ったる?仲。人数だけ教えていただければ、特に打ち合わせなしでも当日を迎えられるようになった。
こういう長いお付き合いになってくると、久しぶりに再会できることがとても嬉しいし、お互いに気心が知れているので使っていただきやすくなる。今日も夕方、おかげさま農場の直売所に野菜を買いに行くので、ティータイムの用意をした後、一度、抜け出させていただいた。
ミー介と草ちゃんも皆さんのことを覚えているのか、時折、障子を突き抜けてワークショップ会場に乱入?したりしていた。ご迷惑をおかけしながらも皆さんから名前を呼ばれて可愛がっていただいた。
カウンセリングの時は安心して行っていただけるよう、ほぼ丸一日、朝から6時頃まで貸し切りにしている。カウンセリングと言ってもマンツーマンで顔を突き合わせて行うスタイルではない。中央にクライアントが座り、その向かいにカウンセラー、そしてそれを囲むような形で参加者が思い思いに座敷に座る。一見しただけだとカウンセリングの現場だとは思えない。
クライアントはご自身の問題(変えたいと思っている部分)を皆の前で話しながら、自分自身の中にある怒りや悲しみをそこで表出させていく。もちろん私はお部屋の中には入っていないので実際に行われているカウンセリングの現場に立ち合っているわけではない。
でも一回ごとにクライアントが変わり、一つのセッションが終わると休憩に入るので、その時の皆さんのすっきりした表情を垣間見させていただいている。そしてこういう形で人が変わっていく過程もあるのだろうなあと感じている。
変わることを恐れない。そして変わっていくことで、新しい世界が広がっていく・・・。人は変わりたいと思ったら、いつでも変わることができる存在なのだなと思う。
古民家をワークショップの会場として使っていただけるのはとても嬉しいので、また次回、皆さんと再会するのが楽しみだ。


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October 30, 2013

和美(なごみ)の講座 開催

今日の午後からは和美(なごみ)の講座。風楽主催のイベントではなく貸しスペースとして使っていただいた。
お店に食事にいらしたことのあるハルミさんと言う方が企画されたイベント。生け花を習い始めたことから日本人の美意識、精神性などに関心を持つようになり、勉強を始められたという。ある時、某大学で開催された「植物と古典」という公開講座に参加。そこで今回の講師である高谷秀司さんとお知り合いになり、同じ千葉県ということで講座の開催を思いつかれたそうだ。
秋という季節がら古今和歌集の中から「秋きぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」(藤原敏行朝臣)の句を取り上げることから始まり、秋の趣や「もののあわれ」について投げかけたり、季節感についてのお話だった。最後はギターや琵琶などの演奏もあった。参加人数がちょっと少なくてもったいないような集まりだった。
私はずっとキッチンにいて自分の仕事をしながら、講座終了後にコーヒーとケーキをお出しした。
講師の高谷さんはUSAギブソン公認ギタリスト。渡米後、ラリー・カールトンデューク・ジョーダンらとも共演したことがあるそうだ。尺八の人間国宝山本邦山さんとユニットを組み「大吟醸」というアルバムをリリース。今年の出雲大社大遷宮ではユニットで奉納演奏をされたそうだ。
今回は講座なので演奏はわずかしかなかったけれど、ここはいい場所なので、今度は古民家でライブをやりたいとお話して下さった。いただいたCD「大吟醸」を聴きながら、その日が来るのを楽しみに待っていよう。

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古民家にすっかり溶け込んでいる高谷さんの琵琶


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小豆の収穫

初めて栽培した小豆ができた。今年の5月頃、撒いた小豆だ。私はあんこを煮るのがちょっと得意!風楽のお汁粉はいつも美味しいねと言っていただく。自分で育てた小豆であんこを作れるなんてすごく嬉しい。
今年の夏は孫が生まれたので産後の世話で娘の家に通い続けた。忙しくて畑には全く手が付けられず、すっかりほったらかし。気がつけば畑は荒れて草ぼうぼうになり夏野菜の片付けも終わっていなかった。
昨日はお休みだったので午前中は西側の畑半分を耕しにんにくを植えたが、午後からは雨になってしまった。今日の午前中はとてもいいお天気。午後からご予約が入っていたので3時間だけ畑仕事。
小豆のサヤの中で茶色くカラカラになっているものだけを選んで摘み取っていく。いつのまにかしっかりサヤが乾いていた。まだ青いものはそのまま残し、茶色くなってから収穫する。
久しぶりのぽかぽか陽気。お布団が竹竿の上でふっくらと干され、畑の周りではみー介と草ちゃんが追いかけっこ。一つ一つ摘んでいくのでけっこう時間がかかってしまったが、こんな日にのんびり畑仕事ができること自体が、とても幸せだった。サヤを開くとちっちゃな茶色い豆粒たちが並んでいてとても可愛らしい。
ザルにまとめて天日干し。そう言えば、千葉に引っ越してきたばかりの時、近所のおばあちゃんがむしろの上に何かを広げてビール瓶で叩いているのを見て、何をしているのかわからなかった。あれは小豆をサヤから出している作業なのだと後から知った。
もうじき、残りの青い部分がカラカラになって全部収穫できたら、この小豆であんこを煮よう。さてどんなあんこができるんだろう。楽しみだなあ。
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October 28, 2013

モデルハウスで撮影

今日はビオンで仕事。ヤワタホームでは年末年始にお配りするオリジナルのカレンダーを毎年作っている。一ヶ月ごとの見開きで、片方は写真、片方にはスケジュールが書き込める使いやすいタイプのカレンダーだ。今年のカレンダーも今、作成中で、何枚か私の写真を使っていただくことになった。
ガーデンビオン内にはいくつかモデルハウスが建っている。実際に購入して住んでいらっしゃる方もいる。無垢の木と漆喰を使った自然素材で建てたとても気持ちのいい家だ。シックハウスとも限り無く無縁でいいられる安心して暮らせるオーガニック住宅。木の香りたっぷりでマイナスイオンに満ち、深く呼吸ができる。
以前から明るい空間のモデルハウス内を撮影したら、さぞ素敵な写真になるだろうなあと思っていた。今日はトモちゃんと仕事だったので、朝の仕込みを終えてから、一度厨房を抜け出させてもらった。せっかくヤワタホームのカレンダーにする写真なら、ティーカップとケーキをモデルハウスのキッチンや茶の間のテーブルの上に並べて撮影したかったのだ。
幸いお天気もよく室内は自然光たっぷり。設計の段階から風水だけでなく、季節による日照時間を計算したり、風向きのデータを調査し、光の道(日当り具合)と風の道(風の通る向き)に沿うような形で間取りや窓の配置が考えられている。
ほんのちょっとだけのつもりだったのに、撮影しているうちにだんだん面白くなってきて、店のことをすっかり忘れていたら?トモちゃんから「お客さんがいっぱい!戻ってきて!」のSOS。
店に戻るとまあ大変!お客様がたくさん来ていらしてトモちゃん一人で厨房はてんてこ舞いだった。すぐにカメラを置いて、洗いものを始めた(ごめんねトモちゃん)。
今回は時間がなかったので、できなかったけれど、いつか作った料理を大皿に盛りつけ、テーブルセッティングをした状態でも撮影してみたいなあ。きっと温かくて明るくて美味しそうな食卓になるだろう。
*なおガーデンビオンでは11月23日に新しいモデルハウスが完成します。今まで以上に安心して暮らせるように、エアー断震システム(地震が起きた時、空気の力を利用して瞬時に家全体を浮かせ、地震の揺れを伝えない技術)と、PM2.5を98%除去する高性能換気システム付き住宅だということです。
営業時間内はいつでも見学できます。またご希望の方は宿泊体験も可能。
ご興味にある方、ぜひお問い合わせ下さいね!

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October 27, 2013

千葉里山カフェ

10月末に発売される「千葉里山カフェ」(株式会社グラフィス)が届いた。グラフィス社と言えば、カフェを愛する人向けの隔月刊誌「cafe. mag」でおなじみ。毎回、美術館カフェ、古民家カフェ、ガーデン&テラスカフェなど、趣向を凝らしたカフェ特集が楽しめる雑誌だ。
今回の「千葉里山カフェ」は千葉の中でも白井市から南房総市まで17市町村の中から、特に個性のあるナチュラル志向の里山カフェを40件チョイス。オールカラー見開きで紹介されている。
今回、風楽を取材してくれたのは元ぐるっと千葉のスタッフ沼ちゃん。何かと気が合い?たまに店に来てくれると話が止まらなくなり、店が終わってからも夜の12時近くまで話し込んでしまう(実は私が怖くて帰れないのかも?)。
若いけれど、とてもいい感性と取材の視点を持っている人で、本好き旅好き手仕事好きと趣味が合うので、この取材が終わった後も、夜遅くまで楽しい会話で盛り上がったのを思い出す。
きっと沼ちゃんが私の感性や生き方を熟知してくれているからなのだろう。風楽らしいとても素敵なページに仕上げてくれた。
ようやく千葉にもカフェ文化が根付いてきたようで、近年、オシャレな雰囲気のカフェが少しずつ増えてきた。本やカメラを片手にカフェでランチしながらゆったり過ごす時間が私は大好きだ。
知っている店も新しくできた店も定番の店?も、たっぷり紹介されているので、紅葉の中、エリアを絞ってカフェ巡りをするのも面白そうだ。
昨日は台風の影響を懸念し、星庵さんにはお休みしてもらい私一人で店番だった。
今日は台風一過の青空が広がり、本当にいいお天気になった。お店も大忙しだったが、センちゃんと星庵さんと私、3人のチームワーク?で忙しくても楽しく仕事ができた。台風はもうこれ以上来てほしくはないけれど、去った後のこの清々しさは格別。
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October 25, 2013

秋の酵素作り

ようやく秋の酵素を仕込んだ。例年、新米が採れてから作りたい人たちの日程を調整して仕込み日を決めるので、どうしても仕込むのは秋が深まってからになってしまう。
今年はもう昨年の秋の酵素が残っていないので、一日でも早く秋の酵素を飲みたくて仕方ない。ちょうど長野に行ったので現地の農産物直売所で新豆やらルバーブ、食用ほおずき、国産レモン、かぼす、食用菊など、こちらでは手に入りにくいものをいろいろ調達してきた。
今回の参加者は5人。今年もまた初めて作る人がいた。かれこれ100人以上の人たちに酵素作りをお教えしてきたが、何人かで作ることの利点は材料を交換できることだ。私が買い忘れたいちぢく、落花生、菊芋などを多めに持ってきてくれたり、お茶の実、むかご、椿の実、シイの実、カラスウリ、ザクロなど野のものを集めてくれた人もいた。それらを交換し合っていくうちにかなりの種類になっていくのだ。
台風が近づているが、浸水していた雑穀や豆、ナカヤマ先生から送ってもらったビートなども用意しておいたので、できたらせっかく決めた日程を変更したくなかった。幸い大雨にはならず、今日のうちに仕込み終わったので、ほっとした。
今回、使った酵素の材料を数えてみたら、何と72種類!過去最高記録になった。仕込む野菜たちを集めてザルに並べていたら、その色彩の鮮やかさに見とれてしまった。さらにここに玄米の他、ヒエ、粟、キビなどの雑穀、7種類の豆までも加わっているのだ。72種類の野菜や果物、木の実など自然界の実りと自分の常在菌で酵素が作れるなんて本当に感動してしまう。
明日から毎日、樽の中をかき混ぜながら発酵させていき、11月上旬には美味しくて体にいい手作り酵素が出来上がる。今年の酵素はどんな味になるか、とても楽しみだ。

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October 24, 2013

長野へ②

次の日は朝ご飯をいただいてからみんなで霧ケ峰高原へドライブ。途中、諏訪大社の御柱の切り落とし坂を通り、ご神木の切られる樅の木の山を抜けて走ったが、とにかく紅葉がとても美しかった。山肌に天然の黒曜石が散らばっていたので少し拾ってきた。
お昼前に八島ヶ原湿原を散策した。四季折々の美しい花が咲くハイカーに人気のある湿原だということだったが私は初めて行った。茶色くなった草原の向こうに広がる色づいた山々は本当に美しく、何度も何度もカメラを向けてその光景をレンズにおさめた。
お天気は晴れではなかったけれど、山の一部分に霧のかかると、それがかえって幻想的な風景となった。木の遊歩道が全面に敷かれているので足下も歩きやすく、最初は肌寒かったけれど、歩いているうちに汗ばむほど。
歩き終わったら、その近くにある高原荘という山小屋へ。ここのマスターはコタローさんのお友達であり、偶然にもヨコヤマさんともお知り合いだった。南極観測隊の隊員として2回、南極に滞在したことがあるそうだ。YMCAのキャンプでも高原荘を利用したことがあるそうで、ヨコヤマさんは20数年ぶりの再会を喜び合っていた。その当時は電気がきておらず、灯りは全てランプの宿だったという。
私はお昼の特製松花堂弁当をいただきながらマスターに南極のお話をお聞きした。調理人はけっこう需要が高いとのこと。一般公募なので、私にも南極に行ける可能性があるかも?!オーロラがいつも見える場所にいるって素敵だなあ。
お食事とお話が一通り終わった後に記念写真を撮り、コタローさんとはここでお別れ。ワーゲンは車山高原経由で蓼科に向かい、紅葉真っ盛りの高原をひたすらドライブ。山頂の色づき方は最高潮。ため息が出るほうど美しい紅葉を楽しみながら、車内でも楽しい話に花が咲き、全く退屈することなく横浜まで帰ってくることができた。
しゃべり疲れて笑い過ぎてノドが枯れるかも?と心配しつつ、元気に帰宅。紅葉に囲まれて、大好きな人たちと再会した時間は本当に楽しくあっという間に終わってしまった。また来年みんなで遊びに行けるといいなあ。

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October 22, 2013

長野へ①

古民家を修復してくれたコタローさんが住む岡谷のログハウスに泊りに行ってきた。去年、一人で遊びに行ったらトモちゃんや修復を手伝ってくれたヨコヤマさんも行きたかった〜と言うので今年は、3人で行くことにした。
一度、横浜まで出てそこからヨコヤマさんの愛車ワーゲンに乗り替え3人でドライブ。ヨコヤマさんは十代の頃からお世話になっているYMCAの元主事。学生時代、YMCAのキャンプリーダーに明け暮れていた私にいろいろな指導をして下さった。その後、古民家の修復を手伝ってくれたり、お店に来てくれたり、今では世代を超えた?お友達として楽しくおつきあいさせていただいている。
紅葉の一番美しい時期なので、行きはちょっと足を伸ばして駒ヶ根に寄りたかったが、途中、工事渋滞にあって断念。急きょ予定を変更して八ヶ岳倶楽部へ。
ライチタイムを過ぎたというのに駐車場にはたくさんの車が並んでいた。タレントであり園芸家である柳生真吾さんの知名度によるものだろう。レストランで遅いランチをすませ、雑木林がさりげなく手入れされているお庭を散策。
その後、諏訪湖畔沿いの温泉に入ってから夕方、コタローさんのお宅へ。中川村に移住したコバヤシ君も合流し、夜はコタローさんの奥さんのユミさんが作ってくれた美味しいお料理をモリモリいただきながらみんなで賑やかに宴会。持っていったお土産は何と全員お酒!飲んでも飲んでも?飲みきれなかった。
初対面の私が初めてここに来て古民家の修復をお願いした時、コタローさんは二つ返事でお金にならない仕事を引き受けてくれた。毎週のように岡谷から成田まで泊まり込みで通い、自分のログ仲間にも声をかけ、私の友人たちとも気兼ねなく付き合い、誰が来てもできる仕事を振り分け、わからない所は優しく教えてくれた。
とても大変な仕事だったけれど、コタローさん中心に楽しい輪が広がり、いつもそこに笑いがあった。この古民家の修復はコタローさんなしにはあり得なかったので私にとっては命の恩人?のような人だ。修復して4年が過ぎてもこうして親しくおつきあいさせていただけて本当に嬉しい。
お酒を飲みながら、思いをかけてモノを創ることの大切さについて話した。古民家の修復作業を通して私は人の思いが場を創り、育てていくのだということを身をもって体験させていただいた。同時に何もない所から場を生み出すのもまた人の思いだということも。それを実体験の中で学べたことは私の人生の宝ものだ。
楽しい再会ができ、夜は青春フォークソング?を歌いながら賑やかに過ぎていった。

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October 20, 2013

ミー介と草ちゃん

5月に赤ちゃんを産んでママになった草ちゃん。5匹の子猫たちの里親を募集していたのだが、先週、最後に残っていたチャーを友達のムーランちゃんが引き取りに来てくれた。これで全員の里親さんが見つかって一安心。
一時期、古民家には7匹ネコがいた。草ちゃんは5匹の子猫たちにおっぱいをあげて、しっかり子育てしていたが、食べても食べても太れなかった。ひと月ほど前、さらにそこにシャムっぽいネコが加わった。近くに捨てられたようで、エサを求めて家にやってきたのだ。私の顔を見て「ご飯ちょうだい〜」って鳴くので、仕方なく外に少しだけエサをおいたら、いつのまにか居着いてしまった。
それにしてもいたずら盛の子猫たちがたくさんいると本当に大変だ。網戸にはよじ上るし、早朝から「ご飯くれ〜」とミャーミャーうるさいし、店の営業時間中は縁側から障子を破いて部屋にダイブしてくるし、家の中は走り回るし・・・。それをつかまえて外に出すことにいつも追われていた。私は特別ネコ好きでもないのに(ミー介のことは大好きだけど)、なんでこんなにネコが集まってくるんだろう?!と不思議だった。
ミー介も草ちゃんも最初は古民家の近くの竹やぶに捨てられていた。ミー介はネコ好きのトモちゃんが5匹まとめて竹やぶから拾ってきた。里親が見つかるまでしばらく預かって・・・と言われて一緒にいるうちにすっかりメロメロになってしまった。
人里離れているのをいいことに、無責任にネコを捨てて行く人たちがいるのかと思うと頭に来る。
幸いそのシャム系のネコの方も知り合いが飼ってくれることになったので、先日、お届けしてきた。
これで久しぶりにまたミー介と草ちゃん2人だけの静かな時間が戻ってきた。チャーは草ちゃんよりも体が大きいのに、里子に行く直前までオッパイを飲んでいた。歯が痛いらしく草ちゃんはイヤがっていたけれど、ママの近くに最後までいたので、いつまでも甘えん坊だった。
ようやく子離れできたせいか?やんちゃな草ちゃんも少しだけ落ち着いたような気がする。家の中でも前よりは静かにしている。今日、お客さんに抱っこされている時、赤ちゃんネコがオッパイを飲む時のように手足を前後に動かしていた。子供たちがいなくなったので赤ちゃん帰りしたのかも?
ネコたちのしぐさは和むし見ていると本当に可愛らしい。でももうしばらくネコはこれ以上、増やしたくない。竹やぶの中にこっそりネコを捨てて行った人たち!動物を捨てるのは犯罪なので見つけたらその場で通報しますよ!!
どうか可愛らしいネコたちの世話を最後までして下さい。それができないなら去勢手術をして下さいね。

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みーしゅけ

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草ちゃん

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チャーの乳児期

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フラちゃんの乳児期


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捨てられていたシャムちゃん

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満月瞑想会

あいにくの雨模様になってしまったが、今日は満月瞑想会の日。始まる前から今回は、なんとなく落ち着いた感じのよい集まりになりそうな気がしていた。大橋住職も今回の瞑想会に向けて心を落ち着かせ?準備をしているようだったので、私自身も楽しみにしていた。
6時半の開始前から早く来られる人だけ集まって、ゆったりとした呼吸を繰り返していたせいか、いざ始まる時間になった時はすっかり場ができあがっていた。
私はちょっと眠かったので、今日は半分、夢心地?の瞑想会だったけれど、穏やかで優しいエネルギーが周りに満ちていたような気がする。外の雨音のリズムを感じていることがまた心地よかった。
最後に大橋住職が「不動讃」という経をあげる前のご真言を本邦初公開のギターで披露してくれた。ギターのリズムとご真言も合っていたけれど、直接、唱えているのも聴きたくなってリクエストした。
大橋さんのよくとおる声が古民家のお座敷に広がっていき、あたり全体が黄色い光に包まれていった。あまり意味はわからなかったけれど(大橋住職が説明してくれたのだが理解できていない)、とても気持ちのいい響きだった。
終わった後の交流会も今日は料理やお菓子の差し入れがたくさん並び、食卓はにぎやか。自己紹介を兼ねたシェアタイムの後、ベリーダンサーのパドマさんが大橋住職のギター、ユウキ君のジャンベと合わせて創作舞を踊ってくれた。長い髪を振り乱しあたかも龍が天に昇っていくようなダンスだった。お経を舞で唱えているみたいだった。
いつも来てくれるメンバー、初めての方、久しぶりの方、いろんな人たちが集まって過ごす満月の夜。月は見られなかったけれど、月輪観により心の中にぽっかりと美しい月を浮かべることができた。

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October 19, 2013

料理教室〜酒粕シチュー、ひよこ豆とアボカドのサラダ他

今日は料理教室。メニューは酒粕で作ったホワイトソースにさつまいもや人参を入れたシチュー。野菜を別に煮てから豆乳のホワイトソースを作り、煮込まないことで豆乳の分離を防いだ。
ひよこ豆とアボカドのサラダはアボカドにわざびや玉ねぎ、レモン、オリーブオイルなどを入れてフープロにかけ、ディップを作ってから、蒸し煮をした人参とひよこ豆を和えたもの。
重ね煮のいきなり炒り豆腐は、人参、ごぼうなど7種類の具材と共に、豆腐もちぎって一緒に重ね煮をしたもの。
かぼちゃを蒸してマッシュしたものを小麦粉の中に加えて薄皮を作り、あんこを包んで蒸したかぼちゃまんじゅう。今日は人数が少なかったけれど、どれも美味しかった。
ランチにはみなみやさんのともみちゃんとまりっぺが来てくれた。ずっと気がつかずにいて、あとから姿を見つけてビックリ。久しぶりに会えたし、今日、お店の方は暇だったので、料理教室の始まる前にお席に行って少しお話した。二人とも本当に素敵な感性の女性たちだ。ずっと友達のようにお話していたけれど、実は私の年齢よりも、娘の年齢の方に近いということがわかり、ちょっとショック?!でもこれからは娘世代の若い人たちが時代を作っていくんだなと思ったら嬉しくなった。


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October 17, 2013

アズ・キッチンでランチ

台風26号は各地に悲惨な爪痕を残していった。香取では24時間で350ミリという降雨量。観測史上最大だそうだ。ここもほぼ香取と同じくらいの雨量だろう。雨漏りする厨房にバケツを並べておいたのだが、朝になる前にバケツの水があふれていた。
京成成田駅はホームの線路下の崖が崩落した。今日、車で走っていたら51号からホームの様子が見えた。成田駅に行くまでの県道もボックリと陥没している箇所がいくつかあった。あの地震の時でさえ大丈夫だったアスファルトの道路がこんなになってしまうのかと驚いた。ひとたび猛威をふるうと自然の力は計り知れない。ここ数年、大きな自然災害が続き、自然の怖さをまざまざと見せつけられている。
今回は播種時期とも重なって、畑の被害も甚大だ。新聞に千葉県の農作物の被害は5億900万円になるという試算が書かれていた。農家さんたちはただでさえも忙しいこの時期に、畑の手入れをし撒いたばかりの種をまた撒き直す。自然相手の仕事は本当に大変だろうなあと頭が下がる。野菜の出回る量が少なくなるので、今まで以上に大事に無駄なく使わせていただかなければ。
今日はお休みだったので、台風一過のお天気を生かして夏布団と冬布団を取り替え、部屋の掃除と片付け、そして今頃になって衣替えをした。途中、お昼に一度出かけた。久しぶりにどこかにランチを食べに行きたくなってアズキッチンに行ってきた。
久しぶりに行ったのに、マスターは私のことを覚えていて下さった。カウンターに座り、お話しながらランチをいただいた。いつ来ても本当に美しくアートのようなサラダだ。一体、何種類の食材を使っているのだろう?色彩の鮮やかさが際立つ。場所さえ選べば、あっという間に人気店になるだろう。
尊敬する料理家辰巳芳子さんの新刊を読みながら、料理人の心得と料理することの原点について改めて考えている。食に携わる者は命を育む過程に深く関与することになる。その責任をきちんと請け負う覚悟があるのか・・・。辰巳さんの言葉は料理人の声を通り越して一つの哲学のようだ。
流されてしまいそうになる自分を塞きとめてくれる大切なメッセージ。それを真摯に受けとめ、また明日から仕事に励もう。
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October 15, 2013

パン教室〜小麦胚芽と米糠のパン〜

このところずっとスーザンの集い開催に向けて、エネルギーを傾けてきた。おかげさまで昨日は人数は少なかったけれど、感謝と感動に満ちた素晴らしい場ができあがった。いい仕事をやらせていただいた後は自分の心の中にいつも静かな充実感が広がっていく。
昨夜は寝たのも遅かったし、心地よい疲れが残っていたので、今朝はパン教室が始まる直前まで寝てるつもりだったが、なぜか6時前に目が覚めてしまったので、そのまま起きて朝ヨガに。
ゆったりと体を伸ばしてシャキッとしたので、帰ったら仕事の前に掃除と洗濯を済ませ、パン教室の準備。
今日は産休中の娘も赤ちゃん連れで参加。2人めのお子さんが生まれた方も赤ちゃんを連れてきたので、教室の傍ら、ベビー二人が座布団の上に並んで寝ていてとても可愛らしかった(一挙に古民家に来ている人たちの平均年齢が下がったみたいだ?!)。
産休中は時間があるので、これからも毎月、子連れで参加したいなと言っていた。
今日のパンは米糠入りのくるみパンと胚芽生地のクリームロール。小麦と胚芽をそれぞれ国産小麦に入れて焼くパンなのだが、胚芽生地に方は栗入りカスタードクリームが中に入っていて表面はココナッツファインがまぶされていてケーキ風だった?。
パン教室の後は楽健法。娘も参加して母娘で体の踏み合いっこ。途中でアヤコさんも来たので、楽健法が終わった後は枇杷灸をやることになった。
みんなでできることを持ち寄ってお互いの体ケア。病院に行かずに体を整え疲れを癒すことが日常の中でできたら助かる。外は雨が降ってきたけれど、こういう日が時々あるといいな。

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スーザン・オズボーン&木原健太郎コンサート

心待ちにしていたスーザンの集い。急きょピアニストの木原健太郎さんが加わって下さることになり、本格的なコンサートが開催できることになった。
朝、5時から起きて庭にある木の枝を手折り花を生け、看板を書いた。6時から仕込みを始め、ほぼ仕上げてから11時前に店を出て、成田空港で通訳のヒロコさんをピックアップ。すぐに高速に乗り、スーザンを東京駅までお迎えに行った。東北新幹線のホームでハグして再会。
店に戻って料理の盛りつけをし、会場のセッティングをしているうちに、あっという間に開場時間に。私が留守にしている間も店は忙しかったようで、片付けが終わっていなかったのだが、コンサートにいらしたお客様たちがいろいろお手伝いをして下さったのでとても助かった。
今回は土間にピアノがあり、人数も少なかったので、土間をコンサート会場にした。スーザンは昨日まで石巻にいて、被災地にある学校でコンサートをしてきた。その時の様子をお話ししながら、「荒城の月」や「Close to you」「ふるさと」「花は咲く」などを次々に熱唱。
健太郎さんのピアノの旋律に合わせて、スーザンの美しい歌声が響き、涙を流されている方もたくさんいらした。お二人の息はピッタリ。健太郎さんがピアノを弾きながらスーザンと歌う場面も。実際に息を吐きながら声を出すレッスンを皆さんと共に実演したりした。スーザンは歌うことを心から愛し楽しんでいる人だ。ラストソングは私の人生のテーマソングである「You've got a friend」。そしてアンコールは「In my life」。
スーザンの歌を聴きながら、この場所が、そして自分自身が浄化されていくのを感じていた。何も恐れるものはないのだなと思った。
久しぶりに聴いたスーザンの歌声は以前と変わらず心の深い部分に優しく寄り添ってくれた。こんな素敵な時間をこの人数で間近に感じながら過ごせるなんて、なんて贅沢なコンサートなんだろう。人数に関係なく心を込めて愛の歌を贈り続けてくれたスーザンと健太郎さんに感謝の気持ちでいっぱいだ。
その後、休憩をはさんでお料理の準備をしてお座敷でスーザンと木原さんを囲む交流会。人数が少ないのにいつものごとくたっぷり作ってしまったので?とても食べきれないほどだった。お料理を食べながら皆さん一人一人自己紹介がてらコンサートの感想を話していただいた。
スーザンの歌は祈りだ。そして今回はそのことをきちんと受け留めて下さる方達が集まった。変革の時を迎えた今、私たちは目覚めなければならない。一人一人の覚醒が地球の未来を幸せなものへと導いていくのだなということを再確認したひとときだった。
自己紹介の最後に私もお話させていただいたのだが、スーザンの歌を私の中で咀嚼したものが言葉になって降りてきたようで、いろいろな思いがあふれてきた。
天とつながっている人が歌う歌には力がある。感動は人を変えていく何よりの近道だ。スーザンはそんな力を持った偉大なヴォーカリストだと思う。
今日一日で何度も何度もスーザンにハグしてもらった。「お母ちゃんみたい」な大きさと温かさ。包みこまれてしまうような安心感。それがあるからがんばれた。
ありがとうスーザン、そして葉山から車で駆けつけてくれたピアニストの健太郎さん。いただいたメッセージは必ず私の中で育てていきます。

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October 13, 2013

ピアノの調律 明日はスーザン&木原さんのコンサート

今朝、嬉しいお知らせが入ってきた。明日のスーザンオズボーンの集いにピアニストの木原健太郎さんが出演して下さることになったのだ。毎回、スーザンの集いは「コンサート」ではなく「スーザンのトークとアカペラの歌&交流会」という名称で皆さんに喜んでいただける場をご用意させていただいてきた。
個人の小さな店では世界の舞台で活躍しているスーザンのコンサートを主催できるような音響設備もキャパもないからだ。
木原健太郎さんと言えば、「Love Songs For Two」のアルバムでピアノを演奏されたミュージシャンだ。私もお二人のコンサートに行ったことがあるが、センシティブでハートフルなスーザンの歌のフィーリングをキャッチし、二人で素敵な音の世界を創り上げていた。
木原さんが参加して下さることによって、今回、この古民家を会場にスーザンと木原さんのコンサートが実現することになった。音響も設備も何もなけれど、スーザンの歌を今まで以上に堪能できる・・もうそう思っただけで、もう舞い上がりそうになってしまった。
さっそく古いピアノを調律してもらうことにした。連休だし、今日の今日で大丈夫か心配だったけれど、朝からいろいろ電話をし、店が終わってから来て下さる調律師さんを見つけた。何しろ古民家に移動してから一度も調律したことがない古いピアノだ。しかも引っ越しの時、ピアノ運搬業者さんを頼むゆとりがなかったので、修復を手伝ってくれたメンバー3人と私で、借りた軽トラに積み上げて古民家まで運んできたのだ。これで音が狂わないはずがない。
調律が終わり、久しぶりにキレイに掃除をして上にお花を飾った。私と同じ年のこのピアノは前の店をオープンする時に友達が開店祝いにプレゼントしてくれたものだ。当時は毎月ライブをやっていたので、このピアノも大活躍だった。
ピアノの隣りに藤蔓で編んだスタンドを置いたら、ピアノがすっかり生まれ変わって喜んでいるみたいだった。
明日はこのピアノが音を奏でスーザンの美しい歌声が土間に響く。そしてその歌声は私たちの心に染み入り、たくさんのメッセージを届けてくれることだろう。
秋の一日、スーザンと木原さんの素敵なコンサート&交流会によろしければぜひお出かけ下さい。
まだ空きがありますのでご希望の方、お電話でお申し込み下さいね。
なお明日はスーザン・オズボーン&木原健太郎コンサートのため、古民家のランチは2時(LO1時半)で終わりにさせていただいます。
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October 12, 2013

ミニ上映会「内部被ばくを生き抜く」

写真だけ見たら、何をしているかわからないかもしれないが、これはみんなで映画を見ているところ。今日は鎌仲ひとみ監督のドキュメンタリー映画「内部被ばくを生き抜く」(2012年作品)の上映会を行った。1ヶ月ほど前に上映することを決めたのだが、その後に風楽の別のイベントが次々に決まって忙しくなり、一時は上映会そのものを延期しようかとも考えた。
そのため宣伝などが徹底できず、今回は人数がとても少なかった。機材の打ち合わせをしていなかったこともあって、急きょ私の部屋のテレビでDVDを見る形の上映会になった。10帖の板の間に9人が集まり、娘が誕生日にプレゼントしてくれためったに見ない32型のテレビの画面でこじんまりと鑑賞。本当のミニ上映会?になってしまった。
2時間10分と長い作品なので、ゲストのトークも今回はなし。そのため終わったらすぐに茶の間に移動し、おむすびと簡単なおかずを食べながらの交流会となった。初めて映画会に参加された方もいらしたので食べながら自己紹介をした。
今日はなぜか自己紹介の最初の段階から、環境問題や原発と自分との関わりについて話して下さる方が多かった。中には東電で働いていたという方や、原発を視察にいらした方もいて興味深いお話が聞けた。
日本山妙法寺の庵主さまも来て下ったので、実際、福島に何度も行かれた経験や、平和行進などのお話もしていただいた。
庵主さまは宗教者として、モトコちゃんは市議会議員として、そして私はオーガニックレストランの店主として、それぞれ立場は違っても同じ女性として原発を止め、平和な社会を創りたい、子供たちに安心して暮らせる環境を残したい・・・という思いは共通している。
自己紹介をしながら、それに対して質問したり、それぞれが思うことを補足したりしていった。交流会の時は人数が8人だったこともあって、全員が発言し、それに対してまた意見を交換し合うことができた。
それがとても面白かったので、みんなで話が盛り上がり、中々終わりにすることができなかった。結局、みんなが帰ったのは11時半頃だった。終わりにしましょうと言わなければ、まだまだ話は続いていたかもしれない。
一時は延期しようと思ったくらいだが、やっぱりやってよかった。映画を通して一つの共通認識ができたので、その後の会話も同じ土俵で自然に広がっていたという感じなのだ。こんなふうに話し合える場を持つことはとても大切だし、自分にとっても必要だなと思った。
できたら毎月一回くらい環境や平和をテーマにした映画会を開催しながら、集まった人たちとゆっくり話していける機会を作っていきたい。そのこと自体が情報交換の場であり互いの学びの場になったら嬉しい。

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October 11, 2013

さようなら鳥山敏子先生

「賢治の学校」を設立された鳥山敏子さんが、10月7日に亡くなられた。訃報を聞いた時、鳥肌がたった。私が人生でとても影響を受けた方の一人だ。最後のお別れをしたくて、迷うことなく、今日、賢治の学校で行われた鳥山敏子先生の旅立ちの会に行ってきた。
鳥山さんの著作「いのちに触れる」は私の座右の書。肉食とは?生きるとは?命とは?食べるとは?・・・その根本を考えさせられた一冊だ。
20年近く前になるが、その著者に会いたくて鳥山さんの講演会を友達4人で企画した。公立の小学校教育に限界を感じて退職し、自主学校を作るべく鳥山さんが全国で講演やワークショップを行っていた頃だ。それに合わせて「どんな大きな空よりももっと大きなものがある〜みんなが孫悟空〜」の上映会も行った。
ものすごい衝撃を受けた。こんなに真剣に生き、時代を読み取りながら、未来の担い手である子供たちのことを考える教師がいることに驚いた。私は吸い寄せられるように鳥山さんが行うワークショップに参加するようになり「賢治の学校」設立に向けてできることをやりたいと思った。津村喬さん、野村奈央さん、中野民夫さんなどたくさんの方たちにお会いさせていただいた。
鳥山さんから教えていただいた一番大きなことは「自分の足で立つ」ということだ。できないことの理由を社会や誰かのせいにしている人に対して鳥山さんは容赦なかった。「じゃ、あなたはどうなの?何をしてきたの?」といつも問題の本質はその人の生き方にあるのではないかと、突きつけてきた。
同時に傷ついてきた人、悲しみを背負って生きてきた人に対して、深い愛を注いでいた。
体の原始感覚を取り戻すことの大切さや、「思いを馳せる」ということの深い意味も教えていただいた。
離婚後、フルタイムで仕事に専念したので、鳥山さんの所へは中々行けなくなってしまったが、むしろそれは時間的なことよりも、単にあの激しいエネルギーに巻き込まれて自分を見失ってしまいそうな恐怖を感じたからかもしれない。
やがて鳥山さんは全国の支援者たちとつながり、94年に宮沢賢治の理念を元に「賢治の学校」を設立。そしてより可能性を広げる教育を学ぶべく自ら62歳の時にドイツのシュタイナー学校に一年間留学。今では宮沢賢治の理念とシュタイナー教育を融合させた学校をNPO「東京賢治シュタイナー学校」と命名。多くの子供たちに生きた授業の実践を行っている。
つい1週間前には72歳の誕生会を賢治の学校で行い、7日の朝まで教室で授業をしていたという。旅立ちの会では娘の雅代さんが母であり同僚である鳥山敏子の思い出を堂々と語って下さった。型破りでいつも心の中からわき上がってくる衝動に突き動かされるような人生だったが、安心して言いたいことが言え、信頼できる人だったと語られていた。
シュタイナー教育の伝道者子安美知子さんからの追悼のご挨拶もあった。
鳥山さんが直前まで授業を行っていた3年生の教室も見せていただいた。いろんな教材が並び、見覚えのある鳥山さんの懐かしい字があちこちにあった。
思い出を語る鳥山さんの教え子や友達の言葉を聞きながら、私は何度も何度も涙を流した。誰もが型破りでエネルギッキュな鳥山さんの生き方に振り回されながらも、心の赴くままに生きる素直でのびやかな生命力に脱帽し、やってきたことの実績を評価し、深い信頼と親愛の念を抱いていた。
私自身も鳥山さんから教えていただいたことが、今の自分の生き方の根底に流れているのだなと改めて思った。
お別れは寂しいし、一つの時代が終わってしまったような喪失感はあるけれど、鳥山さんの撒いた種はそんな喪失感などに押しつぶされるようなヤワなものではない。確実に芽を出し、伸びていく強い強い種なのだ。

鳥山さんありがとうございました。あなたに出会えたことは私の人生の誇りです。これからも自分の足で立ち、自分の言葉を持ち、自分の人生をしっかりと歩んでいきたいと思っています。どうぞ天国でも次なる構想に着手して行って下さいね。今度、再会する時はあなたの前でも決してひるまず、自分の意見をきちんと言える私でいたいと思っています。心からの愛を本当にありがとうございました。

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October 09, 2013

長野 四賀村と朝日村へ

長野に古民家を見に行きたいというヒロコさんの何気ないつぶやきに乗って集まった男女5人。初めて一緒に旅行することになったメンバーが普通乗用車一台に乗り合わせ、平日に一泊で長野まで行ってきた。
私の旅はいつも予定がない。事前に周辺のオーガニックカフェや行きたいギャラリーや美術館、温泉などのデータを基本的には調べていくのだが、どこに行くかは流れ次第。でも今回はそれさえ調べず、ただ四賀村(現松本市)に行くなら古民家の農家民宿kajiyaに泊まりたいとだけ思った。

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現地でヒロコさんの友人ユミコさんと合流し、案内していただきながらまずは自家焙煎のコーヒーがあるカフェ「風のいろ」でランチ。その後は映画「地球交響曲」を制作している龍村事務所龍村ゆかりさんが移住して始めた仕事場兼ギャラリー「るりこう庵」に立ち寄り、ゆかりさんともいろいろお話させていただいた。
夜は「sabouしが」に予約してオーガニックディナーの夕食をいただいた。とても素敵な空間でお料理も美味しく大満足だった。その後、松茸温泉に入ってから念願のkajiyaへ。

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千葉でひょうたんランプを制作していたユウジ君が震災を機に家族で長野に移住し、今年の6月にオープンしたばかりの農家民宿だ。私はユウジ君とkajiyaがなぜかつながっていなくて、現地に行っていきなり「風楽さんこんにちは」と言われて「え〜やっているのはアナタだったの?!」とビックリした次第。
千葉から移住しただけあって、お話しているうちに知り合いもけっこう泊まりに来ていたことがわかり、ああ本当に人ってつながっているんだなあと思った。

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古民家は地域ごとに屋根の形や作りに特徴があるのだが、四賀村の古民家は玄関が中央にあり、そこから左右に広がっている横に長い物件が多かった。二階では養蚕をしていたので、天井を外して改装すれば二階にもスペースができる。kaiyaでは1階にカフェスペース(金土日のみ営業)とプラベートスペースを、2階にはドミトリーの寝室が板の間で作られていた。

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ご自身で1年以上かけて手作りで修復したとのこと。私もたくさんの方に手伝っていただきながら同じ経験をしているので、10年近く空家になっていた古民家をここまでするのがどれだけ大変だったかよくわかる。

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kajiyaは古材などを利用して、古民家の雰囲気を残したままオシャレに改装してあった。薪ストーブの周辺にはタイルを敷き詰めたりしているが、壁の一部は土をあえて露出したまま残してあったり、建具や古民具などはいろいろ残っていたものをうまく再利用してあった。

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すごくキレイに近代的に・・・という感じではなく古民家ならではのぬくもりを残しながら修復してあったので、それがとても味わい深く素敵な空間になっていた。
こういう空間があればワークショップや瞑想会、ヨガのリトリートなどいろいろなことができそうだ。
行った全員がとても気に入って、朝は思い思いに散歩をしたりマッサージをしたりしてのんびり過ごした。そしてまた来たいと思った。

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2日目は朝日村へ。空家バンクに登録して移住を考えている人には、村から修復費用の一部が補助されるという。役場にも立ち寄り、実際に移住し、無農薬の蕎麦粉を栽培しながら十割蕎麦を打っている蕎麦屋「ふじもり」へランチへ。温かい雰囲気のあるお店で本当に美味しいお蕎麦だったので皆で感動した。その後、2軒ほど物件を見て温泉につかり深夜に帰宅。

何の予定も立てなかったけれど、古民家をたっぷり味わえた二日間だった。四賀村も朝日村も確かに田舎だけれど、オルタナティブな生き方を目指す人たちが次々に移住してきているようだ。そして静かなつながりを持ちながら少しずつ楽しい文化が生まれ街が変化しつつある。どうせ住むのであればできあがってしまった街よりも、何もない所から何かを生み出し、共に創っていく方がはるかに面白い。
長野は私にとって遊びに行く場所であって住む場所として考えたことはないけれど、実際には長野にも知り合いがけっこう移り住んでいる。その輪がこれからどんどん広がっていきそうだ。
また予定を立てずに遊びに行けたらいいな。

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October 06, 2013

さつまいものアボカドクリームサラダ

今日の定食のサラダは旬のさつまいもをたっぷり使った。さつまいもと人参をさいの目切りにして蒸し器で蒸し、インゲンを茹でて1センチほどの長さに切りそろえる。合わせるものはアボカドクリーム。アボカドとレモン、玉ねぎ、その他の調味料をフードプロセッサーでペースト状にして作ったもの。
さつまいもの黄色とアボカドのグリーンがとても似合っていた。
よそった器は柿ピー作の中鉢。ビオンで使っているプレート皿やスープボールと同じ土と製法で作ってくれたもの。何にでも似合うナチュラルさがとても素敵な器だ。特に色彩の美しい料理が映える。
今日は一日はっきりしないお天気だった。そのせいか、日曜日だというのに、お客さまはそれほど多くなかったので、合間を見て、庭のウッドテーブルの補修をしたりした。
お庭でお茶を飲むのがとても気持ちのいい季節になってきた。やがて早霜がおりて、あっという間に寒くなってしまうのだが、大好きな秋を今年はたっぷり楽しめたらと思う。
昨日は帰りが遅くなってしまい、それからブログを書いたので、寝たのが朝方近くだったのに、なぜかいつも通りに早く目が覚めてしまった。最近、睡眠時間がどんどん少なくなっている。寝たいと思っていても目が覚めてしまうのだ。年をとった証拠かも?
読書の秋。夜ではなく早起きして朝のうちにあれこれ本を読んで過ごそうと思う。
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世界が食べられなくなる日 

今日は店が終わってからすぐにビオンに行き、スタッフミーティング。その後、トモちゃんと二人で千葉に行き、カフェどんぐりの木で行われた映画会「世界が食べられなくなる日」を見に行ってきた。
モンサントの不自然な食べもの」に続く、遺伝子組み換え食品の実態を追ったフランスのドキュメンタリー作品だ。
映画の原題は「みんなモルモット?」。命を生み出す種を操作すれば世界中の食糧を牛耳ることができる。米国の多国籍バイオ化学メーカーモンサント社は種と農薬をセットで売り出し、自家採種を認めず、自社の製品なくしては作物が収穫できなくなるよう遺伝子組み換え作物を世界に広めようとしている。
一方、遺伝子組み換え食品の危険性を立証するため、カーン大学分子生物学者のセラリーニ教授は2年に及ぶラットによる実験を行った。遺伝子組み換えトウモロコシと、農薬(ラウンドアップ)をいくつかの比率で与え続けたのだ。
現在、市場に出回っている安全基準はラットにそれらを3ヶ月与え続けても問題ないという実験結果に基づいている。しかしラットにとって3ヶ月というのは人間の年齢でわずか10歳。長期の摂取でないと正確なデータは得られないとして、ラットの寿命に近い2年という時間をかけて実験を続けてきた。
その結果、言わずもがなラットには巨大な腫瘍がいくつも発生し、その危険性が裏付けられた。
作品の中ではセネガルの農業学校も紹介されている。若者たちに有機農業を教える先生がこう話す。「人間は毎日何かを食べる必要がある。その食べ物は農民が作る。タネを大切に育てなさい」と。自家採種することで遺伝子組み換え作物の侵入を阻止し、持続可能で安全な農業を続けてほしい・・・まさに私たちの願いを代弁してくれているかのようだ。
遺伝子組み換え作物の影響と同時に多くの時間をかけて取材されているのは原発の風景。世界第2位に原発保有国フランスと福島第一原発事故以降の日本。20世紀に生まれた巨大なテクノロジーである遺伝子組み換えと原子力。
共に世界に拡散し続け、体内に少しずつ蓄積され私たちの健康を脅かし、もはや後戻りできない所まで来てしまった。
切なく苦しい作品だった。小さなラットにできた大きな腫瘍は、人間の限りない欲望の象徴のようだ。このままでは私たちが安心して食べられるものがなくなり、安心して住める場所もなくなっていく。巨大なテクノロジーに相対して、無力な私たちに一体何ができるのだろう?
少なくとも賢い消費者になり、未来を見据えた生活者でありたいと願う。食に携わる仕事をしている者として、「モンサントの不自然な食べもの」と合わせてこの作品を少しでも多くの方に見ていただけるよう上映会を企画したいと思った。
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October 04, 2013

旬食材で作る秋のヘルシー弁当

毎週土曜日、新聞折り込みで配布されるタウン誌「エリート情報」の10月12日号は健康特集。その中で実りの秋をテーマに旬の食材を使ったヘルシーなお弁当を紙面用に作ってほしいというご依頼をいただいた。
実際に10種類のおかずをお弁当箱に詰め、たとえば胃腸を整えるお料理、美白効果、冷え性対策、血液サラサラ効果、免疫力アップ・・・・など、それぞれの効能をメニューと共にご紹介させていただく。
撮影はランチタイムが落ち着いた2時頃だったので、定食の支度をしながら、お弁当用メニューも考えていった。
いつもの風楽のお持ち帰り用のお弁当ではなく、可愛らしい曲げわっぱのお弁当箱の中に少しずつたくさんのおかずを並べていくのだが、写真撮影ともなると、ある程度の立体感やボリュームが欲しいので、実際にはフタが閉まらないほど、しっかりとおかずを詰め込んだ。それでも全てのおかずがまんべんなく見えるように盛りつけるのは難しかった。
風楽のメニューらしく?丸麦をあんかけにした高野豆腐の煮物や、テンペのフライ、酒粕入りアボカドディップなども作って、個人的には美味しそうなお弁当だなあと思ったけれど、さてどんな紙面にしていただけるのか、とても楽しみだ。
それにしても曲げわっぱのお弁当箱ってぬくもりがあっていいなあ。今さらお弁当箱なんて、使う機会はめったにないんだけど、欲しくなってしまった。
撮影中に大橋住職がランチに来てくれたので定食をお出しして、その後もお茶を飲みながら、あれこれ夕方まで話し込んだ。1週間会わないと話すことがたまってしまうほど?とても身近な存在で気の合う友達だ。互いのやっていることを認め合い、応援し合いながら、ずっと楽しくつき合って行ける大切な友達の一人。
来週の金曜日11日は6時半から大橋住職と会津素子議員と一緒に企画した映画会を古民家で開催。
鎌仲ひとみ監督の「内部被ばくを生き抜く」(2012年作品 環境テレビトラスト)。
震災後も福島に留まって生きることを選んだ人たちの苦悩と、被ばく医療を専門に取り組んでいる医師たちのインタビューだ。よかったらご参加下さい!参加費500円は環境テレビトラストに全額送金します。

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October 03, 2013

一人でビオン

今日は誰も都合のつくスタッフがいなくて、私一人でビオン。掃除と朝の食事の準備を全て一人でやるのは大変なので、昨日、店が終わる時にトモちゃんが掃除機をかけておいてくれた。
私がビオンに入るのは多くても週1回程度。お茶の出し方や備品の配置など、現場のスタッフに任せているので、たまにしか入らない私は自分の店と言えども、時々勝手がわからなくなる。だから一人でやるのは極力避けたいのだが、今日は誰も入れないので仕方ない。
ビオンの場合、予約でいらっしゃる方は少ないので、混むか混まないかは全く予想がつかない。今日は全体的にはそれほどでもなかったのだが、ランチタイムの時に4組のお客様が重なった。さらに食後にコーヒーやお弁当などのご注文もいただいたので、その時はさすがにちょっと慌てた。
ビオンでは食後のコーヒーも一回一回オーガニックコーヒーの豆を挽きハンドドリップしているのだ。混んで来ると、これはかなり大変だ。コーヒーは焦って入れると美味しくならない。次々にオーダーが重なると、よおく蒸らして、ゆっくりゆっくり香りを楽しむように・・・とはいかなくなる。
もちろん常時二人体制でやれたら、仕事もゆったりできるだろう。一人でやれることには限界があるから、正直なところ混んだらどうしようとちょっとハラハラする。でもこのくらいの売り上げであれば一人でやらないと店としては回っていかないという現実もある。
人手のゆとりがあることのメリットとデメリット。いつもそこで経営者として気持ちが揺れ動く。来年からは消費税が値上がりするし、ますます厳しい時代になっていく。アベノミクスの恩恵を受けるのは一部のお金持ちだけで庶民の暮らしは決して楽にはならないだろう。
効率だけを最優先させる仕事の方法(価値観)が、今の社会の歪みを作ってきた。だから効率のいい仕事が決して素晴らしいとは思わない。だけど、反面、諸々の経費を考えた時、さて、何を取捨選択すればいのだろうと経営者としていつも問われているような気がする。
きっとこれはお店や会社等、全ての事業主がある時点で必ず突きつけられる普遍的な課題なのだろう。仕事をしていくって、本当にいろいろなことを考えさせられるなあと思う。
忙しくて写真を写す暇がなかったので、ちょっと前に撮った本日のプレート。

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October 02, 2013

ミースケと赤ちゃん

今日は娘が眼科に行きたいというので、私が謙心を預かることになった。出かける前に母乳をあげていったのだが、途中で泣き出したので、ミルクを作ったらゴクゴクと飲んだ。その後、しばらく目をあけて手足を動かしていたけれど、いつのまにかソファで眠ってしまった。
その間、私はお昼用に鮭のコロッケや炒り豆腐やお味噌汁を作った。帰りに持って帰れるようにコロッケは12個も作った。
娘が帰って来てからも謙心はずっと寝ていたので、コロッケを揚げて一緒にゆっくりお昼を食べた。
眼科で見てもらったら、産後、視力が0、5も下がってしまったと驚いていた。新しいコンタクトの処方を書いてもらったそうだ。産後はできる限り目を休めるようにと母にもよく言われたけれど、今の子たちは出産直後からケータイメールを書いている。多分、それがかなり産後の視力に影響しているのだろう。
食後、ぐっすり寝ている謙心の隣りにミースケを連れて行った。もう何度か会っているのだが、「なんだこれは?」と不思議そうに見ているだけで自分からは近寄ろうとはしない。謙心がちょっとでも動こうものなら、大慌てて逃げていく。
「赤ちゃん可愛いでしょう?ミースケも隣りでゴロンしない?」と言ったら、ほんの少しだけ横になった。まだミースケの方が謙心よりも大きいけれど、一緒にタオルをかけて寝ている姿、超カワイイ〜!!

ミースケの心境の変化、きっとこんな感じなんだろうな。
「この小さいのなんだろう?」と遠巻きに見る
「よく見ると私よりも小さいからもっと近くに行けるかも?」とまじまじ考える
「隣りに座っても大丈夫そうだわ」と座って目を細める
「ついでに隣りで寝ちゃおうかな〜」と横になる
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October 01, 2013

IKOR〜おおたか静流〜

9月に行ったおおたか静流さんのライブ以来、ずっと聴いているアルバムがある。「IKOR」(イコロ)。
IKORとはアイヌ語で「宝もの」という意味。誰の心の中にもある本当に大切なもの。
静流さんの心の中で長い間、温めてきた大切なメロディと詩。それを曲にして歌い、宝もののような思いを自分を産んでくれたお母さんと、全ての女性に捧げたい・・・そんな願いを込めて制作されたアルバムだ。
アイヌの文化研究者でありアイヌ初の国会議員になった萱野茂氏の著作の中からアイヌに伝わる古い諺と出会って感銘を受けた静流さん。
「カントロワ ヤクサクノ アランケプ シネプ カイサム」
〜天の国から役目無しに降ろされたものはひとつもない〜。
この言葉を知った時、なんて素敵な言葉なんだろうと思わず書き留めてしまった。そう。私たちは生まれてきた以上、誰にでもお役目というものがある。私も自分の人生の中でそのことはずっと意識して生きてきたような気がする。
この言葉が静流さんの中でずっと宝もののように存在していて、3.11以降、自分の心にあった思いを形にしようと、少しずつ曲を作り、完成するたびにレコーディングを重ねてきたという。10曲中9曲は静流さんのオリジナル。
ヴォーカリストとしてご自身の活動の中で伝えていきたい思いがひたひたと溢れてきたのだろう。静流さんのそんな気持ちがアルバム全体から静かに伝わってくる。
私は日本語の曲はあまり聴かない。本を読んだり、ぼーっとしたい時に歌詞が邪魔になることがあるからだ。でも不思議と静流さんの歌は日本語でもすーっと耳に入ってきて、空気のように溶け込んで邪魔にならないのだ。
だから本を読みながらでも心地よく聴ける。「IKOR」は透明な歌声が澄みわたるようにふわ〜っと広がって、聴いているととても満ち足りた気持ちになっていく。生まれてきたことの祝福と命への讃歌が根底に流れているからかもしれない。
宝箱のように素敵な紙のジャケット。レコード店では販売せずライブ会場や直販のみで販売している。その箱の中には曲に合わせた美しい写真付きの歌詞カードが10枚。
「たったひとりの女性に選ばれてこの星にたどりついたわたしたち。ちいさないのちを守りぬいた、すべてのお母さんに、心から感謝をこめて捧げます」という「たいじのうた〜Birth」は風楽でのライブでも歌って下さった。
「あたなにあいたい あなたにあいたい あなたは わたしのはじまりだから やさしさに つつまれて こころがつながる あしたは みらいへのとびらをあけるよ」。
赤ちゃんの立場からママに会える喜びと期待を歌った優しい曲だ。
コンサートの余韻に浸りながら、「IKOR」を毎日のように聴いていたら、いつのまにか秋が深まってきた。

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