Michael Jackson Live in Bucharest
この前、朝ヨガに行った時、マイちゃんといろいろな話をした。その時間がお互いにとって、その時、とても必要なことだったような気がする。マイちゃんとはヨガを教えてもらう先生と生徒の関係だが、心の深い所で繋がっているなあと折に触れて思う。
ヨガと料理。仕事の分野は違っても、目指しているものや大切にしたいと思うものが共通しているのだろう。ある時は私にとって、ある時はマイちゃんにとって、必要な言葉が相手という導管を通して天から降りてきているなあと感じることが多々ある。そういう人と一緒に過ごせるヨガタイムは私にとって至福の時間だ。
帰りがけになぜかマイちゃんがマイケル・ジャクソンのことを話した。あれだけ光のあたる場所にいた人だから、その分、闇の部分もきっと大きかったんじゃないかなと言って「見る度に私、号泣しちゃうの。よかったら見てみない?」と「Live in Bucharest 」 (92年)のDVDを貸してくれた。
正直なところマイケルジャクソンはヒット曲くらいしか知らないし、特別に興味のあるアーティストでもなかったので、DVDを楽しめるか疑問だったが、きっと何かあるのだろうなあと思って見せていただくことにした。
見ているうちにそのエンターティナーぶりに引き込まれて行った。会場では失神する人が続出。本当にすごいライブだった。そして終盤近くになって歌った「I'll Be there」ではマイケルの正直な気持ちが滲み出ていた。
人は僕に言う
男は誠実であるべきだと
足が立たない時にこそ歩くんだ
そして最後まで戦えと
でも僕もただの人間なんだ
みんなが僕を操ろうとする
まるで世界が
僕に役割を与えてでもいるかのように
僕はとっても混乱しています
示して下さいそこで見守って導いて下さると
エンターティナーとして光の中に君臨し、自分の意思を越えた所で歌い続けなければならなかったマイケルの哀しみが伝わってきた。
それでも「Heal The World」の中で「世界を治療しよう、よりよい場所にしよう 君と僕と そして全ての人類のために」と聴衆に語りかけるように歌う。この曲を作った1年後には「ヒールザワールド基金」を設立し、児童福祉のために基金を活用してきた(現在は別の団体)。
今まで何気なく聴き流してきた懐かしい「Heal The World」の歌詞を改めて読んでみると、マイケルは自分の命を削りながら音楽を通して、愛を持って世界を変えようとしていたのだなという気持ちが痛いほど伝わってきて、私も思わず泣いてしまった。
神さまから選ばれて、そういう役割を担う人は確かにいるのだなと思う。しみじみと心に残ったマイケルの歌。あまりにも生き急いでしまった彼の人生。幼い頃から歌い続け、富も名声もスターとしての地位も獲得し、完全燃焼してこの世を去ってしまった。
彼の行動に関しては様々な疑惑もささやかれ、今となっては真実はわからないけれど、少なくともこの曲を歌っている時のマイケルは世界に平和が訪れることを本気で祈っていたのだと信じたい。
お役目をまっとうし、最後には彼の願いが叶えられ、「優しく抱きかかえられ、一思いに連れていって」いただけたのだろう。
マイケルは歌う。
僕らが思い描いてきた夢が
やさしい顔で姿を現し
僕らがかつて信じた世界が
再び優雅に輝き出す
どうして僕らは生命を痛めつけ続けるのか
大地を傷つけることは魂の虐待に過ぎないのに
明らかなことさ
世界は神の愛で満ちあふれているんだ
僕らは空高くとぶ
永々の魂を手に入れよう
僕の心の中では君たちみんなが兄弟なんだ
恐れのない世界を築き
共に幸せの涙を流そう
世界の国々が剣を鍬に持ち換える様子を思い描こう
みんなきっと行けるさ
あらゆる生命に慈しみを持てば
ほんの小さな空間を見つけて
住みやすい場所にすれば
The comments to this entry are closed.
Comments