満月瞑想会
今日は「赤い月の満月」。満月が地球の影に隠れる皆既月食のためブラッド・ムーン(血の月)が見られると、ここ数日、話題になっていた。月食で月が地球の影に隠れても、地球の大気の層で屈折したわずかな太陽の光が月に届くので赤く見えるらしい。そう言われて見れば今夜の月は確かに少し赤かったような気もするけれど、満月が欠けている部分は私にはわからなかった。
そんなブラッド・ムーンの夜に行われた満月瞑想会。今回、大橋住職は新しい試みをしてくれた。空海の膨大な教えが説かれている「秘蔵記」の中から「四無量観」と「成就一切印明」という 2つの瞑想法が伝授されたのだ。
四無量心とは慈・悲・喜・捨の四つの心のことで、「慈」は相手の幸福を望む心、「悲」とは苦しみを取り除いてあげたいと思う心、「喜」とは相手の幸せを喜ぶ心、「捨」とは何ごとにも同様しない落ち着いた心を表す。結跏趺坐で座り、法界定印を組んで、これら四つの心を思い描きながら瞑想するのが四無量観。
さらに善悪や吉凶などまだ兆しのないことについての答えを求める瞑想が成就一切印明だ。これは阿字観を発展、応用させたもので、サンスクリット語の「阿」の文字(大日如来を表す)から如意宝珠を思い描きながら、印を組み阿息観を行っていく。
月輪観を毎回行いながら、来てくれた人たちにわかりやすく空海の教えを伝え、少しでも生きやすい世の中になってほしいという願いの元、住職は自ら学んできたことを惜しみなく話してくれる。内容が難しいので一度に全てを理解できないかもしれないが、一般の瞑想会では中々ここまで体験できないだろう。
今回もまたとてもいい瞑想会と交流会の場になった。皆さん、ここに集まることをとても楽しみにして下さり、それぞれの心の拠り所にもなっているようだ。心を見つめることで自分を理解し、この生きにくい世の中にあっても、いかに自分自身を保ち、平穏に生きていくことができるか・・・仏教の教えにはそのヒントがたくさん詰まっている。
前半は仏教談義と瞑想の実践、後半は食べものを持ち寄って皆さんとの交流会。満月瞑想会の場から生まれる素敵な輪がまた一つ深まっていったような気がする。
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